JPH07108881A - 自動車用内装トリム材 - Google Patents

自動車用内装トリム材

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JPH07108881A
JPH07108881A JP5257015A JP25701593A JPH07108881A JP H07108881 A JPH07108881 A JP H07108881A JP 5257015 A JP5257015 A JP 5257015A JP 25701593 A JP25701593 A JP 25701593A JP H07108881 A JPH07108881 A JP H07108881A
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JP
Japan
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adhesive
fabric
woven fabric
test
pressure
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JP5257015A
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English (en)
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Kazunari Harima
一成 播摩
Minoru Nakamura
実 中村
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Mazda Motor Corp
Daikyo Inc
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Mazda Motor Corp
Daikyo Inc
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  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の接着剤に代えて粘着剤を用いることに
より、比較的簡単に、かつ、低コストで、織物のコア材
に対する付着強度を確保した上で織物表面への染み出し
を防止できる自動車用内装トリム材を提供する。 【構成】 プラスチック製コア材3に表皮材として伸び
率35%〜100%の織物4が貼り付けられた自動車用
内装トリム材において、上記コア材および表皮材の少な
くともいずれか一方に、アクリル樹脂を主成分とし、温
度20℃もしくはその近傍における粘度が5000mPa
・s〜20000mPa・sの粘着剤5を塗布し、この粘着
剤層を所定粘度に硬化させた後、上記コア材と表皮材と
を貼り合わせてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車用内装トリム
材、特に、プラスチック製コア材に表皮材として織物が
貼り付けられてなる自動車用内装トリム材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車用内装トリム材として、プ
ラスチック製コア材に表皮材として織物を貼り付けたも
のは一般に良く知られており、特に、乗用車等の内装用
などに広く採用されている。尚、以下の説明において、
「織物」とは、糸,繊維,ストランド等を織り,編みあるい
は組んで得られたものを言い、例えば、薄いモケット,
トリコット,ジャージ等もこれに含まれる。
【0003】上記のような内装トリム材を製造する場
合、例えばPP(プリプロピレン)やABS(アクリロニ
トリル・ブタジエン・スチレン)等のプラスチック製コ
ア材に例えばクロロプレン系などの接着剤を塗布し、単
にその上から織物を貼り付けたのでは、表皮材としての
織物上に接着剤が染み出し、織物が汚染されてトリム材
の外観が損なわれるという問題がある。
【0004】かかる問題に対して、従来では、以下に示
すような対策を講じたものが種々考えられている。 表皮材としての織物の裏面側(接着面側)に一定の厚
さを有するパッド材を予め貼り付けておき、このパッド
材付きの織物をコア材に接着剤で貼り付ける(従来技術
)。この場合には、パッド材層を介在させることによ
り、接着剤が表皮材(織物)の表面側に直接に染み出すこ
とを防止できる。 織物の裏面側に、例えばオレフィン系のフィルム材
あるいは不織布などの浸透防止材を積層しておき、この
浸透防止材によって接着剤の織物表面側への染み出しを
