JPH07106055A - 急速昇温発熱素子およびその製造方法 - Google Patents

急速昇温発熱素子およびその製造方法

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JPH07106055A
JPH07106055A JP18778294A JP18778294A JPH07106055A JP H07106055 A JPH07106055 A JP H07106055A JP 18778294 A JP18778294 A JP 18778294A JP 18778294 A JP18778294 A JP 18778294A JP H07106055 A JPH07106055 A JP H07106055A
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JP
Japan
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sintered body
layers
heating element
rapid heating
ceramic sintered
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Withdrawn
Application number
JP18778294A
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English (en)
Inventor
Kentaro Sawamura
建太郎 澤村
Nobuyuki Miki
信之 三木
Masahiro Kitajima
正裕 北島
Etsuo Mihashi
悦央 三橋
Masatada Yodogawa
正忠 淀川
Ryoichi Kondo
良一 近藤
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 容易かつ安価に製造することができ、しかも
耐久性、特性に優れた急速昇温発熱素子を得る。 【構成】 電気絶縁性セラミック焼結体層1と、第1お
よび第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2a,2b、
および高抵抗の導電性セラミック材料で前記第1および
第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2a,2bと一体
的に形成された連結部分2cを有し、前記連結部分2c
を介して他方に延びる電流路を形成した発熱部2と、前
記第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2
a,2bと同一面上あるいは該第1および第2高抵抗導
電性セラミック焼結体層2a,2bの表面上の少なくと
も一部に低抵抗の導電性材料で形成され、それぞれ該第
1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2a,2
bと電気的に接続された第1および第2リード部層3,
4とを備えており、素子全体の厚さ100〜2000μ
m 、幅200〜500μm 、長さ15〜70μm に規正
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、急速昇温発熱素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】急速昇温発熱素子としては、例えば特公
平1−28467号公報および特公平4−61832号
公報に開示されたものが知られている。
【0003】特公平1−28467号公報に開示された
急速昇温発熱素子は、自動車ディーゼルエンジン用グロ
ープラグであって、例えば、炭化珪素(SiC)に周知
の焼結助剤(例えば、B4 C、Al2 3 等)を添加し
た原料粉末をホットプレスモールド中に充填し、その上
の所定位置にタングステン、モリブデン等を主体とする
高融点金属からなる線状発熱部を有する線状体を配置
し、更にその上に前記原料粉末を充填し線状体を埋設し
て後、約2000℃でホットプレス法により加圧焼成し
て製造されるものであり、露出している線状体の両端部
間に電圧を印加して発熱させて用いられる。
【0004】一方、特公平4−61832号公報に開示
された急速昇温発熱素子は、窒化珪素、窒化アルミニウ
ム、窒化硼素およびそれらの混合物からなる群から選択
された窒化物30〜70体積%、炭化珪素10〜45体
積%および二珪化モリブデン5〜50体積%から全体と
して構成され、且つ、密度が理論密度の少なくとも85
%であって、組成を異にする発熱帯域と非発熱端部とを
有する電気抵抗器であって、具体的には、焼成後高抵抗
となる材料と低抵抗となる材料を二層に成形して、ホッ
トプレス焼成し、この焼成体を層の方向に対して垂直方
向にU字形に機械加工により切り出してなるものであ
り、U字形の2つの自由端部間に電圧を印加し、連結部
において発熱させて用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特公平1−284
67号公報に開示された急速昇温発熱素子は、セラミッ
ク原料粉体で構成される成形体内に発熱体となる線状体
が埋め込まれるようにして、ホットプレスにより焼成し
てなるものであるが、発熱素子をほぼ完全に個別に製造
しなければならず、製造が効率的でなく、時間がかか
り、しかも高コストなものとなる。また、ヒータが埋設
されているため、ヒータが表面に露出している構造に対
して熱効率が劣る。
【0006】また、特公平4−61832号公報に開示
された急速昇温発熱素子は、例えば抵抗値の異なる2層
状の導電性焼結体を所定形状すなわちU字形に機械加工
により切り出して製造するものであり、セラミック材料
