JPH07103253B2 - 合成樹脂強化複合繊維布 - Google Patents

合成樹脂強化複合繊維布

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JPH07103253B2
JPH07103253B2 JP62153832A JP15383287A JPH07103253B2 JP H07103253 B2 JPH07103253 B2 JP H07103253B2 JP 62153832 A JP62153832 A JP 62153832A JP 15383287 A JP15383287 A JP 15383287A JP H07103253 B2 JPH07103253 B2 JP H07103253B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は合成樹脂強化複合繊維布に関し、より詳細に
は、高強力・高弾性で且つせん断・曲げ・衝撃破壊時に
おける繊維/樹脂界面の耐デラミネーション性が良好で
あり、しかも軽量で耐光性および耐摩耗性に優れた合成
樹脂強化複合繊維布に関するものである。
尚耐デラミネーション性とは、合成樹脂強化複合繊維布
が、せん断、曲げ、衝撃力などの各種外部応力を受けた
ときに、該強化繊維布を構成する繊維と熱硬化性マトリ
ックス樹脂との界面で生ずる層間剥離現象(通常白化現
象として観察される)に対する抵抗を意味し、この特性
は、耐衝撃性、耐クリープ性、耐摩耗性、耐光性などの
要求特性と併せて、ライダー用ヘルメットや防弾ヘルメ
ットあるいは各種防弾板等の応用分野における初期およ
び耐久性を含めた品質保障の観点から極めて重要な特性
であるとされている。
[従来の技術] 従来、ライダー用ヘルメット、防弾ヘルメット等のヘル
メット分野あるいは、自動車、船舶、航空機等の内張り
用防弾板等として用いられる耐衝撃材においては、軽量
化と耐衝撃性能の向上を目的として高強力・高弾性繊
維、たとえば高強力・高弾性ポリエチレン繊維や芳香族
系ポリアミド繊維(たとえば米国デュポン社製、商品名
ケブラーなど)などの使用が検討されている。
しかしながらいずれの用途においても、公知の高強力・
高弾性繊維を単独で使用しただけでは、強度面からの要
求特性と経済性を同時に満足させることはできない。
たとえば全芳香族系ポリアミド繊維は、高価である割に
は物性面からも万能という訳ではなく、耐光性が著しく
低く、しかも耐衝撃性が不十分であるという欠点を有し
ている。
一方高強力・高弾性率ポリエチレン繊維は、全芳香族系
ポリアミド繊維に比べて安価であり、また物性的に見て
も、高強力、軽量で耐衝撃性が高く、耐光性、耐摩耗
性、耐薬品性に優れているといった様々の利点を有して
いるものの、衝撃・せん断・曲げ・破壊時における耐デ
ラミネーション性が小さく、ヘルメットや防弾板分野の
如く高度の耐せん断、曲げ、衝撃性能の要求される分野
では、物性と経済性の双方を満足し得るものとは言えな
い。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、高強力・高弾性率ポリエチレン繊維の有する
優れた特性、即ち、高強力、高弾性率、軽量性、耐光
性、耐摩耗性、耐薬品性等を損なうことなく、これを他
の繊維と複合することによって、その最大の欠点とされ
ている耐デラミネーション性を改善し、耐衝撃性の優れ
た合成樹脂強化複合繊維布を提供しようとするものであ
る。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決することのできた本発明強化樹脂布の
構成は、高強力・高弾性率ポリエチレン繊維(A)に全
芳香族系ポリアミド繊維(B)を配合してなる布帛に、
合成樹脂を含浸強化してなるところに要旨を有するもの
である。
[作用] 本発明で用いられる高強力・高弾性ポリエチレン繊維
(A)とは、引張強度が少なくとも20g/デニール以上、
好ましくは30g/デニール以上、更に好ましくは40g/デニ
ール以上で、且つ引張弾性率が少なくとも500g/デニー
ル以上、好ましくは800g/デニール以上、更に好ましく
は1000g/デニール以上のものを言い、引張強度が20g/デ
ニールを下廻り、あるいは引張弾性率が500g/デニール
