JPH07115936B2 - 窒化ケイ素焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素焼結体の製造方法

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JPH07115936B2
JPH07115936B2 JP61297536A JP29753686A JPH07115936B2 JP H07115936 B2 JPH07115936 B2 JP H07115936B2 JP 61297536 A JP61297536 A JP 61297536A JP 29753686 A JP29753686 A JP 29753686A JP H07115936 B2 JPH07115936 B2 JP H07115936B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐熱性に優れた窒化けい素焼結体、更に詳しく
は、α・Si3N4を含有する高温強度特性の優れた窒化け
い素焼結体の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 窒化けい素は金属に比べて耐熱性に優れているために、
高温構造部材に適している。また、この窒化けい素焼結
体を製造する場合には窒化けい素自身が共有結合性が大
きく、しかも難焼結性物質であるため、Al2O3や基土類
酸化物等の各種酸化物を単独もしくは数種類組合せて添
加し、緻密な焼結体を得ることが知られている(特公昭
48−7486号公報、特公昭49−21091号公報)。又、なる
べくα・Si3N4の割合の多い窒化けい素粉末を用いるこ
とで、高温焼結時にまわりの焼結助剤の影響をうけて、
窒化けい素はα・Si3N4からβ・Si3N4へ転移し、この転
移により緻密化及び柱状晶の形成が生じ、柱状晶のから
み合つた高強度の焼結体が得られると考えられている。
しかし、焼結助剤に酸化物を使用した場合、酸化物は窒
化けい素の緻密化・柱状晶形成に寄与した後粒界相を形
成し、高温状態で粒界相の軟化が生じ、高温での機械的
特性を悪化させてしまう欠点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者は、高温強度に優れ、ガスタービンやデイーゼ
ルのエンジン部材に好適な窒化けい素焼結体を得ること
を目的として種々検討した結果、かかる目的を達成する
ためには、窒化けい素の結晶組織を制御して焼結体を緻
密化すると共にα・Si3N4を含有せしめればよいことを
見い出し本発明を完成した。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明は、比表面積5〜12m2/g、α・Si3N4
の割合が90重量%以上、固溶酸素含有量1.5重量%以下
の窒化けい素粉末100重量部と、MgO0.1〜5重量部と、A
l2O3,SiO2及びIII a族元素酸化物から選ばれた1種以上
0.1〜10重量部の混合粉末を成形した後、常圧の非酸化
性雰囲気下1,450〜1,800℃の温度でα・Si3N4が30重量
%以下(0は含まず)残存する時間焼結することを特徴
とする窒化けい素焼結体の製造方法である。
以下、更に詳しく本発明を説明する。
まず、本発明の窒化けい素焼結体の製造方法によって製
造される窒化けい素焼結体(以下焼結体という)につい
て述べる。従来、焼結によりα・Si3N4をすべてβ・Si3
N4へ転移させ、緻密で柱状晶のからみ合つた高強度焼結
体を得ていたが、この焼結体はその粒界に高温状態で機
械的特性を低下させる粒界相が生成するために、高温強
度特性の改善には、更に粒界相を減らす、融点の低い化
合物の生成を防ぐ、粒界相をガラス相から結晶相に変え
る、等多くの改良が必要であつた。
本発明の製造方法によって得られた焼結体は、α・Si3N
4からβ・Si3N4への転移を極力押さえて緻密化させるこ
とを特徴とし、柱状晶のからみあつた結晶構造が認めら
れないものの、高温強度特性に優れた焼結体である。こ
れを図面で説明すると、第1図は本発明の製造方法によ
って得られた焼結体の、また、第2図は従来の焼結方法
で得られた焼結体の結晶構造を示す倍率5000倍のSEM
(走査型電子顕微鏡)写真であるが、第2図では結晶粒
が大きく柱状晶が多く認められているのに対し、第1図
では粒成長および柱状晶の発達はさほど認められないも
のである。
窒化けい素焼結体のα・Si3N4の分析法は、窒化けい素
粉末のα・Si3N4の割合の分析方法と同じである。すな
わち、X線回折により測定される α・Si3N4の(102)面,(210)面とβ・Si3N4の(10