の焼結体のように高硬度のものを加工するため、加工費
がかかるとともに、製造効率も悪いという問題がある。
【0007】また、上記と同様のセラミックヒータとし
て、特開昭61−104581号公報に開示されたもの
が知られているが、このセラミックヒータにあっても、
U字形のヒータを形成する場合には、一つ一つ一品製作
しなければならず、製造が効率的でなく、且つ高価なも
のとなるという問題点を有している。
【0008】さらに、従来のセラミックヒータは、10
秒程度以下の昇温速度での急速昇温発熱素子として用い
ると、熱衝撃によるクラックが生じ易く、また長時間使
用により抵抗劣化が生じ、耐久性の点で不十分である。
【0009】そこで、本発明は、加熱素子としての特性
は保持したまま、効率よくしかも安価に製造することが
でき、さらに耐久性の高い急速昇温発熱素子を提供する
ことを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(17)の本発明により達成される。 (1)電気絶縁性セラミック焼結体層と、この電気絶縁
性セラミック焼結体層の両面のそれぞれの少なくとも一
部に高抵抗の導電性セラミック材料で層設された第1お
よび第2高抵抗導電性セラミック焼結体層と、高抵抗の
導電性セラミック材料で前記第1および第2高抵抗導電
性セラミック焼結体層と一体的に形成された連結部分
と、前記第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体
層の一方から前記連結部分、介して他方に延びる電流路
を形成した発熱部と、前記第1および第2高抵抗導電性
セラミック焼結体層と同一面上あるいは該第1および第
2高抵抗導電性セラミック焼結体層の表面上の少なくと
も一部に低抵抗の導電性材料で形成され、それぞれ該第
1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層と電気的
に接続された第1および第2リード部層とを有し、素子
全体の厚さが100〜2000μm、幅が200〜50
00μm、および長さが15〜70mmの範囲にそれぞれ
設定されている急速昇温発熱素子。 (2)前記発熱部の連結部分が、前記第1および第2高
抵抗導電性セラミック焼結体層の材料と同一の材料で形
成されている上記(1)の急速昇温発熱素子。 (3)前記第1および第2リード部層が、低抵抗の導電
性セラミック材料で形成された導電性セラミック焼結体
層である上記(1)または(2)の急速昇温発熱素子。 (4)前記電気絶縁性セラミック焼結体層と前記第1お
よび第2高抵抗導電性セラミック焼結体層の厚さが共に
1〜1000μm、前記発熱部全体の厚さが100〜2
000μmの範囲内に設定されている上記(1)ないし
(4)のいずれかの急速昇温発熱素子。 (5)前記電気絶縁性セラミック焼結体層と、発熱部
と、第1および第2リード部層とが、共に同一金属酸化
物である絶縁性第1成分と、同一金属の珪化物および/
または炭化物である導電性第2成分とを組成比を変えて
主成分とするセラミックで形成されている上記(1)〜
(4)のいずれかの急速昇温発熱素子。 (6)電気絶縁性セラミック焼結体層と、この電気絶縁
性セラミック焼結体層に接続された発熱部と、この発熱
部に電圧を印加するための第1および第2リード部層と
を備え、前記電気絶縁性セラミック焼結体層と、発熱部
と、第1および第2リード部層とが、共に同一金属酸化
物である絶縁性第1成分と、同一金属の珪化物および/
または炭化物である導電性第2成分とを組成比を変えて
主成分とするセラミックで形成されている急速昇温発熱
素子。 (7)前記電気絶縁性セラミック焼結体層と、前記発熱
部と、前記第1および第2リード部層において、第1成
分と第2成分の組成比が体積比でそれぞれ10:0〜
8:2、7.5:2.5〜5.5:4.5および5:5
〜0:10である上記(5)または(6)の急速昇温発
熱素子。 (8)前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、酸化ジル
コニウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化タンタル、酸
化ケイ素、酸化アルミニウムマグネシウムおよび酸化ア
ルミニウムケイ素のうち少なくとも一種であり、前記金
属珪化物が、モリブデン、タングステンおよびクロムの
珪化物のうち少なくとも一種であり、そして前記金属炭
化物が、シリコンおよびチタンの炭化物のうち少なくと
も一種である上記(5)ないし(7)のいずれかの急速
昇温発熱素子。 (9)前記第2成分が珪化モリブデンである上記(5)
ないし(8)のいずれかの急速昇温発熱素子。 (10)前記電気絶縁性セラミック焼結体、前記発熱部
ならびに前記第1および第2リード部層のうちの少なく
とも1層がアルカリ土類金属およびYを含む希土類金属
の酸化物を10wt% 以下含有する上記(5)ないし
(9)のいずれかの急速昇温発熱素子。 (11)外表面が化学的、熱的に安定な耐熱性、耐酸化
性の保護膜で被覆されている上記(1)ないし(10)の
いずれかの急速昇温発熱素子。 (12)前記保護膜が、シリカ、アルミナおよびクロミ
アの少なくとも一種以上で形成されている上記(11)の
急速昇温発熱素子。 (13)前記電気絶縁性セラミック焼結体層と、発熱部
と、第1および第2リード部層のうち少なくともいずれ
かが、炭化珪素を2wt%以下含む上記(6)ないし(1
2)のいずれかの急速昇温発熱素子。 (14)前記連結部分が3層以上で形成され、その中間
部の抵抗値が、その上下の層の抵抗値より大きく設定さ
れている上記(1)ないし(13)のいずれかの急速昇温
発熱素子。 (15)前記中間部が、前記電気絶縁性セラミック焼結
体層と実質的に同一厚さあるいは厚さの差が±20%以
