JP3414119B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP3414119B2
JP3414119B2 JP09237096A JP9237096A JP3414119B2 JP 3414119 B2 JP3414119 B2 JP 3414119B2 JP 09237096 A JP09237096 A JP 09237096A JP 9237096 A JP9237096 A JP 9237096A JP 3414119 B2 JP3414119 B2 JP 3414119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器の音源な
どに用いられる楽音合成装置、特に自然楽器の発音メカ
ニズムを電子回路で模擬した方式(以下、物理モデル方
式とする)に基づく楽音合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】物理モデル方式に基づく楽音合成装置が
種々提案されている(例えば、特願平6−683号公報
参照)。
【0003】以下、図面を参照しながら上述したような
従来の楽音合成装置について説明する。
【0004】図5は従来の楽音合成装置のブロック図で
ある。図5において、501は予めメモリなどに記憶し
た駆動データを読み出す駆動データ発生回路、502,
508はデータを所定時間遅延させる遅延器、503は
ローパスフィルタ、504,509は乗算器、505は
加算器、506,511はそれぞれ遅延器502,50
8の遅延時間を制御する遅延制御回路、510は減算
器、507は遅延器502、ローパスフィルタ503、
乗算器504、加算器505、遅延制御回路506をま
とめた巡回型コムフィルタ、512は遅延器508、乗
算器509、減算器510、遅延制御回路511をまと
めた非巡回型コムフィルタである。なお、駆動データ発
生回路501は予め駆動データを記憶した読み出し専用
メモリとサンプリングクロックSCKに応じてメモリア
ドレスを1ずつ歩進するカウンタなどの周知の回路を用
いて簡単に実現できるので、その内部構成については説
明を省略する。また遅延器502,508は読み書きメ
モリをリングメモリ形式に構成したもので、遅延器制御
回路506,511が出力するアドレスADRの番地に
対して読み書きを行うものである。
【0005】図6は遅延制御回路506および511の
回路図である。図6において、601はカウンタ603
のカウント値と遅延器502の遅延段数Mまたは遅延器
508の遅延段数Nとの比較を行う比較器、602は比
較器601が出力する比較一致フラグが値1の時または
発音開始フラグKONが値1の時にカウンタ603のカ
ウント値を値0にリセットするORゲート、603はサ
ンプリングクロックSCKに従って値を1ずつインクリ
メントするカウンタである。なお、発音開始フラグKO
Nは押鍵などの発音操作に応じて合成処理を開始する際
に最初の1サンプリング周期Tsの間だけ値1になるフ
ラグである。
【0006】図7(A)は、ギターの弦の振動メカニズ
ムを表す模式図である。図7(A)において、弦はA,
C点で固定され、弦を指やピックで弾く時に与えられる
力(駆動データに対応)がB点に与えられるものとす
る。図7(B)は、ギター音の時間軸波形を表すグラフ
である。図7(B)において、横軸と縦軸はそれぞれ時
間と振幅を表す軸である。図7(C)は、ギター音の振
幅周波数スペクトルを表すグラフである。図7(C)に
おいて、横軸と縦軸はそれぞれ周波数と振幅を表す軸で
ある。図7(D)は、ギターの駆動データの振幅周波数
スペクトルを表すグラフである。図7(D)において、
横軸と縦軸はそれぞれ周波数と振幅を表す軸である。
【0007】図8は、非巡回型コムフィルタ512の伝
達特性図である。同図(A)は、図5の遅延器508の
遅延段数Nが遅延器502の遅延段数Mの1/4であ
り、さらに乗算器509に与えられるディップレベルデ
ータDが値0.5の時の伝達関数によるもの、同図
(B)は、図5の遅延器508の遅延段数Nが遅延器5
02の遅延段数Mの1/2であり、さらに乗算器509
に与えられるディップレベルデータDが値0.5の時の
伝達関数によるもの、同図(C)は、図5の遅延器50
8の遅延段数Nが遅延器502の遅延段数Mの1/4で
あり、さらに乗算器509に与えられるディップレベル
データDが値0.0の時の伝達関数によるものである。
なお横軸と縦軸はそれぞれ周波数と振幅を表す軸であ
る。
【0008】図9(A)はストリングアンサンブル音の
振幅周波数スペクトルを表すグラフである。図9(B)
はストリングアンサンブルの駆動データの振幅周波数ス
ペクトルを表すグラフである。図9(C)はストリング
アンサンブルの合成音データの振幅周波数スペクトルを
表すグラフである。なお図9(A)〜(C)において、
横軸と縦軸はそれぞれ周波数と振幅を表す軸である。
【0009】以上のように構成された従来の楽音合成装
置について動作説明をする。まず、図7(A)を用いて
ギターの弦の振動メカニズムについて説明する。A,C
で固定された弦において、AB間、BC間の長さの比率
が1:3とする。弦のB点を弾くことにより単発的な力
(駆動データに相当)が弦に与えられ、破線矢印の方向
に伝搬していく。そしてA,C点において反射、反転し
再びB点に戻ってくる。この動作を繰り返すことにより
弦の振動が生じ胴を介して音が発生する。なお簡単のた
め胴は省略し、ギターの音を弦の振動とみなす。また時
間の経過とともに弦から空気中に対して主に高域成分が
放射され、また固定点A,Cにおいて振動エネルギーが
少しずつ消費されるので、ギター音の時間軸波形は図7
(B)に示すように、時間の経過とともに次第になまっ
ていく形状となる。またW1とW3の時間間隔TMは、
B点から伝搬された波形がC→AあるいはA→Cを反射
して再びB点に戻るまでの時間に相当し、W1,W2の
時間間隔TNは、B点から伝搬された波形がAのみを反
射して再びB点に戻るまでの時間に相当する。
【0010】以上の発音メカニズムを模擬した等価回路
が、図5に示す楽音合成装置である。図5において、発
音開始フラグKONとサンプリングクロックSCKに基
づき駆動データ発生回路501が駆動データを巡回型コ
ムフィルタ507に供給する。供給された駆動データは