を下廻るものでは、例えばヘルメット分野や防弾板分野
に適用したときの、耐衝撃性および防弾性が充分でな
く、従来の素材に比べてコストパーフォーマンスが劣る
ものとなる。
本発明で使用される全芳香族系ポリアミド繊維(B)と
しては、たとえばポリ(P−フェニレンテレフタルアミ
ド)あるいはその重合体などが代表的なものとして挙げ
られる。
本発明に用いる布帛としては、編物、織物あるいは直交
不織布のいずれであっても良いが、得られる強化布の物
性を高めるうえでより好ましい布帛は織物あるいは直交
不織布である。
布帛に用いる繊維の形態は、長繊維、短繊維あるいは長
繊維/短繊維混用品のいずれであってもよいが、強化布
に対してより高レベルの高強力、高弾性率を与えるうえ
で最も好ましいのは長繊維である。
上記高強力・高弾性ポリエチレン繊維(A)と全芳香族
系ポリアミド繊維(B)よりなる布帛を得る際の具体的
な複合方法としては、長繊維状の繊維(A)、(B)を
用いた織物においては、たて糸、よこ糸のそれぞれにつ
いて長繊維(A),(B)の各素材を100%使用する場
合、(A)と(B)の引揃え、あるいは(A)と(B)
を組合せて糸1本ないし数本交互に複合する方法、また
は、たて糸、よこ糸のいずれか一方に長繊維(A)また
は(B)を100%使用し、他方を上記引揃えもしくは、
1本ないし数本交互の割合で複合使用する方法、更には
上記(A)と(B)をフィラメント混繊糸として複合す
る方法等を採用することができる。
この様にして得られる複合繊維織物は、合成樹脂を付与
した後普通2枚以上を積層して使用される。
他方、直交不織布においては、高強力・高弾性長繊維よ
りなる(A),(B)の各素材をそれぞれ100%使用し
て単層とした後、(A)と(B)を組合せて多層積層し
直交不織布として使用する方法と、長繊維(A)と
(B)の各素材を引揃え、もしくは1本ないし数本交互
に組合せ、あるいは混繊糸とした後単層とし、次いで多
層積層後、直交不織布として使用する方法が例示され
る。
布帛を構成する上記複合繊維材料の中には、本発明にお
ける最終目的物である複合繊維樹脂強化布の特性を損な
わない範囲で、主成分となる上記繊維以外のものを混入
して複合繊維材料を構成することを妨げるものではな
い。
本発明において、高強力・高弾性ポリエチレン繊維の優
れた特性、即ち、軽量で耐光性、耐摩耗性、耐薬品性に
すぐれたものであるといった特性を損なうことなく、一
番の欠点である耐デラミネーション性の充分改善された
合成樹脂強化複合繊維布を提供するためには、高強力・
高弾性ポリエチレン繊維を好ましくは30〜95重量%、よ
り好ましくは40〜80重量%、全芳香族系ポリアミド繊維
を好ましくは70〜5重量%、より好ましくは60〜20重量
%の割合で複合化することが望まれる。
高強力・高弾性ポリエチレン繊維が30重量%を下廻る場
合、耐デラミネーション性は、より改善される方向にあ
るが、全芳香族系ポリアミド繊維の量が相対的に増えす
ぎることによりマイナス要因、即ち価格的に高価となり
軽量化の効果が薄れ、耐衝撃性、耐光性、耐摩耗性が低
下傾向を示す様になるという難点が表われてくる。特に
後者の2特性に関しては、30重量%を下廻ると極端に悪
くなる傾向にあるので注意しなければならない。
一方、高強力・高弾性ポリエチレン繊維が95重量%を上
廻る場合には、高強度・高弾性ポリエチレン繊維の優れ
た特性が損なわれることはないが、本発明で解決しよう
とする耐デラミネーション性改善に関しては、本発明で
意図する充分な効果が得られ難い。
本発明で使用される合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、
光硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等の全てが挙げられるが、
最も好ましいのは熱硬化性樹脂であり、その中でも特に
好ましいものとしては、飽和ポリエステル樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、例えばヘット酸ポリエステル、ビス
フェノールAポリエステル、ビニルポリエステル樹脂
(直鎖状樹脂)あるいはエポキシ樹脂、例えばグリシジ
ルエーテル系、グリシジルエステル系、グリシジルアミ
ン系、線状脂肪族エポキサイド系、脂環族エポキサイド