内の厚さであって、前記電気絶縁性セラミック焼結体層
の先端に接続された中間層として形成されている上記
(13)の急速昇温発熱素子。 (16)第1および第2リード部層の抵抗値が、発熱部
の抵抗値の10分の1以下に設定されている上記(1)
ないし上記(14)のいずれかの急速昇温発熱素子。 (17)上記(1)ないし(16)のいずれかの急速昇温
発熱素子を製造する方法において、前記電気絶縁性セラ
ミック焼結体層と、発熱部と、第1および第2リード部
層を焼結前の状態で層状に形成して積層し、これを焼成
することによって素子を得ることを特徴とする急速昇温
発熱素子の製造方法。
【0011】
【作用】本発明の急速昇温発熱素子は、主要部分あるい
は全体をセラミックのグリーンシートを積層し、これを
単に短冊状に切断した後、焼成することによって製造す
ることができるので、焼成の前工程までを複数の素子を
一体にかつ同時に作製することができ、効率よく、しか
もその後の工程も焼成前の生の材料を単に短冊状に切断
し、焼成するだけでよいので、効率よく、しかも安価に
製造することができる。
【0012】また、上記特公平4−61832号の急速
昇温発熱素子にあっては、U字形で内部に切り欠き空間
を有しているので、強度的に弱いものとなってしまうた
め、その2本の垂直部分の厚さをある程度大きく設定し
なければならず、従って全体としても大きなサイズのも
のとなってしまう。また、耐久性も低い。しかしなが
ら、本発明の急速昇温発熱素子においては、電気絶縁性
セラミック焼結体層を用いて、この層に発熱部とリード
部とを一体化している。また、発熱部は電気絶縁性セラ
ミックの先端部の端面および側面に一体化されている。
そして、その全体構造は通常一体の板状となる。これら
のため、強度的に強く、小型化が可能となる。この小型
化に伴って、昇温に要するエネルギが小さくてすみ、熱
衝撃に強く、くり返し長時間の急速昇温に対して耐久性
が高いという大きな利点がある。
【0013】また、酸化物と、珪化物および/または炭
化物とを主成分として、電気絶縁性セラミック焼結体層
と発熱部とリード部とを構成し、各層の構成成分と共に
同一成分として、その組成比をかえるとくり返し長時間
の急速昇温によってもクラックの発生や抵抗劣化がな
く、高い耐久性が得られる。さらに、窒化物を用いると
きには、窒素中での焼結を行わないとNTC特性を示し
実用できないが、上記のように窒化物を用いなければ、
焼結条件の制約がなくなり、すぐれたPTC特性を安定
に得ることができ、すぐれた昇温特性を得ることができ
る。
【0014】なお、特開平1−202470号公報には
電気絶縁層の上下および一端部に導電層一体的に形成し
た焼結体にリード部を接着したヒータが開示されてい
る。しかし、このものはリード層が一体的に形成されて
いないので、素子全体が発熱体となり温度上昇するた
め、リード部の接続部を高温に耐えるものとする必要が
ある。しかし、リード部の接続部の接着強度を高温発熱
時においても保つことはきわめてむずかしく、実用的で
はない。バネ等を用いて機械的な圧力で接触を取ること
も考えられるが、やはり高温となるとそれに耐える材質
のものは少なく、例えあったとしても長期間の使用は期
待できない。接続部をセメント等で固めることも考えら
れるが、いずれにしても接続部の温度上昇は避けられな
い。
【0015】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成を詳細に説明
する。
【0016】図1、図2および図3には、本発明の急速
昇温発熱素子の好適例3例が示されている。
【0017】本発明の急速昇温発熱素子は、例えば全体
として長方形の板状であることが望ましく、電気絶縁性
セラミック焼結体層1、発熱部2、および第1および第
2リード部を備えている。素子の全体形状は上記のよう
に通常板状であることが好ましいが、円柱状等の形状を
とってもよい。上記発熱部2は、上記電気絶縁性セラミ
ック焼結体層1の表面および裏面のそれぞれの全面(図
1参照)あるいは一部分(図2参照)に、比較的高抵抗
の導電性セラミック材料で平面あるいは曲面の板状に形
成された第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体
層2aおよび2bと、第1および第2高抵抗導電性セラ
ミック焼結体層2aおよび2bの一方から他方に、前記
電気絶縁性セラミック焼結体層の周縁の一部、図示の場
合には先端部に沿って延びる電流路を形成するように、
比較的高抵抗の導電性セラミック材料で、第1および第
2高抵抗導電性セラミック焼結体層2aおよび2bと一
体的に形成された連結部分2cとを備えている。
【0018】上記第1および第2リード部層3および4
は、それぞれ例えば図1、図3に示されているように第
1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2a、2
bの後端部に段差を設け、この第1および第2高抵抗導
電性セラミック焼結体層2a、2bの後端側の薄肉部分
の上に形成されているか、図2に示されているように、
電気絶縁性セラミック焼結体層1上に、第1および第2
高抵抗導電性セラミック焼結体層2a、2b表面と連続
面が形成されるように接続されている。
【0019】以上の構成においては、図から明らかなよ
うに、本発明の急速昇温発熱素子は、好ましくは全体と
して長方形の板状に形成されており、その長尺方向の端
部の先端部に発熱部2が形成されている。
【0020】上記第1および第2リード部層3および4
上には、金属で形成された外部接続電極層5、6が形成
されている。この外部接続電極層5、6は、第1および
第2リード部層3および4上であるならいずれの位置で
あってもよいが、急速昇温発熱素子の上記発熱部2の形
成端部とは反対側の端部、あるいはその近傍に設け、高
