JPH0699797A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JPH0699797A
JPH0699797A JP17514593A JP17514593A JPH0699797A JP H0699797 A JPH0699797 A JP H0699797A JP 17514593 A JP17514593 A JP 17514593A JP 17514593 A JP17514593 A JP 17514593A JP H0699797 A JPH0699797 A JP H0699797A
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JP
Japan
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pressure
master cylinder
control
spool
force
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Pending
Application number
JP17514593A
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English (en)
Inventor
Toshiya Osawa
俊哉 大澤
Iwane Inokuchi
岩根 井之口
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキ操作力に相当するマスタシリンダ圧
を制御入力信号としてブレーキ圧を制御するブレーキ制
御装置において、ジャンプイン機能の実現によりブレー
キ操作の初期段階で良好な操作フィーリングを達成する
こと。 【構成】 マスタシリンダ圧に対する制御圧特性として
マスタシリンダ圧が低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイ
ン特性へと変化する特性を得るべく油圧制御弁gのスプ
ールdに作用する制御圧を増圧する方向の力を制御する
スプール増圧作用力制御手段iあるいはスプール減圧作
用力制御手段jを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ操作力に相当
するマスタシリンダ圧を制御入力信号としてブレーキ圧
を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のブレーキ制御装置として
は、例えば、特開平4−87867号公報に記載の装置
が知られていて、この従来出典には、外部油圧源から入
力ポートに供給される油圧を制御圧に調圧するスプール
を有する油圧制御弁を設け、マスタシリンダ圧による力
をスプールの増圧作動側に使い、アクチュエータによる
力をスプールの減圧作動側に使うことで、倍力制御機
能,ABS機能,TCS機能等の全てのブレーキ制御機
能に対応することができる装置が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のブレーキ制御装置にあっては、ジャンプイン機能を
達成する手段が設けられていない為、ブレーキペダルの
踏み込み初期段階において良好なペダルフィーリングが
得られないという問題を残していた。
【0004】ここで、ジャプイン機能とは、ペダル初期
ストローク域でブレーキロータとブレーキパッドとの隙
間を瞬時に埋める高ゲインのホイールシリンダ圧を与え
ることをいい、ブレーキペダルの踏み込みの初期ストロ
ーク域でホイールシリンダ圧の発生ゲインが小さい場
合、ペダル踏力を加えてゆくと、ロータとパッドとの隙
間が埋めらるまでのロスストロークの後に急激にペダル
反力が加わり、ペダルフィーリングが悪化するのを防ぐ
のを目的としている。尚、ペダル初期ストローク域を超
えるストローク域では、微妙なブレーキ力調整を可能と
するために低ゲインのホイールシリンダ圧特性が好まれ
る。
【0005】このジャプイン機能に関して、ブレーキペ
ダルとマスタシリンダとの間に液圧ブースタを持つ従来
のブレーキ装置では、例えば、特開昭62−24475
0号公報等に示されるように、ブレーキペダルの踏み込
み初期段階においてブレーキペダルに加わる反力を低減
させることでジャンプインを実現している。
【0006】しかし、上記ブレーキ制御装置のように、
マスタシリンダにブレーキペダルからの踏力を直接加
え、ペダル踏力に応じたマスタシリンダ圧を作り出す構
成のものには、これをそのまま適用することができな
い。
【0007】本発明は、上述のような問題に着目してな
されたもので、ブレーキ操作力に相当するマスタシリン
ダ圧を制御入力信号としてブレーキ圧を制御するブレー
キ制御装置において、ジャンプイン機能の実現によりブ
レーキ操作の初期段階で良好な操作フィーリングを達成
することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載のブレーキ制御装置では、マスタシリン
ダ圧に対する制御圧特性がマスタシリンダ圧の低圧領域
で高ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化するように、
油圧制御弁のスプールに作用する制御圧を増圧する方向
の力を制御するスプール増圧作用力制御手段を設けた。
【0009】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、ブレーキ操作手段aに対する操作力をマスタシリ
ンダ圧に変換するマスタシリンダbと、油圧を発生する
外部油圧源cと、前記外部油圧源cから入力ポートに供
給される油圧を制御圧に調圧するスプールdと、このス
プールdに対し制御圧を減圧する方向に力を加えるアク
チュエータeと、このスプールdに対し制御圧を増圧す
る方向に前記マスタシリンダ圧による力を加える伝達手
段fとを有する油圧制御弁gと、前記油圧制御弁gの出
力ポートからの制御圧により各車輪の制動を行なうホイ
ールシリンダhと、マスタシリンダ圧に対する制御圧特
性がマスタシリンダ圧の低圧領域で高ゲイン特性から低
ゲイン特性へと変化するように、前記スプールdに作用
する制御圧を増圧する方向の力を制御するスプール増圧
作用力制御手段iとを備えている手段とした。
【0010】前記スプール増圧作用力制御手段iの態様
として、例えば、請求項2記載のブレーキ制御装置で
は、マスタシリンダ圧受圧面積をマスタシリンダ圧が所
定圧以下では大とし、マスタシリンダ圧が所定圧を超え
たら小とする可変受圧面積伝達手段とした。また、請求
項3記載のブレーキ制御装置では、マスタシリンダbと
伝達手段fを接続するマスタシリンダ圧油路に設けら
れ、マスタシリンダ圧が所定圧以下の領域で弁閉とし、
マスタシリンダ圧が所定圧を超えた領域で弁開とする第
1切換弁とした。また、請求項4記載のブレーキ制御装
置では、スプールdに設けられた増圧方向の受圧段差
と、この受圧段差にマスタシリンダ圧が所定圧を超えた
時に外部油圧源cからの油圧を印加する第2切換弁によ
る手段とした。
【0011】上記課題を解決するために請求項5記載の
ブレーキ制御装置では、マスタシリンダ圧に対する制御
圧特性がマスタシリンダ圧の低圧領域で高ゲイン特性か
ら低ゲイン特性へと変化するように、油圧制御弁のスプ
ールに作用する制御圧を減圧する方向の力を制御するス
プール減圧作用力制御手段を設けた。
【0012】すなわち、図1のクレーム対応図に示すよ
うに、請求項1のスプール増圧作用力制御手段iに代え
て、スプールdに作用する制御圧を減圧する方向の力を
制御するスプール減圧作用力制御手段jを備えている手
段とした。
【0013】前記スプール減圧作用力制御手段jの態様
として、例えば、請求項6記載のブレーキ制御装置で
は、スプールdに対し制御圧を減圧する方向に力を加え
るアクチュエータeに接続され、マスタシリンダ圧が低
圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化する特
性を得る制御則を持つコントローラとした。また、請求
項7記載のブレーキ制御装置では、スプールdに設けら
れた減圧方向の受圧段差と、マスタシリンダ圧が所定圧
を超えたらマスタシリンダ圧の上昇に応じた油圧を印加
する減圧制御弁による手段とした。
【0014】上記課題を解決するために請求項8記載の
ブレーキ制御装置では、請求項1記載のスプール増圧作
用力制御手段iまたは請求項5記載のスプール減圧作用
力制御手段jが、ホイールシリンダ圧の増圧幅で決まる
ジャンプイン特性として増圧幅が異なる複数の特性が得
られるようにすると共に、複数のジャンプイン特性のう
ち制動力要求に応じて最適の特性を選択する制御則を持
つコントローラであることを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明の作用を説明する。
【0016】ブレーキ操作時には、マスタシリンダbに
おいて、ブレーキ操作手段aに対する操作力がマスタシ
リンダ圧に変換される。このマスタシリンダ圧は、油圧
制御弁gに導かれ、油圧制御弁gのスプールdに対し、
伝達手段fを介して制御圧を増圧する方向にこのマスタ
シリンダ圧による力が加えられる。一方、油圧制御弁g
のスプールdには、アクチュエータeによる力が制御圧
を減圧する方向に加えられる。このように、油圧制御弁
gにおいて、制御圧を増減圧する方向の力のバランスに
よりスプールdが作動し、外部油圧源cから入力ポート
に供給される油圧が力のバランスに応じた制御圧に調圧
され、この制御圧が油圧制御弁gの出力ポートからホイ
ールシリンダhに導かれ、各車輪の制動が行なわれる。
【0017】上記油圧制御の基本作用で、アクチュエー
タeによる力が零である場合、マスタシリンダ圧に比例
した一定ゲインの制御圧特性となるが、スプール増圧作
用力制御手段iを備えている為、スプールdに作用する
制御圧を増圧する方向の力が制御されることで、マスタ
シリンダ圧に対する制御圧特性として、マスタシリンダ
圧が低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化
する特性が得られる。
【0018】例えば、請求項2記載のブレーキ制御装置
では、可変受圧面積伝達手段により、マスタシリンダ圧
が所定圧以下ではマスタシリンダ圧による力が大きくス
プールdに作用し、高ゲイン特性となり、マスタシリン
ダ圧が所定圧を超えたらマスタシリンダ圧による力が小
さくスプールdに作用し、低ゲイン特性となり、高ゲイ
ン特性から低ゲイン特性へと変化する制御圧特性を示
す。
【0019】請求項3記載のブレーキ制御装置では、第
1切換弁により、マスタシリンダ圧が所定圧以下の領域
では弁閉により伝達手段fへのマスタシリンダ圧が遮断
され、マスタシリンダ圧が所定圧を超えた時点から弁開
により伝達手段fへマスタシリンダ圧が導かれること
で、弁開の時点で、一気に制御圧が立ち上がり、その
後、一定のゲインによる制御圧特性を示す。
【0020】請求項4記載のブレーキ制御装置では、第
2切換弁により、マスタシリンダ圧が所定圧以下では、
スプールdに作用する制御圧を増圧する方向の力はマス
タシリンダ圧のみによる力となり、マスタシリンダ圧が
所定圧を超えた時点から外部油圧源cからの油圧がスプ
ールdに設けられた増圧方向の受圧段差に印加されるこ
とで、一定のゲインによる制御圧が外部油圧の印加の時
点で一気に立ち上がり、その後、立ち上がった油圧レベ
ルから再び一定のゲインによる制御圧となる制御圧特性
を示す。
【0021】請求項5記載の発明の作用を説明する。
【0022】上記請求項1記載の作用で述べた油圧制御
の基本作用で、伝達手段fを介して制御圧を増圧する方
向にマスタシリンダ圧による力のみが加えられている場
合、アクチュエータeによる力に比例した一定ゲインの
制御圧特性となるが、スプール減圧作用力制御手段jを
備えている為、スプールdに作用する制御圧を減圧する
方向の力が制御されることで、マスタシリンダ圧に対す
る制御圧特性として、マスタシリンダ圧が低圧領域で高
ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化する特性が得られ
る。
【0023】例えば、請求項6記載のブレーキ制御装置
では、所望の特性を得る制御則を持つコントローラによ
り、アクチュエータeからの力を制御されることで、マ
スタシリンダ圧が低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン
特性へと変化する制御則に応じた所望の制御圧特性を示
す。
【0024】請求項7記載のブレーキ制御装置では、減
圧制御弁により、マスタシリンダ圧が所定圧以下では、
スプールdに作用する制御圧を減圧する方向の力はアク
チュエータeによる力のみであるが、マスタシリンダ圧
が所定圧を超えた時点からマスタシリンダ圧の上昇に応
じた油圧がスプールdに設けられた減圧方向の受圧段差
に印加されることで、一定のゲインによる制御圧が減圧
方向の油圧が印加され始めた時点から低下し、高ゲイン
特性から低ゲイン特性へと変化する制御圧特性を示す。
【0025】請求項8記載の発明の作用を説明する。
【0026】ブレーキ操作時、上記のようにジャンプイ
ン機能が発揮されるばかりでなく、スプール増圧作用力
制御手段iまたはスプール減圧作用力制御手段jを増圧
幅が異なる複数のジャンプイン特性のうち制動力要求に
応じて最適の特性を選択する制御則を持つコントローラ
としたことで、例えば、走行レンジ時で、かつ、アイド
ルアップ時の様に高い制動力が要求される時にはホイー
ルシリンダ圧の増圧幅の大きなジャンプイン特性を選択
することで、クリープ現象により制動力不足となるのが
解消されるし、また、非アイドルアップ時等のように通
常の制動力が要求される時にはホイールシリンダ圧の増
圧幅の小さなジャンプイン特性を選択することで、緩制
動時の微妙なブレーキ調整を行なうことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0028】(第1実施例)まず、構成を説明する。
【0029】図2は請求項1及び請求項2記載の本発明
に対応する第1実施例のブレーキ制御装置を示す全体シ
ステム図である。
【0030】図2において、2はマスタシリンダであ
り、ブレーキペダル1(ブレーキ操作手段に相当)に対
する操作力に応じてマスタシリンダ圧PM を発生する。
【0031】4はホイールシリンダであり、各車輪のデ
ィスクブレーキ装置3にそれぞれ設けられ、ホイールシ
リンダ圧PW により制動力を与える。
【0032】7は外部油圧源であり、オイルポンプ7
a,チェック弁7b及びアキュムレータ7cにより構成
され、アキュムレータ圧油路6を介して一定のアキュム
レータ圧PS が後述する電子油圧制御弁5の入力ポート
5aに供給される。
【0033】5は電子油圧制御弁(油圧制御弁に相当)
であり、前記外部油圧源7から入力ポートに供給される
アキュムレータ圧PS を制御圧PC に調圧するスプール
51と、このスプール51に対し制御圧PC を減圧する
方向に力を加える比例ソレノイド52(アクチュエータ
に相当)と、このスプール51に対し制御圧PC を増圧
する方向に前記マスタシリンダ圧PM による力を加える
可変受圧面積ベローズ71(可変受圧面積伝達手段に相
当)とを有する。
【0034】この電子油圧制御弁5のバルブボディ60
には、入力ポート5a,TCSポート5b,出力ポート
5c,ドレーンポート5d,マスタシリンダ圧ポート5
eが形成され、前記TCSポート5bにはTCS圧油路
12が接続され、前記出力ポート5cには制御圧油路9
が接続され、マスタシリンダ圧室50に連通する前記マ
スタシリンダ圧ポート5eにはマスタシリンダ圧油路1
0が接続される。
【0035】前記スプール51の両端部とバルブボディ