防止する(従来技術)。 コア材の成形に例えばスラッシュモールド法あるい
は表皮付き低圧射出成形法などを適用し、コア材を成形
する際、同時にその表面に表皮材(織物)が貼り付いた状
態のものを一体成形する(従来技術)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
各従来技術には、それぞれ以下に示すような難点があっ
た。すなわち、従来技術の場合には、接着剤中の溶剤
がパッド材層に浸透しており、貼付作業中に不必要なへ
こみを生じ易く、やはり外観不良を招くおそれがある。
また、パッド材を介在させる関係上、角隅部が明瞭な形
状になりにくく、折り返し部の強度も不足しがちにな
る。更に、パッド材自体が高価であるので、コスト高に
なる。また、従来技術の場合には、浸透防止材が高価
なものであるので、やはりコスト高になる。更に、従来
技術の場合には、形状に制約が多く、汎用的に適用す
ることは難しい。そして、上記各従来技術について、こ
れらの難点をそれぞれ克服しつつ、接着剤の織物表面側
への染み出しという、従来の問題を解消することはなか
なかに困難であった。
【0006】そこで、これらの問題に関して、本願発明
者は種々研究を重ね、その結果、コア材と織物との貼り
合わせに、所謂、粘着剤を適用し、この粘着剤の性状や
粘着条件等を工夫することにより、織物のコア材に対す
る付着強度を十分に確保した上で、織物表面への染み出
しが有効に防止できることを見出だした。
【0007】この発明は、上記諸問題を解決するために
なされたもので、従来の接着剤に代えて粘着剤を用いる
ことにより、比較的簡単に、かつ、低コストで、織物の
コア材に対する付着強度を確保した上で織物表面への染
み出しを防止できる自動車用内装トリム材を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、この発明は、
プラスチック製コア材に表皮材として伸び率35%〜1
00%の織物が貼り付けられた自動車用内装トリム材に
おいて、上記コア材および表皮材の少なくともいずれか
一方に、アクリル樹脂を主成分とし、温度20℃もしく
はその近傍における粘度が5000mPa・s〜2000
0mPa・sの粘着剤を塗布し、この粘着剤層を所定粘度
に硬化させた後、上記コア材と表皮材とを貼り合わせて
なることを特徴としたものである。
【0009】上記粘着剤の粘度を、20℃もしくはその
近傍において5000mPa・s(ミリパスカル・秒=セン
チポアーズ:cP)〜20000mPa・sとしたのは、以下
の理由による。すなわち、粘度が5000mPa・s未満
になると、均一塗布性が大きく低下し、粘着剤塗布時、
必要な膜厚分の粘着剤を均一に塗布することができな
い。一方、粘度が20000mPa・sを越えると、粘着
剤塗布時の作業性が急激に悪くなり、また、粘着剤を塗
布した素材を、塗布後ある程度以上の長期間に渡って保
管状態に置いた場合、この保管状況によっては粘着剤層
の粘度が上昇し過ぎ、貼付け後の剥離強度について十分
な値を得ることができないおそれがあるからである。
【0010】尚、表皮材としての織物の伸び率を35%
〜100%としたのは、以下の理由による。すなわち、
織物の伸び率が35%未満になると、最近の内装トリム
類のように三次元曲面の多いトリム材に対して、「しわ」
が生じることなく貼り付けることが困難であり、一方、
織物の伸び率が100%を越えると、表皮材が伸び過ぎ
て却って貼りにくくなり、また、織り目が粗くなって外
観上の不具合が生じ易くなるからである。
【0011】
【発明の効果】この発明によれば、粘着剤の粘度は、本
来の状態でも5000〜20000mPa・s(20℃)で
あり、しかも、これを所定粘度に硬化させた後、つまり
半乾き状態に乾燥・硬化させた後に貼付作業を行うよう
にしたので、貼付時の圧着力の大小に拘わらず、表皮材
としての織物の表面側に粘着剤が染み出して織物が汚染
されることはない。すなわち、かかる粘着剤を用いるこ
とにより、織物のコア材に対する付着強度を十分に確保
した上で織物表面への染み出しを有効に防止することが
できる。また、織物をコア材の表面に直接貼り付けるの
で、パッド材や浸透防止材を用いて染み出しの防止を図
る場合に比べて、簡単かつ低コストであり、しかも、均
一な表面状態を得ることができる。そして、角隅部など
についても、曲率半径がかなり小さくても何等支障なく
明瞭な形状に織物を貼り付けることができ、接着剤の染
み出し防止にパッド材を用いた従来に比べて織物の貼付
加工性を大幅に向上させることができる。
【0012】更に、粘着剤に含有される溶剤の揮発分
は、粘着剤塗布後に粘着剤を所定粘度に乾燥硬化させる
