JPH07114971B2 - 竪軸型精穀機における加湿装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、穀粒に水分を添加して超光沢の精品に加工処
理する竪軸型精穀機における加湿装置に関する。

〔従来の技術〕

加湿精穀機は、穀粒に適度の加湿を施して精白室内で精
白し、加湿によって軟質化した穀粒面を平滑面に摩擦琢
磨して超光沢を帯びた精品に仕上げる装置である。それ
を第２図により説明する。

符号44は加湿精穀機であり、多孔壁除糠精白筒45の内部
に精白転子46を軸架した精白室47に水分添加装置48を連
絡する。供給タンク49から供給口50を経て精白室47に供
給された米粒に、水分添加装置48から管軸51、通風口52
及び噴風溝53を経て水分が供給される。水分添加により
米粒表面は湿潤軟質化され、直ちに精白転子46の攪拌作
用により米粒薄層が剥離される。剥離された糠と水分は
多孔壁除糠精白筒45の通孔から除糠室54を経て排風機55
により吸引・圧送されて機外へ排出される。精白転子46
の琢磨作用と排風機の吸風による乾燥作用とにより米粒
粒面が滑面光沢米に加工され、そして、光沢米に加工さ
れた米粒は排出口56から機外へ排出される。

しかし、上記のような従来の加湿精穀機においては、自
重により米粒が精白室の下半部に偏流し、米粒密度が増
大して圧力が大となり、逆に精白室の上半部では米粒密
度が低下し圧力が小となる。そのため、精白室の下半部
では米粒に対する搗精が進みすぎると共に加湿作用が不
十分であり、また精白室の上半分では搗精が進まないと
共に過加湿でムラ加湿となり、完全な光沢米に加工する
ことができないという問題点があった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この発明は上記のような問題点を解消し、精白室におけ
る穀粒の偏流を防止してムラ加湿をなくし、完全な光沢
の精品に加工することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、この発明は次のような構成
とする。

立設した多孔壁除糠精白筒内に回転自在に設けた中空状
の竪軸に摩擦精穀転子を軸装し、多孔壁除糠精白筒と摩
擦精穀転子とを主要部とする精穀室の下部を穀粒供給部
に、上部を穀粒排出部にそれぞれ連絡し、該穀粒供給部
に穀粒を強制供給する搬送機を設けてなる竪軸型精穀機
となし、前記精白室下部の穀粒に加湿するための給水管
を前記竪軸内に臨ませせる。そして前記竪軸の中空部と
送風装置の吐出部とを送風管により連結するとよい。

〔作 用〕

強制的に穀粒供給部より精穀室に供給された穀粒は精穀
室内に揚送され、竪軸内に臨ませた給水管から供給され
る水により、搗精初期段階において水分の添加を施さ
れ、穀粒表面が湿潤軟質化されると同時に、摩擦精穀転
子の攪拌作用により穀粒の薄層が剥離される。剥離され
た糠と水分は多孔壁除糠精白筒から排出される一方、穀
粒排出部に向けて流動中の米粒は、穀粒相互の摩擦琢磨
作用により光沢の精品に加工され、光沢の精品に加工さ
れた米粒は穀粒排出部を経て機外へ排出される。

また、給水管により竪軸の底部に供給される水は、送風
とともに霧状に精穀室の始端部に供給され、精穀作用の
初期段階において水分添加される。

〔実施例〕

この発明の実施例を図面を参照しながら説明する。第１
図は竪軸型加湿精穀機の側断面図である。

符号１は竪軸型加湿精穀機であり、立設した多孔壁除糠
精白筒２内に回転自在に設けた中空上の主軸３の底部に
螺旋転子４を、上部に攪拌突起５を設けた摩擦精穀転子
６をそれぞれ軸装する。多孔壁除糠精白筒２と摩擦精穀
転子とを主要部とする精穀室７の下部を穀粒供給部８
に、上部を穀粒排出部９にそれぞれ連絡する。主電動機
10のモータープーリー11と主軸３のプーリー12とをＶベ
ルト13により連結する。

穀粒排出部９には、穀粒排出部９から吐出する穀粒を規
制する自動抵抗調節装置14に連結した抵抗板15を設け
る。抵抗板15はレバー16を介して歯軸17に連結し、歯軸
17は正逆回転電動機18に連動連結している。正逆回転電
動機18により歯軸17が水平移動すると、レバー16が抵抗
板軸19を中心に回動して抵抗板15が穀粒排出部９に対し
て遠近に回動する。穀粒排出部９に接続して流下樋20を
設け、流下樋20に排出樋21を連結する。

供給ホッパー22を穀粒供給装置23の始端側に連絡し、螺
旋体24を捲回したコンベア軸25に取付けたプーリー26
と、電動機27のプーリー28とをＶベルト29により連結
し、穀粒供給装置23の終端側は穀粒供給部８に連絡して
いる。

