JPH07106117A - 電流リード - Google Patents

電流リード

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JPH07106117A
JPH07106117A JP6031684A JP3168494A JPH07106117A JP H07106117 A JPH07106117 A JP H07106117A JP 6031684 A JP6031684 A JP 6031684A JP 3168494 A JP3168494 A JP 3168494A JP H07106117 A JPH07106117 A JP H07106117A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電流リードに外力がかかっても曲げ応力に弱い
酸化物超電導体が破損しない強固なものにする。 【構成】低温側リード50の管状容器7内にエポキシ樹脂
のような硬化性樹脂100 を充填して低温側リード50を構
成する酸化物超電導体80、筒状容器7及び硬化性樹脂10
0 を一体化することによって、電流リード1に外力がか
かったときにこれらが一体となって外力に耐えるので、
酸化物超電導体80にかかる曲げ応力が低減してこれが破
損する可能性がなくなる。また、酸化物超電導体の内部
にヘリウムガスGHe が通る冷却孔81を設けることによっ
て酸化物超電導体80の冷却と高温側リード2へのヘリウ
ムガスGHe の流通路の確保ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超電導装置の真空断
熱容器内の液体ヘリウム容器に収納されて液体ヘリウム
に浸漬された超電導コイルに外部電源から励磁電流を通
電するために使用される電流リード、特に熱侵入量を低
減するために酸化物超電導体が使用された電流リードに
関する。
【0002】
【従来の技術】超電導コイルは冷媒として高価な液体ヘ
リウムを使用して超電導状態を保持するため、その蒸発
量を小さく抑えて消費量を低減し超電導装置の運転コス
トを低減することが望ましく、そのためには電流リード
から超電導コイルへの熱侵入量を小さくすることが必要
である。
【0003】通常、極低温に保たれた超電導コイルに常
温の外部電源から励磁電流を供給する電流リードは、銅
又は銅合金のような良導電性金属で構成されるが、この
ような良導電性金属は同時に熱良伝導体の特性を持って
いる。そのため、常温部から極低温部への伝導熱が侵入
する。導体で発生するジュール発熱と常温部からの熱伝
導による熱侵入を低減するために、液体ヘリウムが蒸発
して生成した低温のヘリウムガスを低温端子から流入さ
せて導体部を冷却する構成が採用される。
【0004】超電導装置全体の熱負荷の大半は電流リー
ドで占めるため、電流リードの低熱侵入化は超電導装置
の経済的な運転を実現するために重要な課題となってい
る。酸化物超電導体は液体窒素温度(〜77K )程度で超
電導状態を保持できるのでこれを電流リードの低温側に
使用すると、この部分ではジュール発熱がなくなり、か
つ酸化物超電導体は低温で熱伝導率が銅の 100分の1以
下という低熱伝導特性を持っていることから、電流リー
ドの熱負荷の軽減に有効であり、装置の経済的な運転が
可能になる。
【0005】図6は従来の電流リードの立面図である。
この図において電流リード1は下から低温端子90、低温
側リード5、高温側リード2及び常温端子20からなって
いる。低温端子90には引き出しリード101 を介して図示
しない液体ヘリウム容器に収納され液体ヘリウム He に
浸漬されている超電導コイル10が接続され、常温端子20
は図示しない真空容器の外部の大気中にあって図示しな
い外部電源に接続される。フランジ22は電流リード1を
図示しない真空容器に取付けるためのものである。
【0006】図7は図6に示す電流リード1の回転断面
図を含む部分垂直断面図である。高温側リード2と低温