乾燥工程においてすでに揮発しており、この貼付作業時
には溶剤揮発がないので、接着剤を用いていた従来に比
べて良好な環境で作業を行うことができる。この場合、
粘着剤を用いることにより、その塗布作業と貼付作業と
を明確に分離して行うことができ、特に、粘着剤塗布作
業を密閉された作業室でロボットによって行なわせるこ
とにより、作業者の負担を低減するとともに、その貼付
作業時の作業環境を一層良好なものとすることができ
る。
【0013】また、更に、織物とコア材とは粘着剤を用
いて貼り合わされているので、一旦貼り合わせた後に貼
り直すことも可能であり、従来のように接着剤を用いる
場合に比べて、貼付作業が容易で簡単なものとなる。ま
た、更に、粘着剤を用いることにより、トリミング前の
原反の状態で織物に粘着剤を塗布し、この粘着剤を離型
紙で覆った後にトリミングすることができる。かかる工
程順序とすることにより、オーバスプレイによる粘着剤
の無駄使いが少なくて済み、また、トリミングされた各
織物を離型紙を付けたままでストックしておき、貼付作
業時に順次使用するようにでき、工程全体として作業効
率を高めることができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を、添付図面に基づ
いて詳細に説明する。図1および図2は、本実施例に係
る自動車のフロントピラー用内装トリム材1(以下、こ
れをAピラートリムと略称する)およびセンタピラー用
内装トリム材2(以下、これをBピラートリムと略称す
る)をそれぞれ示す平面説明図である。尚、これらピラ
ートリム1,2は、プラスチック製のコア材に表皮材と
して織物が貼り付けられたものである。上記ピラートリ
ム1,2は、例えばBピラートリム2を例にとって説明
すれば、図3にその断面構造を示すように、例えば、射
出成形で得られた基準厚さ約2mmのPP(プリプロピレ
ン)もしくはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン)等のプラスチック製コア材3の主として表面側
に、表皮材として例えば薄いモケット,トリコットもし
くはジャージ等の織物4が直接に貼り付けられており、
両者3,4を互いに貼り合わせるに際して、アクリル樹
脂を主成分とする粘度5000〜20000mPa・sの
粘着剤5が用いられている。
【0015】本実施例では、このアクリル樹脂を主成分
とする粘着剤5として、例えば2液タイプの粘着剤(ダ
イアボンド DD648A : ノガワケミカル株式会社
製)を用いた。この粘着剤5の組成および物性等を以下
に示す。 ・ 主成分 : アクリル樹脂 ・ 外 観 : 黄色透明 ・ 粘 度 : 20℃において6500〜12500mPa
・s(ミリパスカル・秒) ・ 不揮発分 : 43.5〜46.5% ・ 発 火 点 : 427℃ ・ 引 火 点 : −4℃ ・ 主剤/硬化剤混合比(重量比) : 100対1.5 ・ 主 溶 剤 : トルエン,酢酸エチル
【0016】また、上記主剤および硬化剤の組成をそれ
ぞれ以下に示す。 <主剤> ・ 合成樹脂(約45重量%) : アクリル酸エステルポリ
マー ・ 有機溶剤(約55重量%) : トルエン(10〜20%) 酢酸エチル(35〜45%) <硬化剤> ・ 合成樹脂(約45重量%) : イソシアネート化合物 ・ 有機溶剤(約55重量%) : トルエン(35〜45%) 酢酸エチル(10〜20%)
【0017】次に、上記粘着剤5を用いて織物4をコア
材3の表面に貼り付ける場合の貼付方法について説明す
る。まず、コア材3の形状および寸法に対応して所定形
状および寸法に裁断された織物4の裏面側について、水
分や油および汚れ等を除去して清浄化し、この裏面側に
上記粘着剤5をロール塗布もしくはスプレー塗布(例え
ば100〜200グラム/m2)する。この粘着剤塗布作
業は、より好ましくは、密閉された作業室においてロボ
ットによって行なわれるようになっている。次に、上記
織物4の裏面側に塗布された粘着剤5を、所定粘度に硬
化させて所謂半乾き状態にする。尚、この粘着剤5の半
乾き状態としては、粘着剤塗布後、約80℃で2分間程
度乾燥させた状態が最適である。そして、このようにし
て裏面側に粘着剤5が塗布された織物4を、コア材3の
表面に対し直接に圧着させて貼り付ける。
【0018】この場合、粘着剤5の粘度は、本来の状態
でも6500〜12500mPa・s(20℃)であり、し
かも、これを半乾き状態に乾燥・硬化させた後に貼付作
業を行うので、貼付時の圧着力の大小に拘わらず、織物
4の表面側に粘着剤5が染み出して汚染することはな
い。また、織物4をコア材3の表面に直接貼り付けるの