温にならないようにすることが望ましい。
【0021】なお、上記発熱部2の連結部分2cのサイ
ズが大きくなる場合には、面積の大小の関係で、第1お
よび第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2a、2bの
みが発熱する場合があるが、この場合には、図3に示し
たように、中央部により高抵抗の高抵抗層2dを挟んだ
サンドイッチ構造とし、連結部分2cが十分に発熱する
ようにしてもよい。
【0022】図示はしていないが、本発明の急速昇温発
熱素子は、外表面が化学的、熱的に安定な耐熱性、耐酸
化性の保護膜で被覆されていることが望ましい。
【0023】本発明の急速昇温発熱素子においては、室
温から1000〜1500℃への昇温時間が10秒以
内、好ましくは1〜5秒に設定される。また、本発明の
急速昇温発熱素子においては、その素子抵抗は、使用電
力と使用電圧範囲によって変わるが、概ね0.5〜20
kΩの範囲に設定される。そして、発熱部の抵抗値は、
第1および第2リード部層の抵抗値の10倍以上、特に
20〜1000倍程度とする。この結果、特に端子電極
の部分における温度があまり高くならないようにするこ
とができる。なお、上記抵抗値は、素子が発熱して温度
が室温から1000℃に上昇したときに、PTC特性の
ため4倍程度に増大するので、室温での抵抗値を目標値
の4分の1程度に下げて設定することもある。
【0024】本発明の急速昇温発熱素子は、その厚さを
100〜2000μmの範囲、その幅を200〜500
0μm、好ましくは 800〜3000μmの範囲、そ
の長さを15〜70mm、好ましくは25〜50mmの
範囲に設定することが望ましい。
【0025】厚さが上記の範囲未満では機械的強度が弱
く、上記範囲を超えると、熱容量が大きくなりすぎ昇温
速度が遅くなるとともに、耐熱衝撃性が低下し、急速昇
温時にクラックの発生の原因となる。幅が上記の範囲未
満では機械的強度が弱く取扱いが難しくなるとともに、
発熱容量が小さくなってくる。また、長時間使用で導電
体の酸化が進むと、酸化層の比率が高くなり易く、酸化
の影響を強く受けるようになってくる。一方、上記範囲
を超えると、熱容量が大きくなりすぎ昇温速度が遅くな
ってくる。また、放熱面積が大きくなってからも、昇温
が遅くなってくる。また、耐熱衝撃性が低下し、急速昇
温時にクラック発生の原因となってくる。
【0026】また、素子の長さが上記の範囲未満である
と、端子電極を発熱部から十分に離して設置することが
困難となり、端子電極の部分の温度が高くなってくる。
一方、長さが上記の範囲を超えると、機械的な衝撃等に
弱くなり、取扱いが難しくなってくる。
【0027】上記電気絶縁性セラミック焼結体層1およ
び第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層2
a、2bの厚さは、共に1〜1000μm、好ましくは
10〜500μmの範囲に設定することが望ましい。1
μm未満では、機械的強度がもたず、またスルーホール
等が発生し易くなり、電気的に短絡し易くなってくる。
一方、1000μmを超えると、熱容量が大きくなり、
昇温速度が遅くなると同時に、急昇温による熱衝撃で素
子が破壊し易くなってくる。
【0028】上記発熱部全体の厚さは、100〜200
0μm、好ましくは500〜1000μmの範囲に設定
することが望ましい。100μm未満では機械的強度が
もたず、使用に耐えなくなってくる。また、長時間使用
していると、導電体中に発生する酸化層と反応し、絶縁
劣化が起きやすくなる。一方、2000μmを超える
と、熱容量が大きくなりすぎ、昇温に時間がかかり、耐
熱衝撃性も低下してくる。さらに、発熱特性の点から、
発熱部の連結部分2cは、電気絶縁性セラミック焼結体
層の先端側に200〜2000μm存在することが望ま
しい。そして、第1および第2高抵抗導電性セラミック
焼結体層2a、2bは、電気絶縁性セラミック焼結体層
1上に最小100μm、特に最小500μm、最大電気
絶縁性セラミック焼結体層1の長さで存在することが望
ましい。このような長さとすることにより、発熱部の均
熱領域が広がり、繰り返し昇温によるクラックの発生等
が減少し、耐熱衝撃性、耐久性が向上する。
【0029】さらに、急速昇温をより良好なものとする
ためには発熱部の体積を素子全体の1〜60%、好まし
くは5〜40%とすることが好ましい。
【0030】なお、第1および第2リード部層3、4の
厚さは、1〜1000μm程度とする。
【0031】上記電気絶縁性セラミック焼結体層は、金
属酸化物である絶縁性第1成分と、金属珪化物および/
または金属炭化物である導電性第2成分とを主体とする
セラミックで形成されている。この場合、絶縁性第1成
分のみを用いてもよいが、さらに導電性第2成分を含有
させることが好ましい。これにより耐久性が向上する。
【0032】金属酸化物としては、酸化アルミニウム、
酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化タン
タル、酸化ケイ素、酸化アルミニウムマグネシウム、酸
化アルミニウムケイ素(例えばムライト3Al23
2SiO2 やシリマナイトAl23 ・SiO2 )等の
うち少なくとも一種の粉体が用いられる。
【0033】はた、上記金属珪化物としては、モリブデ
ン、タングステンおよびクロムの珪化物のうち少なくと
も一種の粉体が用いられる。そして、上記金属炭化物と
しては、シリコンおよびチタンの炭化物のうち少なくと
も一種の粉体が用いられる。上記第2成分としては、上
記のうち珪化物、特に珪化モリブデンを用いることが最
も好ましい。
【0034】電気絶縁性セラミック焼結体層1中の上記
絶縁性第1成分と導電性第2成分の組成比は、体積比で
10:0〜8:2、好ましくは10:0〜9.3:0.