巡回型コムフィルタ507を巡回することにより、図7
(A)のW1,W3,W5,・・・といった時間間隔が
TMの周期波形が生成される。周期波形は巡回中にロー
パスフィルタ503により高域が遮断され、また乗算器
504においてゲインG(Gは値1未満)の乗算によっ
て減衰する。時間間隔TMは遅延器502の遅延段数M
に対応する。時間間隔TMと遅延段数Mとの関係を(数
1)に示す。
【0011】
【数1】
【0012】巡回型コムフィルタ507で生成された周
期波形は、非巡回型コムフィルタ512に送出されフィ
ルタリングされることにより、図7(B)に示すギター
音の時間軸波形に相当する合成音データが得られる。こ
の合成音データあるいはギター音の振幅周波数スペクト
ルは図7(C)に示すような形状となる。すなわち、弦
の全長に対してその1/4のところを弾いた場合の音の
振幅周波数スペクトルは4次、8次倍音(f4,f8)
・・・にディップが生じる。一般的には、弦などの共振
部の全長に対して、その1/nのところを駆動して音を
発生した場合、その音の振幅周波数スペクトルはn,2
n,3n,・・・次倍音にディップが生じる。図7
(B)の時間軸波形におけるW1,W2の時間間隔TN
は、遅延器508の遅延段数Nに対応する。TNとNと
の関係を(数2)に示す。
【0013】
【数2】
【0014】なお、乗算器509で乗算されるディップ
レベルデータDは、図7(B)のW1に対するW2の、
あるいはW3に対するW4のレベル比に対応する。ここ
で駆動データとは、例えばギターの原音をギターの弦な
どに相当する回路、この場合は巡回型コムフィルタ50
7と非巡回型コムフィルタ512を直列接続した回路に
対して逆に畳み込むことによって得られるデータであ
り、弦に対して指やピックが与える力に相当するもので
ある。
【0015】次に遅延制御回路506,507の動作に
ついて図6を用いて説明する。遅延制御回路506,5
07ともに基本的に同じ動作をするので、遅延制御回路
506のみを説明する。図6において、押鍵などの発音
操作に応じて発音開始フラグKONがORゲート602
に入力され、カウンタ603のカウント値を値0にリセ
ットする。その後カウンタ603はサンプリングクロッ
クSCKの発生タイミングに従ってカウント値を1ずつ
インクリメントする。そして比較器601に入力された
Mと等しくなった時に、比較器601は比較一致フラグ
をORゲート602に送出し、カウンタ603のカウン
ト値を値0にリセットする。以上の動作によって、カウ
ンタ603から遅延器502(リングメモリ構成の読み
書きメモリ)に対して読み書きアドレスADRが送出さ
れる。なおアドレスADRは1サンプリング周期Ts内
において、まず読み出しアドレスとして作用し、その直
後に書き込みアドレスとして作用するので、遅延器50
2は遅延時間TM(遅延段数M)の遅延器として機能す
る。
【0016】次に非巡回型コムフィルタ512の伝達特
性について説明する。前述したように、弦などの共振部
の全長に対してその1/nのところを駆動して音を発生
した場合、その音の振幅周波数スペクトルはn,2n,
3n,・・・次倍音にディップが生じる。この現象と同
様に、非巡回型コムフィルタ512中の遅延器508の
遅延段数Nを巡回型コムフィルタ507中の遅延器50
2の遅延段数Mの1/nとした場合、合成音データの振
幅周波数スペクトルはn,2n,3n,・・・次倍音に
ディップが生じる。但し、非巡回型コムフィルタ512
中の乗算器509におけるディップレベルデータDの値
によってそのディップの深さがかわる。例えば、N=M
/4,D=0.5の場合は、図8(A)に示すようにf
4,f8,・・・に−6dBのディップが生じ、N=M
/2,D=0.5の場合は、図8(B)に示すようにf
2,f4,・・・に−6dBのディップが生じる。また
N=M/4,D=0.0の場合は、図8(C)に示すよ
うにディップが生じない。もっともD=0.0の場合は
Nの値によらずディップが生じない。
【0017】さて、図7(C)に示すようにf4,f8
・・・に約6dBのディップがある場合の音(ギター
音)の駆動データを求める場合は、予め非巡回型コムフ
ィルタ512の伝達特性を図8(A)に示す特性とし
(N=M/4、D=0.5)、この特性の逆伝達特性に
ギターの原音を畳み込むことによって、図7(C)にお
けるf4,f8・・・成分レベルがほぼ他の成分並にも
ちあがった特性の周期波形(以下、周期波形Wとする)
が得られる。これが巡回型コムフィルタ507から出力
されるべき周期波形Wの特性である。さらに巡回型コム
フィルタ507中の遅延器502の遅延段数Mを周期波
形Wのピッチに設定し、ローパスフィルタ503の特性
を周期波形Wの振幅周波数スペクトル包絡のカーブに最
も近くなるような調整等を行い、巡回型コムフィルタ5
07の逆伝達特性を求める。そして周期波形Wをこの逆
伝達特性に畳み込むことにより、周期波形Wの各成分が
ほぼ同じレベルのところまでおち、得られた駆動データ
の振幅周波数スペクトルは図7(D)に示すような、ホ
ワイトノイズのように全ての帯域に成分をもつ特性とな
る。時間軸波形としては図7(A)に示すような単発的
な波形が得られる。
【0018】以上ギター音の合成について説明したが、
最後にストリングアンサンブルのような複音系の楽音に
ついて補足する。ストリングアンサンブルのような複音
系の楽音は、バイオリンのような擦弦楽器音が複数重な
ってできた楽音であり、各々の楽器全てが上述したよう
なギターのように弦の全長の1/4に相当する位置を駆
動していたとしても、それぞれが干渉しあいながら重な
るため、ストリングアンサブル音の振幅周波数スペクト
ルは、特定の成分に明確なディップが生じない(図9
(A)参照のこと)。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示すような構成では、遅延段数Nやディップレベルデー
タDの制御によって音色を変化させた場合、図8
(A),(B),(C)に示すように非巡回型コムフィ
ルタ512の伝達特性の1次成分のレベルが大きく異な
ってくるため、合成音データの音量感までが変化してし
まう。これは、ギター音などのほとんどの楽音は図7
(C)に示すように1次成分のレベルが最も大きいこと
に起因する。