1)面,(210)面の各回折ピークの高さの比から求め
る。X線回折図の一例を第3図(実施例1)と第4図
(比較例1)に示す。
本発明においては、α・Si3N4は30重量%以下(0は含
まず)で含んでいることが必要であり、30重量%をこえ
ると極端に焼結体の緻密性が低下し、高温強度が小さく
なる。α・Si3N4含有量が30重量%以下であれば、その
量の差による高温強度特性の違いがほとんど認められな
い。
また、本発明の製造方法によって得られた焼結体の相対
密度(理論密度に対する絶対値)は95%以上となり、例
えばガスタービンやディーゼル等のエンジン部材に要求
される1200℃における熱間強度800MPa以上のものが得ら
れる。このように、本発明によって製造された焼結体が
高温強度に優れる理由は定かではないが、焼結助剤成分
が焼結体全体に均一に分布していることに加えて、微量
の酸素がα・Si3N4に固溶するので従来のように顕著な
粒界相がないことによるものと考えている。
以上のような焼結体は、厳選された窒化けい素粉末を原
料とし、これに焼結助剤としてMgOと、Al2O3,SiO及びII
I a族元素酸化物から選ばれた1種以上とを併用し、常
圧の非酸化性雰囲気下において適切な温度と時間で焼結
することによって製造することができる。以下、本発明
の製造方法について説明する。
α・Si3N4からβ・Si3N4への転移は、高温で、しかもα
・Si3N4粒子の周囲に液相やβ・Si3N4粒子が存在する場
合に進行するので、α・Si3N4からβ・Si3N4への転移を
極力押さえるためには、原料窒化けい素粉末としては、
比表面積5〜12m2/g、α・Si3N4の割合が90重量%以
上、固溶酸素含有量1.5重量%以下の条件が必要であ
る。
粉末の比表面積が12m2/gを超えると、窒化けい素分子と
周囲液相との接触が多くなり、α・Si3N4からβ・Si3N4
への転移が促進されるので好ましくない。一方、比表面
積が5m2/g未満では焼結性が悪くなる。
また、窒化けい素粉末に含まれる固溶酸素が1.5重量%
をこえるとα・Si3N4からβ・Si3N4への転移が進行し高
温強度に優れた焼結体を製造することができない。ここ
で固溶酸素とは、本質的には、その存在によりSi2ON2
造やSi3N4粒子表面に不可避的に存在するSi酸化物構造
となる酸素ではなく、あくまでもSi3N4粒子内部に固溶
された酸素のことであり、例えば次のようにして測定さ
れる酸素である。すなわち、100mlのビーカーに、ふつ
酸水溶液(HF分:5重量%)50mlと・Si3N4粉末1gを入
れ、室温で20分間撹拌(マグネチツクスターラーの回転
数:300〜600rpm)した真空濾過し、得られた固形物を温
度100〜150℃の乾燥器で2時間乾燥した後その酸素量を
分析計、例えばLECO社製O/N同時分析計「TC−136型」に
より定量する。なお、上記したマグネチツクスターラー
の回転数と乾燥温度の条件範囲内であれば、固溶酸素量
の測定値には大きな変化はない。
また、窒化けい素粉末のα・Si3N4の割合が90重量%未
満では、α・Si3N4からβ・Si3N4への転移が促進され、
焼結体にα・Si3N4が残りにくくなる。好ましいα・Si3
N4の割合は95重量%以上である。
次に焼結助剤について説明する。本発明においては、Mg
Oと、Al2O3,SiO2及びIII a族元素酸化物から選ばれた1
種以上とを併用する。
MgOの添加量は、前記窒化けい素粉末100重量部に対して
0.1〜5重量部である。0.1重量部未満では緻密化が不充
分であり、また、5重量部を超えると高温強度特性が低
下する。MgOを添加すると、1,500℃付近の焼結温度で焼
結体からMgO結晶のX線回折ピークが消滅する。この現
象は、MgO結晶が1,500℃付近から一部液相となつたため
と考えられ、それが焼結体の緻密化に寄与している、す
なわち、低温焼結が可能となり、α・Si3N4からβ・Si3
N4への転移が抑制されて緻密化が進行したものと考えて
いる。
MgO以外の焼結助剤を用いると、焼結体の緻密化は生じ
るが、MgOを用いる場合に比べて焼結に高温かつ長時間
を要し、焼結体にα・Si3N4を残存させることが難しく
なる。
しかし、以上のMgO単独添加では、緻密化が充分でない
ため、本発明では、Al2O3,SiO2及びIII a族元素酸化物
から選ばれた1種以上を0.1〜10重量部添加する。0.1重
量部未満では緻密化の改善効果は小さく、また、10重量
部を超えると高温強度特性が低下する。III a族元素と
しては、Y,Ce,Nd等をあげることができる。MgOとAl2O3
