JPH07104757A - 楽音信号合成装置 - Google Patents

楽音信号合成装置

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JPH07104757A
JPH07104757A JP5248342A JP24834293A JPH07104757A JP H07104757 A JPH07104757 A JP H07104757A JP 5248342 A JP5248342 A JP 5248342A JP 24834293 A JP24834293 A JP 24834293A JP H07104757 A JPH07104757 A JP H07104757A
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sound
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sound signal
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、所定の楽音波形を用い、様
々な音色を有する楽音信号を合成することが可能な楽音
合成技術を提供することである。 【構成】 本発明の楽音信号合成装置は、入力波形を発
生する入力波形発生部(4)と、遅延手段とフィルタ手
段を含み、前記入力波形を受け、循環させるループ手段
を有し、分析音信号を出力する分析手段(5)と、遅延
手段とフィルタ手段を含み、前記分析音信号の少なくと
も一部を受け、循環させるループ手段を有し、合成音信
号を出力する合成手段(6)と、楽音特性の指定を受
け、前記分析手段のパラメータと前記合成手段のパラメ
ータとを独立に制御する制御手段(3)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器の楽音信号合
成装置に関し、特に遅延手段とフィルタ手段とを含むフ
ィードバックループシステムによって種々の楽音を合成
する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所望の楽音波形を発生させる方法とし
て、楽音波形の一周期分以上の振幅値を記憶させた波形
メモリを用いる方法がある。この方法は、波形メモリか
ら、発生しようとする楽音の周波数に比例する速度で記
憶内容を繰り返し読みだして楽音波形を形成するもので
ある。
【0003】一方、ループ回路によって振動体の物理的
性質を電子的に実現して楽音信号を合成する物理モデル
音源装置が提案されている。ループ回路中に遅延回路を
挿入して遅延時間を制御することによって基本的音高を
制御し、ループ回路にさらにフィルタを挿入することに
より音色を制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の波形メモリ読み
出し方法により発生する楽音波形は常に相似波形が繰り
返されるだけで、変化に富んだ表情豊かな楽音を発生す
ることは困難である。音色を変化させるためには波形メ
モリから読みだした楽音波形に対し更に種々の波形処理
を施さねばならない。物理モデル音源を組み合わせても
フィルタ定数等の変化によっては、大幅な変化を得るこ
とが難しい。
【0005】本発明の目的は、一定の楽音波形を用いて
も、様々な音色を付与することが可能な楽音合成技術を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音信号合成装
置は、入力波形を発生する入力波形発生部と、遅延手段
とフィルタ手段を含み、前記入力波形を受け、循環させ
るループ手段を有し、分析音信号を出力する分析手段
と、遅延手段とフィルタ手段を含み、前記分析音信号の
少なくとも一部を受け、循環させるループ手段を有し、
合成音信号を出力する合成手段と、楽音特性の指定を受
け、前記分析手段のパラメータと前記合成手段の回路定
数とを独立に制御する制御手段とを有する。
【0007】また、本発明の他の楽音信号合成装置は、
入力波形を発生する入力波形発生部と、遅延手段とフィ
ルタ手段を含み、前記入力波形を受け、循環させるルー
プ手段を有し、分析音信号を出力する分析手段と、遅延
手段とフィルタ手段を含み、前記分析音信号の少なくと
も一部を受け、循環させるループ手段を有し、合成音信
号を出力する合成手段と、前記分析手段の出力する分析
音信号と前記合成手段の出力する合成音信号とを入力し
楽音信号を合成する出力手段とを有する。
【0008】
【作用】入力信号をループ回路を用いて分析し、変化成
分と共鳴成分を分離することができる。この変化成分を
ループ回路を有する合成系に入力し、原音を再現するこ
とができる。これらのループ回路の特性を種々に変化さ
せると原音とは異なる種々の楽音信号を合成することが
できる。
【0009】さらに、前記変化成分と共鳴成分及び合成
系の出力信号とを重み付けして合成することにより、多
様な楽音信号を合成することができる。前記変化成分
は、ピアノの押鍵時の励振音、前記共鳴成分は該当の弦
の共鳴音に相当する。従って、これらの各成分を強調す
ることにより、励振音または共鳴音を強調する等の効果
を付与することが可能になる。
【0010】
【実施例】まず、原音を忠実に再現することができ、か
つその再現された楽音をエディットし新規な楽音を合成
することができる楽音合成装置に関する本願出願人の先
の提案について説明する。
【0011】図10は、先の提案の実施例による電子楽
器用音源装置の主要部を示す。図10(A)は分析回路
のブロック図、図10(B)は合成回路のブロック図を
示す。
【0012】図10(A)において分析回路は、ループ
回路100を含む。ループ回路100は、加算器103
および機能回路115を含んでいる。機能回路115