【0020】また、ストリングアンサンブルのような複
音系の楽音は、図9(A)に示すように振幅周波数スペ
クトルに明確なディップが生じないので、仮に弦の駆動
位置が全長の1/4、すなわち遅延器508の遅延段数
NをM/4として駆動データを求めた場合、図9(B)
のようにf4,f8,・・・にピークが生じる。この駆
動データを用いて合成した場合、N=M/4の時は非巡
回型コムフィルタ512によって、このピーク成分のレ
ベルが原音のそれに相当するレベルまでおとしこまれる
ので、図9(A)に示すような所望の楽音が得られる
が、例えばN=M/6の時はf4,f8,・・・のピー
クは残ったまま、f6,f12,・・・が非巡回型コム
フィルタ512によってレベルがおとしこまれ(6dB
ダウン)、合成音データが図9(C)に示すように、特
定の成分、すなわち非巡回型コムフィルタ512の逆伝
達関数を畳み込んだ時のNの値に対応する成分(N=M
/4の時はf4,f8,・・・)にピークが生じてしま
い、聴感上好ましくない。
【0021】なお、駆動データの特定の成分にピークを
生じさせないために、駆動データを求める過程におい
て、非巡回型コムフィルタ512の逆伝達特性の畳み込
みは行わず、巡回型コムフィルタ507の逆伝達特性の
畳み込みのみを行う方法が考えられるが、その場合、原
音、すなわち巡回型コムフィルタ507の逆伝達特性を
畳み込むべきストリングアンサブル音を再現するために
は、巡回型コムフィルタ507のみを用いて合成する必
要がある。言い替えれば、非巡回型コムフィルタ512
でのフィルタリングも行うと、原音を再現することがで
きない。従って、原音再現のためには非巡回型コムフィ
ルタ512は使用することができず、この場合は、すで
にギター音の例で説明したような、弦の駆動位置の変化
に応じた音色変化を実現することができない。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、非巡回型コムフィルタ中の遅延器の
遅延段数やディップレベルデータに応じて、合成音デー
タの音量レベル補正を行うための変換手段と振幅制御手
段とを設けることとしている。そして、変換手段が遅延
段数やディップレベルデータに応じて生成した音量レベ
ル補正データを生成し、振幅制御手段がこの音量レベル
補正データを用いて合成音データの音量レベル補正を行
うことにより、遅延段数やディップレベルデータを制御
した音色変化において合成音データの音量を一定に保つ
ことができる。
【0023】また、本発明は、従来の楽音合成装置に対
して変換手段と振幅制御手段を追加すること(前述した
解決手段)に加え、駆動データ発生回路と巡回型コムフ
ィルタをあわせた回路を、PCMデータ発生回路に置き
換えることとしている。そして、PCMデータ発生回路
が発生する、自然楽器などの原音に相当するPCMデー
タに対して、非巡回型コムフィルタ中の遅延器の遅延段
数などに応じた音色変化、すなわち弦などの共振部の駆
動位置制御に応じた音色変化を実現する場合において、
合成音データの音量を常に一定に保つことができるの
で、前述した解決手段の効果に加えて、従来のPCM方
式に基づく音源回路をフィルタリング前の波形発生手段
として活用できるといった利点がある。
【0024】また、本発明は、非巡回型コムフィルタ中
の遅延器の遅延段数Nに応じて、非巡回型コムフィルタ
の伝達特性のディップレベル制御を行うための変換手段
を設けることとしている。そして、変換手段が、ストリ
ングアンサブルの原音を再現する時(仮にこの場合の遅
延段数NをM/4とする。但しMは巡回型コムフィルタ
中の遅延器の遅延段数)には、ディップレベルデータを
値0として合成処理を行い、また弦などの共振部の駆動
位置を制御させた別の音色を得る時(NはM/4以外)
は、ディップレベルデータを値0ではない値として合成
処理を行う。さらにNの値がM/4から離れていくに従
い、ディップレベルデータを値0から次第に大きくして
いくように制御することにより、ストリングアンサブル
の原音も再現できるし、またストリングアンサブルの原
音を中心として、弦などの共振部の駆動位置変化に応じ
て連続的に音色変化を行わせることができる。
【0025】また、本発明は、従来の楽音合成装置に対
してディップレベルデータを制御する変換手段を追加す
ること(前述した解決手段)に加え、駆動データ発生回
路と巡回型コムフィルタをあわせた回路を、PCMデー
タ発生回路に置き換えることとしている。そして、PC
Mデータ発生回路が発生する、自然楽器などの原音に相
当するPCMデータに対して、非巡回型コムフィルタ中
の遅延器の遅延段数Nに応じた音色変化、すなわち弦な
どの共振部の駆動位置制御に応じた音色変化を連続的に
実現できるので、前述した解決手段の効果に加えて、従
来のPCM方式に基づく音源回路をフィルタリング前の
波形発生手段として活用できるといった利点がある。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、駆動データを発生する
駆動データ発生手段と、少なくとも遅延器を含む閉ルー
プ状の回路を有し、駆動データ発生手段から供給された
駆動データを巡回させ巡回中のデータを波形データとし
て取り出すようにした巡回型コムフィルタと、前記巡回
型コムフィルタから取り出された波形データと波形デー
タを所定時間N遅延させレベル調整した後のデータとの
減算を行い減算結果を出力する非巡回型コムフィルタ
と、前記非巡回型コムフィルタの出力の振幅を制御する
ことにより所望の合成音データを出力する振幅制御手段
と、前記振幅制御手段における制御パラメータである振
幅レベルデータを予め記憶し前記非巡回型コムフィルタ
の特性に応じて振幅レベルデータを読み出す変換手段と
を備え、駆動データ発生手段がギターなどの自然楽器の
共振部(弦など)に与えられる力に相当する駆動データ
を巡回型コムフィルタに供給し、巡回型コムフィルタが
駆動データを巡回させて周期波形を生成し、非巡回型コ
ムフィルタがその内部の遅延器の遅延時間Nを制御して
前記周期波形の特定の成分(遅延時間Nに対応する成
分)にディップを与えることにより、共振部(弦)の駆
動位置に応じた音色変化を行い、さらに変換手段が予め
記憶した音量レベル補正データLを、非巡回型コムフィ
ルタの特性、例えば遅延時間Nやディップレベルデータ
D(非巡回型コムフィルタの遅延路上で調整するレベル