側リード5とは中間接続金具6によって電気的、機械的
に接続されており、低温側リード5は筒状容器7の中を
4本の棒状の酸化物超電導体8が通った構成であり、高
温側リード2は筒状容器4の中を銅のような良導電性金
属線材の束3が通っており、この良導電性金属線材の束
3の下端が中間接続金具6の穴に埋め込まれて半田付け
で固定され、他端は図6の常温端子20に接続されてい
る。電流リード1の中を電流が流れるのは主に良導電性
金属線材の束3と酸化物超電導体8である。
【0007】酸化物超電導体8は下部が低温端子90が設
けられている低温端子金具9の穴に埋め込まれて半田付
けされ、上部が中間接続金具6の穴に埋め込まれて半田
付けされてそれぞれ電気的、機械的に接続されている。
管状容器7もそれぞれ低温端子金具9と中間接続金具6
とにそれぞれ気密に接続されている。低温端子金具9に
は流通孔91が設けられていて、低温端子金具9が挿入さ
れる図示しない液体ヘリウム容器と管状容器7内の中空
部51とを連通しており、中間接続金具6には流通孔61が
設けられていて、低温側リード5の中空部51と高温側リ
ード2の中空部21とを連通しており、それぞれヘリウム
ガスGHe が流れることができるようになっている。ヘリ
ウムガスGHe は液体ヘリウム容器に侵入する熱を奪って
液体ヘリウムガが気化することによっ発生する。酸化物
超電導体8はこのヘリウムガスGH e に冷却されて超電導
状態を維持し、良導電性金属線材の束3もヘリウムガス
GH e に冷却されてジュール熱と外部から侵入する侵入熱
が吸収される。
【0008】図8は図7とは異なる構成の低温リードが
採用された電流リードの要部断面図であり、図7と同じ
部材については共通の符号を、同じ機能の部材について
は図7のの符号にそれぞれ付けて重複する説明を省く。
この図において、中間接続金具6Aと低温端子金具9Aには
これらが互いに対向する側に突出部6A2,9A2 が設けられ
ており、これらにボルトで固定された接続片6A3,9A3 を
介して棒状の酸化物超電導体8Aが取付けられている。こ
のような構成を採用することによって、酸化物超電導体
8Aを中間接続金具6Aや低温端子金具9Aに取付ける取付け
作業が単に接続片6A3,9A3 を突出部6A2,9A2 にボルトで
取付けるだけの簡単な作業になる。
【0009】図9は図8のD-D 断面図であり、筒状容器
7と中間接続金具6Aの図示は省略してあり、突出部6A2
及び接続片6A3 は矢印の方向から見た矢視図である。こ
の図において、突出部6A2 は正方形の断面をしていてそ
れぞれの辺に接続片6A3 が取付けられ、それぞれの接続
片6A3 に酸化物超電導体8Aが取付けられており、結局酸
化物超電導体8Aは4本の棒状の酸化物超電導体からなっ
ている。酸化物超電導体8Aと接続片6A3 とは半田付けで
導電結合される。その際、結合部の抵抗を小さくするた
めに、酸化物超電導体8Aの半田付けされる部分に銀を蒸
着するか銀箔を張り付けるかなどの構成が採用される。
図8のD-D 断面の方向を逆して低温端子金具9Aを向く方
向の断面図をとった図は、図9の突出部6A2 、接続片6A
3 の代わりに突出部9A2 、接続片9A3 とした図になり、
これらの酸化物超電導体8Aとの接続構成は前述の構成と
同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、棒状の酸化物超電導体 8,8A の両端を筒状容器に強
固に固定した従来の低温側リード5,5Aにおいては、酸
化物超電導体 8,8A に機械的歪みが加わった状態で組立
加工を終了することが多い。ところが、酸化物超電導体
8,8A は焼成材であるため機械的にもろく、かつ高い寸
法精度を期待できないという性質が有るため、低温側リ
ード 5,5A の組立加工時に酸化物超電導体8,8A に加わ
る機械的応力や歪みによって微小なクラックが発生する
ことがあり、さらに組立終了後電流リード1を冷却した
際に構成材料の熱収縮差により発生する熱応力が、微小