で、パッド材等を用いて染み出しの防止を図る場合に比
べて低コストであり、しかも均一な表面状態が得られ
る。更に、粘着剤5に含有される溶剤の揮発分は、粘着
剤塗布後に粘着剤5を半乾き状態とする乾燥工程におい
てすでに揮発しており、この貼付作業時には溶剤揮発が
ないので、従来に比べて良好な環境で作業を行うことが
できる。また、更に、織物4とコア材3とは粘着剤5を
用いて貼り合わされているので、一旦貼り合わせた後に
貼り直すことも可能であり、従来のように接着剤を用い
る場合に比べて、貼付作業が容易で簡単なものとなる。
【0019】尚、上記各ピラートリム1,2の各部にお
ける角隅部の曲率半径の設定最小値は以下の通りであっ
た。また、この場合、表皮材としての織物4には、例え
ばギルフォード製のファブリック表皮材を用いた。 ・ Aピラートリム1の上端部 : 曲率半径R1,R2=4
0mm ・ Aピラートリム1の下端部 : 曲率半径R3=40mm ・ Bピラートリム2の上端部 : 曲率半径R4=40mm ・ Bピラートリム2の下端部 : 曲率半径R5=10mm ・ Bピラートリム2の穴部内周 : 曲率半径R6=12m
m 本実施例では、上記程度の曲率半径の角隅部であれば、
何等支障なく明瞭な形状に織物4を貼り付けることがで
き、接着剤の染み出し防止にパッド材を用いた従来に比
べて、織物4の貼付加工性が大幅に向上することが確か
められた。
【0020】上記実施例では、織物4に粘着剤5を塗布
する場合、原反からコア材3の形状および寸法に対応し
て所定形状および寸法に裁断(所謂トリミング)した後
に、このトリミングされた織物4に対して粘着剤5の塗
布を行うようにしていたが、この代わりに、トリミング
前の原反の状態で織物に粘着剤を塗布し、この粘着剤を
離型紙で覆った後にトリミングするようにしても良い。
この場合には、オーバスプレイによる粘着剤の無駄使い
が少なくて済み、また、トリミングされた各織物を離型
紙を付けたままでストックしておき、貼付作業時に順次
使用するようにでき、工程全体として作業効率を高める
ことができる。
【0021】上記のような粘着剤5を適用した場合にお
ける織物4のコア材3の表面に対する付着強度や貼付状
態の耐熱安定性等を確かめる試験を行った。以下、これ
ら試験について説明する。 (1) 付着強度確認試験 この付着強度確認試験は、織物の裏面側に粘着剤を塗布
した、所謂、ファブリック粘着加工品をピラートリムの
プラスチック製コア材に貼り付け、図4に示すように、
このファブリック粘着加工品7をコア材8の表面から1
80度剥離させる剥離試験として実施した。この剥離試
験の試験条件は、以下の通りであった。 ・ ファブリック粘着加工品の幅 : 25mm ・ 剥離時の引張速度 : 5mm/sec. ・ 被着体(ピラートリム)の材質 : ポリプロピレン樹脂
(ノンタルク) ・ 被着体の表面状態 : 絞なし
【0022】試験結果を表1に示す。この表1におい
て、初期テスト,耐熱テストおよび熟成テストとは、そ
れぞれ以下に述べる条件で行なわれる剥離試験を意味す
る。 ・ 初期テスト : 貼付時から10分経過した後に行う ・ 耐熱テスト : 貼付後、105℃の温度で4時間保持
した後に行う ・ 熟成テスト : 貼付時から24時間経過した後に行う これら各テストをそれぞれ3回実施し、その平均値を求
めた。
【0023】
【表1】
【0024】自動車用内装トリム材として要求される付
着強度は、同様の試験条件においては、一般に、0.2k
g程度であり、表1に示した試験結果はいずれもこの基
準を十分に満足している。また、表1の試験結果によれ
ば、初期テスト結果よりも耐熱および熟成テスト結果の
方が高い値を示しており、特に熟成テスト結果は、従来
から広く用いられているクロロプレン系の接着剤におけ
る剥離強度値(1.0kg)と同等の値を示しており、アク
リル系粘着剤を用いた場合でも、プラスチック製コア材
に対する表皮材(織物)の付着強度を十分に確保できるこ
とを示している。
【0025】(2) 貼付状態の耐熱安定性の確認試験 この確認試験は、ファブリック粘着加工品をピラートリ
ムに貼り付けた後24時間放置し、その後に、所定の温
度条件で所定時間保持した場合における貼付状態を目視
で観察し、ファブリック(表皮材)の浮きや剥がれ等の不
具合が生じていないかどうかについて評価した。試験
は、温度および時間条件に応じて短期テストと長期テス
トの2種類行った。これら短期および長期テストの温度
および時間条件を以下に示す。 ・ 短期テスト : 105℃の温度で5時間保持,これを
2サイクル行う ・ 長期テスト : 90℃の温度で72時間保持(1サイ