に対応するもの)に応じて選択し、読み出し、振幅制御
手段が読み出された音量レベル補正データLに基づいて
合成音データの音量レベル補正を行うことにより、遅延
段数NやディップレベルデータDを制御した音色変化に
おいて合成音データの音量を一定に保つこととなる。
【0027】また、本発明は、自然楽器の楽音に相当す
るPCMデータを発生するPCMデータ発生手段と、P
CMデータ発生手段から送出されたPCMデータと前記
PCMデータを所定時間N遅延させレベル調整した後の
データとの減算を行い減算結果を出力する非巡回型コム
フィルタと、前記非巡回型コムフィルタの出力の振幅を
制御することにより所望の合成音データを出力する振幅
制御手段と、前記振幅制御手段における制御パラメータ
である振幅レベルデータを予め記憶し前記非巡回型コム
フィルタの特性に応じて振幅レベルデータを読み出す変
換手段とを備え、PCMデータ発生手段が生成した、楽
器原音に相当する楽音データを非巡回型コムフィルタに
供給し、非巡回型コムフィルタがその内部の遅延器の遅
延時間Nを制御し前記楽音データの特定の成分(遅延時
間Nに対応する成分)にディップを与えることにより、
共振部(弦)の駆動位置に応じた音色変化を行い、さら
に変換手段が予め記憶した音量レベル補正データLを、
非巡回型コムフィルタの特性、例えば遅延時間Nやディ
ップレベルデータDに応じて選択し、読み出し、振幅制
御手段が音量レベル補正データLに基づいて合成音デー
タの音量レベル補正を行うことにより、遅延段数Nやデ
ィップレベルデータDを制御した音色変化において合成
音データの音量を一定に保つこととなる。さらに従来の
PCM方式に基づく音源回路をフィルタリング前の波形
発生手段として活用できることとなる。
【0028】また、本発明は、駆動データを発生する駆
動データ発生手段と、少なくとも遅延器を含む閉ループ
状の回路を有し、駆動データ発生手段から供給された駆
動データを巡回させ巡回中のデータを波形データとして
取り出すようにした巡回型コムフィルタと、前記巡回型
コムフィルタから取り出された波形データと前記波形デ
ータを所定時間N遅延させレベル調整した後のデータと
の減算を行い減算結果を所望の合成音データとして出力
する非巡回型コムフィルタと、前記非巡回型コムフィル
タ中の遅延路上で調整するレベルに相当するディップレ
ベルデータDを予め記憶し前記非巡回型コムフィルタの
特性に応じてディップレベルデータDを読み出す変換手
段とを備え、駆動データ発生手段がストリングアンサン
ブルなどの複音系の駆動データを巡回型コムフィルタに
供給し、巡回型コムフィルタが駆動データを巡回させて
周期波形を生成し、非巡回型コムフィルタがその内部の
遅延器の遅延時間Nを制御し前記周期波形の特定の成分
(遅延時間Nに対応する成分)にディップを与えること
により、共振部(弦)の駆動位置に応じた音色変化を行
い、さらに変換手段が予め記憶したディップレベルデー
タDを遅延時間Nに応じて選択し、読み出し、読みだし
たディップレベルデータDに基づき非巡回型コムフィル
タの遅延路上のレベル調整を行う。この時、ストリング
アンサブルの原音を再現する時(仮にこの場合のNを巡
回型コムフィルタ中の遅延器の遅延段数Mの1/4とす
る)には、ディップレベルデータDを値0として合成
し、また弦などの共振部の駆動位置を制御させた別の音
色を得る時(NはM/4以外)は、ディップレベルデー
タDを値0ではない値として合成する。さらにNがM/
4から離れていくに従い、ディップレベルデータDを値
0から次第に大きくなるように変換手段に記憶させ、変
換手段が遅延段数Nに応じてディップレベルデータDを
読み出し、非巡回型コムフィルタの遅延路上のレベル調
整を行うことにより、ストリングアンサブルの原音も再
現し、またストリングアンサブルの原音を中心として、
弦などの共振部の駆動位置変化に応じて連続的に音色変
化を行うこととなる。
【0029】また、本発明は、自然楽器の楽音に相当す
るPCMデータを発生するPCMデータ発生手段と、P
CMデータ発生手段から送出されたPCMデータと前記
PCMデータを所定時間N遅延させレベル調整した後の
データとの減算を行い減算結果を所望の合成音データと
して出力する非巡回型コムフィルタと、前記非巡回型コ
ムフィルタ中の遅延路上で調整するレベルに相当するデ
ィップレベルデータDを予め記憶し前記非巡回型コムフ
ィルタの特性に応じてディップレベルデータDを読み出
す変換手段とを備え、PCMデータ発生手段が生成し
た、楽器原音に相当する楽音データを非巡回型コムフィ
ルタに供給し、非巡回型コムフィルタがその内部の遅延
器の遅延時間Nを制御し前記楽音データの特定の成分
(遅延時間Nに対応する成分)にディップを与えること
により、共振部(弦)の駆動位置に応じた音色変化を行
い、さらに変換手段が予め記憶したディップレベルデー
タDを遅延時間Nに応じて選択し、読み出し、読みだし
たディップレベルデータDに基づき非巡回型コムフィル
タの遅延路上のレベル調整を行う。この時、ストリング
アンサブルの原音を再現する時(仮にこの場合のNを巡
回型コムフィルタ中の遅延器の遅延段数Mの1/4とす
る)には、ディップレベルデータDを値0として合成
し、また弦などの共振部の駆動位置を制御させた別の音
色を得る時(NはM/4以外)は、ディップレベルデー
タDを値0ではない値として合成する。さらにNがM/
4から離れていくに従い、ディップレベルデータDを値
0から次第に大きくなるように変換手段に記憶させ、変
換手段が遅延段数Nに応じてディップレベルデータDを
読み出し、非巡回型コムフィルタの遅延路上のレベル調
整を行うことにより、ストリングアンサブルの原音も再
現し、またストリングアンサブルの原音を中心として、
弦などの共振部の駆動位置変化に応じて連続的に音色変
化を行うこととなる。さらに従来のPCM方式に基づく
音源回路をフィルタリング前の波形発生手段として活用
できることとなる。
【0030】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態1について図面を参照しながら説明する。
【0031】図1は本発明の実施の形態1における楽音
合成装置のブロック図である。図1において、101は
予めメモリなどに記憶した駆動データを読み出す駆動デ