系等の樹脂などが例示され、最終製品である合成樹脂強
化複合繊維布の耐デラミネーション性、耐衝撃性、耐摩
耗性および接着・補強効果等の観点から特に好ましいの
は不飽和ポリエステル樹脂およびエポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂などを使用する場合における硬化剤や硬化
促進剤の種類や量については、成形法や積層物の構造、
硬化温度等に応じて、種々の化合物、例えば酸無水物、
芳香族アミン、脂肪族アミン、第3級アミン、ポリアミ
ドなどを適宜選択し、使用量についてもその都度選定す
ればよい。本発明に係る合成樹脂強化複合繊維布中に占
める前期繊維の好ましい含有率は、接着・補強効果およ
び耐デラミネーション性の双方を考慮して30〜90重量%
の範囲が好ましく、より好ましいのは40〜80重量%の範
囲である。合成樹脂の硬化方法は使用するマトリックス
樹脂の種類や成形法等によっても異なるが、通常はコー
ルドプレス法やヒートプレス法などを採用し、常温(15
℃程度)乃至140℃の範囲で熱硬化させる。
本発明の合成樹脂強化複合繊維布を各種の防弾材料とし
て用いる場合において、より高レベルの耐光性と耐摩耗
性を得るためには、合成樹脂強化複合繊維布の表面層を
構成する複合繊維布帛中の高強力・高弾性ポリエチレン
繊維の含有量を30〜95重量%、より好ましくは40〜80重
量%の範囲とするのがよく、この範囲は耐衝撃性や耐デ
ラミネーション性の点からも好ましい。
また本発明で使用する複合繊維布帛、すなわち高強力・
高弾性ポリエチレン繊維(A)と全芳香族系ポリアミド
系繊維(B)を複合化することによる各種効果のうち価
格や軽量化に関しては、複合する重量%に比例して変わ
ってくる。
本発明に係る合成樹脂強化複合繊維布の有する物性のう
ち耐衝撃性については、複合繊維布帛中に占める高強力
・高弾性ポリエチレン繊維(A)の含有量の多いものほ
ど良好であり、また耐曲げ性、耐せん断性、耐デラミネ
ーション性については、高強力・高弾性ポリエチレン繊
維(A)の含有量が少ないものほど良好となる傾向が見
うけられるが、上記2種の構成繊維を単独で使用したの
では、防弾材料の特性を左右する上記特性値のすべてを
満足することはできない。しかしながら、高強力・高弾
性ポリエチレン繊維(A)と全芳香族ポリアミド繊維
(B)を好ましい比率で複合化した布帛を用い、これを
合成樹脂で硬化させることによって、上記要求特性をす
べて満たす合成樹脂強化複合繊維布を得ることができ
る。
以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例] 本発明の評価に用いた物性の測定法は次の通りとした。
<強伸度特性の測定法> JIS−L−1013(1981)に準じた。即ち東洋ボールドウ
ィン社製テンシロンを用い、試料長(ゲージ長)200m
m、クロスヘッド速度100mm/分の条件でS−S曲線を測
定し、引張破断強度、引張弾性率及び破断伸度を算出し
た。尚引張弾性率はS−S曲線の原点付近における最大
勾配から算出した。
<せん断応力(ILSS)の測定法> 厚さ3mm、幅15mm、長さ18mmの試験片を使用し、支点間
距離12mm(l/h=4)、クロスヘッド速度1mm/分の条件
でせん断応力を測定した後、最大せん断応力P(Kg)と
試験片断面積A(mm2)からILSS4値=3・P/4・A(Kg/
mm2)を算出した。
<曲げ性測定法> 厚さ3mm、巾15mm、長さ60mmの試験片を使用し、3点式
曲げ試験機を用いて、押えバーR=5mm、支点R=2mm、
支点間距離48mm(l/h=16)、クロスヘッド速度3mm/分
の条件で測定し、次式から最大曲げ強度と曲げ弾性率を
算出した。
l:支点間距離(mm) W:試験片巾(mm) h:試験片厚み(mm) F/Y:初期弾性領域における変位1mm当りの応力(Kg/m
m2) <シャルピー衝撃強度測定法> 厚さ3mm、巾15mm、長さ42mmの試験片を、シャルピー衝
撃試験機に適用し、次式によりシャルピー衝撃強度を算
出する。
ε:シャルピー衝撃エネルギー(Kg−cm) A:試験片断面積(cm2) <耐デラミネーション性測定法> 上記せん断、曲げおよび衝撃性試験に用いた合成樹脂強
化複合繊維布試験片における、複合繊維布帛と樹脂との