クラックに集中して機械的弱点部を形成するため、とき
には酸化物超電導体 8,8A が破損するという問題が発生
する。また、酸化物超電導体の破損が電流リードの組立
作業終了後に発見された場合には、低温側リード 5,5A
又は電流リード1全体を分解し、新たな酸化物超電導体
に交換する大掛かりな分解修理が必要であり、多大な経
済的損失を招くばかりか、この間電流リードを使用でき
ないという不都合が発生する。
【0011】一方、超電導コイル10の両端子に接続され
る一対の電流リード1が互いに平行して配置されるよう
な場合、励磁電流のオンオフに伴う電流磁界の変化によ
って大きな電磁機械力が酸化物超電導体 8,8A に作用す
る。このような場合、両端が固定された酸化物超電導体
8,8A に過大な曲げ応力が加わり、機械的に脆い酸化物
超電導体が破損するという問題が発生する。
【0012】この発明の目的は、低温側リードの構造改
善により、酸化物超電導体の機械的安定性を強化するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明によれば、高温側リードと低温側リードが
電気的、機械的に接続されてなり、低温側リードが、棒
状の酸化物超電導体が管状容器に収納されてなる電流リ
ードにおいて、低温側リードの管状容器内に硬化性樹脂
が充填されてなるものとする。また、酸化物超電導体が
内部にヘリウムガスが通る冷却孔が設けられてなるもの
とする。また、酸化物超電導体の長さ方向に平行に硬化
性樹脂を貫通するヘリウムガスの流通孔が設けられてな
るものとする。また、高温側リードと低温側リードが電
気的、機械的に接続されてなり、低温側リードが、棒状
の酸化物超電導体が管状容器に収納されてなる電流リー
ドにおいて、酸化物超電導体を長手方向に貫通する少な
くとも少なくとも1本の貫通孔が設けられ、これら貫通
孔のうちの少なくとも1本に補強棒が挿入されてなるも
のとする。また、この補強棒を、端部が開口した補強管
に代えてなるものとする。
【0014】
【作用】この発明の構成において、酸化物超電導体が収
納される低温側リードの管状容器内に硬化性樹脂を充填
することによって、電流リードに外力がかかったときに
硬化した樹脂がその力を負担して酸化物超電導体に過度
の力がかからない。また、酸化物超電導体の内部にヘリ
ウムガスの冷却孔を設けることによって、酸化物超電導
体が冷却されるとともに高温側リードへのヘリウムガス
の流通路も確保することができる。ヘリウムガスの冷却
孔として酸化物超電導体の長さ方向と同じ方向に硬化性
樹脂を貫通する孔を設けても酸化物超電導体の樹脂を介
した冷却と高温側リードへのヘリウムガス流通路の確保
ができる。
【0015】また、棒状の酸化物超電導体にこれの長手
方向に平行な貫通孔を複数本設けて、この貫通孔の少な
くとも1本に補強棒を挿入して設けることによって、電
流リードに曲げ応力がかかったときにこの補強棒が曲げ
応力を負担して酸化物超電導体の曲げ応力を低減させ
る。補強棒が挿入されない貫通孔にはヘリウムガスを通
すことによって、酸化物超電導体の冷却効果が向上す
る。連結棒の代わりに中が中空の補強管を使用すると、
この補強管も冷却孔の役目を果たす。
【0016】
【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図1はこの発明の第1の実施例を示す電流リードの回転
断面図を含む部分垂直断面図であり、図7と同じ部材に
ついては共通の符号を付けて詳しい説明を省く。この図
において、図7の低温側リード5の中空部51に硬化性樹
脂100 を充填して硬化させ、筒状容器7及び酸化物超電
導体80とともに一体化してある。酸化物超電導体80には
ヘリウムガスGHe を通す冷却孔81を設けてあり、また、
硬化性樹脂100 と低温端子金具9及び中間接続金具6と
の間には隙間52,53 を設けてあって、低温端子金具9の
流通孔91から中に入ったヘリウムガスGHe は隙間52を介
して冷却孔81に入り隙間53を介して中間接続金具6の
