JPH0710805A - ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法

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JPH0710805A
JPH0710805A JP15697393A JP15697393A JPH0710805A JP H0710805 A JPH0710805 A JP H0710805A JP 15697393 A JP15697393 A JP 15697393A JP 15697393 A JP15697393 A JP 15697393A JP H0710805 A JPH0710805 A JP H0710805A
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JP
Japan
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hydroxycarboxylic acid
alcohol
acid ester
layer
reaction
Prior art date
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Pending
Application number
JP15697393A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kawahara
隆幸 川原
Hitoshi Suzuki
仁 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ヒドロキシカルボン酸水溶液と炭素数4以上
のアルコールを、無機塩の存在下、水層とアルコール層
の分液状態でエステル化反応せしめることを特徴とする
ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法。 【効果】 本発明によれば、ヒドロキシカルボン酸、特
に、安定性が低いため単離出来ないヒドロキシカルボン
酸についても、炭素数4以上のアルコールとのエステル
を反応効率および生産性良く製造することができる。ま
た、得られたヒドロキシカルボン酸エステルと、メチ
ル、エチル等の炭素数3以下のアルコールとのエステル
交換反応により、乳酸エチル等のヒドロキシカルボン酸
の低級アルコールエステルを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシカルボン酸
と炭素数4以上のアルコールからヒドロキシカルボン酸
エステルを効率的に製造する方法に関する。ヒドロキシ
カルボン酸エステルは、塗料、フォトレジスト等の溶
剤、着香料などの食品添加物、医薬、農薬合成原料とし
て多用される化合物である。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシカルボン酸エステルは、一般
に工業的には、ヒドロキシカルボン酸水溶液とアルコー
ルとのエステル化反応により製造されている。ヒドロキ
シカルボン酸は有機酸であると同時にアルコール性を有
しているため、水溶液を濃縮する際に、容易に環化、二
量化さらにはポリマー生成がおこる。したがってエステ
ル化反応は、触媒である硫酸等の存在下で多量のアルコ
ールおよびベンゼン等水と共沸混合物を形成する溶媒を
用いて脱水を行いながら、反応を進行させるのが一般的
である(例えば、F.A.McDermott,Organic Syntheses,2,
p365-366,1943)。
【0003】しかし、この方法においてもポリマー生成
が避けられず、エステルの収率は60〜70%である。
さらに、工業的方法としては、溶媒を多量に用いるため
設備の大型化も避けられない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
技術はヒドロキシカルボン酸エステルを製造するという
技術的な課題には一応成功しているものの、反応効率、
生産性が低いという欠点がある。本発明は、かかる点に
鑑み、反応効率および生産性の高い、ヒドロキシカルボ
ン酸エステルの製造方法を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒドロキシカ
ルボン酸水溶液と炭素数4以上のアルコールを、無機塩
の存在下、水層とアルコール層の分液状態でエステル化
反応せしめることを特徴とする、反応効率および生産性
良く、ヒドロキシカルボン酸エステルを製造する方法を
提供するものである。
【0006】本発明の方法に用いられるヒドロキシカル
ボン酸としては、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン
酸等、炭素数2〜6の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好
ましく用いられるが、例えば、乳酸、グリセリン酸等、
安定性が低いため単離出来ないものに対して、水溶液の
まま用いることができるので、特に有効である。ヒドロ
キシカルボン酸は、水溶液として反応に供される。ヒド
ロキシカルボン酸水溶液の濃度は、一般に、40〜90
重量%、好ましくは、50重量%以上であり、濃度が低
い場合には設備が大型化するので好ましくない。
【0007】アルコールとしては、炭素数4以上のもの
を用いる。具体的には、1ーブタノール、2ーペンタノ
ール、1ーヘキサノール等の炭素数4〜8の水と混合し
にくいアルコールが挙げられる。ヒドロキシカルボン酸
1モルに対するアルコールの使用割合は、一般に、1〜
5モル、好ましくは、1.5〜3モルの範囲である。
【0008】エステル化反応は、ヒドロキシカルボン酸
水溶液とアルコールを、無機塩の存在下、水層とアルコ
ール層の分液状態で混合、撹拌することによって行われ
る。無機塩としては、具体的には、塩化ナトリウム、硫
酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硫酸マ
グネシウム等の、水に可溶であり、アルコールに難溶な
ものが用いられる。無機塩の量は、使用する無機塩の水
への溶解度以上、一般に、反応に使用する水の量に対
し、25℃における当該無機塩の水への溶解度の1.1
〜1.5倍程度用いる。具体的には、例えば塩化ナトリ
ウムでは水に対して26wt%以上、好ましくは26〜
28wt%となる量を添加する。
【0009】反応を促進するために酸触媒を添加するこ
