JPH07115970B2 - ポーラスカーボン材の製造方法 - Google Patents

ポーラスカーボン材の製造方法

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JPH07115970B2
JPH07115970B2 JP32172989A JP32172989A JPH07115970B2 JP H07115970 B2 JPH07115970 B2 JP H07115970B2 JP 32172989 A JP32172989 A JP 32172989A JP 32172989 A JP32172989 A JP 32172989A JP H07115970 B2 JPH07115970 B2 JP H07115970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、良好な気孔性状と高強度特性を備えるガラス
状炭素質のポーラスカーボン材を製造する方法に関す
る。
〔従来の技術〕
軽量、導電性、耐熱性および耐食性などに優れた特性を
示すポーラスカーボン材は、工業用のフィルター、電池
用電極、吸着材等の用途分野に極めて有用である。
従来、ポーラスカーボン材の製造技術としては、粒度を
揃えたコークス粉をタールピッチのような炭化性バイン
ダーとともに捏合したのち粉砕、成形および焼成炭化処
理する手段が典型的方法とされているが、均質かつ安定
な気孔構造を付与するための条件設定が難しい関係で、
量産性に乏しいうえに材質強度が低い欠点がある。
この点、炭素繊維をパルプおよびバインダーと共に抄紙
して得られる炭素繊維混合シートに熱硬化性樹脂液を含
浸させたのち焼成炭化処理する方法(特開昭50−25808
号公報)は、炭素繊維が補強骨格を形成するうえ熱硬化
性樹脂がガラス状炭素に転化するため、効果的に材料強
度が向上する。ところが、この方法においては嵩密度、
気孔径、気孔率などの制御に難点があり、また高価な炭
素繊維を原料とする関係で製造原価が高騰化する問題点
がある。
このため、炭素繊維に代えて炭素繊維製造用の有機繊維
を用い、これにパルプ、炭素質粉末などを配合して抄紙
したシートに有機高分子物質あるいは炭素質粉末を懸濁
した有機高分子物質を含浸したのち焼成処理する方法
(特開昭61−236664号公報、同61−236665号公報)が提
案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記の炭素繊維製造用有機繊維を原料成
分とする方法では、組織内に局部的に閉塞された空隙部
分が多く形成され、均質かつ制御された気孔構造を得る
ことに困難性がある。
本発明は、これら従来技術の問題点を解消するためにな
されたもので、良好な気孔性状と高強度特性を兼備する
ガラス状炭素質のポーラスカーボン材を収率よく得る製
造方法の提供を目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明によるポーラスカー
ボン材の製造方法は、α−セルロースを主成分とする熱
揮散性物質を抄紙してシート化する工程(シート化工
程)と、シートに残炭率40重量%以上の熱硬化性樹脂溶
液を含浸する工程(含浸工程)と、含浸処理後のシート
を50〜150℃の温度で半硬化する工程(半硬化工程)
と、半硬化シートを積層して全面を均一に加熱しながら
シート厚さが70〜20%になるように圧縮する工程(圧縮
工程)と、圧縮シートを非酸化性雰囲気下で800℃以上
の温度により焼成炭化する工程(炭化工程)からなるこ
とを構成上の特徴とするものである。
各工程の詳細について以下に説明する。
(1)シート化工程 α−セルロースを主成分とする熱揮散性物質はシート化
工程における成形原料になるもので、通常、α−セルロ
ース分90%以上を含むレーヨンパルプ、あるいはこれに