は、ローパスフィルタ111、遅延回路112、オール
パスフィルタ113、利得調整器114を含む。この機
能回路115のインパルス応答をFとする。
【0013】入力信号SDINは、加算器(減算器)1
07を介して加算器103に印加される。また、減算器
107の出力信号LOは、メモリ105に記憶される。
さらに、機能回路115の出力信号LIは接続点104
から減算器107のマイナス端子にフィードバックされ
る。
【0014】以下この分析回路の機能を説明する。減算
器107の出力信号LOは、 LO=SDIN−LI …(1) と表わされる。
【0015】この差信号LOは、メモリ105に記憶さ
れると共に、ループ回路100への信号入力端子である
加算器103の1入力端子に印加される。加算器103
は、機能回路115の出力信号LIと入力信号L0を加
算し、再びループ回路100に供給する。この和信号
(LI+LO)は、インパルス応答Fの機能回路115
を通過することにより、F・(LI+LO)となる。こ
の信号が、機能回路115の出力信号LIであるから、 LI=F・(LI+LO) …(2) ∴LI={F/(1−F)}LO となる。従って、(1)式、(2)式より、 SDIN−LI=SDIN−{F/(1−F)}LO=LO …(3) となり、(3)式を整理すると、 SDIN={1+F/(1−F)}LO=LO/(1−F) …(4) となる。
【0016】図10(B)の合成回路は、図10(A)
の分析回路と同じループ回路100とメモリ105とを
含む。メモリ105は、分析回路において記憶した信号
LOを出力する。機能回路115の出力を図10(A)
と同様LIとすると、加算器103の出力信号は、(L
O+LI)となる。この信号を接続点102から出力信
号OUTとして取り出す。
【0017】すなわち、 OUT=LO+LI …(5) である。
【0018】ところで、信号LIは、信号OUTが機能
回路115を通ることによって発生するものであるか
ら、 LI=F・OUT …(6) である。従って、(5)式、(6)式をまとめて LO+F・OUT=OUT OUT=LO/(1−F) …(7) となる。従って、(4)式と比較すれば明らかなよう
に、出力信号OUTは分析回路の入力信号SDINと等
しくなる。
【0019】図10(A)に示す分析回路において、入
力信号SDINの印加される場所を入力端子とし、メモ
リ105の入力端子を出力端子とすれば、この回路の特
性は、(4)式より LO=SDIN・(1−F) と表わせる。すなわち合成回路の特性OUT=LO/
(1−F)の逆特性を有することが判る。
【0020】図10に示すような分析回路と合成回路を
有する音源装置を用いれば、外部の音を入力して分析し
てその結果を記憶し、記憶された分析結果を用いて楽音
信号を発生させると元の音を再現することができる。
【0021】なお、以上は、機能回路115の各特性パ
ラメータ、すなわちローパスフィルタ111のカットオ
フ周波数、遅延回路112の遅延時間、オールパスフィ
ルタ113の位相変化量、利得調整器114のゲイン等
を所定値に固定のものとして説明したが、分析時と合成
時において、機能回路115の各特性パラメータを変化
させれば、サンプリングした音に基づいてさらに新たな
音色を有する楽音信号を発生させることもできる。
【0022】本発明は、この分析回路及び合成回路を使
用してさらに種々の音色を付加することのできる楽音合
成装置を提供することを目的とする。図1は、図10に
示すような分析回路と合成回路とを含む本発明の実施例
による音源装置のブロック図を示す。
【0023】図1において、鍵盤等の演奏操作子1と音
色スイッチ等の音色設定操作子2は、その出力を制御部
3に与える。例えば、演奏操作子1は、ピッチ信号PI
TCH、タッチ信号TOUCH、キーオン信号KON等
を発生する。また、音色設定操作子2は、ユーザが押圧
した所望音色のスイッチに対応して音色信号TC等を与
える。
【0024】制御部3は、ピッチ信号PITCH、音色
信号TC等から作成した原音指定信号SRCを原音波形
発生部4に与える。原音波形発生部4は原音指定信号S
RCによって指定された原音信号SRCWを発生する。
原音波形発生部4は原音信号をサンプリングして記憶し
たサンプリング音源、FM音源、加算合成による音源、
物理モデル音源等何であってもよい。
【0025】また、制御部3は、ピッチ信号PITC
H、音色信号TC等を基にして、分析回路5のフィルタ
F500に与えるフィルタ係数Fa、遅延回路D500
に与える遅延係数Da、利得調整器G500に与えるゲ
インGa、及び合成回路6のフィルタF600に与える
フィルタ係数Fs、遅延回路D600に与える遅延係数
Ds、利得調整器G600に与えるゲインGs、及び利
得調整器G700、G1,G2,G3,G4,G5に与
えるゲインGi、Ad、As、Ap、Asy1、Asy
2を形成出力する。
【0026】分析回路5は、図10(A)に示す分析回
路と同様のものであり、加算器A500、フィルタF5
00、遅延回路D500,利得調整器G500により構
成されるループ回路を含む。分析回路5には、原音波形
発生部4から原音信号SRCWが供給されており、原音
信号SRCWは減算器S500を介して加算器A500
に印加される。
【0027】また、減算器S500の出力は分析回路5
の第1の出力である残差音DIFFを形成する。さらに
ループ回路を構成する利得調整器G500の出力は減算
器S500のマイナス端子にフィードバックされると共
に、分析回路5の第2の出力である予測音PREDを形
成する。
【0028】ここで、残差音DIFFは、現在の楽音信
号波形とループ回路で遅延された楽音信号波形の差、す
なわち変化分を表す。物理的には非周期性成分、例えば
ピアノの弦を叩いた時の衝撃音に対応する。予測音PR
