JPH07103973A - 採尿部材及び尿検査体 - Google Patents

採尿部材及び尿検査体

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JPH07103973A
JPH07103973A JP29096893A JP29096893A JPH07103973A JP H07103973 A JPH07103973 A JP H07103973A JP 29096893 A JP29096893 A JP 29096893A JP 29096893 A JP29096893 A JP 29096893A JP H07103973 A JPH07103973 A JP H07103973A
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JP
Japan
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urine
water
paper
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sampling part
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JP29096893A
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Yoshikazu Nakagawa
美和 中川
Yoshiko Yamazaki
淑子 山崎
Kiyoshi Oguchi
清 小口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 尿が付着した使用済の検査体を持ち歩く必要
がなく、かつ尿が明らかに付着している使用済み検査体
を医師に提出する患者の心理的負担を軽減することが可
能であり、かつ試料の採取が行われたか否かを目視判断
することが容易な尿検査体の提供。 【構成】 水崩壊性機能を有する基材に、水溶性紙をぎ
ょう設したことを特徴とする採尿部材、並びに当該採尿
部材を固設したことを特徴とする、尿検査体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規の採尿部材、及び
当該部材を用いた尿検査体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の生命科学及びその周辺の技術・知
見の著しい向上により、特定の生命反応に対応して尿中
に現れる微量成分の有無等を簡易に検定して、当該生命
反応の有無を簡易かつ確実に知る方法が可能になった。
例えば、ヒトが妊娠すると、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモ
ン(hCG)が体内に産出され、尿中に***される。そ
して、かかる尿中のhCGを免疫測定法を応用した尿検
査体を用いることによって、ヒトの妊娠を簡易かつ確実
に知る方法が確立され、現在種々の尿検査体が、大衆向
け医薬品(OTC)として市販されている。
【0003】しかしながら、現在市販されている当該検
査体の多くは、尿等の試料をカップに採取して用いる必
要があるものが多く、さらに尿等を直接掛けて直接用い
ることのできるタイプであっても、確実に試料の採取が
行われたか否かを目視判断することが難しい等の使用感
の不備は否めない。さらに、例えば妊娠診断薬の場合に
は、自宅で使用した検査体を自ら産婦人科医に持参し、
これを妊娠の有無の判定の診断補助とする場合が多い。
【0004】その際、尿等の試料が付着した使用済の検
査体を持ち歩くのに心理的な負担を感じることが多々見
られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決す
べき課題は、尿が付着した使用済の検査体を持ち歩く必
要がなく、かつ尿が明らかに付着している使用済み検査
体を医師に提出する患者の心理的負担を軽減することが
可能な尿検査体を提供することにある。また、同時に確
実に試料の採取が行われたか否かを目視判断することが