7、特に9.8:0.2〜9.3:0.7に設定するこ
とが望ましい。導電性第2成分が20体積%を超える
と、絶縁性第1成分による絶縁が崩れ、導電性を持ちや
すくなる。
【0035】発熱部2も上記電気絶縁性セラミック焼結
体層1と同様、金属酸化物である絶縁性第1成分と、金
属珪化物および/または金属炭化物である導電性第2成
分を主体とするセラミックで形成されている。金属酸化
物、金属珪化物および金属炭化物としては、上記と同様
のものを用いることができる。
【0036】発熱部における絶縁性第1成分と導電性第
2成分の組成比は、粒度分布の影響を特に受けるが、平
均粒径2μm程度のもので、体積比で7.5:2.5〜
5.5:4.5、好ましくは7:3〜7.6:2.4に
設定することが望ましい。導電性第2成分が25体積%
未満では抵抗が高くなりすぎ、4.5体積%を超える
と、抵抗が下がりすぎ、発熱量が極端に下がりすぎる。
【0037】この発熱部2においては、図3に示したよ
うな構造のものとしたとき、高抵抗層2dの部分におい
ては、他の部分より絶縁性第1成分の比率を多くし高抵
抗のものとする。この比率は、主として第1および第2
高抵抗導電性セラミック焼結体層2a、2bと連結部分
2cのサイズに基づき計算される第1および第2高抵抗
導電性セラミック焼結体層2a、2bと連結部分2cの
抵抗値によって決定される。
【0038】第1および第2リード部層3および4も上
記電気絶縁性セラミック焼結体層1および発熱部2と同
様、金属酸化物である絶縁性第1成分と、金属珪化物お
よび/または金属炭化物である導電性第2成分を主体と
するセラミックで形成されている。この際、導電性第2
成分のみを用いてもよいが、耐久性等の点では絶縁性第
2成分を添加することが好ましい。金属酸化物、金属珪
化物および金属炭化物としては、上記と同様のものを用
いることができる。
【0039】第1および第2リード部層における絶縁性
第1成分と導電性第2成分の組成比は、体積比で5:5
〜0:10、好ましくは5:5〜1:9に設定すること
が望ましい。導電性第2成分が50体積%未満ではリー
ド部層での発熱が多くなりすぎる。
【0040】この第1および第2リード部層は、場合に
よっては、セラミック層でなく、金属あるいは合金の焼
付け、溶射、めっき、スパッタ等による層であってもよ
い。用いることのできる金属としては、例えば、白金、
パラジウム、合金としては、ステンレス、ニッケル−ク
ロム−アルミニウム、コバルト、イットリウム系の合金
Ni−Cr−Al−Y、Co−Cr−Al−Y、Ni−
Co−Cr−Al−Y、Ni−Crが挙げられる。
【0041】上記端子電極は、パラディウム、銀、ニッ
ケル、アルミニウム、はんだ等により形成される。パラ
ディウム、銀、ニッケルの場合には、焼付けで、アルミ
ニウムの場合には溶射により形成される。
【0042】上記前記保護膜は、シリカ、アルミナ、チ
タニア、クロミアおよび酸化錫等のうちの少なくとも一
種以上で形成されている。そして、その厚さは、0.1
〜100μm、特に1〜100μm 程度とされる。保護
膜は、酸化処理法によって形成されても、また上記金属
の溶液中にディッピングする方法、ゾルゲル法、塗布法
等で形成されたものであってもよい。
【0043】上記電気絶縁性セラミック焼結体層、発熱
部および第1および第2リード部層は、好ましくは全て
同一の絶縁性第1成分と同一の導電性第2成分で主成分
とするものであって、その組成比のみが異なるセラミッ
ク焼結体で構成されていることが望ましい。特に、各層
間の結合度が強固になり、耐久性が向上するからであ
る。
【0044】この場合、各層は、炭化珪素を2wt%以下
含んでいてもよい。また、焼結助剤としてアルカリ土類
金属、Yを含む希土類金属の酸化物あるいは焼成により
酸化物となる化合物、例えば炭酸塩、しゅう酸塩、水酸
化物等が添加されて、Ca、Ba、Mgなどや、Y、L
a、Ce、Sm、Dy、Ndなどの1種以上の酸化物が
10wt% 以下、特に0.1〜10wt% 含まれていてもよ
い。焼結助剤の添加により、表面平滑性が向上する。な
お、絶縁性第1成分と導電性第2成分は、それぞれ1〜
50μm程度および1〜50μm程度のグレインサイズ
とされる。
【0045】次に、本発明の急速昇温発熱素子の製造方
法について説明する。
【0046】この製造にあたっては、まず、電気絶縁性
セラミック焼結体層、発熱部および第1および第2リー
ド部層の原材料の調合が行なわれる。
【0047】この調合は、絶縁性第1成分の粉体と、導
電性第2成分の粉体を、上記電気絶縁性セラミック焼結
体層、発熱部および第1および第2リード部層用とし
て、上記の組成比で計量し、それらにバインダおよび溶
剤を添加することによって行なわれる。
【0048】上記絶縁性第1成分の粉体と、導電性第2
成分の粉体の平均粒径は、それぞれ0.1〜3μm程
度、0.5〜8μm程度、であることが望ましい。バイ
ンダとしては、アクリル系バインダを用いることができ
る。また、溶剤としては、トルエンを用いることができ
る。
【0049】調合された材料は、例えばボールミルで混
合されて、スラリとされる。混合時間は、例えば3〜2
4時間程度とすればよい。上記スラリを用いて、通常の
ドクターブレード法あるいは押し出し法により、上記電
気絶縁性セラミック焼結体層、発熱部および第1および
第2リード部層用の3種のグリーンシートを作製する。
各グリーンシートの厚さは、焼成後の厚さが上記の範囲
内になるように、予め計算して決定された値とする。