流通孔61を通って高温側リード2の中に入る。
【0017】低温側リード5は硬化樹脂100 によって一
体化されるので機械的強度が増大し、電流リード1に何
らかの理由で外力がかかったときでも硬化性樹脂100 が
多くの力を負担して酸化物超電導体80に過大な曲げ応力
がかかるのを防ぐことができる。酸化物超電導体80が超
電導状態を維持するための冷却は主に冷却孔81に流れる
ヘリウムガスGHe によって行われる。冷却孔81は同時に
ヘリウムガスGHe を高温側リード2に供給するための流
通路ともなっている。
【0018】冷却孔81ではなく硬化性樹脂100 に酸化物
超電導体80に平行して貫通孔を設け、この貫通孔にヘリ
ウムガスGHe を通すことによって硬化性樹脂100 を介し
て酸化物超電導体80を冷却するとともに高温側リード2
への流通路とすることもできる。このときの酸化物超電
導体は図7の酸化物超電導体8のように中実の棒でよ
い。流通路の断面積を大きく確保ししかも酸化物超電導
体の冷却効果を高い値に確保するためには、冷却孔81と
前述の貫通孔を併用すればよい。
【0019】図1では冷却孔81は隙間52,53 の両方の部
分で冷却孔81まで届く穴を径方向に設け長さ方向の穴は
これら径方向の穴をつなぐ長さだけ設けてあるが、長さ
方向の穴は酸化物超電導体80の全長にわたって設けても
よい。この構成の場合は酸化物超電導体80は筒状になる
ので製作も比較的容易である。更に、径方向の穴の代わ
りに流通孔61,91 と同じように金具6,9 を図の上下方向
に貫通する穴と連通する構成を採用することもできる。
このような構成にすると隙間52,53 は不要になってこの
部分も硬化性樹脂100 を充填することができるので充填
作業が容易になるという利点がある。
【0020】なお、酸化物超電導体80に電流が流れるこ
とによって発生する熱は実質的に無視できるので、酸化
物超電導体80を冷却する目的は中間接続金具6を介して
熱伝導によって侵入してくる熱の吸収にある。硬化性樹
脂100 を充填することによって機械的だけではなく熱的
にも低温側リード50は一体化されるので内部に冷却のた
めの貫通孔などを設けず筒状容器7の外表面からの冷却
だけでも充分な冷却効果が得られることもある。したが
って、前述の冷却孔81や貫通孔などが不要の場合もあ
る。ただ、このときには高温側リード2の中空部21にヘ
リウムガスGHe を供給する流通路を確保する必要があ
る。
【0021】硬化性樹脂100 としてはよく知られている
熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を使用するのが妥当で
ある。図2はこの発明の第2の実施例を示すもので、図
8に示す電流リードに適用したものであり図9と同じく
図8のD-D 断面位置に相当する要部断面図である。ま
た、図3は図2のA-A 断面図、図4は図3のB-B 断面図
である。これらの図において、図8、図9と同じ構成要
素には同じ符号を、類似の構成要素には符号の中に含ま
れる英字AをBに代えて重複する説明を省く。図2にお
いて、接続片6B3は管状部6B31と固定部6B32とからなっ
ていて、管状部6B31に設けられた穴部6B33に酸化物超電
導体8Bが挿入され半田付けで電気的、機械的に接続され
ている。接続片6B3 は固定部6B32によって突出部6A2 に
ボルト締めで固定されている。図8、図9にも固定部6B
32と同様の固定部があるが図示を省略しているに過ぎな
い。
【0022】図4に拡大して示すように酸化物超電導体
8Bには中央に1つと周辺近くに8つの合計9つの貫通孔
が設けられている。その内の4つは補強棒8B2 が挿入さ
れ、他の5つは何も挿入されないで冷却孔8B1 となって
いる。図3に示すように酸化物超電導体8Bは管状部6B31
の穴部6B33に挿入されているが、穴部6B33と冷却孔8B1
とは連通するように構成されているので、穴部6B33を通
って冷却孔8B1 にヘリウムガスGHe が通って酸化物超電