又はSiO2とを別々に添加するかわりに両者の化合物、例
えばMgAl2O4,Mg2SiO4等を添加することも本発明の範囲
に含まれる。MgOと、Al2O3,SiO2及びIII a族元素酸化物
から選ばれた1種以上は、両者の合結として5〜15重量
部添加するのが好適である。
次いで、上記の窒化けい素粉末と焼結助剤との混合物を
成形し非酸化性雰囲気下1,450〜1,800℃の温度で、か
つ、α・Si3N4が30重量%以下(0は含まず)残存する
時間で焼結する。焼結温度が1,450℃未満では緻密化不
十分であり、また、1,800℃を超えると緻密化は進むが
窒化けい素粉末はすべてβ・Si3N4に転移してしまうの
で高温強度が低下する。1,450℃と1,800℃との間でも低
温側では長時間の焼結により緻密化し、かつα・Si3N4
が残るが、高温側では短時間にしないとα・Si3N4が残
らない。従つて、焼結温度を上げる場合には焼結時間を
短かくする必要がある。本発明で採用される焼結方法は
常圧焼結であり、それによって窒化けい素焼結体の複雑
形状品、大型品を製造できるという利点がある。
(実施例) 次に、実施例及び比較例をあげてさらに具体的に本発明
を説明する。
実施例1〜5,比較例1〜8 第1表に示す原料窒化けい素粉末100重量部、MgO3.3重
量部、Al2O32.2重量部及びY2O35.6重量部に1,1,1−トリ
クロルエタンを加えボールミルで4時間湿式混合し、乾
燥後、100kg/cm2の成形圧で6×10×60mmの形状に金型
成形後2,000kg/cm2の成形圧でCIP成形した。この成形体
をカーボンルツボにセツトし、第2表に示す条件で焼結
した。焼結は窒素雰囲気下の常圧焼結である。
以上のようにして得られた焼結体について、JIS R2205
に準拠した相対密度、X線回折図により、α・Si3N4
(102)面、(210)面,β・Si3N4の(101)面,(21
0)面の回折ピーク強度比 〔α(102)+α(210)/α(102)+α(210) +β(101)+β(210)〕 から算出したα率、及びJIS R1601に準拠した温度1,200
℃における3点曲げ強度を測定した。
それらの結果を第2表に示す。
第2表から、本発明に係る窒化けい素粉末A,B及びCを
用い、しかもα・Si3N430%以下に残存させるように焼
結したものは、相対密度が95%以上で、かつ、800MPa以
上の高温強度をもち、特にA粉末が最良結果をもたらす
ことがわかる。
なお、実施例1と比較例1の焼結体について、SEM写真
(倍率5000倍)を第1図と第2図に、X線回折を第3図
と第4図に示した。
実施例6〜12 比較例9〜17 窒化けい素粉末Aを用い、第3表に示す条件で焼結体を
製造した。第3表から、本発明の実施例は比較例に比べ
て高温強度に優れていることがわかる。なお、実施例7,
8及び比較例15はHIP焼結である。
(発明の効果) 本発明によれば、1,200℃における熱間強度が800MPa以
上を有する窒化けい素焼結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1、第2図は比較例1によつて得られた
窒化けい素焼結体の結晶構造を示すSEM(走査型電子顕
微鏡)写真である。第3図及び第4図は、それぞれ実施
例1及び比較例1によつて得られた窒化けい素焼結体の
X線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 102 C 102 D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積5〜12m2/g、α・Si3N4の割合が9
    0重量%以上、固溶酸素含有量1.5重量%以下の窒化けい
    素粉末100重量部と、MgO0.1〜5重量部と、Al2O3,SiO2
    及びIIIa族元素酸化物から選ばれた1種以上0.1〜10重
    量部の混合粉末を成形した後、常圧の非酸化性雰囲気下
    1,450〜1,800℃の温度でα・Si3N4が30重量%以下(0
    は含まず)残存する時間焼結することを特徴とする窒化
    けい素焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】窒化けい素粉末のα・Si3N4の割合が95重
    量%以上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の窒化けい素焼結体の製造方法。
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