【0050】この後、各グリーンシートを、断面が例え
ば図1、図2、図3のいずれかとなるようにして積層す
る。この積層は、圧力50〜2000kg/cm2 、温
度50〜150℃の条件で熱圧着により行なわれる。
【0051】積層化は、各シートを作らずに、混合した
形成された各種スラリを用いて、スクリーン印刷法を繰
り返すことにより行なうことも可能である。
【0052】この後、カッタにより各素子形状に短冊状
に切断される。この場合、最高でも長方形の4辺を切断
すればよい。
【0053】上記切断の後、脱バインダ処理および焼成
を行なう。脱バインダ処理は、例えば次の条件で行なう
こととが望ましい。
【0054】昇温速度:6〜300℃/時間、特に30
〜120℃/時間 保持温度:250〜380℃/、特に300〜350℃ 保持時間:1〜24時間、特に5〜20時間 雰囲気 :空気、窒素ガス、アルゴンガス、窒素ガス−
水蒸気
【0055】焼成は、例えば次の条件で行なうことが望
ましい。
【0056】昇温速度:300〜2000℃/時間、特
に500〜1000℃/時間 保持温度:1400〜1700℃/、特に1500〜1
650℃ 保持時間:0.5〜3時間、特に1〜2時間 冷却速度:300〜2000℃/時間、特に500〜1
000℃/時間
【0057】焼成雰囲気は、真空、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス、水素ガス等とすることができる。なお、窒素
雰囲気は用いないことが望ましい。発熱部等が窒化され
ると、マイナスの温度特性を持ってしまうからである。
上記脱バインダ処理および焼成は、それぞれ独立に行な
っても、連続しておこなってもよい。
【0058】以上のようにして得られた焼結体の表面に
は、上記保護層が被覆される。この被覆は、被覆材料が
分散された分散液中、あるいは金属アルコキシドまたは
被覆材料を分散したアルコキシド溶液中に浸漬して行な
ったり、、被覆材料がシリカの場合には、シリコン樹脂
を焼結体表面に塗布し、これを焼くことによっても行な
うことができる。
【0059】最後に、第1および第2リード部層の表面
の所定位置に銀等を焼付け等して端子電極を形成して、
本発明の急速昇温発熱素子の製造を完了する。さらに
は、リード線を電気的に接続し、ソケットで固定しても
よい。
【0060】以上により製造された本発明の急速昇温発
熱素子は、ガス着火器等に用いられ、その駆動電圧は、
例えばカーバッテリの12Vから400V程度とされ
る。
【0061】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0062】<実施例1>上記電気絶縁性セラミック焼
結体層、発熱部および第1および第2リード部層のセラ
ミックの主成分として、共通してAl2 3 とMoSi
2 を用い、次のように配合した。 Al2 3 MoSi2 電気絶縁性セラミック焼結体層 95体積% 5体積% 発熱部 70体積% 30体積% 第1および第2リード部層 20体積% 80体積% 粉体平均粒径 0.4μm 2μm バインダ メタアクリル系バインダ 溶剤 トルエン
【0063】以上をボールミルで24時間混合してスラ
リをそれぞれ作製し、これらを用いてドクターブレード
法によりシートを作製し、さらに図1の層構造(端子電
極含まず)になるように、金型中に積層し、素子全体の
厚さが焼成後に表1の厚さとなるように、60℃、80
0kg/cm2 の条件で加圧成形した。
【0064】次に、成形体を、図1に示す構造となるよ
うに、表1に示す種々の寸法(該寸法は焼成後のものを
示す)に切断した。
【0065】切断した成形体を窒素ガス雰囲気中で、昇
温速度1℃/分で、350℃まで昇温し、この温度で5
時間保持し、この後、昇温速度5℃/分で900℃まで
昇温し、この温度で2時間保持した後、5℃/分で冷却
し、脱バインダ処理を行なった。この脱バインダ処理し
た成形体を、真空中で昇温速度5℃/分で1650℃ま
で昇温し、この温度で1時間保持し、その後、300℃
/分の速度で冷却して焼成を行なった。ただし、800
℃以下は自然炉冷却した。
【0066】さらに、素子全体にシリコーンを塗布し、
空気中1300℃で、1時間加熱処理して厚さ約1μm
のシリカ保護膜を形成した。この後、端子電極の部分の
保護膜をサンドブラストで削り、この部分に銀電極を焼
付け、急速昇温発熱素子のサンプル No.2〜9(実施
例:サンプル No.2および3、比較例:サンプル No.4
〜9)とした。実施例のサンプルNo. 1は、電気絶縁性
セラミック焼結体層、発熱部および第1および第2リー
ド部層の各層構成を、上記各スラリを用い、スクリーン
印刷法により作製した。上記サンプルの発熱部とリード
部層の抵抗比はすべて、50:1であった。
【0067】以上のサンプルにつき、20V印加での室
温から1100℃までの昇温時間、通電10秒、1分間
隔切返し10000回印加でのクラックの発生率(10
0個中の)、および1500℃で50時間保持したとき
の抵抗変化率を測定した。その結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】この表1から分かるように、本発明の実施
例のサンプル No.1〜3においては、1100℃までの
昇温時間が10秒以内であり、クラックの発生もなく、
しかも上記の抵抗変化率が5%以内であった。これに対
し、比較例のサンプルは、昇温時間10以内、クラック