容易な尿検査体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる課題
の解決のために鋭意検討を重ねた結果、水分散性機能を
有し、使用後の採尿部が直接下水道等に廃棄可能である
採尿部材及び尿検査体を提供することで、上記の課題を
解決し得ることを見出した。すなわち、本発明は以下の
事項をその要旨とするものである。
【0007】(1) 水溶性紙又は水分散性紙からなる筒
状体に、水分散性機能を有する繊維状基材を充填したこ
とを特徴とする採尿部材。 (2) 前記(1)記載の採尿部材を固設したことを特徴とす
る、尿検査体。 以下、本発明について詳細に説明する。 A.本発明は、水分散性機能を有する繊維状基材に、水
溶性紙又は水分散性紙を巻いたことを特徴とする採尿部
材に関する。
【0008】ここで「水溶性紙」とは、水に接触させた
場合に速やかに溶解する紙類のことを意味する。かかる
条件を満たすものとして、例えば三島製紙(株)により
発売されている「ディゾルボ」シリーズのうち、CD−
2,MDP等を挙げることができる。また、「水分散性
紙」とは、水に溶解しないが、水中に長時間浸漬若しく
は流水中において速やかに単繊維の段階まで分散する紙
のことで、かかる条件を満たすものとして、例えば三島
製紙(株)製の「ディゾルボ」シリーズのうち、CD−
2N等を挙げることができる。
【0009】その他、PVA,PVP等の水溶性高分子
をフィルム状に加工したものや上記水溶性紙に水不溶性
樹脂を塗布して分散時間を適宜調整したものを用いるこ
ともできる。なお、ここにいう「水不溶性樹脂」として
は、例えばシェラック、ポリビニルブチラール、ポリメ
タクリル酸、ヒドロキシプロピルセルロースフタレー
ト、カルボキシメチルエチルセルロース、エチルセルロ
ース等を挙げることができる。
【0010】当該水溶性紙又は水分散性紙の密度は、性
状より、ある程度の柔軟性が要求されるという点におい
て、20〜100g/m2の範囲が好ましく、また、当該紙の厚
さとしては5〜100μm 程度が好ましい。さらに、吸水
時の内圧の増大に伴う分解を防ぐためにも、吸水時のT
D方向引っ張り強度は、1〜100g/cmが好ましく、5〜3
0g/cmが特に好ましい。
【0011】なお、当該水溶性紙又は水分散性紙の使用
後の分散能は、当該水溶性紙又は水分散性紙に親水性樹
脂を塗布する等の分散制御を施し、分散制御層を形成せ
しめることにより任意に制御することも可能である。か
かる分散制御について説明する。当該分散制御は、本発
明採尿部材若しくは尿検査体の使用中は採尿部材として
の形状と強度を保ち、かつ当該使用後は速やかに水中で
分解させる目的で必要に応じ当該分散制御処理を、上記
水溶性紙又は水分散性紙に施すことができる。かかる分
散制御処理において用いる分散制御剤は、その目的から
水溶性樹脂、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニル
アルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチ
レングリコール等を単独で用いることができる。また、
アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリエステル、シェラ
ック、ポリビニルブチラール、ポリメタクリル酸、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキ
シメチルエチルセルロース、エチルセルロース等の水不
溶性樹脂をも単独で用いることができる。また、上記水
溶性樹脂と水不溶性樹脂との混合物をも用いることがで
きる。かかる樹脂は、通常溶剤に溶解して用いられる。
これらの樹脂の溶剤としては、アルコール系、ケトン
系、セルソルブ系、ベンゼン系等の溶剤が考えられる。
上記樹脂の水溶性紙等への固定法としては、通常各種の
印刷法が採用される。例えば、デイップコート法、グラ
ビア印刷法、スクリーン印刷法等による全面含浸処理、
片面処理、両面処理又は多層コート処理等を水溶性紙等
の性質に応じて採用し得る。すなわち、高度の水溶性を
有する水溶性紙等の場合には水不溶性樹脂で上記各種の
処理を施すのが好適である。逆に、相対的に水溶性の程
度が低い水溶性紙の場合には水溶性樹脂で上記各種の処