主軸３に多数の通風口30を穿設すると共に、主軸３の上
端開口部は送風管39により送風装置31と連結している。
符号32は摩擦精穀転子６の長手方向に設けた噴風溝であ
り、また、除糠室33は除糠ダクト34を介してサイクロン
（図示せず）等に連絡している。

符号35は水分添加装置であり、水槽36に設けた給水管37
に流量調節弁38を取付け、給水管37は送風管39内を通っ
て主軸３内の下端部に臨ませてあり、符号40は、摩擦精
穀転子６と螺旋転子４との境界部にあって主軸３の中空
部に通じる吐出口である。

次に上記構成における作用を説明する。主軸３を駆動す
る主電動機10と穀粒供給装置23を駆動する電動機27とを
駆動させると、供給ホッパー22から穀粒供給装置23へ供
給された米粒は、螺旋体24により穀粒供給部８から螺旋
転子４へ強制的に供給される。螺旋転子４により米粒は
精穀室７へ送られて加湿作用を受ける。つまり、水槽36
の水は給水管37の先端部から排出され、送風装置31から
の送風により吐出口40から湿風となって噴出され、この
湿風により精穀室７の下部に供給された米粒に水分が添
加される。

そして、水分添加により米粒表面は湿潤軟質化され、直
ちに摩擦精穀転子６の攪拌作用により薄層が剥離され
る。剥離された糠と水分は、送風装置31から通風口30を
経て噴風溝32から噴出する除糠風により、多孔壁除糠精
白筒２の通孔から除糠室33へ排出され、除糠ダクト34か
らサイクロン（図示せず）等の集糠装置へ送られる。摩
擦精穀転子６の琢磨作用と送風装置31の送風による乾燥
作用とにより米粒粒面が滑面光沢米に加工され、光沢米
に加工された米粒は抵抗板15に抗して流出し、流下樋20
から排出樋21を経て機外へ排出される。

〔発明の効果〕

本発明の竪軸型精穀機における加湿装置によれば、精穀
室において米粒は偏流することなく、全周にわたり水平
状の層段になっているため、全米粒均一に加湿を行うこ
とができ、ムラ加湿を防止することができる。しかも、
搗精初期段階において加湿するため、精穀室内で直ちに
米粒表面が湿潤軟質化して搗精が容易となるとともに、
排出される段階では添加された水分は糠とともに除去さ
れる。また、搬送機によって強制的に穀粒を供給するた
め、自然流下式におけるブリッジ現象等による、一時的
な供給停止や不規則な供給を防止することができる。更
に、排出位置が高位置であるため、次行程へ搬送するた
めの揚穀機を設ける必要がなく、精米工場等においてコ
ストダウンが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した竪軸型加湿精穀機の側断面
図、第２図は従来の加湿精穀機の側断面図である。 １……竪軸型加湿精穀機、２……多孔壁除糠精白筒、３
……主軸、４……螺旋転子、５……攪拌突起、６……摩
擦精穀転子、７……精穀室、８……穀粒供給部、９……
穀粒排出部、10……主電動機、11……モータープーリ
ー、12……プーリー、13……Ｖベルト、14……自動抵抗
調節装置、15……抵抗板、16……レバー、17……歯軸、
18……正逆回転電動機、19……抵抗板軸、20……流下
樋、21……排出樋、22……供給ホッパー、23……穀粒供
給装置、24……螺旋体、25……コンベア軸、26……プー
リー、27……電動機、28……プーリー、29……Ｖベル
ト、30……通風口、31……送風装置、32……噴風溝、33
……除糠室、34……除糠ダクト、35……水分添加装置、
36……水槽、37……給水管、38……流量調節弁、39……
送風管、40……吐出口、41……仕切板、42……下部抵抗
装置、43……上部抵抗装置、44……加湿精穀機、45……
多孔壁除糠精白筒、46……精白転子、47……精白室、48
……水分添加装置、49……供給タンク、50……供給口、
51……管軸、52……通風口、53……噴風口、54……除糠
室、55……排風機、56……排出口。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】立設した多孔壁除糠精白筒内に回転自在に
   設けた中空状の竪軸に摩擦精穀転子を軸装し、多孔壁除
   糠精白筒と摩擦精穀転子とを主要部とする精穀室の下部
   を穀粒供給部に、上部を穀粒排出部にそれぞれ連絡し、
   該穀粒供給部に穀粒を強制供給する搬送機を設けてなる
   竪軸型精穀機において、前記精白室下部の穀粒に加湿す
   るための給水管を前記竪軸内に臨ませたことを特徴とす
   る竪軸型加湿精穀機。
2. 【請求項２】上記竪軸の中空部と送風装置の吐出部とを
   送風管により連結してなる請求項（１）の竪軸型精穀機
   における加湿装置。