60との間には、スプール51を図面右方向に押す第1
バネ59と、スプール51を図面左方向に押す第2バネ
58が介装され、スプール51の中立位置を保ってい
る。スプール51に対する比例ソレノイド52からの力
は、スプール51の端面に接するソレノイドプランジャ
61により制御圧PC を減圧する図面右方向に加えられ
る。スプール51に対する可変受圧面積ベローズ71か
らの力は、パイロットピン54及び第1プランジャ55
に作用して制御圧PC を増圧する図面左方向に加えられ
る。
【0036】TCS圧PT による力は、前記第1プラン
ジャ55に接して設けられた第2プランジャ56に作用
して制御圧PC を増圧する図面左方向に加えられる。
【0037】前記可変受圧面積ベローズ71は、第1ベ
ローズ頭部71a,第1ベローズばね部71b,第2ベ
ローズ頭部71c,第2ベローズばね部71d,ストッ
パ71eにより構成され、第1ベローズ頭部71aにパ
イロットピン54が連結され、前記第2ベローズ頭部7
1cとストッパ71eとは間隔δを介して配置されてい
る。
【0038】8はTCSバルブで、アキュムレータ圧油
路6の分岐油路6aに設けられ、弁作動制御によりTC
S圧PT を作り出し、前記TCSポート5bに導く。
【0039】13はブレーキコントローラで、前記電子
油圧制御弁5の比例ソレノイド52,前記TCSバルブ
8のソレノイド81及び後述するパイロット切換弁18
のソレノイド18aを駆動制御する。このブレーキコン
トローラ13には、入力情報を得るセンサとして、例え
ば、前後加速度センサ14,車輪速センサ15,マスタ
シリンダ圧センサ16等が接続されている。
【0040】17は油圧合成器で、ケース17aに形成
された制御圧ポート17b,ホイールシリンダ圧ポート
17c,マスタシリンダ圧ポート17dと、ケース17
aに慴動可能に設けられたプランジャ17eと、このプ
ランジャ17eを図面左方向に付勢するリターンスプリ
ング17fと、制御圧ポート17bが連通する制御圧室
17gと、ホイールシリンダ圧ポート17c及びマスタ
シリンダ圧ポート17dが連通するホイールシリンダ圧
室17hとを有し、油圧系正常時に制御圧PCをホイー
ルシリンダ圧PW に変換し、油圧系フェイル時にマスタ
シリンダ圧PMをホイールシリンダ圧PW に変換する。
【0041】18はパイロット切換弁で、油圧系正常時
にはブレーキコントローラ13からのON指令で弁閉と
される。
【0042】19は液圧ダンパで、アキュムレータピス
トン19a及びスプリング19bを有するアキュムレー
タ構造であり、ペダルストロークの板踏み感を解消する
ためにマスタシリンダ圧PM の発生に応じて液量を吸収
する。
【0043】次に、作用効果を説明する。
【0044】(イ)通常の制動時 電子油圧制御弁5のTCSポート5bのTCS圧PT
は、通常、ドレーン圧(=0)であり、スプール51と
第1プランジャ55とは、それぞれソレノイド力FSと
第1バネ59による力F1と第2バネ58による力F2によ
り押し付け合い、互いに接して力の釣り合う位置で停止
している。
【0045】そして、ブレーキペダル1を踏むと、マス
タシリンダ2においてブレーキ踏力に応じたマスタシリ
ンダ圧PM が発生し、電子油圧制御弁5のマスタシリン
ダ圧ポート5eに供給され、このマスタシリンダ圧PM
は、パイロットピン54を介してスプール51を図面左
方向に押す。その時の力は、マスタシリンダ圧PM がジ
ャンプイン圧PMJ 以下の第2ベローズ頭部71cとスト
ッパ71eとが接していない時と、マスタシリンダ圧P
M がジャンプイン圧PMJ を超えて第2ベローズ頭部71
cとストッパ71eとが接している時とでは異なる。
【0046】*PM ≦PMJ の時 図3に可変受圧面積ベローズ71での力の釣合を示す。
【0047】パイロットピン54を介してスプールに伝
わる力をFTH,第1ベローズ頭部71aにおけるマスタ
シリンダ圧PM の有効受圧面積をA41,第2ベローズ頭
部71cにおけるマスタシリンダ圧PM の有効受圧面積
をA42,第1ベローズばね部71bの弾性力をFk1,第
2ベローズばね部71dの弾性力をFk2,第2ベローズ
ばね部71dのばね定数をk2,第2ベローズばね部71
dの変位をx2,とすると、第1ベローズ頭部71aにお
いて、 FTH=FP1+Fk1 FP1=A41×PM …(1) 第2ベローズ頭部71cにおいて、 FP2=Fk2+Fk1 FP2=A42×PM Fk2=k2×x2 …(2) したがって、力FTHは、上記(1),(2) 式により、 FTH=(A41+A42)×PM −k2×x2 …(3) となる。
【0048】*PM >PMJ の時 図4に可変受圧面積ベローズ71での力の釣合を示す。
【0049】第1ベローズばね部71dのばね定数をk
1,第1ベローズばね部71dの変位をx1 ,第2ベロ
ーズ頭部71cとストッパ71eとが接した時の第1ベ
ローズばね部71dの変位をδ,とすると、第1ベロー
ズ頭部71aにおいて、 FTH=FP1+Fk1 FP1=A41×PM Fk1=k1(x2 −x1 ) x2 =δ …(4) したがって、力FTHは、上記(4) 式により、 FTH=A41×PM +k1(δ−x1 ) …(5) となる。
【0050】そして、スプール51に力FTHが作用する
と、スプール51は図面左方向へ動いてオリフィス51
0を開き、アキュムレータ圧PS が入力ポート5aから
出力ポート5cに流れる。そして、スプール51は段差
を持つ2段スプールとなっている為、出力ポート5cの
制御圧PC によりスプール51を右方向に動かす力が作
用する。その時の力は、大径段面積をA1,小径断面積を
A2とすれば、(A1−A2)・PC である。
【0051】この時のスプール51の釣り合いは、 (A1−A2)・PC =FTH+F2−F1 …(6) となる。
【0052】したがって、PM ≦PMJ の時には、上記
(3),(6) により、 (A1−A2)・PC =(A41+A42)・PM −k2・x2 +F2−F1 …(7) となり、k2・x2 の変化が小さくなるように設定すれ
ば、制御圧PC は、ほぼマスタシリンダ圧PM に比例
し、その制御ゲインG1 は、 G1 =(A41+A42)/(A1−A2) …(8) となる。
【0053】また、PM >PMJ の時には、上記(5),(6)
により、 (A1−A2)・PC =A41・PM +k1・(δ−x1)+F2−F1 …(9) となり、k1・(δ−x1)の変化が小さくなるように設定す
れば、上記理由と同様に、制御圧PC は、ほぼマスタシ
リンダ圧PM に比例し、その制御ゲインG2 は、 G2 =A41/(A1−A2) …(10) となる。
【0054】上記(8),(10)式から、比例ゲインG1,G2
はベローズ頭部の受圧面積A41,A42に比例し、G1 >
G2 となる。これは、マスタシリンダ圧PM が、PM ≦
PMJ の時には比例ゲインが大きく、PM >PMJ であり、
ベローズ頭部71cがストッパ71eにより動きを規制
されている時には、比例ゲインが小さくなることをあら
わす。
【0055】すなわち、ブレーキペダル1を軽く踏んだ
時、発生するマスタシリンダ圧PM が小さくても制御ゲ
インの大きな制御圧PC 及びホイールシリンダ圧PW が
得られることになり、ジャンプイン機能が実現できる。
【0056】なお、ジャンプイン圧PMJ の時の可変受圧
面積ベローズ71での力の釣合は、第1ベローズ頭部7
1cにおいて、 FP1=Fk1+Fk2 FP2=A42×PMJ Fk1=k1(x2 −x1 ) Fk2=k2・x2 x2 =δ …(11) となる。また、一般に、定常状態ではスプール51はほ
ぼ中立位置にあるため、スプール51と接している第1
ベローズ頭部71aの変位x1 は、x1 ≒0となる。し
たがって、 PMJ=(k1+k2)δ/A42 …(12) となり、この(12)式から、ベロースばね部71b,71
dのばね定数k1,k2と、第1ベローズ頭部71cがスト