理を当該水溶性紙の外側に施すのが好適である。さら
に、芯材料の内圧の高いものは、水溶性紙等の内側に水
不溶性樹脂を片面コートするのが好適である。
【0012】なお、上記分散制御剤の上記水溶性紙への
塗布量を10〜100g/m2になるように当該分散制御剤をコ
ーティングすることにより、適度な分散速度を与えるこ
とが可能であり、さらに上記分散制御剤の塗布量を調節
することにより、上記水溶性紙の水分散能を任意に制御
することができる。本発明にいう「筒状体」は、両端が
閉じていると開いているとを問わない。
【0013】さらに、「水分散性機能を有する繊維状基
材」とは、水に接触することで容易に分散する繊維状の
基材のことである。なお、本発明において、「水分散性
機能を有する繊維状基材」が構成要素として用いられる
のは、本発明採尿部材を下水道に廃棄した際、下水道管
を詰まらせる等の支障がないように速やかに分散し得る
ことが当該基材に要求されるからである。
【0014】当該繊維状基材は、検体の検出成分を可能
な限り吸着せず、かつ吸水性を有する繊維状物質であれ
ば特に限定されない。具体的には、ポリエステル、セル
ロースアセテート、再生セルロース、ナイロン繊維等の
合成材料や木綿繊維、麻、布、絹等の天然材料が好まし
い。上記繊維状基材の繊維の太さは、毛細管現象を効果
的与えるための重要な要素であり、かかる太さは材料の
吸水性より異なるが1〜10デニール程度が好ましい。
【0015】繊維密度は、吸水性能、分散性能の重要な
要素であり、0.05〜1.0g/cm2が好ましい。かかる繊維密
度の増加に伴い吸水性能が増加するが、さらに界面活性
剤処理を施すことにより、繊維への浸透性を高め、吸水
性能を高めることができる。例えば、3デニールのポリ
エステル繊維を芯材料とした採尿部材の場合、0.3g/cm3
で5cmの採尿部は約15秒間で吸水するが、0.12g/cm3
は吸水は起こらない。しかし、0.1%のポリオキシエチ
ルオレイルエーテルのアルコール溶液で処理した場合、
5cmの採尿部は約11秒で吸水する。
【0016】使用される界面活性剤は、反応を可能な限
り阻害しないものを用いるのが好ましく、故に非イオン
性界面活性剤が使用され、例えばポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、オキシエチレンプロピルエーテル、ソ
ルビタンモノオレエート、ポリエチレングリコールイソ
オクチルフェノールエーテル等が用いられる。当該界面
活性剤処理法としては、任意の界面活性剤を0.05〜1.0
%となるように任意の有機溶剤(芯材料、巻き紙及び接
着剤を溶解しない)を吸収させ、風乾、熱乾により乾燥
させることができる。
【0017】また、繊維密度の増加に伴い吸水性能は増
大するが、吸水に伴う芯部分の膨張により内圧が増大
し、当該内圧が巻紙部を保持するための接着剤の強度、
あるいは巻紙の引っ張り強度より大きくなると、本発明
採尿部材の破裂が起こる。かかる内圧の増大はトイレの
流水中に投じた時の当該採尿部材の崩壊の推進力とな
る。また、繊維密度が小さすぎる場合には、流水中の分
散は短時間で進行しない。また、吸水時における内圧は
繊維を紙で巻いた後、Tg 又は当該Tg 以下の温度での
熱処理又は加圧熱処理により上記崩壊を制御することが
可能である。すなわち、採尿部を加熱あるいは加圧処理
することにより、繊維がセットされ、吸水時にも形状を
保つことができる。具体的に、当該熱処理の温度は、T
g 〜(Tg −20)℃程度で、より好ましくはTg 未満〜
(Tg −10)℃で、1〜30分程度行うのが望ましい。な
お、当該熱処理の温度がTg より高い場合は、繊維が融
着し流水中での分散が生じないため不適当である。
【0018】また、採尿部に尿をかけた場合、検体液は
巻紙から芯繊維に移行し、芯繊維への移行速度が遅いと
現行の非水解性採尿部5秒程度の尿掛けでは、十分量の
尿が芯材料に供給することができない。このような場
合、巻き紙に窓開け処理を施すのが効果的である。窓は
ある程度の大きさを有することが好ましいが、過度に大
きすぎる場合には、芯材料の内圧により破壊される可能
性がある。また、当該窓は複数個設けることも可能であ
る。