EDは、ループ回路の共振特性に合致する共鳴成分を表
す。主に弦や管の固有振動数とその倍音成分からなる共
鳴音に対応する。また、加算器A500の出力は共鳴音
と残差音との和であり、元の原音信号SRCWと同等の
楽音波形となり、分析回路5の第3の出力である原音S
OURCEを形成する。
【0029】分析回路5の第1の出力である残差音DI
FFは利得調整器G700を介して合成回路6の加算器
A600の一方の端子に供給される。合成回路6は、図
10(B)に示す合成回路と同様のものであり、加算器
A600、フィルタF600、遅延回路D600,利得
調整器G600により構成されるループ回路を含む。加
算器A600の出力は合成回路6の第1の出力である合
成音SYN1を形成する。また、フィルタF600の出
力は合成回路6の第2の出力である合成音SYN2を形
成する。ここで、利得調整器G700のゲインが“1”
で、ループ回路のフィルタF600、遅延回路D600
及び利得調整器G600の特性がそれぞれフィルタF5
00、遅延回路D500及び利得調整器G500の特性
と等しい場合には、合成音SYN1は、図10で説明し
たように原音信号SRCWと一致する。
【0030】分析回路5の出力である残差音DIFF、
原音SOURCE、予測音PRED、及び合成回路6の
出力である合成音SYN1、SYN2は、それぞれ利得
調整器G1、G2、G3、G4、G5を介して加算器A
1に入力される。加算器A1は、各入力を合算して楽音
信号OUTを形成する。
【0031】このように構成された音源装置を使用する
ことにより、残差音と予測音を楽音合成に利用すること
ができるため、音色付与の自由度が増す。さらに図10
(B)に示す合成回路により楽音を合成する場合は、合
成回路の各パラメータのみを変化させて音色を付与する
が、本実施例では、楽音発生時に分析回路の各パラメー
タをもリアルタイムに制御することが可能なため、より
広範囲に音色を制御することができる。
【0032】例えば、フィルタF600のカットオフ周
波数FsをフィルタF500のカットオフ周波数Faよ
り高域あるいは低域にずらすことにより、原音と幾分異
なる音色の楽音を発生させ、二重奏的な効果を出すこと
ができる。遅延回路D600の遅延時間Dsを遅延回路
D500の遅延時間Daの1/2にすると、原音より1
オクターブ高い楽音を得ることができる。
【0033】また、利得調整器G500のゲインGaと
利得調整器G600のゲインGsを制御することによ
り、分析回路5の予測音PREDと合成回路の合成音S
YN1、SYN2の振幅エンベロープを独立に変化させ
ることができる。
【0034】このようにして得られた残差音DIFF、
原音SOURCE、予測音PRED、合成音SYN1、
SYN2を利得調整器G1〜G5によって重み付けして
加算器A1で合算することにより様々な音色の楽音を発
生することが可能になる。例えば、アタック音を強調し
たい場合には、残差音DIFFのゲインAdを予測音P
REDのゲインApより大きくすればよい。
【0035】逆に、アタック音を弱く、共振音を強くし
たい場合には、残差音DIFFのゲインAdを予測音P
REDのゲインApより小さくすればよい。原音SOU
RCEの利得を調整する利得調整器G2のゲインAs以
外のゲインを“0”にすることにより、原音と同一の楽
音を得ることも可能である。
【0036】また、利得調整器G700のゲインGiを
制御することにより、残差音DIFF、原音SOURC
E、予測音PREDといった分析系の出力と合成音SY
N1、SYN2といった合成系の出力とのバランスをと
ることができる。
【0037】以上、分析回路と合成回路を一つずつ組み
合わせた基本構成について説明したが、種々の音色を付
加し、また新規の音を創りだすためには上記の基本構成
をもとに様々な応用が可能である。以下に、その応用例
を示す。
【0038】図2は、複数の分析回路と合成回路を様々
なパターンで結線した第1の実施例を示す。図2(A)
は、分析回路5aと合成回路6aから構成された一組の
分析合成系と分析回路5bと合成回路6bから構成され
た他の分析合成系とを並列に接続したものである。分析
回路5a、5bは同等の構成を有するが、その回路定数
は互いに独立に制御できる。合成回路6a、6bも同様
である。
【0039】分析回路5a及び5bには、同一の原音信
号INが入力されている。分析回路5a、5b、合成回
路6a、6bの出力は、加算器A2、A3及びA4によ
り加算され出力信号OUTを形成する。図には、2組の
分析合成系を並列接続する場合について表しているが、
3組以上であってもよい。
【0040】図2(A)では分析回路5a、5b及び合
成回路6a、6bの出力はそれぞれ一本の実線で表して
いるが、実際には図1に示すように分析回路の出力は残
差音DIFF、原音SOURCE及び予測音PREDを
含み、合成回路の出力は合成音SYN1及びSYN2を
含んでもよい。また、加算器A2、A3及びA4で各出
力を加算する場合に、それぞれの加算器の入力側に利得
調整器を設け重み付けして加算してもよい。図2(B)
以降においても同様である。
【0041】図2(B)は、分析回路5cと合成回路6
cから構成された一組の分析合成系と分析回路5dと合
成回路6dから構成された他の分析合成系とを並列に接
続したものである。図2(A)と異なるのは、分析回路
5cには原音信号IN1が入力され、分析回路5dには
他の原音信号IN2が入力されていることである。
【0042】分析回路5c、5d、合成回路6c、6d
の出力は、加算器A5、A6及びA7により加算され、
出力信号OUTを形成する。図には、2組の分析合成系
を並列接続する場合について表しているが、3組以上で
あってもよい。
【0043】図2(C)は、1個の分析回路の出力を並
列接続された複数個の合成回路に入力する例である。分