ッパ71eに接する時の変位δと、第1ベローズ頭部7
1cの受圧面積A42によってジャンプイン時のジャンプ
イン圧PMJ を調整することができる。
【0057】また、比例ソレノイド52を作動させた
時、ソレノイド力FSは、ソレノイド電流Iに比例するた
め、電流Iに応じた力でスプール51が右方に押され
る。この場合のスプール51の釣り合いは、 (A1−A2)・PC =FTH+F2−F1−FS …(13) となる。したがって、ソレノイド電流Iに応じて制御圧
PC は増減する。
【0058】制御圧PC は、油圧合成器17に接続さ
れ、そのプランジャ17eを右方に動かす。この時、パ
イロット切換弁18は閉じているため、ホイールシリン
ダ圧室17hを加圧し、マスタシリンダ圧PM に対応し
たホイールシリンダ圧PW が油圧合成器17で作り出さ
れ、ホイールシリンダ4に供給される。
【0059】以上の作動によりホイールシリンダ圧PW
(=PM )は、 PW =(FTH+F2−F1−FS)/(A1-A2) …(14) となり、この(14)式で制御される。
【0060】これを図示すると、図5に示すようにな
り、ソレノイド電流IがI=0の時には(a)特性を示
し、この状態からソレノイド電流Iを増すと、それの比
例して減圧され、(b)特性となる。
【0061】以上説明してきたように、通常の制動時に
は、マスタシリンダ圧PM がジャンプイン圧PMJ 以下の
低圧域での制御ゲインG1 による高ゲイン特性からジャ
ンプイン圧PMJ を超えた高圧域での制御ゲインG2 によ
る低ゲイン特性へと変化する特性(a)によるジャンプ
イン機能が実現され、ブレーキ操作の初期段階で良好な
ペダルフィーリングを達成することができる。
【0062】また、伝達手段を兼用する可変受圧面積ベ
ローズ71をマスタシリンダ圧室50に内蔵する構成と
している為、制御弁全体を小型にすることができる。ま
た、ブレーキ制御用のソフトウェアに影響を与えない。
【0063】また、ソレノイド電流Iをブレーキコント
ローラ13により車両状態に応じて制御することによ
り、マスタシリンダ圧PM とホイールシリンダ圧PW と
を任意の関係に変えることができる。
【0064】(ロ)ABS作動時 急制動時や低μ路制動時で車輪ロックが発生しそうな時
には、ブレーキコントローラ13のABS制御部からの
比例ソレノイド52に対する制御指令により車輪ロック
を防止するABS作動を行なうことができる。
【0065】つまり、ソレノイド電流IがI=0の時に
は(a)特性を示し、この状態からソレノイド電流Iを
増すと、それに比例して減圧され、(b)特性となるこ
とで、(a)特性〜(b)特性の範囲をホイールシリン
ダ圧PW の増減制御範囲とし、ABS作動が開始される
と、まず、ブレーキコントローラ13から比例ソレノイ
ド52に対し所定のソレノイド電流Iを出力することで
ホイールシリンダ圧PWを減圧し、その後、減圧により
車輪回転が回復した場合、比例ソレノイド52に対する
電流Iを減らして保持や増圧を行なうことで、制動時の
車両安定性を高めるABS機能をホイールシリンダ圧P
W の十分な増減幅で達成できる。
【0066】(ハ)TCS作動時 発進時や急加速時等でアクセル急踏み操作により駆動輪
スリップが発生した時には、ブレーキコントローラ13
のTCS制御部からの比例ソレノイド52に対する制御
指令とソレノイド81に対するON指令により駆動輪スリ
ップを抑制するTCS作動を行なうことができる。
【0067】つまり、ソレノイド81に対してON指令が
出力されると、電磁切換弁8が弁開作動となることで、
アキュムレータ圧PS がTCS圧PT として電子油圧制
御弁5のTCSポート5bに供給される。
【0068】このTCS圧PT は第2プランジャ56に
作用し、スプール51を図面左方向に動かす。この時の
スプール51の釣り合いは、 (A1−A2)・PC = A3・PT −F1−FS …(15) A3:第2プランジャ56の受圧面積 となる。
【0069】従って、マスタシリンダ圧PM の発生がな
いにもかかわらず、制御圧PC は、TCS圧PT で決ま
る最高圧からソレノイド電流IS に比例した力FSの分
を減圧した圧力までソレノイド電流iに応じて任意に制
御することができる。特性としては、図5の(d)特性
となる。
【0070】このように、駆動輪スリップの発生量に応
じて駆動輪に制動力を加えることができ、有効に駆動輪
スリップを抑制するTCS機能が発揮される。
【0071】(ニ)フェイル時 電子制御系フェイルがブレーキコントローラ13で検知
されると、比例ソレノイド52への電流Iが零とされ
る。
【0072】従って、スプール51に作用する力は、上
記(6) 式と同様に、 (A1 −A2)・PC =FTH+F2−F1 となる為、ABS作動及びTCS作動は行なえないもの
の、図3の(a)特性が保持され、正常時に対し違和感
のない制動性能が確保される。
【0073】外部油圧源7からアキュムレータ圧PS が
出ないような油圧制御系フェイル時には、パイロット切
換弁18がOFFとされ、図2に示すように、マスタシ
リンダ圧PM がそのままホイールシリンダ圧PW とさ
れ、各車輪のホイールシリンダ4に付与される。従っ
て、油圧制御系フェイル時には、図5の(c)特性に示
すように、倍力能力はなくなるがブレーキ作用が補償さ
れる。
【0074】(ホ)ペダルフィーリング ブレーキペダル1が踏まれると、マスタシリンダ2から
出る液量はスプール51とホイールシリンダ4の初期移
動量(パイロット切換弁18が閉になるまでの移動量)
及び液圧ダンパ19の変位量によって決まる。このう
ち、スプール51とホイールシリンダ4の初期移動量は
小さいため、液圧ダンパ19の変形特性によりマスタシ
リンダ2から出る液量は決まってしまう。すなわち、液
圧ダンパ19が無い場合には、ペダルストロークがほと
んどなく、いわゆる「板踏み」になる。これに対し、液
圧ダンパ19により、ペダルストロークは、液圧ダンパ
19の圧力/体積変化特性により決まるパターンとな
る。そして、踏み込み後の、マスタシリンダ圧に対する
ペダルストローク特性は、ばね定数一定のスプリング1
9bを用いたダンパであることから直線的に比例する特
性を示す。
【0075】次に、第1実施例の変形例について図6に
より説明する。
【0076】第1実施例では、ジャンプイン特性を実現
するために可変受圧面積ベローズ71を用いた例を示し
たが、この図6では、ジャンプイン特性を実現するため
に可変スプール作用力ベローズ72を用いている。
【0077】この可変スプール作用力ベローズ72は、
パイロットピン54に連結されたベローズ頭部72a
と、該ベローズ頭部72aとバルブボディ60間に設け
られたベローズばね部72bと、前記ベローズ頭部72
aに対して間隔δを介して設けられた反力スプリング7
2cを有して構成されている。又、パイロットピン54
と第1プランジャ55との間に第2ばね58を介装し
て、パイロットピン54のストロークを許容しつつ、パ
イロットピン54に作用する力をスプール51に伝達で
きるようにしている。
【0078】この図6の例の場合、ベローズ頭部72a
が反力スプリング7、ン2cに接するまでのストローク
域でのスプール伝達力FTHは、 FTH=PM・A43−k3・x …(16) A43;ベローズ頭部72aの受圧面積,k3;ベローズば
ね部72bのばね定数,x;ベローズ頭部72aのスト
ローク量となる。
【0079】一方、ベローズ頭部72aが反力スプリン
グ72cに接した後のストローク域でのスプール伝達力
FTHは、 FTH=PM・A43−k3・x−k4・(x−δ) …(17) k4;反力スプリング72cのばね定数となる。
【0080】したがって、スプール51に作用する増圧
方向の力が反力スプリング72cに接した後のストロー
ク域で低下し、第1実施例と特性(a)と同様に、マス
タシリンダ圧PM が設定したジャンプイン圧PMJ 以下の