【0019】当該窓の大きさとしては、巻き方向で幅10
mm, 断面方向で幅1mm程度が好ましい。また、この範囲
内でミシン目処理のような切り込みを設けることもでき
る。さらに、このように巻紙に切り込みを施すことによ
り、流水中で採尿部の分散が促進されるという効果も認
められる。
【0020】そして、使用後の分散能は当該繊維状基材
に親水性樹脂を塗布する等の分散制御を施し、分散制御
層を形成せしめた前述の巻き紙を任意に制御することも
できる。かかる界面活性剤処理及び分散制御処理の手法
については、前述の水溶性紙又は水分散性紙の場合に準
ずる。なお、前記筒状体と水分散性基材が乖離しない構
造をとっている限り、前記筒状体と水分散性基材が接着
している必要はない。
【0021】ここにいう、紙を巻く工程としては、通常
公知の紙巻き工程、例えば煙草のフィルターを巻く工程
において通常用いられている手段を用いることができ
る。例えば、上記水分散性基材を金型に通過させること
により、当該水分散性基材を任意の形状、例えば円柱状
から四角柱等任意の形状及び大きさに成形することが可
能である。そしてさらに任意の大きさに成形する。そし
て、かかる成形の後、直ちに当該成形物の外径より2〜
3mm長い幅の水溶性紙を接触させ、当該巻紙の一端に接
着剤を滴下、塗布、圧着後直ちに乾燥を行い、当該巻紙
を成形物の外側に巻いた後、さらに任意の形に成形を行
う。
【0022】上記紙巻き工程に用いられる接着剤は、エ
チレン−塩ビ共重合体系エマルジョン、ポリアクリル酸
系、ポリビニルアルキル酸系、ポリビニルアルキルエー
テル系等の水不溶性接着剤や酢酸セルロース、PVA系
等の水溶性接着剤が用いられる。なお、このようにして
できた採尿部は、以下のような方法でさらに性能を向上
させることができる。
【0023】このようにして、所望の採尿部材を作出す
ることができる。また、かかる採尿部材に尿がかかった
ことを確認する、尿濡れチエッカー等を付与して、付加
的な機能を当該採尿部材に付与することができる。すな
わち、水濡れによって色彩の変化を生ずる成分を、採尿
部材の全部又は一部に固定させる方法を挙げることがで
きる。
【0024】水濡れによって色彩の変化を生ずる成分と
しては、濡れチエッカー用インキ、pH指示薬、コバルト
錯体等、所望の色変化を呈する成分であれば特に限定さ
れない。かかる濡れ検出用インキとしては、例えば特開
昭60-78339号公報記載のインキを例示することができ
る。そして、特に好ましい濡れ検出用インキとしては、
マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、メチル
バイオレット、ローダミンB、オーラミンB等のうち、
一種あるいは二種以上を配合した塩基性染料;Cacl 2,KC
l,KBr,NaCl等のハロゲンイオン遊離防止剤;又はクエン
酸、o-若しくはp-トルエンスルホン酸、硫酸、シアン
酸、シュウ酸等のpH調整剤、あるいはフルオレセインナ
トリウムを含む濡れ検出用インキを挙げることができ
る。
【0025】上記成分の固定法としては、例えば浸漬
法、印刷法、若しくはコーティング法等を採用すること
ができる。例えば、フルオレセインナトリウムを用いた
水溶性採尿部の場合、次のような組成の濡れ検出インキ
組成物を適用することができる。 単位;g フルオレセインナトリウム 1.0 アエロジルR−972 2.5 ブチルセルソルブ 100.0 ブチルセルソルブアセテート 100.0 ポリビニルピロリドン 150.0 ポリビニルブチラール 30.0 クエン酸トリエチル 18.0 ヘキサノール 600.0 ブチルセルソルブアセテート 255.0 微結晶セルロース 400.0 ヒドロキシプロピルセルロース 100.0 ────────────────────────────────── かかる組成物をスクリーン印刷で塗布したインキは、水
及び尿に反応し、白色から黄色への色調変化をもたら
す。
【0026】また、尿中の特有の尿成分を検出する手段