析回路5eに原音信号INが入力されている。分析回路
5eの残差音DIFFは3個の特性の異なる合成回路6
e1、6e2及び6e3に入力されている。分析回路5
eの出力と、合成回路6e1、6e2及び6e3の出力
は加算器A8、A9及びA10により加算され出力信号
OUTを形成する。図には、3個の合成回路を並列接続
する場合について表しているが、複数個であれば3個に
限らない。
【0044】図2(D)は、複数個の分析回路が並列に
接続され、各分析回路の出力の和を1個の合成回路に入
力する例である。原音信号INが3個の特性の異なる分
析回路5f、5g及び5hに入力されている。分析回路
5f、5g及び5hの残差音は加算器A11及びA12
により加算され合成回路6fに供給される。分析回路5
f、5g及び5hの出力及び合成回路6fの出力は、加
算器A11、A12及びA13により加算されて出力信
号OUTを形成する。図には、3個の分析回路を並列接
続する場合について表しているが、複数個であれば3個
に限らない。
【0045】図2(E)は、分析回路5iと合成回路6
iから構成された一組の分析合成系と分析回路5jと合
成回路6jから構成された他の分析合成系とを直列に接
続したものである。分析回路5iに原音信号INが入力
されている。分析回路5iと合成回路6iの出力は加算
器A14により加算されて分析回路5jに供給される。
分析回路5jの出力と合成回路6jの出力は加算器A1
5により加算され出力信号OUTを形成する。
【0046】図には、分析回路と合成回路1個ずつから
構成された分析合成系を直列に接続する場合を示した
が、分析合成系は図2(C)または図2(D)に示すよ
うな複数個の分析回路または合成回路を有するものでも
よい。また、3組以上の分析合成系を直列接続してもよ
い。
【0047】以上説明したように、複数個の分析回路及
び合成回路を様々な方法で結線することにより、原音信
号に対して種々の加工を加えた楽音信号を形成すること
ができる。例えば、複数の特性の異なる合成回路の出力
を合算することにより、合奏の効果を得ることができ
る。また、複数の分析回路で分析した残差音を合算して
合成回路に入力することにより、原音信号とは異なる新
規の楽音を得ることも可能である。
【0048】図3は、発音時から所定時間経過後に、分
析回路から合成回路への残差音DIFFの供給を停止し
て楽音を創りだす第2の実施例を示す。図3(A)は、
分析回路及び合成回路のブロック図を示す。分析回路は
加算器A501、遅延回路D501、フィルタF501
及び利得調整器G501からなるループ回路81、及び
減算器S501から構成されている。減算器S501
は、プラス端子に入力された原音信号INからマイナス
端子に入力された利得調整器G501の出力信号を減算
し、残差音DIFFを形成する。残差音DIFFは、加
算器A501の一方の端子に印加されるとともに、分析
回路の出力として取り出され加算器A18及び利得調整
器G701に供給される。
【0049】利得調整器G701に供給された残差音D
IFFは、エンベロープを画定するゲインGiを付与さ
れ合成回路の加算器A601に供給される。利得調整器
G701により付与されるゲインGiは、発音時から所
定の時間“1”を保持し、所定時間経過後“0”にす
る。
【0050】合成回路は加算器A601、遅延回路D6
01、フィルタF601及び利得調整器G601からな
るループ回路82で構成されている。加算器A601に
より形成された合成音SYNは合成回路の出力として取
り出され加算器A18に供給される。利得調整器G60
1には、図には示さない制御部3からゲインGsが供給
されている。加算器A18は、残差音DIFFと合成音
SYNを加算し、出力信号OUTを形成する。原音とし
ては、ピアノ等の打弦楽器の楽音を想定する。
【0051】図3(B)は、図3(A)に示す分析合成
系の原音信号IN、残差音DIFF、ゲインGi、合成
音SYN、ゲインGs及び押鍵信号KONの信号波形を
示す。押鍵があると、押鍵信号KONが“1”になる。
図1に示す制御部3は原音指定信号SRCを原音波形発
生部に送出するとともに、ゲインGi、Gsを共に
“1”とする。原音波形発生部4は原音信号INを形成
出力し、減算器S501に供給する。
【0052】原音信号INが印加されることにより、減
算器S501は残差音DIFFを形成出力する。ピアノ
の楽音等は、その立ち上がり部分では変化が激しいが、
サステイン部に入ると定常的な共鳴音が支配的になる。
残差音DIFFは、この変化に対応し、当初は大きな振
幅を有するが、ループ回路81によって共鳴音信号が励
振され、減算器S501により原音信号から前記励振さ
れた信号が減算されるため、やがて振幅は徐々に減少す
る。この様子を図3(B)のDIFFに示す。残差音D
IFF自体が小さくなった状態では、楽音信号OUTに
おいて残差音DIFFが及ぼす影響は小さい。
【0053】当初ゲインGiは“1”であるため、残差
音DIFFはそのまま加算器A601に供給される。こ
れにより、ループ回路82に合成音SYNが励振され
る。この様子を図3(B)のSYNに示す。ここで、ル
ープ回路81の各素子とループ回路82の各素子の特性
が一致している場合には、合成音SYNは原音信号IN
と等しくなる。
【0054】残差音DIFFの振幅が減衰し、基準値以
下になったときに、ゲインGiを“0”にする。これに
より、加算器A601の一方の端子の入力信号は“0”
となり、ループ回路82は、自律的に共鳴音的励振を継
続する。従って、図に示すようにゲインGiを“0”に
した後は合成音SYNはその時の原音信号INとは関係
なく発生する楽音信号となる。たとえ、原音が存在しな
くても合成音は継続する。
【0055】該当の鍵が離鍵されると、押鍵信号KON