導体8Bを中から冷却する。
【0023】補強棒8B2 はステンレス鋼、又は繊維強化
樹脂などが使用される。これらは熱伝導率が小さくて機
械的強度が高いという特徴を持っている。熱伝導率が小
さい材料が適しているのは中間接続金具6Aから低温端子
金具9Aに向かう熱伝導による熱侵入を小さくするためで
ある。電流リードに曲げ応力がかかったとき、この補強
棒8B2 が力を負担して酸化物超電導体8Bに生ずる応力が
低減する。したがってこの発明の第1の実施例と同様に
電流リードの機械的強度を向上させることができる。冷
却孔8B1 は酸化物超電導体8Bの冷却特性を向上させるも
のであるが酸化物超電導体8Bの表面からの冷却で充分な
ときには必要ではない。ただ、電流リードの正常な使用
状態にあるときには問題なくても、酸化物超電導体8Bが
万一クエンチしたときには酸化物超電導体8Bの温度上昇
を抑制するためになるべく冷却効果が高いことが望まれ
る。
【0024】冷却孔8B1 は、補強棒8B2 を挿入のための
貫通孔を酸化物超電導体8Bに設けるときに補強棒8B2 の
必要本数を越える貫通孔を設けることによって容易に形
成することができる。図5はこの発明の第2の実施例と
一部異なる実施例を示す酸化物超電導体の断面図であ
り、図4と同じ構成要素には同じ符号を付けて重複する
説明を省く。図5の図4との違いは補強棒8B2 の代わり
に補強管8B3 を使用した点である。補強管8B3 は中空で
両端が開口しておりこの中空部をヘリウムガスを通って
冷却孔8B1 と同様に酸化物超電導体8Bを内部から冷却す
ることができる。この場合も冷却孔8B1 を設けるのを省
略することは図4の構成よりも可能性が高い。すなわ
ち、補強管8B3 によって酸化物超電導体8Bの機械的補強
と冷却効果の向上との両方を行うことができるからであ
る。
【0025】補強棒8B2 、補強管8B3 及び冷却孔8B1 を
形成するための貫通孔は酸化物超電導体を焼結によって
製作する際に設けることができる。すなわち、焼結の際
に貫通孔となる部分に適当な金属棒を設けておき、粉末
状の酸化物を詰め込んだ上で焼結し、そのあと金属棒を
抜き取る。抜き取る代わりにこの金属棒の融点以上の温
度にさらして溶かし出すことでもよい。
【0026】焼結時の温度は 300°C程度であるから、
融点がこの温度よりも高く酸化物超電導体の許容温度よ
りも低い範囲の金属であれば溶かし出す方法を採用する
ことができる。また、補強棒8B2 又は補強管8B3 として
ステンレス鋼板を用いると貫通孔を設けるための金属棒
として補強材としてのステンレス棒又はステンレス管を
使用しそのま抜かないでおくことでもよい。
【0027】なお、第2の実施例は図8に示す従来の電
流リードに適用した例であるが、これの代わりに図7に
示す電流リードに適用することもできる。また、接続片
として酸化物超電導体との接続部が全周ではなく例えば
図8、図9に示すように半周であっても差し支えない。
また、補強棒8B2 や補強管8B3 の断面形状は必ずしも円
形である必要はなく、正六角形又は正四角形であっても
原理的に問題はない。ただ、一般的には円形であるのが
色々の面で有利である。また、補強棒8B2 又は補強管8B
3 や冷却孔8B1 の本数や径寸法は図示したものにこだわ
るものではなく、適用する電流リードの仕様に応じた適
切な緒言を採用すればよい。
【0028】
【発明の効果】この発明は前述のように、低温側リード
の管状容器内にエポキシ樹脂のような硬化性樹脂を充填
してこれとともに酸化物超電導体、筒状容器を機械的に
一体化することによって、電流リードに外力がかかった
ときにこれらが一体となって外力に耐えるので、酸化物
超電導体にかかる曲げ応力が低減してこれが破損する可
能性がなくなり信頼性の高い電流リードになるという効
果が得られる。また、酸化物超電導体の内部にヘリウム
ガスが通る冷却孔を設けることによって酸化物超電導体
の冷却と高温側リードへのヘリウムガスの流通路の確保
ができる。ヘリウムガスの冷却孔として硬化性樹脂を貫