を、上記採尿部材に施すことも可能である。 単位;重量% テトラブロムフェノールブルー 0.14 ソルビタンものオレエート(花王(株)、レオドールSP-L10) 1.00 クエン酸 2.52 クエン酸ナトリウム 1.08 メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体分子 アルコールエステル化物 1.14 ポリビニルブチラール 0.18 ヒドロキシプロピルセルロース 0.74 クエン酸トリエチル 0.28 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 8.00 微結晶セルロース(旭化成、アビセルM15) 20.00 カルボキシメチルセルロース 1.60 カルボキシメチルセルロースカルシウム 10.40 ブチルセルソルブ 30.00 ブチルセルソルブアセテート 20.00 アミルアルコール 3.00 この濡れチエッカー組成物は、尿以外の水分には感応
(黄色から黄緑色への色調変化) せず、例えば空気中の
水蒸気、トイレの洗浄器等の水しぶき等の影響を受けに
くいという点において特に好ましい。 B.本発明は、上記採尿部材を固設したことを特徴とす
る尿検査体に関する。
【0027】上記採尿部材に、所望の尿成分の有無を判
定する部分である「判定部」を設けて、検出を企図する
尿成分に応じた尿検査体を作出することができる。かか
る判定部の素材及び形状は、上記採尿部材由来の尿成分
を浸潤させることが可能であり、かつ当該尿の特定成分
を検出することが可能な限りにおいて特に限定されな
い。
【0028】素材としては例えば、ろ紙、ニトロセルロ
ース,酢酸セルロース,ポリエチレン,多孔質プラスチ
ック,ポリプロピレン多孔質プラスチック,リンター木
綿,TLC用部材等を用いることができる。特に濾紙及
び酢酸セルロースは、抗体の物理的吸着能及び展開速度
の制御が容易であるという点で好ましい。また、これら
判定部の形状としては、幅3〜10mm, 長さ30〜150mmの
スティック状が通常であり、余剰尿吸収部を判定部の後
方に積層する場合もある。
【0029】また、判定を企図する尿中成分に応じた当
該成分判定手段を、この判定部に用いることができる。
例えば、妊娠マーカーとして知られているヒト絨毛性性
腺刺激ホルモン(hCG)の有無を検出する場合には、
金コロイド、銀コロイド等の貴金属コロイド;着色ラテ
ックス粒子、蛍光色素等の特定色素;標識用酵素等によ
って標識されたモノクローナル抗体を用いたいわゆるサ
ンドイッチ法を応用した方法(ホリスバーガー・ロサー
ト,J.HISTO.CHEM.CYTOCHEM.,25,295-305,1977) 等を用
いることができる。
【0030】上記判定部と採尿部を固設して所望の尿検
査体を作出することができる。かかる固設手段は、当該
判定部と採尿部の間で尿の浸潤を妨げない限りにおいて
特に限定されない。例えば、単純圧着として採尿部を接
触させ、ハウジングで固定する手段、熱圧着若しくは接
着剤によって固定する手段、採尿部に切り込みを設け、
判定部を挟み込む手段等を挙げることができる。
【0031】
【作用】本発明採尿部材は水溶性部材で構成されてい
る。そのため、尿を掛けた場合は、尿を判定部まで容易
に浸潤させると同時に容易に脱落する。よって、当該採
尿部材をトイレへ直接廃棄することが可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明により、尿が付着した使用済の検
査体を持ち歩く必要がなく、検査者が検査に際して不潔
感を感じることがない尿検査体が提供される。また、同
時に確実に試料の採取が行われたか否かを目視判断する
ことが容易である尿検査体が提供される。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明が当該実施例によってその技術的範囲が限定されて
解釈されるものではない。 〔実施例1〕ポリオキシエチレンオレイルエーテルアル
コール溶液を含浸加工して界面活性剤処理を施した、一
本が3デニールのセルロース繊維をプラグ状に成形し
て、CD−2水溶性紙を巻き紙として、円周24.8mm、長
さ60mmのプラグを作成した。
【0034】このプラグを別に作成しておいた抗hCG
抗体と抗体感作済の金コロイドをニトロセルロース膜に
固定した判定部に接続した。検出限界を上回る濃度に調
製したhCG含有の人工尿(本人工尿1l 中、NaCl 10.