が“0”になる。ピアノ等の楽音においては、リリース
部の減衰が開始する。押鍵信号KONが“0”になる
と、制御部3はゲインGsを徐々に減少させ一定時間後
に“0”とする。この様子を図3(B)のGsに示す。
これにより、ループ回路82のフィードバック利得が減
少し、合成音SYNは徐々に減衰する。この様子を図3
(B)のSYNに示す。
【0056】例えば、波形メモリ読み出し方式の音源に
おいては、記憶する波形信号の長さを制限することがで
きる。利得調整器G701の利得を徐々に減少させれ
ば、残差信号打ち切りによるノイズ発生を防止すること
もできる。
【0057】このように、発音開始から一定時間後に合
成回路に与える残差音DIFFを“0”にすることによ
り、原音信号とは関係なく継続する楽音信号を形成する
ことができる。
【0058】なお、上記の実施例では、ゲインGiを制
御部3により自動的に変化させる方法について説明した
が、手動で行ってもよい。例えば、演奏補助操作子ホイ
ール等のコントローラを設けて演奏者が演奏中にゲイン
Giを変化させることも可能である。例えば、変化の途
中の楽音を継続させることもできる。もちろん、遅延回
路D601、フィルタF601の特性を変化させて多様
な楽音を発生することもできる。
【0059】図4は、分析回路と合成回路の間に非線形
回路を挿入した第3の実施例を示す。分析回路は加算器
A502、遅延回路D502、フィルタF502及び利
得調整器G502からなるループ回路83、及び減算器
S502から構成されている。減算器S502は、プラ
ス端子に入力された原音信号INからマイナス端子に入
力された利得調整器G502の出力信号を減算し、残差
音DIFFを形成する。
【0060】残差音DIFFは、加算器A502の一方
の端子に印加されるとともに、分析回路の出力として取
り出され加算器A17及び利得調整器G702、G70
4に供給される。また、利得調整器G502により形成
された予測音PREDは、分析回路の出力として取り出
され加算器A16に供給される。
【0061】利得調整器G702に入力された残差音D
IFFは、利得調整器G702、非線形回路N700及
び利得調整器G703の直列接続により非線形変換され
加算器A700の一方の入力端子に与えられる。利得調
整器G704に入力された残差音DIFFは、ゲインG
i3の利得が付与され、加算器A700の他方の入力端
子に与えられる。加算器A700の出力信号は、合成回
路の加算器A602に供給される。
【0062】合成回路は加算器A602、遅延回路D6
02、フィルタF602及び利得調整器G602からな
るループ回路84で構成されている。加算器A602に
より形成された合成音SYNは合成回路の出力として取
り出され加算器A16に供給される。
【0063】加算器A16は、分析回路から取り出され
た予測音PREDと合成回路から取り出された合成音S
YNとを加算し出力信号を加算器A17に供給する。加
算器A17は分析回路から取り出された残差音DIFF
と加算器A16の出力信号とを加算し出力信号OUTを
形成する。
【0064】残差音DIFFを非線形回路を通してルー
プ回路84に入力することにより、ループ回路84に
は、原音信号INには存在しなかった倍音成分等が与え
られることになる。これにより、合成音SYNは、原音
信号INには含まれていない楽音成分を含むこととな
る。
【0065】利得調整器G702、G703及びG70
4のゲインGi1、Gi2及びGi3をホイール等の演
奏補助操作子、鍵盤のタッチまたはエンベロープ発生器
等で制御することにより、演奏中に音色を変化させるこ
とができる。
【0066】例えば、ゲインGi1を大きくすることに
より非線形効果が大きくなり倍音の付加量が増加する。
これにより、原音の特徴を保ちつつディストーション的
効果を与えることが可能となる。
【0067】変化に富んだ楽音を発生させるために、演
奏中にホイール等の演奏補助操作子を操作して音程を変
化させる場合がある。このうな演奏を行うことによって
楽音発生中に音程が変化すると、変化している期間は原
音信号INと予測音PREDとの差が大きくなり残差音
DIFFの振幅が増大する。残差音DIFFの振幅が大
きくなると非線形効果も大きくなる。このように、演奏
中に音程を変化させながらディストーション的効果を生
むことも可能である。
【0068】図5は、変調器を使用して音色の変化を得
る第4の実施例を示す。図5(A)は、分析回路と合成
回路の間に変調器を挿入した例である。分析回路50に
より形成された残差音DIFFは変調器70により振幅
変調または周波数変調され、合成回路60に供給され
る。合成回路60は、変調回路70から供給された信号
をもとに楽音信号を合成し、出力信号OUTを形成す
る。
【0069】図5(B)は、分析回路の出力信号と合成
回路の出力信号の一方を搬送波、他方を変調波として周
波数変調を行う例である。分析回路51の出力信号及び
合成回路61の出力信号が変調器71に供給されてい
る。分析回路51の出力信号は残差音DIFFまたは予
測音PREDのいずれであってもよい。変調器71は、
分析回路の出力信号と合成回路の出力信号の一方を搬送
波、他方を変調波として周波数変調を行い出力信号OU
Tを形成する。
【0070】図5(C)は、図5(A)で使用する振幅
変調器のブロック図を示す。利得調整器G6に搬送波C
ARが入力されている。利得調整器G6のゲインは発振
器8によって発生された正弦波、のこぎり波または方形
波等の変調波MODによって制御される。変調波MOD
の周波数は搬送波である楽音信号のピッチと同期させて
もよいし、非同期であってもよい。これにより、利得調
整器G6に入力された搬送波CARは変調波MODによ
り振幅変調され,振幅変調された出力信号OUTを得る
ことができる。
