JPH07109499A

JPH07109499A - 発泡性洗浄剤

Info

Publication number: JPH07109499A
Application number: JP5277628A
Authority: JP
Inventors: Takayoshi Okano; 野隆良岡
Original assignee: Osaka Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Osaka Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1993-10-08
Filing date: 1993-10-08
Publication date: 1995-04-25

Abstract

(57)【要約】【目的】洗浄力の飛躍的な向上にとって有効な発泡力
とその発泡力の持続時間の延長を図り得ること。また安
定的かつ使用上安全で、安価に提供することができる、
発泡性洗浄剤を提供するにある。【構成】発泡性洗浄剤１は内核部剤２と外層部剤３と
からなる。内核部剤２は、炭酸塩と有機酸とが１対２乃
至2.5重量部の配合割合で洗浄成分と共に必須成分とし
て含まれている。また外層部剤３は、この内核部剤２の
周囲を包囲するように積層されてなり、炭酸塩と有機酸
とが１対１乃至1.4重量部の配合割合で洗浄成分と共に
必須成分として含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、使用時に発泡を伴う洗
浄剤組成物の改良構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、水を収容することができるトイレ
の便器内壁面、ポット内壁面、その他の物品の外周面に
対する洗浄剤として、使用時に発泡を伴う打錠剤製品が
多々市販されるに至っている。

【０００３】この従来の発泡性洗浄剤は、界面活性剤等
の洗浄成分のほかに起泡成分として炭酸塩と有機酸とを
主成分として含み、貯留水中でこの炭酸塩と有機酸との
化学反応により炭酸ガスが生じ、その起泡の流動による
物理的作用によってその洗浄力を向上させようとするも
のである。

【０００４】上記した従来の発泡性洗浄剤は、主に単層
の打錠剤として構成され、洗浄力及びその持続時間の向
上は、その用法の多様性及び安全性の面から、その組成
成分を種々特定することによって図られてきた。

【０００５】つまり、用途に応じて洗浄成分を特定し、
さらにはタンパク質分解酵素等を配合することにより、
また起泡力の向上のためにスルファミン酸等の強酸を配
合し、又は起泡の持続時間を向上させるために、コハク
酸等の弱酸を配合した組成とすることによって、洗浄力
の向上が図られてきた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の洗浄剤において、酸としてスルファミン酸が配合され
たものでは、瞬時的な発泡作用が得られるが、その発泡
は極めて短時間で終了してしまうこと、またその成分組
成において吸湿作用が高くなるため、製造操作及び打錠
後の取り扱いが困難となるなどの欠点がある。

【０００７】また酸としてクエン酸が配合されたもので
は、発泡の持続時間は長くなるが、発泡力は比較的に弱
く、対象によっては有効な洗浄作用を発揮し得ないなど
の欠点がある。

【０００８】そこで、本発明は、洗浄力の飛躍的な向上
にとって有効な発泡力とその発泡力の持続時間の延長を
図り得る発泡性洗浄剤を製剤として安定的かつ使用上安
全で上記した弊害が生じることなく、しかも安価に提供
することができる発泡性洗浄剤の提供を目的とした。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記した目的を達するた
め、本発明では発泡性洗浄剤につき、次のように構成し
た。即ち、炭酸塩と有機酸とが１対２乃至2.5重量部の
配合割合で洗浄成分と共に必須成分として含まれる内層
部剤と、炭酸塩と有機酸とが１対１乃至1.4重量部の配
合割合で洗浄成分と共に必須成分として含まれる外層部
剤との積層構成からなることを特徴とする。

【００１０】上記の構成において、炭酸塩としては、炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムなど
を採用することができ、また、有機酸としては、スルフ
ァミン酸、コハク酸、クエン酸などを採用することがで
きる。またこの有機酸について、前記内層部剤のものを
スルファミン酸とすると共に、前記外層部剤のものをコ
ハク酸又はコハク酸とスルファミン酸との混剤とするこ
とができる。

【００１１】前記内層部剤について、炭酸塩と有機酸と
の配合割合が１対２重量部未満となる場合には、有効な
発泡作用は得ることができず、またその配合割合が１対
2.5重量部を超える場合には、洗浄後の水溶液が強酸性
となって、使用時の安全性を損うことになる。

【００１２】また、前記外層部剤について、炭酸塩と有
機酸との配合割合が１対１重量部未満となる場合には、
初期発泡性能が低くなり、錠剤の溶解速度が遅くなる。
またその配合割合が１対1.4重量部を超える場合には、
初期発泡性能が過大となって発泡の持続時間が短くな
る。