発生率0、抵抗変化率5%以内の少なくともいずれかの
条件を満たすことができなかった。なお、サンプルNo.
1〜3の発熱部体積は全体の10〜20%であった。
【0070】<実施例2>次に、素子形状を厚さ800
μm、幅1800μm、長さ35mmとし、Al2 3
とMoSi2 の組成比を表2に示したように変えたこと
以外は、実施例1と同様にしてサンプルNo. 10〜13
を作製した。
【0071】これらのサンプルについても、上記と同様
にして昇温時間および抵抗変化率を測定した。その結果
を表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】この表から明らかなように、本発明の実施
例のサンプルにおいては、上記条件をすべて満たした
が、比較例のサンプルにあっては、少なくともいずれか
の条件を満たさなかった。
【0074】<実施例3>セラミックの主成分たる第1
成分と第2成分を表3に示したように変化させて組み合
わせた以外は、実施例2のサンプルNo. 10と同様にし
てサンプルNo. 20〜27を作製した。これらのサンプ
ルについても、上記と同様にして昇温時間、抵抗変化率
について測定した。その結果を表3に示した。
【0075】
【表3】
【0076】これらのサンプルから分かるように、各層
のセラミックの主成分たる第1成分および第2成分を各
種変化させても、Al2 3 とMoSi2 の組合せとほ
ぼ同等の効果が得られる。
【0077】なお、比較のため、第1成分として、シリ
カ、ムライトを用いた他は他のサンプルと同様にしてサ
ンプルNo. 28、29を作製し特性試験を行なったとこ
ろ、測定が不能であったか、あるいは発熱しなかった。
【0078】最後に、保護層として、上記の各サンプル
について1μm厚のアルミナ層またはクロミア層を設け
て、特性試験を行なったところ、上記実施例の特性とほ
ぼ同等の効果が得られた。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように本発明の急速昇温発
熱素子によれば、容易かつ安価に製造することができ、
しかも特性がよく、耐久性に優れた急速昇温発熱素子を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の急速昇温発熱素子の形状の一例を示す
斜視図である。
【図2】本発明の急速昇温発熱素子の形状の他の例を示
す斜視図である。
【図3】本発明の急速昇温発熱素子の形状の更に他の例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電気絶縁性セラミック焼結体層 2 発熱部 2a、2b 第1および第2高抵抗導電性セラミック焼
結体層 2c 連結部分 3、4 第1および第2リード部層 5、6 端子電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三橋 悦央 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 淀川 正忠 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 近藤 良一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性セラミック焼結体層と、 この電気絶縁性セラミック焼結体層の両面のそれぞれの
    少なくとも一部に高抵抗の導電性セラミック材料で層設
    された第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層
    と、 高抵抗の導電性セラミック材料で前記第1および第2高
    抵抗導電性セラミック焼結体層と一体的に形成された連
    結部分と、 前記第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層の
    一方から前記連結部分、介して他方に延びる電流路を形
    成した発熱部と、 前記第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層と
    同一面上あるいは該第1および第2高抵抗導電性セラミ
    ック焼結体層の表面上の少なくとも一部に低抵抗の導電
    性材料で形成され、それぞれ該第1および第2高抵抗導
    電性セラミック焼結体層と電気的に接続された第1およ
    び第2リード部層とを有し、 素子全体の厚さが100〜2000μm、幅が200〜
    5000μm、および長さが15〜70mmの範囲にそれ
    ぞれ設定されている急速昇温発熱素子。
  2. 【請求項2】 前記発熱部の連結部分が、前記第1およ
    び第2高抵抗導電性セラミック焼結体層の材料と同一の
    材料で形成されている請求項1の急速昇温発熱素子。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2リード部層が、低抵
    抗の導電性セラミック材料で形成された導電性セラミッ
    ク焼結体層である請求項1または2の急速昇温発熱素
    子。
  4. 【請求項4】 前記電気絶縁性セラミック焼結体層と前
    記第1および第2高抵抗導電性セラミック焼結体層の厚
    さが共に1〜1000μm、前記発熱部全体の厚さが1
    00〜2000μmの範囲内に設定されている請求項1