0g, 尿素 10.0g, クレアニチン 0.5g,hCG200IU)をこ
のプラグに10ml程度をかけ、水平に保持し、4分後に結
果を判定した。
【0035】採尿部は尿を掛けてから、判定終了までの
時間はその形状を維持していた。反応終了後、水洗トイ
レに採尿部を廃棄することを想定して、スターラーで攪
拌した500mlのビーカー中の水に採尿部を入れたとこ
ろ、5分以内で分散した。 〔実施例2〕実施例1で成形したセルロース繊維にポリ
ビニルピロリドン及びポリビニルブチラールとの混合物
を多層コーティングして分散制御層を設けたMDP水溶
性紙を巻き紙として、実施例1と同様のプラグを作成し
た。
【0036】当該プラグを別に作成した抗hCG抗体と
抗体感作済の金コロイドをニトロセルロース膜上に固定
した判定部に接続した。検出限界を上回る濃度に調整し
たhCGを含有する人工尿を当該プラグに10ml以上掛
け、これを水平に保持し、4分後に結果を判定した。採
尿部は尿を掛けてから判定するまでの時間、その形状を
維持していた。その後トイレに流すことを想定してビー
カーに500mlの水道水を加え、スターラーで攪拌したも
のの中に入れたところ、採尿部は5分以内に分散し、ト
イレに廃棄可能なことが証明された。 〔実施例3〕0.2%ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ルで界面活性剤処理を施した8〜15g/mのポリエステル
繊維にCD−2水分散紙を巻き紙として実施例1及び実
施例2と同様のプラグを作成した。
【0037】このプラグを別に作成しておいた抗hCG
抗体と抗体感作済の金コロイドをニトロセルロース膜上
に固定した判定部に接続した。検出限界を上回る濃度に
調整したhCGを含有する人工尿を当該プラグに10ml以
上掛け、これを水平に保持し、4分後に結果を判定し
た。採尿部は尿を掛けてから、1時間程度はその形状を
保持していた。トイレに廃棄することを想定して、実施
例2と同様の方法で廃棄可能か否かを検討したところ、
5分以内で分散し、廃棄可能であると判断された。 〔実施例4〕巻紙としての幅30mmのCD−2Nに、6.0
%PVP,3.0%PVB(溶剤;エタノール:メチルエ
チルケトン=2:1)でディップコートを行い、70℃で
1分間乾燥した。その後、3デニールのカルボキシメチ
ルセルロースに繊維密度0.3g/cm3で上記巻紙を巻いてE
VA系の接着剤で固定したのち50mmの長さに断裁し、10
0℃で5分間熱圧着を行い平板上の採尿部を作製した。
【0038】この採尿部の吸水速度は0.33cm/秒、静水
中では5分以上形状は変わらず、500mlの水道水を、ス
ターラー(井内盛栄堂(株)社製、製品番号;HS−3
E)10の目盛りで攪拌したものに投じたところ5分〜7
分以内で細片に分散された。またこの採尿部を妊娠診断
薬判定部に接続し、妊娠した女性の尿(50(ブランク)
hCG IU/L)・閉経後の女性の尿をおのおの5秒間掛
けて性能検査を行ったところ、検体液は判定部に移行
し、妊娠尿では陽性判定、閉経女性の尿では陰性判定が
認められた。 〔実施例5〕実施例4に記載の巻紙としての幅30mmのC
D−2Nにミシン目の切り込み処理を行いは実施例4と
同様に作製した採尿部の性能検査を行ったところ、吸水
速度、静水中での形状は実施例1に同等であったが、ス
ターラー攪拌(条件は実施例4に同じ)した水中での採
尿部は3分間で細片に分散した。
【0039】またこの採尿部を妊娠診断薬判定部に接続
し、妊娠した女性の尿(50(ブランク)hCG IU/L)
・閉経後の女性の尿をおのおの5秒間掛けて性能検査を
行ったところ、妊娠尿では陽性判定、閉経女性の尿では
陰性判定が認められた。 〔実施例6〕 巻紙;CD−2(ミシン目切り込み処理) 芯材料;ポリエステル繊維(4デニール) ミシン目処理を施した幅30mmの巻紙CD−2に、2.0%
PVP,7.0%PVB(溶剤;エタノール:メチルエチ
ルケトン=1:1)で片面のみグラビア印刷を行った。