ータ発生回路、102,108はデータを所定時間遅延
させる遅延器、103はローパスフィルタ、104,1
09,114は乗算器、105は加算器、106,11
1はそれぞれ遅延器102,108の遅延時間を制御す
る遅延制御回路、110は減算器、107は遅延器10
2、ローパスフィルタ103、乗算器104、加算器1
05、遅延制御回路106をまとめた巡回型コムフィル
タ、112は遅延器108、乗算器109、減算器11
0、遅延制御回路111をまとめた非巡回型コムフィル
タ、113は予め記憶された音量レベル補正データLを
遅延段数NおよびディップレベルデータDに基づいて読
み出す音量調整テーブル、114は非巡回型コムフィル
タ112から送出された波形に対して、音量調整テーブ
ルから読み出された音量レベル補正データLを乗算する
乗算器である。
【0032】なお、駆動データ発生回路101は予め駆
動データを記憶した読み出し専用メモリとサンプリング
クロックSCKに応じてメモリアドレスを1ずつ歩進す
るカウンタなどの周知の回路を用いて簡単に実現できる
ので、その内部構成については説明を省略する。また遅
延器102,108は読み書きメモリをリングメモリ形
式に構成したもので、遅延器制御回路106,111が
出力するアドレスADRの番地に対して読み書きを行う
ものである。
【0033】以上のように構成された楽音合成装置につ
いて動作説明をする。まず図1において、発音開始フラ
グKONとサンプリングクロックSCKに基づき駆動デ
ータ発生回路101が、ギターなどの自然楽器の共振部
(弦など)に与えられる力に相当する駆動データを巡回
型コムフィルタ107に供給する。供給された駆動デー
タは巡回型コムフィルタ107を巡回することにより、
図7(A)のW1,W3,W5,・・・といった時間間
隔がTMの周期波形が生成される。周期波形は巡回中に
ローパスフィルタ103により高域が遮断され、また乗
算器104においてゲインG(Gは値1未満)の乗算に
よって減衰する。そして非巡回型コムフィルタ112に
おけるフィルタリング処理により、図7(A)のW1,
W2,W3,W4,W5,・・・といった波形が非巡回
型コムフィルタ112から出力される。非巡回型コムフ
ィルタ112の伝達特性は図8(A),(B),(C)
に示すように、遅延段数NやディップレベルデータDに
よって異なる(結果として合成音データの音色が異な
る)。ここでギターをはじめほとんどの楽音は1次成分
が他の倍音成分よりもレベルが大きいので、所望の合成
音データの音量はほぼ1次成分のレベルによって決ま
る。従って、予め遅延段数NやディップレベルデータD
と、1次成分に対応する振幅特性の関係を明らかにし、
その関係を音量調整テーブル113に記憶させ、遅延段
数NやディップレベルデータDに基づいて読み出し、合
成音データの音量レベルを調整すればよい。遅延段数N
やディップレベルデータDと、1次成分に対応する振幅
特性の関係を明らかにするために、まず非巡回型コムフ
ィルタ112の伝達関数H(w)を求めると(数3)の
ようになる。
【0034】
【数3】
【0035】さらに、非巡回型コムフィルタ112の振
幅特性はH(w)の絶対値をとることにより求められ
る。これを(数4)に示す。
【0036】
【数4】
【0037】さらに、(数4)に基づき、合成音データ
の1次成分が一定となるような、音量レベル補正データ
Lの値を求める。これを遅延段数Nやディップレベルデ
ータDをアドレスとしてテーブル化したものが(表1)
である。
【0038】
【表1】
【0039】(表1)を音量調整テーブル113として
実現するために、まずディップレベルデータDを値0か
ら1の間を64段階で区切り、さらに1つのディップレ
ベルデータDの値の中を、遅延段数Nの値M/32から
M/2の間の64段階で(32〜2を任意の間隔で64
段階に)区切る。そしてそれぞれの区切り(番地)の中
に、(数4)に基づいて計算した音量レベル補正データ
Lの値を読み出し専用メモリに記憶させ、ディップレベ
ルデータDを読み出し専用メモリの上位アドレス(6ビ
ット)、遅延段数Nを読み出し専用メモリの下位アドレ
ス(6ビット)としてアドレスさせるようにして、音量
調整テーブル113を実現する。遅延段数Nやディップ
レベルデータDをそれぞれ64段階としたが、この程度
の分解能をもてば、聴感的に十分な連続性が得られる。
【0040】なお、1次成分のレベルを基準として音量
調整テーブルに記憶する値を決定したが、楽音によって
は4次などの倍音成分の方がメジャーなものもある(例
えばトランペット)。この場合は、4次成分のレベルを
基準として音量調整テーブルに記憶する値を決定すれば
よい。そして、楽器音の種類に応じて音量調整テーブル
113を選択するようにしてもよい。また、1次あるい
は4次といった特定の成分を基準として音量調整テーブ
ル113に記憶する値を決定した後に合成および試聴を
行い、音量調整テーブル113に記憶した値を調整する
方が、より正確に合成音データの音量レベルの均一化を
図ることができる。なお、巡回型コムフィルタ107と
非巡回型コムフィルタ112の接続順序を替えてもさし
つかえない。また非巡回型コムフィルタ112の遅延器
108と乗算器109の接続順序を替えてもさしつかえ
ない。
【0041】以上のように、本実施の形態によれば、音
量調整テーブル113に(表1)に示すような音量レベ
ル補正データLを記憶させ、非巡回型コムフィルタ11
2の特性、すなわち遅延段数Nやディップレベルデータ
Dをアドレスとして音量調整テーブル113内の音量レ
ベル補正データLを選択し、読み出し、非巡回型コムフ
ィルタ112から送出された波形に対して、音量調整テ
ーブル113から読み出された音量レベル補正データL
を乗算することにより、非巡回型コムフィルタ112の
特性変化に基づく音色の変化によらず、合成音データの
音量レベルを一定に保つことができる。
【0042】(実施の形態2)以下、本発明の実施の形
態2について図面を参照しながら説明する。
【0043】図2は本発明の実施の形態2における楽音
合成装置のブロック図である。図2において、201は
予めメモリなどに記憶した自然楽器の原音に相当するP
CMデータを読み出すPCMデータ発生回路、202は
データを所定時間遅延させる遅延器、203は乗算器、
205は遅延器202遅延時間を制御する遅延制御回