クル) また、本試験で用いたファブリック粘着加工品の粘着剤
塗布条件は、塗布密度が150g/m2であり、一方、被
着体(ピラートリム)の表面状態は皮絞付きとした。
【0026】以上の条件にて、Aピラートリム及びBピ
ラートリム(図1及び図2参照)、更に、具体的には図示
しなかったが、リヤピラートリムについても、それぞれ
短期および長期の両テストを実施した。その結果、いず
れのピラートリムについても、短期および長期の両テス
トにおいて、表皮材の浮きや剥がれ等の不具合発生は認
められず、粘着剤を用いた場合でも、表皮材貼付後、そ
の貼付状態に関して十分な耐熱安定性が得られることが
確認できた。
【0027】次に、上記実施例で用いた粘着剤と同じく
アクリル樹脂を主成分とするものであるが、粘度条件等
が異なる他の種類の粘着剤を用いて付着強度試験を行っ
た。以下、この付着強度試験について説明する。尚、こ
の付着強度試験における試験方法,試験条件およびテス
トの種類等は、上述の実施例について行った付着強度確
認試験と同様である。
【0028】本試験で用いた粘着剤の種類およびそれぞ
れの物性を表2に示す。各粘着剤は、いずれも、その商
品名が「ダイアボンド」(ノガワケミカル株式会社製)であ
り、また、20℃における粘度は、5000mPa・s〜
20000mPa・sの範囲内にある。尚、表2におい
て、グレード「DD648A」は、上述の実施例で用いた
粘着剤と同一のものである。また、本付着強度試験で用
いた表皮材としての織物の機械的特性の一例を表3に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】本試験では、各粘着剤について、それぞれ
の粘度の下限値および上限値について各テスト(初期,耐
熱および熟成テスト)を実施した。この各テストは、そ
れぞれ3回測定を行い、その平均値を求めた。そして、
この得られた各平均値を、自動車用内装トリム材として
一般に要求される付着強度の基準値(0.2kg)と比較
し、合否判定を行った。試験結果は、表4に示す通りで
あった。
【0032】
【表4】
【0033】表4から分かるように、これら各粘着剤を
用いて織物を貼り付けた場合、その粘度の下限値および
上限値の両方について満足な付着強度が得られ、また、
各試験サンプルについて、粘着剤が織物の表面側に染み
出すこともなかった。更に、以上の試験を通じて、粘着
剤塗布時、必要な膜厚分の粘着剤を均一に塗布するに際
して特に不都合はなく、また、粘度が高すぎて塗布作業
性に問題が生じることもなかった。また、更に、織物の
貼付けに際して、特に「しわ」が生じることもなく比較的
容易に貼り付けることができ、また、織り目が粗くなる
等の外観上の不具合発生も認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動車のフロントピラ
ー用内装トリム材の平面説明図である。
【図2】 本発明の実施例に係る自動車のセンタピラー
用内装トリム材の平面説明図である。
【図3】 図2のY−Y線方向における断面説明図であ
る。
【図4】 付着強度の確認試験方法を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…フロントピラー用内装トリム材 2…センタピラー用内装トリム材 3,8…プラスチック製コア材 4…織物 5…粘着剤 7…ファブリック粘着加工品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製コア材に表皮材として伸
    び率35%〜100%の織物が貼り付けられた自動車用
    内装トリム材において、 上記コア材および表皮材の少なくともいずれか一方に、
    アクリル樹脂を主成分とし、温度20℃もしくはその近
    傍における粘度が5000mPa・s〜20000mPa・s
    の粘着剤を塗布し、この粘着剤層を所定粘度に硬化させ
    た後、上記コア材と表皮材とを貼り合わせてなることを
    特徴とする自動車用内装トリム材。
JP5257015A 1993-10-14 1993-10-14 自動車用内装トリム材 Pending JPH07108881A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005178637A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Toyo Ink Mfg Co Ltd 自動車用内装材

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