【００１３】また、前記した積層構成は、全体として打
錠により得ることができ、内層部剤を中間層とし、その
上下両層を外層部剤でサンドイッチ状態で構成すること
ができるほか、内層部剤が外層部剤により包囲された状
態の内核として構成したものを含む。

【００１４】また、この積層構成において、内層部剤と
外層部剤との量的割合は、これら内外層による後記する
作用が発揮される限り特に限定はないが、例えば、トイ
レ便器用としての用法の場合においては、その量的割合
を約１対１の重量部比とすることができる。

【００１５】また、洗浄成分としては、その被洗浄対象
に応じてラウリル硫酸ナトリウム、ポリエチレングリコ
ール等の界面活性剤、さらには、タンパク質分解酵素な
どを採用することができる。

【００１６】また、前記した内層部剤と外層部剤の発泡
成分と上記した洗浄成分とは、例えば、得られる発泡性
洗浄剤について発泡成分が約90重量％、また洗浄成分が
約１〜２重量％含有されるように構成することができ
る。なお、この場合、前記外層部剤における洗浄成分の
配合比率を前記内層部剤における洗浄成分の配合比率よ
り多くしておくことが好ましい。これは水中での洗浄成
分の溶解分散を速やかかつ容易にするためである。

【００１７】また、この発泡性洗浄剤については、打錠
の際、打錠固体の安定化を図る等のため、結晶セルロー
スその他の結合剤、その他香料、色素等の他機能成分を
適宜配合することができる。

【００１８】

【作用】次に、本発明の発泡性洗浄剤における作用を説
明する。この発泡性洗浄剤は、汚物の付着した対象の表
面が水中に浸漬する状態で使用される。つまり、容器で
ある場合には水を貯留することにより、また対象が物品
である場合にはそれを水中に投入した状態で使用され
る。

【００１９】上記した状態の水中にこの発泡性洗浄剤が
投入されると、先ず、その外層部剤部分が水と接触して
溶出する。この際、主に炭酸塩と有機酸とが溶出して反
応して比較的に少量の炭酸ガスを生じて発泡する。この
発泡に伴って混在する洗浄成分がその周囲に発散する。

【００２０】次いで、その内層部剤部分が水との接触す
るようになって溶出してその炭酸塩と有機酸とが水中に
溶出すると、今度は適量の有機酸の存在によって比較的
に多量の炭酸ガスが生じて発泡する。この発泡はその炭
酸ガス量によって比較的に強力に作用し、その内層部剤
中に混在する洗浄成分を連続的に水中に溶出しながら、
先に発散した洗浄成分をさらに対象の汚物付着面上にま
で及ぼしめると共に、その発泡力により物理的洗浄作用
を発揮する。

【００２１】また、内層部剤中の有機酸をスルファミン
酸のような強酸性のものとし、また外層部剤中の有機酸
をコハク酸若しくはコハク酸とスルファミン酸との混剤
として特定する場合のように、発泡時の化学反応性に差
異をもたせて構成したときには、上記した洗浄成分の分
散と洗浄の２段階の作用はより顕著に生じる。

【００２２】即ち、外層部剤成分による発泡状態は弱酸
であるコハク酸との反応において、より弱められて継続
的に生じること、また内層部剤成分による発泡状態は強
酸であるスルファミン酸との反応においてより強化され
るからである。

【００２３】また、内層部剤成分の反応によって生じる
発泡は既に水中に溶解した状態の洗浄成分に対して比較
的に強力に作用するから、生じる起泡は全体として増大
したものとなり、その洗浄作用はより向上する。

【００２４】また、外層部剤においてコハク酸又はコハ
ク酸を一部配合した組成が採用される場合には、当該発
泡性洗浄剤の外表面について甚しい吸湿作用等の弊害が
生じることはない。

【００２５】

【実施例】発泡性洗浄剤の内核部剤と外層部剤の粉状各
成分を次表１に示す配合割合でそれぞれ調製した。

【表１】

【００２６】この成分配合の内核部剤６ｇを打錠し、円
板形（21ｍｍφ）の打錠剤を得て、次いで、これを臼内
に供給した外層部剤4.5ｇの上部中央に乗せて、さらに
これに外層部剤4.5ｇを供給して打錠し、円板形の有核
錠（15ｇ、32ｍｍφ）を得た。

【００２７】なお、図１に、この有核錠１の形態を示し
た。この有核錠１は内核部剤２の周囲を包囲するように
外層部剤３を積層したものである。

【００２８】また、図２には、本発明の他の形態の実施
例での積層剤10を示した。この積層錠10は、内層部剤11
の上下両面上に外層部剤12,12を積層したものである。