とも有効であり、酸触媒としては、硫酸、p−トルエン
スルホン酸等の酸触媒が、ヒドロキシカルボン酸1モル
に対して0.01〜0.5モル程度用いられる。
【0010】反応は、常温、常圧下で進行し、ヒドロキ
シカルボン酸は、当初、水層とアルコール層に分配され
るが、反応の進行に伴い生成したヒドロキシカルボン酸
エステルとしてアルコール層に抽出される。無機塩は水
中イオン濃度を増加させ、アルコールおよび生成エステ
ルを水溶液中から排除し、分離性を向上させる。撹拌
は、反応および抽出を行うに十分な接触面積を与えるよ
うに行う必要があり、用いる反応容器、攪拌機形状によ
って異なり一概に規定できないが、外観上、反応液が完
全に懸濁する状態で行うのが良いようである。
【0011】反応温度は、通常、温度10〜30℃で、
加熱も反応促進に有効であるが、100℃以上の加熱は
水の蒸発による急激な減水により、ポリマー生成が促進
されるため好ましくない。反応時間は、通常、1〜5時
間である。反応終了後、反応生成液は静置して層分離さ
せて、無機塩を含む水層と反応生成物であるヒドロキシ
カルボン酸エステルを含むアルコール層との分離を行
う。層分離は、常法により、静置分離槽等を用いて分液
するこにより行われる。
【0012】得られたヒドロキシカルボン酸エステルの
アルコール溶液は通常の蒸留法、例えば、減圧蒸留装置
等で、例えば、温度80〜200℃、圧力70〜40m
mHgの条件下に、蒸留して、当該ヒドロキシカルボン
酸エステルの留分を回収することにより、容易にヒドロ
キシカルボン酸エステルを単離可能である。水層は、未
反応ヒドロキシカルボン酸、酸触媒および無機塩を含有
しているので、これらは次回エステル化反応に再利用可
能である。蒸留法で分離したアルコールも同様に再利用
できる。
【0013】
【実施例】以下に、実験例を示して、本発明をより具体
的に説明する。 実施例1 50%乳酸水溶液179g(乳酸として1.0モル)と
1ーブタノール155g(2.0モル)を塩化ナトリウ
ム31gおよび硫酸16g(0.2モル)とともにガラ
ス製分液ロート(1L)に投入し、室温下、激しく混合
した。
【0014】このものを2時間静置して層分離させた
後、下層である水層を87g回収し、液体クロマトグラ
フィーで分析し、乳酸のピーク面積比から、反応に供し
た乳酸の93%が1ーブタノール層に移動していること
が確認された。1ーブタノール層をフラスコに投入し、
減圧蒸留を行い、40℃(70mmHg)留分である1
ーブタノール60gに続いて、100℃(40mmH
g)留分として乳酸ブチル102g(ガスクロマトグラ
フィー純度95%以上)を得た。乳酸に対する収率は7
0%であった。
【0015】実施例2 50%乳酸水溶液179g、1ーブタノール155g、
塩化ナトリウム31gおよび硫酸16gを、冷却器を上
部に装着したガラス製フラスコに投入し、マグネチック
スターラーを用い激しく攪拌し、60℃に加熱した。2
時間経過後、加熱、攪拌を中止し室温まで冷却した後、
ガラス製分液ロート(1L)に反応物を投入し、2時間
静置した。水層86gを回収し、乳酸の94%が1ーブ
タノール層に移動していることを確認した。実施例1と
同様の方法で減圧蒸留を行い、乳酸ブチル11g(純度
95%以上)を得た。収率は78%であった。
【0016】実施例3 実施例2において分離した水層86g(乳酸0.06モ
ル、塩化ナトリウム28gおよび硫酸15g含有)に、
85%乳酸水溶液41g(乳酸として0.4モル)を加
えたもの127gと、実施例2において蒸留回収した1
ーブタノール60gを用い、実施例2と同様に加熱、分
液して、水層32gを回収し、乳酸の94%が1ーブタ
ノール層に移動していることを確認した。実施例2と同
様に蒸留して乳酸ブチル45g(純度95%以上)を得
た。収率は78%であった。
【0017】比較例1 実施例1において、塩化ナトリウムを添加しなかった他
は実施例1と同様に分液ロートを用いて混合を行った。
反応液は2時間静置後も均一な溶液であった。このもの
を全量フラスコに投入し、減圧蒸留に供したところ、3
8℃(70mmHg)留分である水ー1ーブタノール共
沸混合物140gを留去した時点でフラスコ内に白色の
固形物が沈澱しているのを確認した。さらに蒸留を継続
し、100℃(40mmHg)留分として乳酸ブチル5
4g(純度95%以上)が得られた。収率は37%であ
った。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ヒドロキシカルボン
酸、特に、安定性が低いため単離出来ないヒドロキシカ
ルボン酸についても、炭素数4以上のアルコールとのエ
ステルを反応効率および生産性良く製造することができ
る。また、得られたヒドロキシカルボン酸エステルと、
メチル、エチル等の炭素数3以下のアルコールとのエス
テル交換反応により、乳酸エチル等のヒドロキシカルボ
ン酸の低級アルコールエステルを得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシカルボン酸水溶液と炭素数4
    以上のアルコールを、無機塩の存在下、水層とアルコー
    ル層の分液状態でエステル化反応せしめることを特徴と
    するヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法。
JP15697393A 1993-06-28 1993-06-28 ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法 Pending JPH0710805A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002128738A (ja) * 2000-10-18 2002-05-09 Toray Ind Inc 酒石酸低級アルキルジエステルの製造法
JP2006232678A (ja) * 2005-02-22 2006-09-07 Mitsubishi Rayon Co Ltd α−ヒドロキシカルボン酸の濃縮液及び結晶の製造方法
KR102033356B1 (ko) 2019-07-15 2019-10-17 재원산업 주식회사 알킬 3-알콕시프로피오네이트의 정제방법
JP2022000631A (ja) * 2020-06-17 2022-01-04 国立研究開発法人産業技術総合研究所 水溶性有機酸の定量分析方法、エステル化試薬及び分析キット

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