【0071】図5(D)は、図5(A)及び図5(B)
で使用する周波数変調器のブロック図を示す。この周波
数変調器は特開昭60−263997号に開示されてい
るものと同等のものである。搬送波CARが遅延回路D
1に供給され、変調波MODが読み出し制御部9に供給
されている。遅延回路D1は、所定の段数を有するシフ
トレジスタまたは同等の機能を果たすDRAMにより構
成され、各段の記憶位置から波形データを読みだすこと
が可能である。遅延回路D1の最終段の出力は補間部1
0に供給される。
【0072】読み出し制御部9は、変調波MODの時間
変化に対応した前記遅延回路D1の記憶位置から波形デ
ータを読みだし、補間部10に供給する。このようにし
て得られた読み出し制御部9の出力信号は、搬送波CA
Rを変調波MODで周波数変調した信号である。補間部
10は、遅延回路D1及び読み出し制御部9から供給さ
れた信号を基に補間を行うことにより周波数変調された
連続した信号OUTを形成出力する。
【0073】以上のように、合成回路に与える残差音を
任意の波形で変調すること、または、分析回路の出力信
号と合成回路の出力信号のうち一方を搬送波、他方を変
調波として周波数変調することにより、原音信号を基に
新規の音を創りだすことができる。
【0074】図6は、分析回路または合成回路を構成す
るループ回路の中に非線形回路を挿入した第5の実施例
を示す。分析回路は、加算器A512、非線形部14
a、線型部13aからなるループ回路87、減算器S5
04から構成されている。減算器S504はプラス端子
に入力されている原音信号からマイナス端子に入力され
ている線型部13aの出力信号を減じ、残差音DIFF
を形成出力する。残差音DIFFは、加算器A512の
一方の端子に入力されており、ループ回路87に共振音
を励起する。減算器S504の出力信号は残差音DIF
Fとして、加算器A512の出力信号は原音SOURC
Eとして、また線型部13aの出力信号は予測音PRE
Dとして分析回路の外部に取り出される。
【0075】また、合成回路は、加算器A605、非線
形回路14b、線型回路13bからなるループ回路88
から構成されている。分析回路により形成出力された残
差音DIFFが、加算器A605の一方の端子に入力さ
れており、ループ回路88に共振音を励起する。加算器
A605の出力信号は合成音SYNとして合成回路の外
部に取り出される。
【0076】分析回路と合成回路の各ループ回路87、
88の特性を等しくすれば非線形回路を含む場合でも原
音信号を再現することが可能である。減算器S504の
プラス端子に入力される原音信号をSDIN、マイナス
端子に入力される線型部13aの出力信号をLI、減算
器S504の出力信号をLOとすると、 SOURCE=LI+LO であり、また、 LO=SDIN−LI であるから、上記2式からLI及びLOを消去すること
ができ、 SOURCE=SDIN となる。また、ループ回路87と88に入力されている
励起信号は共に残差音DIFFに等しいため、双方のル
ープ回路の特性を等しくすれば、合成音SYNは原音S
OURCEと等しくなる。従って、合成音SYNは原音
信号SDINと等しくなる。
【0077】線型部13a、13bは、図1に示すよう
なフィルタ、遅延回路及び利得調整器等で構成されてい
る。非線形部14a、14bは、後に説明するようにフ
ィルタ、遅延回路、利得調整器及び非線形回路等で構成
されている。従って、線型部13a、13b及び非線形
部14a、14bのそれぞれの構成部品の出力を中間信
号として取り出すこともできる。このようにして、線型
部13a及び非線形部14aから取り出した中間信号を
それぞれ加算器A513−1〜A513−n及び加算器
A514−1〜A514−mにより合算して部分音PA
RT1として取り出すこともできる。同様に線型部13
b及び非線形部14bから取り出した中間信号をそれぞ
れ加算器A606−1〜A606−p及び加算器A60
7−1〜A607−qにより合算して部分音PART2
として取り出すこともできる。
【0078】上記のようにして取り出された残差音DI
FF、原音SOURCE、予測音PRED、合成音SY
N、部分音PART1、PART2を加算器により重み
付けして合算することにより、原音に対して様々な音色
を付与した楽音信号を得ることができる。例えば、線型
部のみで構成した場合では不可能であった豊富な倍音を
発生することが可能になる。
【0079】また、分析回路は入力に対して出力が得ら
れれば特に限定されないため、アルゴリズム的には無限
に近いバリエーションが得られる。このように、非線形
回路を使用することにより、比較的簡易な構成でも豊富
な音色を付与することができる。図6では、線型部と非
線形部とを分離した構成について説明したが、両者を混
合してもよい。
【0080】次に、図7、図8を参照して非線形部の構
成例について説明する。図7(A)は、加算器A50
3、遅延回路D503、フィルタF503、利得調整器
G503、非線形回路N500及び利得調整器G504
によってループ回路を構成した例である。非線形回路N
500によりループ回路の特性に非線形性を持たせてい
る。
【0081】図7(B)は、加算器A504、遅延回路
D504及び機能回路15によってループ回路を構成し
た例である。機能回路15は、フィルタF504と利得
調整器G505の直列接続からなる第1のルートと、利
得調整器G506、非線形回路N501、フィルタF5
05及び利得調整器G507の直列接続からなる第2の
ルートを有する。
【0082】遅延回路D504から入力された信号は、
第1のルート及び第2のルートに印加され、それぞれの
ルートの出力信号は加算器A505により加算され、出
力信号を形成する。利得調整器G510、G511のゲ
インを制御することにより、ループ回路全体の非線形性