通する孔を設けても酸化物超電導体の樹脂を介した冷却
と高温側リードへのヘリウムガス流通路の確保ができ
る。硬化性樹脂の中を通る冷却孔を前述の酸化物超電導
体の中を通る冷却孔とを併用することで酸化物超電導体
の冷却と高温側リードへのヘリウムガスの流通路として
の2つの機能を最適に設定することができるという効果
が得られる。
【0029】また、棒状の酸化物超電導体に貫通孔を複
数本設けて、この貫通孔の少なくとも1本に補強棒又は
補強管を挿入して設けることによって、電流リードに曲
げ応力がかかったときにこの補強棒又は補強管が曲げ応
力を負担して酸化物超電導体の曲げ応力を低減させるこ
とができて電流リードの機械的強度が向上し前述と同様
の信頼性の高い電流リードになるという効果が得られ
る。補強棒が挿入されない貫通孔にはヘリウムガスを通
すことによって、酸化物超電導体の冷却効果が向上す
る。連結管を使用する場合には、この補強管も冷却孔の
役目を果たして酸化物超電導体の冷却効果が向上し、特
にクエンチ時の酸化物超電導体の温度上昇を抑制して波
及的な影響を防止することができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す電流リードの回
転断面図を含む部分垂直断面図
【図2】この発明の第2の実施例を示す電流リードの要
部断面図
【図3】図2のA-A 断面図
【図4】図3のB-B 断面図
【図5】図4とは異なる実施例を示す図4と同じ位置の
断面図
【図6】電流リードの立面図
【図7】図6に示す電流リードの従来の構成を示す回転
断面図を含む部分垂直断面図
【図8】図7とは異なる従来の電流リードの要部断面図
【図9】図8のD-D 断面図
【符号の説明】
10…超電導コイル、 101…引き出しリード、 1…電流リ
ード、He…液体ヘリウム、GHe …ヘリウムガス 2…高温側リード、 3…良導電性金属線材の束、 4…
筒状容器、6,6A …中間接続金具、61,6A1…流通孔、5,5
0,5A…低温側リード、51, …中空部、 100…硬化性樹
脂、 7…筒状容器、8,80,8A,8B …酸化物超電導体、81
…冷却孔、 9,9A …低温側端子金具、6A…中間金具、 6
A2,6B2,9A2,9B2…突出部、 6A3,6B3,9A3,9B3…接続片、
6B31, 9B31…管状部、6B32, 9B32…固定部、6B33, 9B33
…穴部、 8B1…冷却孔、 8B2…補強棒、 8B3…補強管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温側リードと低温側リードが電気的、機
    械的に接続されてなり、低温側リードが、棒状の酸化物
    超電導体が管状容器に収納されてなる電流リードにおい
    て、低温側リードの管状容器内に硬化性樹脂が充填され
    てなることを特徴とする電流リード。
  2. 【請求項2】酸化物超電導体が内部にヘリウムガスが通
    る冷却孔が設けられてなることを特徴とする請求項1記
    載の電流リード。
  3. 【請求項3】酸化物超電導体の長さ方向に平行に硬化性
    樹脂を貫通するヘリウムガスの流通孔が設けられてなる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電流リード。
  4. 【請求項4】高温側リードと低温側リードが電気的、機
    械的に接続されてなり、低温側リードが、棒状の酸化物
    超電導体が管状容器に収納されてなる電流リードにおい
    て、酸化物超電導体を長手方向に貫通する少なくとも1
    本の貫通孔が設けられ、これら貫通孔のうちの少なくと
    も1本に補強棒が挿入されてなることを特徴とする電流
    リード。
  5. 【請求項5】請求項4記載の補強棒を、端部が開口した
    補強管に代えてなることを特徴とする電流リード。
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