低圧域での高ゲイン特性からジャンプイン圧PMJ を超え
た高圧域での低ゲイン特性へと変化する特性となり、ジ
ャンプイン機能を実現することができる。
【0081】(第2実施例)まず、構成を説明する。
【0082】図7は請求項1及び請求項3記載の本発明
に対応する第2実施例のブレーキ制御装置を示す全体シ
ステム図である。
【0083】図7において、スプール51に対し制御圧
PC を増圧する方向にマスタシリンダ圧PM による力を
加える伝達手段として、パイロットピン54が用いられ
ていて、そのピン頭部54aはスプリング61,62に
より挟持されてる。また、第2バネ58は、パイロット
ピン54の先端面と第1プランジャ55との間に介装さ
れている。
【0084】また、液圧ダンパとして、マスタシリンダ
圧室50に内蔵されたダンパが用いられていて、この液
圧ダンパは、パイロットピン54と同軸配置のアキュム
レータピストン53と、該ピストン53のマスタシリン
ダ圧室50側の面に設けられたゴム弾性体53aと、前
記アキュムレータピストン53を付勢するアキュムレー
タスプリング57を有して構成されている。
【0085】スプール増圧作用力制御手段として、マス
タシリンダ2とマスタシリンダ圧ポート5eとを接続す
るマスタシリンダ圧油路10の途中に設けられた第1チ
ェック弁20(第1切換弁に相当)を用いている。この
第1チェック弁20は、マスタシリンダ圧PM がジャン
プイン圧PMJ 以下の領域で弁閉とし、マスタシリンダ圧
PM がジャンプイン圧PMJ を超えた領域で弁開とする。
また、第1チェック弁20の導入に伴い、ブレーキ解放
時の作動油リターンを確保するため、マスタシリンダ圧
油路10の分岐油路10aには、逆方向の油の流れのみ
を許す第2チェック弁21を第1チェック弁と並列に設
けている。
【0086】ここで、第1チェック弁20のセット圧
は、ジャンプイン圧PMJ に等しくなるようにスプリング
セット力により調整し、第2チェック弁21のセット圧
は、ほぼ零にセットしている。
【0087】以上、第1実施例装置と異なる構成であ
り、他は第1実施例装置と同様であるので対応する構成
には、同一符号を付して説明を省略する。
【0088】次に、作用効果を説明する。
【0089】通常の制動時で、ソレノイド力FSが零であ
る時のスプール51の釣り合いは、上記(6) 式、つま
り、 (A1-A2)・PC =FTH+F2−F1 となり、増圧方向のスプール伝達力FTHは、パイロット
ピン54に加わるマスタシリンダ圧PM の有効受圧面積
をA4とすると、 FTH=PM・A4 …(18) となり、(6),(18)式により、 PC =(PM・A4+F2−F1)/(A1-A2) =PW …(19) となり、上記(19)式にて制御される。
【0090】したがって、PM <PMJ の時には、第1チ
ェック弁20が弁閉であることにより、マスタシリンダ
圧PM は、PM =0となり、(19)式により、 PW =(F2−F1)/(A1-A2) …(20) この(20)式で、F2≒F1であることで、PW =0となる。
【0091】一方、PM ≧PMJ になると、第1チェック
弁20が弁閉から弁開に変化し、上記(19)式によりホイ
ールシリンダ圧PW が制御される。
【0092】これにより、通常の制動時は、図8に示す
ようにマスタシリンダ圧PM がジャンプイン圧PMJ とな
るまでは、ホイールシリンダ圧PW が零であり、ジャン
プイン圧PMJ に達すると急激に立ち上がる非常に高いゲ
イン特性を示し、その後、通常のゲイン特性でホイール
シリンダ圧PW が比例的に変化する。
【0093】以上説明してきたように、第2実施例装置
にあっては、低マスタシリンダ圧領域でのゲイン変化に
より、ジャンプイン的なペダルフィーリングを達成する
ことができる。
【0094】また、両チェック弁20,21を付加する
だけでシステム構成の変更を要さず構成的に簡単である
と共に、ジャプイン時のセット圧の調整も第1チェック
弁20のセット力調整により簡単である。また、コント
ローラ13での制御用ソフトウェアに影響を与えない。
【0095】(第3実施例)まず、構成を説明する。
【0096】図9は請求項1及び請求項4記載の本発明
に対応する第3実施例のブレーキ制御装置を示す全体シ
ステム図である。
【0097】この第3実施例装置では、スプール増圧作
用力制御手段を、スプール51に設けた増圧方向の受圧
段差51aと、該受圧段差51aにマスタシリンダ圧P
M がジャンプイン圧PMJ 以下の時にTCS圧PT を印加
するTCSバルブ8(第2切換弁に相当)によって構成
した例である。図9の63は、受圧段差51aを形成す
るためにスプール51の小径部に嵌入した円筒部材であ
る。
【0098】つまり、第1,第2実施例装置ではTCS
圧PT をスプール51に印加する構成として第1プラン
ジャ55と第2プランジャ56を用いたが、第3実施例
ではこれに代えて、マスタシリンダ圧PM による力とT
CS圧PT による力とを同時にスプール51に加えるこ
とができるように、スプール51に増圧方向の受圧段差
51aを設け、TCS圧PT による力の反力を円筒部材
63を介してバルブボディ60で受けさせるようにした
点で異なる。
【0099】尚、他の構成は、第2実施例装置と同様で
あるので対応する構成には、同一符号を付して説明を省
略する。
【0100】次に、作用効果を説明する。
【0101】通常の制動時で、ソレノイド力FSが零で、
PM <PMJ の時には、TCSバルブ8に対してコントロ
ーラ13からOFF指令が出力される。この時のスプー
ル51の釣り合いは、上記(19)式、つまり、 PW =(PM・A4+F2−F1)/(A1-A2) となる。一方、PM ≧PMJ の時には、TCSバルブ8に
対してコントローラ13からON指令が出力される。こ
の時のスプール51の釣り合いは、 PW =(PM・A4+PT・A3+F2−F1)/(A1-A2) …(21) となる。これにより通常の制動時は、図10に示すよう
にマスタシリンダ圧PMがジャンプイン圧PMJ となるま
では、ホイールシリンダ圧PW が通常のゲイン特性で比
例的に変化し、ジャンプイン圧PMJ に達すると急激に立
ち上がる非常に高いゲイン特性を示し、その後、再びホ
イールシリンダ圧PW が通常のゲイン特性で比例的に変
化する。
【0102】以上説明してきたように、第3実施例装置
にあっては、低マスタシリンダ圧領域でのゲイン変化に
より、ジャンプイン的なペダルフィーリングを達成する
ことができる。
【0103】また、第1,第2実施例装置と構造的に大
差がなく寸法・重量の増大が抑えられるし、TCSバル
ブ8の制御はマスタシリンダ圧PM を監視しながらのO
N/OFF制御でよく、制御ソフトが簡単である。
【0104】さらに、第2切換弁としてシステムに既存
のTCSバルブ8を用いたため、新たに付加する場合に
比べてコスト的に有利となる。
【0105】(第4実施例)まず、構成を説明する。
【0106】図11は請求項5及び請求項6記載の本発
明に対応する第4実施例のブレーキ制御装置を示す全体
システム図である。
【0107】この第4実施例装置は、スプール減圧作用
力制御手段を、スプール51に対し制御圧PC を減圧す
る方向に力を加える比例ソレノイド52に接続され、マ
スタシリンダ圧PM が低圧領域のジャプイン圧PMJ で高
ゲイン特性から低ゲイン特性に変化する制御則を持つブ
レーキコントローラ13とした例である。
【0108】尚、この第4実施例装置のシステムハード
ウェアは、第2実施例装置の両チェック弁20,21を
除いたもので、変更や新たな構成の追加がないため、対
応する構成に同一符号を付して説明を省略する。
【0109】次に、作用効果を説明する。
【0110】(A) 第1制御則によるホイールシリンダ圧
制御 通常の制動時には、第1実施例で説明したように、ソレ
ノイド電流Iを制御することで、ホイールシリンダ圧特