界面における層間剥離の程度を、代用メジャーとして測
定した白化現象の巾から、下記評価基準に従って評価し
た。
実施例1 1200デニール、720フィラメントの高強度・高弾性ポリ
エチレン繊維(HPE)と市販の1420デニール、1000フィ
ラメントのケブラー49(デュポン社製全芳香族系ポリア
ミド繊維)(KV)(いずれも長繊維)を使用し、第1表
に示す複合割合で平織物を製織した後、下記不飽和ポリ
エステル系樹脂液に浸漬し、次いで同一生地方向に9枚
積層した後、ヒートプレス法にてプレス圧15Kg/cm2、12
0℃×45分の条件で熱硬化させ、合成樹脂強化複合繊維
布を得た。
<樹脂液処方> リゴラック2508X(昭和高分子社不飽和ポリエステル樹
脂) 100重量部 ベンゾイルパーオキサイドペースト(50%液) 2重量
部 得られた合成樹脂強化複合繊維布の繊維含有率(重量
%)、ILSS値、曲げ特性、シャルピー衝撃特性、および
耐デラミネーション性を第1表にまとめて示す。
尚、上記特性を測定する際における応力の付加方向は、
ケブラー繊維に対し直角方向とした。また第1表に示し
たHPEおよびKVの物性は下記の通りである。
HPE:高強度・高弾性ポリエチレン繊維 トータルデニール 1200 (デニール) フィラメント数 720 (フィラメント) 引張強度 32 (g/デニール) 破断伸度 3.9(%) 初期ヤング率 1180 (g/デニール) KV:全芳香族ポリアミド繊維 (商品名ケブラー49、デュポン社) トータルデニール 1420 (デニール) フィラメント数 1000 (フィラメント) 引張強度 19.5(g/デニール) 破断伸度 2.2(%) 初期弾性率 940 (g/デニール) 第1表からも明らかな様に本発明の合成樹脂強化複合繊
維布(実験No.3,4,5)は、高強度・高弾性ポリエチレン
繊維100%品(実験No.1)あるいは全芳香族系ポリアミ
ド繊維(商品名ケブラー49)100%品(実験No.6)に比
べて、ILSS値、せん断強度、曲げ強度、シャルピー衝撃
強度および耐デラミネーション性の各特性がいずれもバ
ランス良く、優れたものであることがわかる。
また高強力・高弾性ポリエチレン繊維の複合割合が好適
範囲の下限値を下廻る場合(実験No.6,7)は、曲げおよ
び耐デラミネーション性は良好であるものの、シャルピ
ー衝撃値がやや低く、一方上限値を超える場合(実験N
o.1,2)は、シャルピー衝撃値は良好であるものの、耐
デラミネーション性および曲げ強度が低い。
実施例2 300デニール、208フィラメントの高強度・高弾性ポリエ
チレン繊維(HPE)と市販の380デニール、262フィラメ
ントのケブラー49(デュポン社製全芳香族系ポリアミド
繊維)(KV)(いずれも長繊維)を用いて、第2表に示
した複合割合の平織物を製織した。該織物に下記成分組
成のエポキシ樹脂液をコーティングし、100℃で30分乾
燥してプリプレグシートを作製した。得られたシートの
繊維含有率は52重量%であった。
<樹脂液処方> アラルダイトGY260(チバ・ガイギー社製低粘度汎用エ
ポキシ) 10重量部 アラルダイトHY974(チバ・ガイギー社製高粘度汎用エ
ポキシ) 40重量部 エピコート154(シェル・エポキシ社製ノボラック系エ
ポキシ) 4重量部 芳香族系尿素化合物[3−(3,4−ジクロロフェニル−
1,1−ジメチル尿素)] 4重量部 メチルエチルケトン/メタノール(50/50重量比) 45重
量部 計153重量部 該プリプレグシートの第2表に記した枚数を、生地方向
を直交させつつ交互に積層した後、ヒートプレス法にて
プレス圧15Kg/cm2、120℃×2時間の条件で熱硬化さ
せ、厚さ3mmの熱硬化性樹脂強化複合繊維布を得た。
得られた熱硬化性樹脂強化複合繊維布の繊維含有率、IL
SS値、曲げ特性、シャルピー衝撃特性および耐デラミネ
ーション性を第2表にまとめて示した。尚本例で用いた
HPEおよびKVの物性は下記の通りである。
HPE:高強度・高弾性ポリエチレン繊維 トータルデニール 300 (デニール) フィラメント数 208 (フィラメント) 引張強度 33 (g/デニール) 破断伸度 3.6(%) 初期ヤング率 1250(g/デニール) KV:全芳香族系ポリアミド繊維 (商品名ケブラー49、デュポン社) トータルデニール 380 (デニール) フィラメント数 262 (フィラメント) 引張強度 19.7(g/デニール) 破断伸度 2.5(%) 初期弾性率 862 (g/デニール) 第2表からも明らかである様に、本発明の合成樹脂強化