適宜なバインダー成分を混合した材料が好適に使用され
る。この際、α−セルロースは抄紙成形性に点から太さ
3〜10デニール、長さ5〜10mmの性状を選択することが
望ましい。バインダー成分としては、例えばアカマツ、
エゾマツ、トドマス、モミ、ツガ、カラマツ等の針葉樹
系パルプを用いることが好ましい。
このようなα−セルロースを主成分とする熱揮散性物質
は、水に均一分散させたのち抄紙手段によってシートに
形成する。形成するシートは、抄紙条件を制御して介在
する平均気孔径が50〜150μmになる組織性状に調製す
ることが最終気孔分布の均質化に望ましい条件となる。
(2)含浸工程 抄造成形したシートは、十分に乾燥したのち残炭率40重
量%以上の熱硬化性樹脂溶液で含浸処理する。
熱硬化性樹脂の残炭率とは、樹脂を非酸化性雰囲気中で
800℃の温度に焼成したときに残留する炭素分の重量を
指し、この残炭率が40重量%を下廻る場合には、得られ
るポーラスカーボン材の強度を実用水準まで向上させる
ことが極めて困難となる。40重量%以上の残炭率を有す
る熱硬化性樹脂の例としては、フェノール系樹脂、フラ
ン系樹脂、ジビニルベンゼン等が挙げられ、いずれも本
発明の目的に有効に使用される。これら熱硬化性樹脂は
好ましくは初期縮合物の状態で適宜な有機溶媒に溶解し
て溶液化するが、この溶液化には例えばアセトン、エタ
ノールのような低粘度で浸透性が高く、容易に熱揮散す
る性質の有機溶媒を選定使用することが良好である。溶
液の樹脂濃度は、5重量%未満であると強度特性が減退
し、他方、40重量%を越すと粘度が増大して含浸性を損
ねるうえ気孔の閉塞を生じて気孔径および気孔率の調整
が困難となる。したがって、5〜40重量%範囲の樹脂濃
度に設定することが好適である。
含浸処理は、シートを熱硬化性樹脂溶液に浸漬するか、
熱硬化性樹脂溶液をシートに塗布またはスプレーする方
法によっておこなわれる。
(3)半硬化工程 含浸処理を施したシートは、ついで50〜150℃の温度範
囲で半硬化する。この工程は、シート中の揮発成分を円
滑に除去すると共に含浸樹脂を熱揮散性物質に強固に保
持させて、圧縮硬化時における樹脂の洩出に伴う気孔の
閉塞を阻止し、さらに積層圧縮過程の接着性を確保する
といった作用をもたせるための工程である。半硬化処理
の温度を50〜150℃に設定した理由は、これが50℃未満
であると揮発成分の除去が不十分となって樹脂が半硬化
状態にならず、150℃を上廻ると気孔の閉塞、接着性の
減退等の結果を招くからである。
(4)圧縮工程 圧縮工程は、半硬化シートを所要枚数に積層して全面を
加熱しながらシート厚さが70〜20%の範囲内まで薄くな
る比率に圧縮化するプロセスである。積層シートの全面
を加熱しながら圧縮するには、積層シートを均熱平面加
熱盤に敷いて上部から平面盤で圧縮処理する方法が採ら
れる。この場合の圧縮率を70〜20%にする理由は、20%
を下廻るような高圧縮率になると組織が緻密化して気孔
率が大幅に低下し、また70%を上廻る程度の低圧縮率で
は実用的な強度性能が得られ難いためである。
この処理工程によってシート平面内の硬化状態が均一と
なり、硬化ムラに伴う焼成時収縮変動による破損、反り
等の欠陥は効果的に消去される。
(5)炭化工程 圧縮処理で一体に積層硬化成形された圧縮シートは、非
酸化性雰囲気中で800℃以上の温度により焼成し、熱揮
散性の成分を揮散させると共に熱硬化性樹脂成分を炭化
してガラス炭素に転化させる。この炭化工程は、圧縮シ
ートを平滑表面を有する黒鉛板で挟み込んだ形態でおこ
なうと反りなどの変形を防止する効果がある。
〔作 用〕
本発明によれば、シート化工程での熱揮散性物質による
均質気孔組織シートの形成、含浸工程におけるガラス状
炭素質に転化する熱硬化性樹脂の組織浸透、半硬化工程
の揮発分の円滑除去、含浸樹脂の固定化ならびに接着性