を調整することができる。
【0083】図7(C)は、遅延回路の中間タップから
信号を取り出し、遅延回路の出力信号と中間タップから
取り出した信号とを加算し出力する機能回路16、17
をループ回路中に有する例を示す。図7(C)のループ
回路は、機能回路16、フィルタF506及び利得調整
器G510の直列接続からなる第1のルートと、機能回
路17、非線形回路N502、フィルタF507及び利
得調整器G511の直列接続からなる第2のルートを有
する。
【0084】遅延回路の中間タップから出力を取り出す
ことにより、倍音構造が制御できる。例えば、中央から
信号を取り出し、加算すると偶数倍音が強調される。ま
た、非線形回路N502の存在により、非線形性を調整
することができる。加算器A506の出力信号は、第1
のルート及び第2のルートに印加され、それぞれのルー
トの出力信号は加算器A507により加算され、加算器
A506に供給される。
【0085】上記の非線形回路は、一定の非線形入出力
特性を有するものであればよい。例えば、入力値が所定
値以下のときは、線型入出力特性を有し、所定値以上に
なると出力値が飽和し一定となるような飽和回路であっ
てもよい。
【0086】このような非線形特性を有する回路をルー
プ回路の中に挿入することにより、原音信号には含まれ
なかった倍音成分がループ回路中に励振される。このよ
うにして、原音信号を基に新規の音を創りだすことがで
きる。
【0087】図8は前記非線形回路の特性を変化させる
方法を示すブロック図である。図8(A)は、非線形回
路N503の入力側に利得調整器G512を設け、出力
側に利得調整器G513を設けた例である。入力側の利
得調整器G512のゲインを増減させることにより非線
形特性の横軸のスケールを変化させ、非線形効果の強さ
を変化させることができる。また、利得調整器G513
のゲインを増減させることにより、非線形特性の縦軸の
スケールを変化させ、ループ回路のフィードバック利得
を調整することができる。
【0088】図8(B)は、非線形回路N503の入力
側にフィルタF510を設け、出力側にフィルタF51
1を設けた例である。入力側、出力側のフィルタ特性を
変化させることにより非線形効果を変化させることがで
きる。
【0089】図8(C)は、非線形回路N505の入力
側に利得調整器G514を設け、出力側に利得調整器G
515を設けた第1のルートと、非線形回路N505と
は異なる非線形特性を有する非線形回路N506の入力
側に利得調整器G516を設け、出力側に利得調整器G
517を設けた第2のルートを有する例である。入力信
号は第1のルートと第2のルートに印加され、それぞれ
ルートの出力信号は加算器A515により加算され、出
力信号を形成する。このように、非線形特性の異なる回
路を並列に使用することにより、ループ回路の非線形特
性を細かく多様に制御することができる。
【0090】図8(D)に示す非線形回路は、入力値に
対応した記憶領域を有するメモリ18、入力値に対応し
た出力値を複数パターン記憶している非線形データテー
ブル12、及び非線形データテーブル12から所望のパ
ターンの出力値を読み出し、前記メモリ18の入力値に
対応した記憶領域に書き込む書込手段11を有する。
【0091】信号INが入力されると、メモリ18の入
力値に対応した記憶領域に記憶されている出力値を出力
信号OUTとして形成出力する。このような構成にする
ことにより、非線形データテーブル12の各種パターン
を読みだしてメモリ18の内容を書き替えるだけで、非
線形特性を変更することができる。
【0092】図9は、遅延回路に中間タップを設け、所
望の中間タップから取り出した信号を非線形回路、フィ
ルタ及び利得調整器を通してもとのループ回路に戻すこ
とにより非線形効果を得る第6の実施例を示す。
【0093】分析回路52は、加算器A510、フィル
タF508、遅延回路D507、加算器A511及び利
得調整器G518から構成されたループ回路85を有す
る。原音信号INが減算器S503のプラス端子に供給
され、利得調整器G518の出力信号がマイナス端子に
供給されている。減算器S503は、原音信号INから
利得調整器G518の出力信号を減じて残差音DIFF
を形成し、加算器A510の一方の端子及び合成回路6
2に供給する。
【0094】遅延回路D507は、n個の中間タップC
51、C52、・・・C5nを有している。中間タップ
C51、C52、・・・C5nのうち所望の一つの中間
タップがスイッチSW1により動接点R5に接続され
る。動接点R5は非線形回路N508に接続されてお
り、遅延回路D507の所望の中間タップから出力され
た信号を非線形回路N508に供給する。非線形回路N
508の出力信号は、フィルタF509及び利得調整器
G519を介して加算器A511の一方の端子に供給さ
れ、ループ回路85に戻されている。
【0095】遅延回路D507の中間タップから取り出
された信号は遅延回路D507の出力信号よりも遅延時
間が短く、所定の倍音成分に相当する。この倍音成分を
非線形変換しフィルタリングすることにより、主ループ
に性格の異なる信号が加算される。
【0096】合成回路62は、分析回路52と同様の加
算器A603、フィルタF603、遅延回路D603、
加算器A604及び利得調整器G603から構成された
ループ回路86を有する。分析回路52と同様に、遅延
回路D603は、n個の中間タップC61、C62、・
・・C6nを有し、各中間タップのうち所望の一つの中
間タップがスイッチSW2により動接点R6に接続され
る。
【0097】動接点R6は非線形回路N600に接続さ
れており、遅延回路D603の所望の中間タップから出
力された信号を非線形回路N600に供給する。非線形
回路N600の出力信号は、フィルタF604及び利得