複合繊維布(実験No.9,10)は、高強度・高弾性ポリエ
チレン繊維100%品(実験No.8)に比べると、ILSS値、
せん断強度、曲げ特性は若干良くなる程度であるが、シ
ャルピー衝撃強度および耐デラミネーション性が著しく
改善されていることが分かる。
一方、全芳香族系ポリアミド繊維(商品名ケブラー49)
100%品(実験No.11)と比べると、ILSSせん断強度およ
び曲げ特性は劣るものの、シャルピー衝撃強度は著しく
改善されていることがわかる。
以上の結果より、本発明の合成樹脂強化複合繊維布(実
験No.9,10)は、高強度・高弾性ポリエチレン樹脂また
は全芳香族ポリアミド繊維の100%品(実験No.8,11)に
比べてヘルメット材料や防弾材料として非常にバランス
のとれた特性値を示すものであることが分かる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、高強力・高弾性率
のポリエチレン繊維の優れた特性、即ち軽量で優れた耐
光性、耐摩耗性、耐薬品性等を有するという特性を損な
うことなく、ヘルメット分野や防弾板分野に適用する際
の重要な要求特性とされている耐衝撃性や耐デラミネー
ション性の大巾に改善された合成樹脂強化複合繊維布を
提供し得ることになった。殊に耐デラミネーション性
は、ヘルメットや防弾板分野等の如く高度な耐衝撃性が
要求される分野において高レベルの衝撃耐久性を保障す
る上で、初期耐衝撃性(例えばシャルピー衝撃強度)と
併せて極めて重要な特性であるが、本発明によればこれ
ら耐衝撃性と耐デラミネーション性の両者を高レベルの
値でバランス良く満足させることができる。
耐衝撃性/耐デラミネーション性のバランス改善効果の
うち、耐衝撃性は、高強度・高弾性ポリエチレン繊維と
全芳香族ポリアミド繊維との複合化効果によって相剰的
に発揮されるものである。
以上のごとく本発明の合成樹脂強化複合繊維布は、高耐
衝撃性、高耐デラミネーション性、高強力、高弾性率お
よび軽量性といったあらゆる要求特性がバランス良く改
善されたものであり、これら合成樹脂強化複合繊維布
は、ライダー用ヘルメット、防弾用ヘルメット等のヘル
メット分野、あるいは自動車、船舶、航空機等の内張り
用防弾板分野あるいはその他の耐衝撃性要求分野等にお
いて広く活用することができる。
また従来の全芳香族系ポリアミド繊維と比較した場合、
その欠点とされている耐光性や耐摩耗性については、高
強力・高弾性率ポリエチレン繊維との複合化により大幅
に改善することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】引張強度が20g/デニール以上、引張弾性率
    が500g/デニール以上のポリエチレン繊維(A)と全芳
    香族系ポリアミド繊維(B)を配合してなる布帛に、合
    成樹脂を含浸硬化させたものであることを特徴とする合
    成樹脂強化複合繊維布。
  2. 【請求項2】布帛を構成する各繊維の配合比率が、繊維
    (A):30〜95重量%、繊維(B):70〜5重量%である
    特許請求の範囲第1項記載の合成樹脂強化複合繊維布。
  3. 【請求項3】繊維(B)の引張強度が15g/デニール以
    上、引張弾性率が500g/デニール以上である特許請求の
    範囲第1項または第2項に記載の合成樹脂強化複合繊維
    布。
  4. 【請求項4】布帛が織物もしくは直交不織布である特許
    請求の範囲第1項目乃至第3項のいずれかに記載の合成
    樹脂強化複合繊維布。
  5. 【請求項5】合成樹脂が、熱硬化性の不飽和ポリエステ
    ル系樹脂またはエポキシ系樹脂である特許請求の範囲第
    1項乃至第4項のいずれかに記載の合成樹脂強化複合繊
    維布。
  6. 【請求項6】合成樹脂強化複合繊維布中に占める繊維の
    総含有率が30〜90重量%である特許請求の範囲第1項乃
    至第5項のいずれかに記載の合成樹脂強化複合繊維布。
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