路、204は減算器、206は遅延器202、乗算器2
03、減算器204、遅延制御回路205をまとめた非
巡回型コムフィルタ、207は予め記憶された音量レベ
ル補正データLを遅延段数Nおよびディップレベルデー
タDに基づいて読み出す音量調整テーブル、208は非
巡回型コムフィルタ206から送出された波形に対し
て、音量調整テーブル207から読み出された音量レベ
ル補正データLを乗算する乗算器である。
【0044】以上のように構成された楽音合成装置につ
いて動作説明をする。この楽音合成装置は、実施の形態
1における楽音合成装置の、駆動データ発生回路101
と巡回型コムフィルタ107を、PCMデータ発生回路
201に置き換えたものである。なお、PCMデータ発
生回路201への入力のピッチデータは、巡回型コムフ
ィルタ107での遅延段数Mに逆比例するものである。
PCMデータ発生回路201は予め記憶した自然楽器の
原音に相当するPCMデータをピッチデータに対応する
アドレス歩進幅で読み出し、非巡回型コムフィルタ20
6に供給する。その後の動作は実施の形態1と同様であ
る。なお、非巡回型コムフィルタ206の遅延器202
と乗算器203の接続順序を替えてもさしつかえない。
【0045】以上のように、本実施の形態によれば、音
量調整テーブル207に(表1)に示すような音量レベ
ル補正データLを記憶させ、非巡回型コムフィルタ20
6の特性、すなわち遅延段数Nやディップレベルデータ
Dをアドレスとして音量調整テーブル208内の音量レ
ベル補正データLを選択し、読み出し、非巡回型コムフ
ィルタ206から送出された波形に対して、音量調整テ
ーブル207から読み出された音量レベル補正データL
を乗算することにより、非巡回型コムフィルタ206の
特性の制御に基づく音色の変化によらず、合成音データ
の音量レベルを一定に保つことができる。さらに、PC
Mデータ発生回路201が生成するPCMデータに対し
て、非巡回型コムフィルタ206の特性の制御に基づく
音色変化を行わせるようにしたので、従来のPCM方式
に基づく音源回路をフィルタリング前の波形発生手段と
して活用することができる。
【0046】(実施の形態3)以下、本発明の実施の形
態3について図面を参照しながら説明する。
【0047】図3は本発明の実施の形態3における楽音
合成装置のブロック図である。図3において、301は
予めメモリなどに記憶した駆動データを読み出す駆動デ
ータ発生回路、302,308はデータを所定時間遅延
させる遅延器、303はローパスフィルタ、304,3
09は乗算器、305は加算器、306,311はそれ
ぞれ遅延器302,308の遅延時間を制御する遅延制
御回路、310は減算器、307は遅延器302、ロー
パスフィルタ303、乗算器304、加算器305、遅
延制御回路306をまとめた巡回型コムフィルタ、31
2は遅延器308、乗算器309、減算器310、遅延
制御回路311をまとめた非巡回型コムフィルタ、31
3は予め記憶されたディップレベルデータDを遅延段数
Nに基づいて読み出すディップレベル調整テーブルであ
る。
【0048】なお、駆動データ発生回路301は予め駆
動データを記憶した読み出し専用メモリとサンプリング
クロックSCKに応じてメモリアドレスを1ずつ歩進す
るカウンタなどの周知の回路を用いて簡単に実現できる
ので、その内部構成については説明を省略する。また遅
延器302,308は読み書きメモリをリングメモリ形
式に構成したもので、遅延器制御回路306,311が
出力するアドレスADRの番地に対して読み書きを行う
ものである。
【0049】以上のように構成された楽音合成装置につ
いて動作説明をする。この楽音合成装置は、実施の形態
1における楽音合成装置の、音量調整テーブル113を
ディップレベル調整テーブル313に変更し、さらに乗
算器114を省略したものであるので、相違点のみにつ
いて説明する。
【0050】ストリングアンサンブルのような複音系の
楽音は図9(A)に示すように、特定の成分に明確なデ
ィップがないので、駆動データは、予めストリングアン
サンブルなどの原音を巡回型コムフィルタ307の逆伝
達特性に畳み込むことによって求め、駆動データ発生回
路301内の読み出し専用メモリに記憶しておく。スト
リングアンサンブルなどの原音に相当する合成音データ
を再現する場合は、合成時において、巡回型コムフィル
タ307の逆伝達特性と同じパラメータ値(例えばロー
パスフィルタ303の高域遮断周波数や乗算器304に
おけるゲイン)を設定し、さらに非巡回型コムフィルタ
312のディップレベルデータDを値0に設定して合成
処理を行う。この時、通常ストリングアンサンブル音を
構成するバイオリンなどの楽音は、弦の全長の1/4か
ら1/8あたりの弦の位置を駆動している場合が多いの
で、遅延器308の遅延段数Nを例えばM/4に設定し
ておく。さらにディップレベル調整テーブル313には
遅延段数NがM/4に対応するアドレスに値0を記憶し
ておき、NがM/4から遠ざかるにつれ、ディップレベ
ルデータDを値0から次第に大きくなるようにして記憶
する。なお、Nの範囲は、(表2)のようにM/32か
らM/2の範囲とする。
【0051】
【表2】
【0052】またNがM/4から最も遠ざかった点、す
なわちN=M/32やN=M/2でのディップレベルデ
ータDの値は、値0.5付近がバイオリンなどの楽音に
近いので、遅延段数Nの制御により音色変化させた時、
比較的自然な音色変化の感じが得られる。一方、NがM
/4から最も遠ざかった点の値が値1に近ければ近いほ
ど、音色変化のレンジが聴感的に大きくなるので、極端
に音色を変化させたい場合は、値1にすればよい。これ
らの値は楽器の種類によっても異なるため、楽器毎にデ
ィップレベル調整テーブル313を複数設け、楽器の種
類に応じて使い分けるようにしてもよい。なお、巡回型
コムフィルタ307と非巡回型コムフィルタ312の接
続順序を替えてもさしつかえない。また非巡回型コムフ
ィルタ312の遅延器308と乗算器309の接続順序
を替えてもさしつかえない。
【0053】以上のように、本実施の形態によれば、ス
トリングアンサンブルのような複音系の楽音を構成する
楽器において、弦などの共振部を駆動している位置に相
当する遅延段数Nの値を決め、この遅延段数Nに対応す
るディップレベル調整テーブル313のメモリ番地に値