調整器G604を介して加算器A604の一方の端子に
供給され、ループ回路86に戻されている。加算器A6
03の出力信号は、合成回路62の出力信号OUTとし
て取り出される。
【0098】スイッチSW1またはSW2で、遅延回路
の全遅延量を簡単な整数比に分割するような中間タップ
C5iまたはC6jを選択することにより調和倍音を強
調することができる。また、非線形回路N508及びN
600、フィルタF509及びF604の特性を変化さ
せることにより、中間タップから取り出した楽音信号に
倍音の加算、減算等の多彩な音色変化を与えることがで
きる。
【0099】図9では、ループ回路85、86に非線形
回路を含まない場合について説明したが、ループ回路8
5、86の中に図6に示す第6の実施例のように非線形
回路を含んでもよい。
【0100】以上説明した分析回路及び合成回路で使用
するフィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィル
タ、オールパスフィルタまたはFIR,IIR等のディ
ジタルフィルタを使用することができる。また、これら
のフィルタを直列あるいは並列に複数個組み合わせて使
用してもよい。楽音合成のための各回路は、ディジタル
シグナルプロセッサ(DSP)及びマイクロプログラム
によっても実現可能である。また、マイクロコンピュー
タとDSPの組合せシステムとして構成することも可能
である。
【0101】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来のサンプリング音源、FM音源等の各種音源により
発生した楽音に、様々な音色を付与することができる。
例えば、合奏的効果、アタック音の強調、共鳴音の強調
等の効果を得ることができる。さらに、もとの音源から
全く新規の音を創りだすことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例による音源のブロック図であ
る。
【図2】 本発明の第1の実施例による分析合成系の結
線パターンを示すブロック図である。
【図3】 本発明の第2の実施例による分析合成系のブ
ロック図、及び信号のタイミング図である。
【図4】 本発明の第3の実施例による分析合成系のブ
ロック図である。
【図5】 本発明の第4の実施例による分析合成系のブ
ロック図、及び変調器のブロック図である。
【図6】 本発明の第5の実施例による分析合成系のブ
ロック図である。
【図7】 本発明の第5の実施例で使用する非線形部の
構成例を示すブロック図である。
【図8】 本発明の第5の実施例で使用する非線形回路
の構成例を示すブロック図である。
【図9】 本発明の第6の実施例による分析合成系のブ
ロック図である。
【図10】 本発明者の先の提案による音源装置の分析
回路及び合成回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 演奏操作子、 2 音色設定操作子、 3 制御
部、 4 原音波形発生部、 5,5a,5b,5c,
5d,5e,5f,5g,5h,5i,5j,50,5
1,52 分析回路、 6,6a,6b,6c,6d,
6e1,6e2,6e3,6f,6i,6j,60,6
1,62 合成回路、 8 発振器、 9読出制御部、
10 補間部、 11 書き込み手段、 12 非線
形データテーブル、 13a,13b 線型部、 14
a,14b 非線形部、 15,16,17,115
機能回路、 18,105 メモリ、 70,71 変
調器、 85,86,87,88,100 ループ回
路、 102,104 接続点、 103 加算器、
107 減算器、 111 ローパスフィルタ、 11
2 遅延回路、 113 オールパスフィルタ、 11
4 利得調整器、 A加算器、 D 遅延回路、 F
フィルタ、 G 利得調整器、 N 非線形回路、 S
減算器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音信号合成装
置は、入力波形を発生する入力波形発生部と、遅延手段
とフィルタ手段を含み、前記入力波形を受け、循環させ
るループ手段を有し、分析音信号を出力する分析手段
と、遅延手段とフィルタ手段を含み、前記分析音信号の
少なくとも一部を受け、循環させるループ手段を有し、
合成音信号を出力する合成手段と、楽音特性の指定を受
け、前記分析手段のパラメータと前記合成手段のパラメ
ータとを独立に制御する制御手段とを有する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力波形を発生する入力波形発生部と、 遅延手段とフィルタ手段を含み、前記入力波形を受け、
    循環させるループ手段を有し、分析音信号を出力する分
    析手段と、 遅延手段とフィルタ手段を含み、前記分析音信号の少な
    くとも一部を受け、循環させるループ手段を有し、合成
    音信号を出力する合成手段と、 楽音特性の指定を受け、前記分析手段のパラメータと前
    記合成手段のパラメータとを独立に制御する制御手段と
    を有する楽音信号合成装置。
  2. 【請求項2】 入力波形を発生する入力波形発生部と、 遅延手段とフィルタ手段を含み、前記入力波形を受け、
    循環させるループ手段を有し、分析音信号を出力する分
    析手段と、 遅延手段とフィルタ手段を含み、前記分析音信号の少な
    くとも一部を受け、循環させるループ手段を有し、合成
    音信号を出力する合成手段と、 前記分析手段の出力する分析音信号と前記合成手段の出
    力する合成音信号とを入力し、楽音信号を合成する出力
    手段とを有する楽音信号合成装置。
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