JP2632955B2 - 多孔質炭素板の製造法 - Google Patents

多孔質炭素板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は燃料電池の電極、過材、断熱材などに使用
される炭素板の製造法に関する。
従来の技術 燃料電池の電極等に使用される多孔質炭素板としては
ピッチ短維持を抄造してシートとし、不融化、炭化する
方法(特開昭50−121505)、有機繊維とパルプの混合物
からシートをつくり、これにポリマーを含浸し、炭化す
る方法(米国特許4619796)がある。
その他ポリアクリロニトリル(PANという)系繊維の
フィラメントを不融化処理した後切断し、その短繊維で
シートを形成し、これを炭化するがその際シートに接合
剤を加える方法(米国特許406427)、結合材なしの方法
(米国特許4080413)がある。
発明が解決しようとする課題 ピッチ短繊維のシートを炭化する方法は、ピッチ系炭
素繊維がPAN系炭素繊維に較べて弱く、また短繊維のシ
ートであるため不融化工程で張力をかけられず、そのた
めにも強度の高い炭素繊維とならない。さらにシートに
はグリコール等の添加材を用いているが、ピッチや熱硬
化性樹脂を添加していないので、炭素材の曲げ強度等が
低い。
有機繊維とパルプの混合シートの上記方法も不融化工
程での張力がないので炭化後の繊維の強度が弱い。
PAN系繊維のフィラメントを不融化処理して切断し、
その短繊維を用いてシートにする方法は、不融化工程で
張力をかけることは可能であるが、各フィラメントが互
いに融着することなく不融化されるので、フィラメント
同志の接点における融着結合がなく、そのため炭素板に
おける繊維の強化作用が十分でない。
本発明の目的は繊維強化の多孔質炭素板において、繊
維の強度を大きくし、かつ繊維と結合材の濡れ性をよく
して多孔質炭素板の強度,電気伝動性の向上を図ること
にある。
課題を解決するための手段 PAN系繊維の織布又は不織布を張力下で不融化処理す
れば、得られる炭素繊維の強度が上るばかりでなく、フ
ィラメントが交差する点では不融化工程で融着が起り、
結合する。そのための繊維の絡みあった状態での結合が
良好となる。また不融化繊維はピッチ等の有機結合材と
の濡れ性がよいので、炭化後の繊維と結合材の炭化物の
結着性がよい。
本発明はこれらの知見の基づいてなされたもので、そ
の要旨はPAN系繊維の織布又は不織布を張力下で不融化
処理し、これにピッチ等の有機結合材を含浸し、非酸化
性雰囲気下で炭化することからなる多孔質炭素板の製造
法である。
PAN系繊維は通常炭素繊維の製造に用いられるPANある
いはPANと他の有機化合物との共重合体が使用できる。
織布の織り方は特に限定はなく平織り等公知のものすべ
て使用できる。本発明では織布の外に不織布を用いるこ
とができるが、不融化工程で張力をかけるので、用いら
れる繊維はある程度以上の長いものが必要である。
織布又は不織布の厚さは圧過ぎると内部までの不融化
がむずかしく、また有機結合材の均一な含浸にも支障を
来たすので、1mm以下程度の厚みにし、これを積層し、
あるいは有機結合材の含浸後積層することが好ましい。
不融化は空気等の酸化性雰囲気下で加熱して行なう。
その条件はPANフィラメントから炭素繊維をつくるとき
の不融化と同様であり、例えば180〜250℃程度である。
この際に張力をかけることも知られている。織布又は不
織布に張力をかける場合、直交する2方向にかけるのが
望ましいが、連続工程で不融化する場合は、2方向張力
はむずかしいので、織布又は不織布を送り出す方向に引
張力を与える一方向でもよい。張力の大きさは公知のフ
ィラメントの不融化における張力に相当するものでよ
い。
不融化した織布又は不織布は次に有機結合材を含浸す
る。この際目的とする炭素板の厚みに応じて積層してか
ら含浸してもよい。積層しても有機結合材の含浸には特
に支障はない。また含浸後の織布又は不織布を積層する
こともできる。
有機結合材の含浸は不融化した織布又は不織布を容器
内で先ず真空下に置き、これに液状にした有機結合材を
注ぎ、次いで加圧するのが望ましい。
有機結合材の種類はピッチ、熱硬化性樹脂、熱可塑性
樹脂等が使用できる。熱硬化性樹脂としてはフェノール
樹脂、フラン樹脂等であり、熱可塑性樹脂はタール、ピ
ッチ、石油樹脂等が例示できる。