0を記憶させ、さらに値0を記憶させた番地から遠ざか
るにつれ、ディップレベルデータDの値を値0から次第
に大きくなるようにしてディップレベル調整テーブル3
13に記憶させ、合成時において、遅延段数Nに応じて
ディップレベル調整テーブル313に記憶されたディッ
プレベルデータDを選択し、読み出し、読みだしたディ
ップレベルデータDを非巡回型コムフィルタ312内の
乗算器309における乗算値とすることにより、ストリ
ングアンサブルの原音も再現し、またストリングアンサ
ブルの原音を中心として、弦などの共振部の駆動位置変
化に応じて連続的に音色変化を行うことができる。
【0054】(実施の形態4)以下、本発明の実施の形
態4について図面を参照しながら説明する。
【0055】図4は本発明の実施の形態4における楽音
合成装置のブロック図である。図4において、401は
予めメモリなどに記憶した自然楽器の原音に相当するP
CMデータを読み出すPCMデータ発生回路、402は
データを所定時間遅延させる遅延器、403は乗算器、
405は遅延器402遅延時間を制御する遅延制御回
路、404は減算器、406は遅延器402、乗算器4
03、減算器404、遅延制御回路405をまとめた非
巡回型コムフィルタ、407は予め記憶されたディップ
レベルデータDを遅延段数Nに基づいて読み出すディッ
プレベル調整テーブルである。
【0056】以上のように構成された楽音合成装置につ
いて動作説明をする。この楽音合成装置は、実施の形態
3における楽音合成装置の、駆動データ発生回路301
と巡回型コムフィルタ307をあわせた回路を、PCM
データ発生回路401に置き換えたものである。PCM
データ発生回路401は予め記憶した自然楽器の原音に
相当するPCMデータをピッチデータに対応するアドレ
ス歩進幅で読み出し、非巡回型コムフィルタ406に供
給する。その後の動作は実施の形態3と同様である。な
お巡回型コムフィルタ406の遅延器402と乗算器4
03の接続順序を替えてもさしつかえない。
【0057】以上のように、本実施の形態によれば、ス
トリングアンサンブルのような複音系の楽音を構成する
楽器において、弦などの共振部を駆動している位置に相
当する遅延段数Nの値を決め、この遅延段数Nに対応す
るディップレベル調整テーブル407のメモリ番地に値
0を記憶させ、さらに値0を記憶させた番地から遠ざか
るにつれ、ディップレベルデータDの値を値0から次第
に大きくなるようにしてディップレベル調整テーブル4
07に記憶させ、合成時において、遅延段数Nに応じて
ディップレベル調整テーブル407に記憶されたディッ
プレベルデータDを選択し、読み出し、読みだしたディ
ップレベルデータDを非巡回型コムフィルタ406内の
乗算器403における乗算値とすることにより、ストリ
ングアンサブルの原音も再現し、またストリングアンサ
ブルの原音を中心として、弦などの共振部の駆動位置変
化に応じて連続的に音色変化を行うことができる。
【0058】さらに、PCMデータ発生回路401が生
成するPCMデータに対して、非巡回型コムフィルタ4
06の特性変化に基づく音色制御を行わせるようにした
ので、従来のPCM方式に基づく音源回路をフィルタリ
ング前の波形発生手段として活用することができる。
【0059】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0060】駆動データ発生手段がギターなどの自然楽
器の共振部(弦など)に与えられる力に相当する駆動デ
ータを巡回型コムフィルタに供給し、巡回型コムフィル
タが駆動データを巡回させて周期波形を生成し、非巡回
型コムフィルタがその内部の遅延器の遅延時間Nを制御
しながら前記周期波形の特定の成分にディップを与える
ことにより、共振部(弦)の駆動位置に応じた音色変化
を行い、さらに変換手段が予め記憶した音量レベル補正
データLを、非巡回型コムフィルタの特性、例えば遅延
時間NやディップレベルデータDに応じて選択し、読み
出し、振幅制御手段が音量レベル補正データLに基づい
て合成音データの音量レベル補正を行うことにより、遅
延段数NやディップレベルデータDを制御した音色変化
において合成音データの音量を一定に保つことができ
る。
【0061】また、PCMデータ発生手段が生成した、
楽器原音に相当する楽音データを非巡回型コムフィルタ
に供給し、非巡回型コムフィルタがその内部の遅延器の
遅延時間Nを制御しながら前記楽音データの特定の成分
にディップを与えることにより、共振部(弦)の駆動位
置に応じた音色変化を行い、さらに変換手段が予め記憶
した音量レベル補正データLを、非巡回型コムフィルタ
の特性、例えば遅延時間NやディップレベルデータDに
応じて選択し、読み出し、振幅制御手段が音量レベル補
正データLに基づいて合成音データの音量レベル補正を
行うことにより、遅延段数NやディップレベルデータD
を制御した音色変化において合成音データの音量を一定
に保つことができ、なおかつ従来のPCM方式に基づく
音源回路をフィルタリング前の波形発生手段として活用
することができる。
【0062】また、駆動データ発生手段がストリングア
ンサンブルなどの複音系の駆動データを巡回型コムフィ
ルタに供給し、巡回型コムフィルタが駆動データを巡回
させて周期波形を生成し、非巡回型コムフィルタがその
内部の遅延器の遅延時間Nを制御しながら前記周期波形
の特定の成分にディップを与えることにより、共振部
(弦)の駆動位置に応じた音色変化を行い、さらに変換
手段が予め記憶したディップレベルデータDを遅延時間
Nに応じて選択し、読み出し、読みだしたディップレベ
ルデータDに基づき非巡回型コムフィルタ中の遅延器の
遅延後のレベル調整を行う。この時、ストリングアンサ
ブルの原音を再現する時(仮にこの場合のNを巡回型コ
ムフィルタ中の遅延器の遅延段数Mの1/4とする)に
は、ディップレベルデータDを値0として合成し、また
弦などの共振部の駆動位置を制御させた別の音色を得る
時(NはM/4以外)は、ディップレベルデータDを値
0ではない値として合成する。さらにNがM/4から離
れていくに従い、ディップレベルデータDを値0から次
第に大きくなるように変換手段に記憶させ、変換手段が
遅延段数Nに応じてディップレベルデータDを読み出
し、非巡回型コムフィルタの遅延路上のレベル調整を行
うことにより、ストリングアンサブルの原音も再現し、