性を任意に代えることができる。つまり、上記(14)式、 PW =(FTH+F2−F1−FS)/(A1-A2) によりホイールシリンダ圧PW は制御されることを利用
し、第1実施例装置と同様のジャプイン特性を得るよう
にしたのが第1制御則である。
【0111】つまり、第1制御則では、マスタシリンダ
圧PM が、PM <PMJ の領域では、ソレノイド電流I0
(=0)とし、PM ≧PMJ の領域では、マスタシリンダ
圧PMが上昇するにしたがってソレノイド電流Iを、I1
→I2 →I3 →I4 →I5 というように高めてゆき、
電流値を一定に保つ場合に比べホイールシリンダ圧PW
の出力ゲインを低く保つようにする。
【0112】この結果、ホイールシリンダ圧特性は、図
12に示すように、第1実施例装置の(a)特性と同様
の特性を得ることができる。
【0113】したがって、第1制御則による第4実施例
装置にあっては、低マスタシリンダ圧領域でのゲイン変
化により、ジャンプイン特性の実現により良好なペダル
フィーリングを達成することができる。
【0114】また、ハードウェアとしては従来の電子油
圧制御弁5を有するシステムを何ら変更することなく、
そのまま使用することができる。
【0115】(B) 第2制御則によるホイールシリンダ圧
制御 第2制御則では、マスタシリンダ圧PM が、PM <PMJ
の領域では、ソレノイド電流IをI=I1 とし、PM ≧
PMJ の領域では、ソレノイド電流IをI=I0とする。
【0116】この結果、ホイールシリンダ圧特性は、図
13に示すように、第2実施例装置の図8に示す特性と
同様の特性を得ることができる。
【0117】したがって、第2制御則による第4実施例
装置にあっては、上記第1制御則による効果に加え、ソ
レノイド電流Iを、I1 とI0 に切り替えるだけの2段
階制御でよく、制御が非常に簡単である。さらに、PM
≧PMJ の領域でのソレノイド電流I0 をI0 =0とする
ことで、省電を図ることができる。
【0118】(第5実施例)まず、構成を説明する。
【0119】図14は請求項5及び請求項7記載の本発
明に対応する第5実施例のブレーキ制御装置を示す全体
システム図である。この第5実施例装置は、スプール減
圧作用力制御手段を、スプール51に設けられた減圧方
向の受圧段差51eと、この受圧段差51eにマスタシ
リンダ圧PM がジャンプイン圧PMJ を超えたら制御圧P
C (マスタシリンダ圧相当)の上昇に応じた油圧を印加
するスプール弁64(減圧制御弁に相当)による手段と
した例である。
【0120】前記スプール弁64は、バルブボディ60
に内蔵されていて、バルブ穴64aにスプール64bが
一端側をバネ64cにより付勢されて慴動可能に設けら
れている。そして、バルブ穴64aには外部油圧ポート
64d,ドレーンポート64e,受圧段差51eに連通
する出力圧ポート64f,制御圧ポート64gが形成さ
れ、外部油圧ポート64dはアキュムレータ圧油路6に
連結され、制御圧ポート64gは制御圧油路9に連結さ
れている。
【0121】尚、他の構成は、図11に示す第4実施例
装置と同様であるので、対応する同一構成に同一符号を
付して説明を省略する。
【0122】次に、作用効果を説明する。
【0123】通常の制動時で、ソレノイド力FSが零で、
PM <PMJ の時には、スプール弁64のスプール64b
に作用する力は、制御圧PC による左方向の力よりバネ
64eによる付勢力が大きく、出力圧ポート64fとド
レーンポート64eとが連通する位置にあるので、受圧
段差51eへ減圧方向の油圧の作用はない。この時のス
プール51の釣り合いは、上記(19)式、つまり、 PW =(PM・A4+F2−F1)/(A1-A2) となる。一方、PM ≧PMJ の時には、スプール弁64の
スプール64bに作用する力は、制御圧PC による左方
向の力がバネ64eによる付勢力より上回り、出力圧ポ
ート64fと外部油圧ポート64dとの連通量が増え、
徐々に出力圧POが上昇し、この減圧方向の出力圧PO
が受圧段差51eへ作用する。この時のスプール51の
釣り合いは、 PW =(PM・A4−PO・A5+F2−F1)/(A1-A2) …(22) 但し、A5は受圧段差51eの受圧面積 となる。これにより通常の制動時は、図12に示すよう
にマスタシリンダ圧PMがジャンプイン圧PMJ となるま
では、ホイールシリンダ圧PW が通常のゲイン特性で比
例的に変化し、ジャンプイン圧PMJ に達すると、出力圧
PO に応じてホイールシリンダ圧PW の立ち上がり抑え
られた低ゲイン特性を示す。
【0124】以上説明してきたように、第5実施例装置
にあっては、低マスタシリンダ圧領域でのゲイン変化に
よるジャンプイン特性が実現され、制動初期に良好なペ
ダルフィーリングを達成することができる。
【0125】加えて、制御用のソフトウェアに影響を与
えず、また、同様のジャンプイン特性を実現する第1実
施例の可変受圧面積ベローズ71に比べ製作を容易にす
ることができる。
【0126】(第6実施例)まず、構成を説明する。
【0127】図15は請求項8記載の本発明に対応する
第6実施例のブレーキ制御装置の電子制御系を示す図
で、全体システムとしては図11に記載のブレーキ制御
装置と同様であるので図示並びに説明を省略する。
【0128】この第6実施例は、第4実施例と同様に、
比例ソレノイド52へのソレノイド電流Iの大きさによ
るスプール減圧作用力を制御することでジャンプイン特
性を得るものであるが、制動時に1つのジャンプイン特
性を得るのではなく、制動力要求にしたがって2つのジ
ャンプイン特性の中から選択するようにした例である。
図15において、13はブレーキコントローラ、14は
前後加速度センサ、15は車輪速センサ、16はマスタ
シリンダ圧センサ、30はインヒビタースイッチ、31
はエンジンコントローラ、52は比例ソレノイドであ
る。
【0129】前記ブレーキコントローラ13には、ホイ
ールシリンダ圧PWの増圧幅が異なる通常時ジャンプイ
ン特性とアイドルアップ時ジャンプイン特性が得られる
制御則が設定されていると共に、両特性のうちいずれか
を制動力要求に応じて選択する制御則が設定されてい
る。
【0130】すなわち、図16に示すように、マスタシ
リンダ圧PMがジャンプイン圧PMJ未満の領域で高い
ソレノイド電流I2 を付与してホイールシリンダ圧PW
をゼロに保ち、マスタシリンダ圧PMがジャンプイン圧
PMJ に達するとソレノイド電流をI2 →I1 に変更し
てホイールシリンダ圧PWを立ち上げる通常時ジャンプ
イン特性と、マスタシリンダ圧PMがジャンプイン圧P
J に達するとソレノイド電流をI2 →I0 に変更して
ホイールシリンダ圧PWをさらに大きく立ち上げるアイ
ドルアップ時ジャンプイン特性のうちいずれかを制動力
要求に応じて選択する制御則が設定されている。
【0131】前記インヒビタースイッチ30は自動変速
機のセレクト位置を示すセレクト位置信号を出力するス
イッチで、エンジンコントローラ31はエアコン負荷状
態やエンジン暖機状態等においてエンジンへの吸入空気
量を増し、エンジン回転数を上昇させるアイドルアップ
制御を行ない、このアイドルアップ時にはアイドルアッ
プ信号を出力するコントローラであり、これらのセレク
ト位置情報やアイドルアップ情報は制動力要求の判断に
用いられる。
【0132】次に、作用を説明する。
【0133】[ブレーキ制御作動]図17はブレーキコ
ントローラ13で行なわれるブレーキ制御作動処理の流
れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて
説明する。
【0134】ステップ100では、制動力要求の判断条
件、つまり、走行レンジ(Dレンジ,1速固定レンジ,
2速固定レンジ)であり、アイドルアップ信号がONで
あるという条件を満たすかどうかが判断される。
【0135】ステップ101では、ステップ100でy
esと判断された時、マスタシリンダ圧PMを読み込み
ながら図16のアイドルアップ時ジャンプイン特性が得