これらの結合材は目的とする多孔質炭素板によって選
択され、例えば、燃料電池の電極としては電気電導性が
高いことが要求されるので、樹脂系よりはピッチが望ま
しい。気孔率の高い炭素板を得るには炭化率の低い熱可
塑性樹脂でもよいが、ピッチや熱硬化性樹脂を少なくし
て用いることもできる。
有機結合材の量は目的とする炭素板、その気孔率によ
って異なるが、燃料電池の電極には含浸後の総量中ピッ
チが20〜40%(重量%、以下同じ)が好ましい。しかし
一般的には有機結合材は最低10%位から最高は織布又は
不織布の気孔を殆んど充填する量まで可能である。この
量は通常のPAN不融化の織布又は不織布では約100%であ
る。
有機結合材の含有量は含浸後に織布又は不織布も圧搾
し、余分の結合材を排出することによっても調節でき
る。
含浸後、熱硬化性樹脂の場合は200℃位迄に加熱して
樹脂を硬化し、その後に炭化することが好ましい。
炭化は非酸化性雰囲気で一般的には1000℃以上で行
う。また必要により2500℃以上にして黒鉛化することも
できる。焼成は炭素板の反りを防ぐため、例えば黒鉛板
の間に挟んで行なうのが、この際圧力をかけると緻密に
なり易いので、なるべく圧力がかからないようにする。
作用及び効果 本発明ではPAN織布又は不織布を不融化するので、繊
維が交差する点では融着し、結合する。そのために炭化
後の炭素板の炭素繊維による強化作用が大きくなる。ま
たPANを用い、張力下で不融化しているので炭素板の中
での炭素繊維の強度が他の繊維に較べて大となる。不融
化繊維は結合材との濡れ性がよく、繊維と結合材の炭化
物との結合性がよい。また不融化繊維はその後の炭化工
程で揮発分を放出し、収縮しながら炭素繊維となる。こ
の収縮も炭素板の強化作用に寄与する。
PAN系の繊維は一般にセルロース系の繊維に較べて太
いので、これを用いた多孔質炭素板の気孔が大きくな
る。燃料電池の電極の気孔としてはPAN系樹脂を用いた
ものが適合する。
本発明の炭素板は多孔質の割には強度が大きく、また
電気伝導性もよい。この炭素板の気孔径及び気孔率は、
製造条件によっても変るが、一般的な範囲で示せば、気
孔径5〜100μm、気孔率40〜80%であり、また曲げ強
度は100〜300kg/cm2、電気抵抗0.001〜0.03Ωcmであ
る。不融化工程の張力が一方向の場合、張力の方向の強
度、電気伝導性は高くなるが、多くは織布又は不織布を
積層されるので、その際張力の方向を互い違いになるよ
うに積層することにより、殆んど異方性のない炭素板と
なる。前記の特性値はこの場合のものを示す。
実 施 例 PAN繊維(直径約10μm)の織布(厚さ0.5mm)を空気
中220℃で20分間不融化処理した。織布は幅40cm、長さ4
0cmで長さ方向に、0.5kgの張力をかけて不融化した。
不融化後の織布から300mm角に切り出し、その15枚を
交互に張力の方向が直角になるように積層した。この積
層体を2枚のステンレス板に殆んど圧力のかからない状
態で挟持し、ステンレス板の4隅をボルトで固定した。
これを200℃の熱風で予熱し、ピッチ充填相に入れ、槽
内を真空脱気し、次いで200℃の液状ピッチを注ぎ、さ
らにN2ガスを導入して5kg/cm2で加圧した。なおこのピ
ッチの軟化点は90℃である。含浸後の不織布はステンレ
ス板に挾持したままN2ガス雰囲気化、72時間で600℃に
上げて炭化した。炭化物をステンレス板から外し、黒鉛
化炉で72時間で2500℃まで加熱し、黒鉛化した。得られ
た多孔質黒鉛板は250mm角、厚さ3mmであった。
比 較 例 特開昭50−121505の第4表のデータの1部及び米国特
許4619796の表2のデータの一部を夫々比較例1及び比
較例2として表1に示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアクリロニトリル系繊維の織布又は不
    織布を張力下で不融化処理し、これに有機結合材を含浸
    し、非酸化雰囲気下で炭化することを特徴とする多孔質
    炭素板の製造法。
  2. 【請求項2】第1項の有機結合材を含浸後、積層し、非
    酸化性雰囲気下で炭化することを特徴とする多孔質炭素
    板の製造法。
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