またストリングアンサブルの原音を中心として、弦など
の共振部の駆動位置変化に応じて連続的に音色変化を行
うことができる。
【0063】また、PCMデータ発生手段が生成した、
楽器原音に相当する楽音データを非巡回型コムフィルタ
に供給し、非巡回型コムフィルタがその内部の遅延器の
遅延時間Nを制御しながら前記楽音データの特定の成分
にディップを与えることにより、共振部(弦)の駆動位
置に応じた音色変化を行い、さらに変換手段が予め記憶
したディップレベルデータDを遅延時間Nに応じて選択
し、読み出し、読みだしたディップレベルデータDに基
づき非巡回型コムフィルタ中の遅延器の遅延後のレベル
調整を行う。この時、ストリングアンサブルの原音を再
現する時(仮にこの場合のNを巡回型コムフィルタ中の
遅延器の遅延段数Mの1/4とする)には、ディップレ
ベルデータDを値0として合成し、また弦などの共振部
の駆動位置を制御させた別の音色を得る時(NはM/4
以外)は、ディップレベルデータDを値0ではない値と
して合成する。さらにNがM/4から離れていくに従
い、ディップレベルデータDを値0から次第に大きくな
るように変換手段に記憶させ、変換手段が遅延段数Nに
応じてディップレベルデータDを読み出し、非巡回型コ
ムフィルタの遅延路上のレベル調整を行うことにより、
ストリングアンサブルの原音も再現し、またストリング
アンサブルの原音を中心として、弦などの共振部の駆動
位置変化に応じて連続的に音色変化を行うことができ、
なおかつ従来のPCM方式に基づく音源回路をフィルタ
リング前の波形発生手段として活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における楽音合成装置の
構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2における楽音合成装置の
構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3における楽音合成装置の
構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態4における楽音合成装置の
構成を示すブロック図
【図5】従来の楽音合成装置の構成を示すブロック図
【図6】同楽音合成装置の遅延制御回路の回路構成図
【図7】(A)はギターの弦の振動メカニズムを表す模
式図 (B)はギター音の時間軸波形を表すグラフ (C)はギター音の振幅周波数スペクトルを表すグラフ (D)はギターの駆動データの振幅周波数スペクトルを
表すグラフ
【図8】非巡回型コムフィルタの伝達特性図
【図9】(A)はストリングアンサンブル音の振幅周波
数スペクトルを表すグラフ (B)はストリングアンサンブルの駆動データの振幅周
波数スペクトルを表すグラフ (C)はストリングアンサンブルの合成音データの振幅
周波数スペクトルを表すグラフ
【符号の説明】
101 駆動データ発生回路 102,108 遅延回路 103 ローパスフィルタ 104,109,114 乗算器 105 加算器 106,111 遅延制御回路 107 巡回型コムフィルタ 110 減算器 112 非巡回型コムフィルタ 113 音量調整テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−199936(JP,A) 特開 平5−73062(JP,A) 特開 昭56−88198(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/06 - 1/12 G10H 7/00 - 7/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動データを発生する駆動データ発生手
    段と、少なくとも遅延器を含む閉ループ状の回路を有
    し、前記駆動データ発生手段から供給された駆動データ
    を巡回させ巡回中のデータを波形データとして取り出す
    ようにした巡回型コムフィルタと、前記巡回型コムフィ
    ルタから取り出された波形データと前記波形データを所
    定時間N遅延させレベル調整した後のデータとの減算を
    行い減算結果を出力する非巡回型コムフィルタと、前記
    非巡回型コムフィルタの出力の振幅を制御することによ
    り所望の合成音データを出力する振幅制御手段と、前記
    振幅制御手段における制御パラメータである振幅レベル
    データを予め記憶し前記非巡回型コムフィルタの特性に
    応じて振幅レベルデータを読み出す変換手段とを備えた
    ことを特徴とする楽音合成装置。
  2. 【請求項2】 変換手段が、非巡回型コムフィルタ中で
    の遅延時間Nに応じて振幅レベルデータを読み出すこと
    を特徴とする請求項1記載の楽音合成装置。
  3. 【請求項3】 変換手段が、非巡回型コムフィルタ中の
    遅延路上で調整するレベル値に応じて振幅レベルデータ
    を読み出すことを特徴とする請求項1記載の楽音合成装
    置。
  4. 【請求項4】 自然楽器の楽音に相当するPCMデータ
    を発生するPCMデータ発生手段と、前記PCMデータ
    発生手段から送出されたPCMデータと前記PCMデー
    タを所定時間N遅延させレベル調整した後のデータとの
    減算を行い減算結果を出力する非巡回型コムフィルタ
    と、前記非巡回型コムフィルタの出力の振幅を制御する
    ことにより所望の合成音データを出力する振幅制御手段
    と、前記振幅制御手段における制御パラメータである振
    幅レベルデータを予め記憶し前記非巡回型コムフィルタ
    の特性に応じて振幅レベルデータを読み出す変換手段と
    を備えたことを特徴とする楽音合成装置。
  5. 【請求項5】 変換手段が、非巡回型コムフィルタ中で
    の遅延時間Nに応じて振幅レベルデータを読み出すこと
    を特徴とする請求項4記載の楽音合成装置。
  6. 【請求項6】 変換手段が、非巡回型コムフィルタ中の
    遅延路上で調整するレベル値に応じて振幅レベルデータ
    を読み出すことを特徴とする請求項4記載の楽音合成装
    置。
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