このときのウェット塗布量は10g/m2であった。70℃で1
分間乾燥した。その後繊維密度0.3g/cm3で巻紙の塗布面
を内側にして、4デニールのポリエステル繊維に巻き、
その後、ポリアクリル酸系の接着剤で固定したのち、50
mmの長さに断裁し、これに0.2%ポリオキシオレイルエ
ーテル(界面活性剤)を吸収させた後、風乾で1昼夜乾
燥した。70℃で3分間、熱圧着を行い平板上の採尿部を
作製した。
【0040】この採尿部の吸収速度は0.50cm/秒であっ
た。また、静水中では5分以上形状は変わらず、500ml
の水道水を、スターラー最大目盛りで攪拌したものに投
じたところ3分以内で細片に分散された。またこの採尿
部を妊娠診断薬判定部に接続し、妊娠した女性の尿(50
(ブランク)hCG IU/L)・閉経後の女性の尿をおの
おの5秒間掛けて性能検査を行ったところ、検体液は判
定部に移行し、妊娠尿では陽性判定、閉経女性の尿では
陰性判定が認められた。 〔実施例7〕水溶性紙である幅25mmのMDPに9.O%の
白色シェラックを塗布量3g/m2で両面コートした。かか
る巻紙に3デニールのポリエステル繊維を繊維密度0.4g
/cm3で巻き、ポリアクリル酸系接着剤で接着し、巻き方
向で幅5mm,断面方向で幅1mmの窓を設け採尿部を作製
した。この採尿部の吸水速度は0.3cm/秒であった。そし
て、静水中では5分以上形状を維持していた。また、こ
の採尿部を妊娠診断薬判定部に接続し、妊娠した女性の
尿(50(ブランク)hCG IU/L )・閉経後の女性の尿
をおのおの5秒間掛けて性能検査を行ったところ、検体
液は判定部に移行し、妊娠尿では陽性判定、閉経女性の
尿では陰性判定が認められた。 〔比較例〕巻き紙の表面塗布を行わない以外は実施例7
と同様の採尿部を作製した。この採尿部は静水中に入れ
ると巻き紙がただちに崩壊し、芯繊維は1分以内で完全
に分散された。この採尿部を妊娠診断薬判定部に接続
し、妊娠した女性の尿(50(ブランク)hCG IU/L )
と閉経後の女性の尿をおのおの5秒間掛けて性能検査を
試みたところ、尿を掛けると採尿部の巻き紙はただちに
崩壊し、芯繊維が膨潤、崩壊し判定部まで検体尿が移行
しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明採尿部材及び尿検査体の全体図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性紙又は水分散性紙からなる筒状体
    に、水分散性機能を有する繊維状基材を充填したことを
    特徴とする採尿部材。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の採尿部材を固設したこと
    を特徴とする、尿検査体。
JP29096893A 1993-08-10 1993-11-19 採尿部材及び尿検査体 Pending JPH07103973A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003014741A1 (fr) * 2001-08-10 2003-02-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Biodetecteur et procede servant a analyser des constituants sanguins au moyen de ce dernier
JP2009109364A (ja) * 2007-10-31 2009-05-21 Daiki:Kk 尿検査紙製試験棒
JP2016176938A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 株式会社リコー 検査装置、転写材、検査装置の製造方法、及び検査キット

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