られる制御が実行される。
【0136】ステップ102では、ステップ100でn
oと判断された時、マスタシリンダ圧PMを読み込みな
がら図16の通常時ジャンプイン特性が得られる制御が
実行される。
【0137】[制動時]走行レンジ選択時で、かつ、ア
イドルアップ時における制動時は、図17のフローチャ
ートにおいて、ステップ100→ステップ101へと進
む流れとなり、ブレーキコントローラ13からのソレノ
イド電流Iの制御によりホイールシリンダ圧PWの増圧
幅の大きなアイドルアップ時ジャンプイン特性が得られ
るブレーキ制御が行なわれる。
【0138】このブレーキ制御によって、アイドル回転
数上昇時にクリープ現象による駆動力の高まりが、制動
力の高まりにより打ち消され、ブレーキペダルの踏み増
し操作を行なうことなく停車ができる。
【0139】非アイドルアップ時等における制動時に
は、図17のフローチャートにおいて、ステップ100
→ステップ102へ進む流れとなり、ブレーキコントロ
ーラ13からのソレノイド電流Iの制御によりホイール
シリンダ圧PWの増圧幅の小さな通常時ジャンプイン特
性が得られるブレーキ制御が行なわれる。
【0140】このブレーキ制御によって、緩制動時の微
妙なブレーキ調整を行なうことができる。
【0141】例えば、第1〜第5実施例に示すように、
ジャンプイン特性の増圧幅を一定幅とした場合、増圧幅
を大きく設定すればアイドルアップ時の制動力要求に応
えることができるが微妙なブレーキ調整がやりずらくな
るし、増圧幅を小さく設定すれば微妙なブレーキ調整は
できるもののアイドルアップ時にクリープ現象による駆
動力上昇に対して制動力が不足し、この駆動力上昇分を
打ち消すためにはブレーキペダルの踏み増し操作を行な
わなければならず、違和感がある。
【0142】このような問題点を解決したのがこの第6
実施例である。
【0143】以上説明してきたように、第6実施例装置
にあっては、ホイールシリンダ圧PWの増圧幅が異なる
通常時ジャンプイン特性とアイドルアップ時ジャンプイ
ン特性が得られる制御則が設定されていると共に、両特
性のうちいずれかを制動力要求に応じて選択する制御則
が設定されているブレーキコントローラ13によりブレ
ーキ制御を行なう装置としたため、走行レンジ選択時
で、かつ、アイドルアップ時においては、クリープ現象
による駆動力の変化影響を受けずに停車時の充分な制動
力が得られ、かつ、通常の制動時には緩制動操作による
微妙なブレーキ調整ができるという効果が得られる。
【0144】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0145】例えば、実施例では、アクチュエータとし
て、比例ソレノイドを用いた例を示したが、フォースモ
ータ等であっても良い。
【0146】実施例では、非ブレーキ操作時の制御例と
して、TCS制御を示したが、ヨーレートや横加速度を
フィードバックして車両の旋回特性制御を行なうために
ブレーキ圧を制御するようにしてもよい。
【0147】第6実施例では、ホイールシリンダ圧の増
圧幅が2つのジャンプイン特性を用いる例を示したが、
ホイールシリンダ圧の増圧幅が2以上のジャンプイン特
性を用い、制動力要求をきめ細かく判断して、制動力要
求に最適なジャプイン特性を選択するような例としても
良い。また、制動力要求の判断条件もアイドルアップ時
かどうかだけでなく、例えば、アイドルアップによるエ
ンジン回転数上昇幅等を考慮して判断するようにしても
良いし、さらには、路面勾配等を制動力要求の判断条件
に加えても良い。
【0148】さらに、実施例では開示していないが、制
御圧(ホイールシリンダ圧)を増圧する側に電子コント
ロールによる増圧制御手段を設けて複数の増圧幅を持つ
ジャンプイン特性を得るようにしても良い。
【0149】
【発明の効果】請求項1記載の本発明にあっては、ブレ
ーキ操作力に相当するマスタシリンダ圧を制御入力信号
としてブレーキ圧を制御するブレーキ制御装置におい
て、マスタシリンダ圧に対する制御圧特性としてマスタ
シリンダ圧が低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特性
へと変化する特性を得るべく油圧制御弁のスプールに作
用する制御圧を増圧する方向の力を制御するスプール増
圧作用力制御手段を設けた為、ジャンプイン機能の実現
によりブレーキ操作の初期段階で良好な操作フィーリン
グを達成することができるという効果が得られる。
【0150】請求項2記載の本発明にあっては、スプー
ル増圧作用力制御手段を、マスタシリンダ圧受圧面積を
マスタシリンダが所定圧以下では大とし、マスタシリン
ダ圧が所定圧を超えたら小とする可変受圧面積伝達手段
とした為、請求項1記載の効果に加え、伝達手段にスプ
ール増圧作用力制御機能を与えたことで油圧制御弁を小
型にできるし、制御用のソフトウェアに影響を与えな
い。
【0151】請求項3記載の本発明にあっては、スプー
ル増圧作用力制御手段を、マスタシリンダと伝達手段を
接続するマスタシリンダ圧油路に設けられ、マスタシリ
ンダ圧が所定圧以下の領域で弁閉とし、マスタシリンダ
圧が所定圧を超えた領域で弁開とする第1切換弁とした
為、請求項1記載の効果に加え、第1切換弁を付加する
だけでシステム構成の変更を要さず構成的に簡単である
と共に、ジャプイン時のセット圧の調整も第1切換弁の
セット力調整により簡単である。また、制御用のソフト
ウェアに影響を与えない。
【0152】請求項4記載の本発明にあっては、スプー
ル増圧作用力制御手段を、スプールに設けられた増圧方
向の受圧段差と、この受圧段差にマスタシリンダ圧が所
定圧を超えた時に外部油圧源からの油圧を印加する第2
切換弁による手段とした為、請求項1記載の効果に加
え、構造的に大差がなく寸法・重量の増大が抑えられる
し、第2切換弁の制御はON/OFF制御でよく、制御
ソフトが簡単である。
【0153】請求項5記載の本発明にあっては、ブレー
キ操作力に相当するマスタシリンダ圧を制御入力信号と
してブレーキ圧を制御するブレーキ制御装置において、
マスタシリンダ圧に対する制御圧特性としてマスタシリ
ンダ圧が低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特性へと
変化する特性を得るべく油圧制御弁のスプールに作用す
る制御圧を増圧する方向の力を制御するスプール減圧作
用力制御手段を設けた為、ジャンプイン機能の実現によ
りブレーキ操作の初期段階で良好な操作フィーリングを
達成することができるという効果が得られる。
【0154】請求項6記載の本発明にあっては、スプー
ル減圧作用力制御手段を、スプールに対し制御圧を減圧
する方向に力を加えるアクチュエータに接続され、マス
タシリンダ圧が低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特
性へと変化する特性を得る制御則を持つコントローラと
した為、請求項5記載の効果に加え、ハードウェアとし
ては従来の電子油圧制御弁を有するシステムを何ら変更
することなく、そのまま使用することができる。
【0155】請求項7記載の本発明にあっては、スプー
ル減圧作用力制御手段を、スプールに設けられた減圧方
向の受圧段差と、この受圧段差にマスタシリンダ圧が所
定圧を超えたらマスタシリンダ圧の上昇に応じた油圧を
印加する減圧制御弁による手段とした為、請求項5記載
の効果に加え、制御用のソフトウェアに影響を与えず、
また、請求項1記載の可変受圧面積伝達手段に比べ製作
を容易にすることができる。
【0156】請求項8記載の本発明にあっては、スプー
ル増圧作用力制御手段またはスプール減圧作用力制御手
段を、ホイールシリンダ圧の増圧幅で決まるジャンプイ
ン特性として増圧幅が異なる複数の特性が得られるよう
にすると共に、制動力要求に応じて最適のジャンプイン
特性を選択する制御則を持つコントローラとしたため、
制動力要求に応じた最適のジャンプイン特性の選択によ