    ないし4のいずれかの急速昇温発熱素子。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁性セラミック焼結体層と、
    発熱部と、第1および第2リード部層とが、共に同一金
    属酸化物である絶縁性第1成分と、同一金属の珪化物お
    よび/または炭化物である導電性第2成分とを組成比を
    変えて主成分とするセラミックで形成されている請求項
    1〜4のいずれかの急速昇温発熱素子。
  6. 【請求項6】 電気絶縁性セラミック焼結体層と、この
    電気絶縁性セラミック焼結体層に接続された発熱部と、
    この発熱部に電圧を印加するための第1および第2リー
    ド部層とを備え、前記電気絶縁性セラミック焼結体層
    と、発熱部と、第1および第2リード部層とが、共に同
    一金属酸化物である絶縁性第1成分と、同一金属の珪化
    物および/または炭化物である導電性第2成分とを組成
    比を変えて主成分とするセラミックで形成されている急
    速昇温発熱素子。
  7. 【請求項7】 前記電気絶縁性セラミック焼結体層と、
    前記発熱部と、前記第1および第2リード部層におい
    て、第1成分と第2成分の組成比が体積比でそれぞれ1
    0:0〜8:2、7.5:2.5〜5.5:4.5およ
    び5:5〜0:10である請求項5または6の急速昇温
    発熱素子。
  8. 【請求項8】 前記金属酸化物が、酸化アルミニウム、
    酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化チタン、酸化タン
    タル、酸化ケイ素、酸化アルミニウムマグネシウムおよ
    び酸化アルミニウムケイ素のうち少なくとも一種であ
    り、前記金属珪化物が、モリブデン、タングステンおよ
    びクロムの珪化物のうち少なくとも一種であり、そして
    前記金属炭化物が、シリコンおよびチタンの炭化物のう
    ち少なくとも一種である請求項5ないし7のいずれかの
    急速昇温発熱素子。
  9. 【請求項9】 前記第2成分が珪化モリブデンである請
    求項5ないし8のいずれかの急速昇温発熱素子。
  10. 【請求項10】 前記電気絶縁性セラミック焼結体、前
    記発熱部ならびに前記第1および第2リード部層のうち
    の少なくとも1層がアルカリ土類金属およびYを含む希
    土類金属の酸化物を10wt% 以下含有する請求項5ない
    し9のいずれかの急速昇温発熱素子。
  11. 【請求項11】 外表面が化学的、熱的に安定な耐熱
    性、耐酸化性の保護膜で被覆されている請求項1ないし
    10のいずれかの急速昇温発熱素子。
  12. 【請求項12】 前記保護膜が、シリカ、アルミナおよ
    びクロミアの少なくとも一種以上で形成されている請求
    項11の急速昇温発熱素子。
  13. 【請求項13】 前記電気絶縁性セラミック焼結体層
    と、発熱部と、第1および第2リード部層のうち少なく
    ともいずれかが、炭化珪素を2wt%以下含む請求項6な
    いし12のいずれかの急速昇温発熱素子。
  14. 【請求項14】 前記連結部分が3層以上で形成され、
    その中間部の抵抗値が、その上下の層の抵抗値より大き
    く設定されている請求項1ないし13のいずれかの急速
    昇温発熱素子。
  15. 【請求項15】 前記中間部が、前記電気絶縁性セラミ
    ック焼結体層と実質的に同一厚さあるいは厚さの差が±
    20%以内の厚さであって、前記電気絶縁性セラミック
    焼結体層の先端に接続された中間層として形成されてい
    る請求項13の急速昇温発熱素子。
  16. 【請求項16】 第1および第2リード部層の抵抗値
    が、発熱部の抵抗値の10分の1以下に設定されている
    請求項1ないし請求項14のいずれかの急速昇温発熱素
    子。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかの急速
    昇温発熱素子を製造する方法において、前記電気絶縁性
    セラミック焼結体層と、発熱部と、第1および第2リー
    ド部層を焼結前の状態で層状に形成して積層し、これを
    焼成することによって素子を得ることを特徴とする急速
    昇温発熱素子の製造方法。
JP18778294A 1993-07-20 1994-07-18 急速昇温発熱素子およびその製造方法 Withdrawn JPH07106055A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011106308A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Toyota Motor Corp 排気浄化装置
JP2014510384A (ja) * 2011-04-06 2014-04-24 シュンク・コーレンストッフテヒニーク・ゲーエムベーハー 抵抗加熱素子を製造する方法及び抵抗加熱素子
US9321689B2 (en) 2008-08-07 2016-04-26 Epcos Ag Molded object, heating device and method for producing a molded object
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