【００２９】次に、汚物原料を次表２に示す割合で配合
して乳鉢内で混合しペースト状の人工汚物を得た。

【表２】

【００３０】この人工汚物をタイル（11×11ｃｍ）の表
面上に2.5ｃｍ×８ｃｍ×厚約２ｍｍで塗布し、これを6
0℃で１時間乾燥して、これを検体とした。

【００３１】次いで、水道水500ｍｌ（水温20℃）を容
器内にとり、この水中に上記した検体の人工汚物を塗布
した部分を含むタイルの下縁部から２ｃｍの部分まで浸
漬する状態とした。

【００３２】この検体の水中への浸漬後直ちに前記した
有核錠１を試料として水中に投入した。その後一定時間
経過後（10分後及び１時間後）に、検体上の汚物の消失
度合を目視判定して、10分間経過後の場合を表３に、ま
た１時間経過後の場合を表４にそれぞれ本発明品として
示した。なお、上記同様の試験を３回繰り返した。

【表３】

【表４】

【００３３】また、従来製品として、単層剤の発泡性洗
浄剤（「ＴＯＩＬＥＴＴＡＢ」15ｇ）を対照１とし、
また同じく単層剤の発泡性洗浄剤（（株）アサヒペン
製、８ｇ×２個）を対照２とし、及び洗浄剤を投入しな
いものをブランクとして、それぞれ上記同様の試験を行
って表３及び表４に示した。

【００３４】なお、表３及び表４中、Ａは、汚物が完全
に消失したとき、Ｂは、僅かに汚物の残留が認められる
とき、Ｃは、かなり汚物が残留しているとき、Ｄは、ほ
とんどの汚物が残留しているとき、である。また、各試
験後における水溶液のＰＨ値、及び各打錠製剤について
の硬度をそれぞれ次表５に示した。

【表５】

【００３５】また、上記した各試料についての起泡力試
験を次のように行なった。先ず、メスシリンダー（２ｌ
容量）に水道水（20℃）300ｍｌをとり、次いでこれに
試料を投入し、その後の起泡の高さの経時的変化を起泡
度として観察し、その変化状態を図３に示した。なお、
ａは本発明品、ｂは対照１、及びｃは対照２の経時的変
化の特性である。

【００３６】図３に示した各試料の起泡度の比較から、
本発明品は、従来品である対照１及び対照２に比して極
めて高い起泡度を呈すること、またその起泡時間も長時
間に亘って維持されることが判る。この起泡力の違いと
相俟って、高い洗浄力が得られることが表３及び表４の
結果から確認される。

【００３７】

【発明の効果】上述のように本発明は構成されるから、
次のような効果が発揮される。先ず、極めて高い洗浄効
果が効果的に発揮されることから、従来処理し得なかっ
た強固に付着した汚物に対する洗浄が可能となった。

【００３８】また、組成成分として炭酸塩と有機酸との
発泡成分からなるから、洗浄時に特別な作業を必要とせ
ず、また使用後の水溶液は弱酸性で安全であり、用法の
多様化を図ることができる。

【００３９】また、当該洗浄剤の組成成分は、従来品と
あまり変らず、またコハク酸等の使用量を減量すること
ができるから、より安価な製剤として提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の係る有核錠の部分断面斜視図

【図２】同積層錠の部分断面斜視図

【図３】同起泡度を示す経時的特性図

【符号の説明】

１有核錠２内核部剤３外層部剤 10 積層錠 11 内層部剤 12 外層部剤

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 9:32 9:26）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】炭酸塩と有機酸とが１対２乃至2.5重量
部の配合割合で洗浄成分と共に必須成分として含まれる
内層部剤と、炭酸塩と有機酸とが１対１乃至1.4重量部
の配合割合で洗浄成分と共に必須成分として含まれる外
層部剤との積層構成からなることを特徴とする発泡性洗
浄剤。
【請求項２】前記内層部剤が前記外層部剤により包囲
された状態の内核として構成されてなることを特徴とす
る請求項１の発泡性洗浄剤。
【請求項３】炭酸塩が炭酸ナトリウム又は／及び炭酸
水素ナトリウムであることを特徴とする請求項１又は２
の発泡性洗浄剤。
【請求項４】前記内層部剤を構成する有機酸がスルフ
ァミン酸であり、また前記外層部剤を構成する有機酸が
スルファミン酸とコハク酸との混合によってなることを
特徴とする請求項１，２又は３の発泡性洗浄剤。