の確保、圧縮工程における均一なシート面の硬化、そし
て炭化工程による熱揮散性物質の揮散と熱硬化性樹脂の
ガラス状炭素への転化、からなる一連の作用が相互に機
能し合って、常に材質欠陥のない高品質のポーラスカー
ボン材を収率よく得ることを可能にする。
特にα−セルロースを主成分とする熱揮散性物質は、炭
化工程で大部分が円滑に揮散して均一な気孔形成に寄与
するが、同時にその一部は炭化残留して組織骨格を形成
する。熱硬化性樹脂の炭化により生成するガラス状炭素
は、前記の組織骨格に固着する状態で分布して均一微細
な通気性気孔と強度特性に優れるポーラスカーボン構造
を形成する。
なお、気孔径、気孔率、気孔分布等の組織構造は、熱揮
散性物質の繊維性状と抄造条件、熱硬化性樹脂溶液の濃
度などを調整することによって適宜に制御することがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
実施例1〜3、比較例1〜4 (1)シート化工程 太さ5デニール、長さ25mmのレーヨンパルプ〔大和紡績
(株)製〕80重量部と晒し針葉樹パルプ(NBKP)20重量
部を水に撹拌混合して均質に分散させたのち、長網式抄
紙機を用いて抄造、乾燥し、厚さ0.23mm、平均気孔径11
0μmのシートに形成した。
(2)含浸工程 乾燥シートを、残炭率45%のフェノール樹脂〔住友デュ
レズ(株)製、“スミライトレジン PR940"〕を20重量
%の濃度でアセトンに溶解して溶液中に浸漬してシート
組織内部に樹脂溶液を十分に含浸させた。
(3)半硬化工程 含浸処理後のシートを、大気中で80℃の温度域に保持し
て、含浸樹脂を半硬化した。
(4)圧縮工程 半硬化シートを一辺800mmの正方形に裁断し、14枚積層
して120℃に調整された均熱平面加熱盤の上に敷き、平
面盤で上部から圧縮して樹脂成分を完全に硬化した。こ
の圧縮処理により圧縮率5〜75%範囲の4水準の試片を
作製した。
(5)炭化工程 圧縮シートを平滑表面を有する黒鉛板に挟み付けた状態
で電気焼成炉に移し、周囲をコークスパッキング材で被
包し1000℃の温度で焼成炭化処理を施した。
(6)品質および収率評価 このようにして製造された各ポーラスカーボン材につい
て各種特性を測定し、結果を製造条件と対比させて表1
に示した。
表1の結果から、本発明の実施例においては良好な多孔
性状と強度特性を備えるポーラスカーボン材を100%の
収率で製造されることが認められる。これに対し、半硬
化工程を径ないで製造した比較例1では気孔性状、強度
特性ともに低下し、均一加熱をしないで圧縮処理した比
較例2においては材質に破損、反り等が多発し、製品収
率が激減した。また、圧縮率が本発明の要件をは外れる
比較例3、4では、良好な気孔性状と強度特性を両立さ
せることはできなかった。
〔発明の効果〕 以上のとおり、本発明によれば良好な多孔性状と高強度
特性を兼備するポーラスカーボン材を収率よく製造する
ことができる。したがって、燃料電池、二次電池等の部
材、耐熱耐食性が要求される断熱材、フィルターなどの
用途に極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−セルロースを主成分とする熱揮散性物
    質を抄紙してシート化する工程と、シートに残炭率40重
    量%以上の熱硬化性樹脂溶液を含浸する工程と、含浸処
    理後のシートを50〜150℃の温度で半硬化する工程と、
    半硬化シートを積層して全面を均一加熱しながらシート
    厚さが70〜20%になるように圧縮する工程と、圧縮シー
    トを非酸化性雰囲気下で800℃以上の温度により焼成炭
    化する工程からなることを特徴とするポーラスカーボン
    材の製造方法。
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