り、制動操作感の向上や制動違和感の解消を図ることが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブレーキ制御装置を示すクレーム対応
図である。
【図2】第1実施例のブレーキ制御装置を示す全体シス
テム図である。
【図3】第1実施例装置の可変受圧面積ベローズのマス
タシリンダ圧低圧領域での作用説明図である。
【図4】第1実施例装置の可変受圧面積ベローズのマス
タシリンダ圧高圧領域での作用説明図である。
【図5】第1実施例装置でのマスタシリンダ圧に対する
ホイールシリンダ圧特性図である。
【図6】第1実施例装置の可変受圧面積ベローズの変形
例である可変スプール作用力ベローズを示す断面図であ
る。
【図7】第2実施例のブレーキ制御装置を示す全体シス
テム図である。
【図8】第2実施例装置でのマスタシリンダ圧に対する
ホイールシリンダ圧特性図である。
【図9】第3実施例のブレーキ制御装置を示す全体シス
テム図である。
【図10】第3実施例装置でのマスタシリンダ圧に対す
るホイールシリンダ圧特性図である。
【図11】第4実施例のブレーキ制御装置を示す全体シ
ステム図である。
【図12】第4実施例装置の第1制御則によるマスタシ
リンダ圧に対するホイールシリンダ圧特性図である。
【図13】第4実施例装置の第2制御則によるマスタシ
リンダ圧に対するホイールシリンダ圧特性図である。
【図14】第5実施例のブレーキ制御装置を示す全体シ
ステム図である。
【図15】第6実施例のブレーキ制御装置の電子制御系
を示すブロック図である。
【図16】第6実施例装置で得られるジャンプイン特性
図である。
【図17】第6実施例装置のブレーキコントローラで行
なわれるブレーキ制御作動の流れを示すフローチャート
である。
【符号の説明】
a ブレーキ操作手段 b マスタシリンダ c 外部油圧源 d スプール e アクチュエータ f 伝達手段 g 油圧制御弁 h ホイールシリンダ i スプール増圧作用力制御手段 j スプール減圧作用力制御手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作手段に対する操作力をマス
    タシリンダ圧に変換するマスタシリンダと、 油圧を発生する外部油圧源と、 前記外部油圧源から入力ポートに供給される油圧を制御
    圧に調圧するスプールと、このスプールに対し制御圧を
    減圧する方向に力を加えるアクチュエータと、このスプ
    ールに対し制御圧を増圧する方向に前記マスタシリンダ
    圧による力を加える伝達手段とを有する油圧制御弁と、 前記油圧制御弁の出力ポートからの制御圧により各車輪
    の制動を行なうホイールシリンダと、 マスタシリンダ圧に対する制御圧特性がマスタシリンダ
    圧の低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化
    するように、前記スプールに作用する制御圧を増圧する
    方向の力を制御するスプール増圧作用力制御手段と、 を備えていることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スプール増圧作用力制御手段が、マ
    スタシリンダ圧受圧面積をマスタシリンダ圧が所定圧以
    下では大とし、マスタシリンダ圧が所定圧を超えたら小
    とする可変受圧面積伝達手段であることを特徴とする請
    求項1記載のブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記スプール増圧作用力制御手段が、マ
    スタシリンダと伝達手段を接続するマスタシリンダ圧油
    路に設けられ、マスタシリンダ圧が所定圧以下の領域で
    弁閉とし、マスタシリンダ圧が所定圧を超えた領域で弁
    開とする第1切換弁であることを特徴とする請求項1記
    載のブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記スプール増圧作用力制御手段が、ス
    プールに設けられた増圧方向の受圧段差と、この受圧段
    差にマスタシリンダ圧が所定圧を超えた時に外部油圧源
    からの油圧を印加する第2切換弁による手段であること
    を特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 ブレーキ操作手段に対する操作力をマス
    タシリンダ圧に変換するマスタシリンダと、 油圧を発生する外部油圧源と、 前記外部油圧源から入力ポートに供給される油圧を制御
    圧に調圧するスプールと、このスプールに対し制御圧を
    減圧する方向に力を加えるアクチュエータと、このスプ
    ールに対し制御圧を増圧する方向に前記マスタシリンダ
    圧による力を加える伝達手段とを有する油圧制御弁と、 前記油圧制御弁の出力ポートからの制御圧により各車輪
    の制動を行なうホイールシリンダと、 マスタシリンダ圧に対する制御圧特性がマスタシリンダ
    圧の低圧領域で高ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化
    するように、前記スプールに作用する制御圧を減圧する
    方向の力を制御するスプール減圧作用力制御手段と、 を備えていることを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記スプール減圧作用力制御手段が、ス
    プールに対し制御圧を減圧する方向に力を加えるアクチ
    ュエータに接続され、マスタシリンダ圧が低圧領域で高
    ゲイン特性から低ゲイン特性へと変化する特性を得る制
    御則を持つコントローラであることを特徴とする請求項
    5記載のブレーキ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記スプール減圧作用力制御手段が、ス
    プールに設けられた減圧方向の受圧段差と、この受圧段
    差にマスタシリンダ圧が所定圧を超えたらマスタシリン
    ダ圧の上昇に応じた油圧を印加する減圧制御弁による手
    段であることを特徴とする請求項5記載のブレーキ制御
    装置。
  8. 【請求項8】 前記スプール増圧作用力制御手段または
    スプール減圧作用力制御手段が、ホイールシリンダ圧の
    増圧幅で決まるジャンプイン特性として増圧幅が異なる
    複数の特性が得られるようにすると共に、複数のジャン
    プイン特性のうち制動力要求に応じて最適の特性を選択
    する制御則を持つコントローラであることを特徴とする
    請求項1または請求項5記載のブレーキ制御装置。
JP17514593A 1992-08-05 1993-07-15 ブレーキ制御装置 Pending JPH0699797A (ja)

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JP20904492 1992-08-05
JP4-209044 1992-08-05
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010525273A (ja) * 2007-05-02 2010-07-22 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 液圧式の車両ブレーキ装置と車両ブレーキ装置を運転する方法
JP2019518660A (ja) * 2016-06-03 2019-07-04 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 液圧式のブレーキシステムを運転するための方法、液圧式のブレーキシステム

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