JPH069926A - シリカ被膜形成用塗布液の製造方法 - Google Patents

シリカ被膜形成用塗布液の製造方法

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JPH069926A
JPH069926A JP4168896A JP16889692A JPH069926A JP H069926 A JPH069926 A JP H069926A JP 4168896 A JP4168896 A JP 4168896A JP 16889692 A JP16889692 A JP 16889692A JP H069926 A JPH069926 A JP H069926A
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silica
alkyl
condensate
exchange resin
acid
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JP4168896A
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Satoshi Taguchi
敏 田口
Takashi Nakada
孝 中田
Masumi Suetsugu
益実 末次
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルキルシリケート縮合体とカルボン酸との
反応生成物及びテトラアルコキシシランの加水分解生成
物を含有する溶液を、イオン交換樹脂で処理する。 【効果】 エッチング加工特性に優れ、かつ4000オ
ングストローム程度以上の厚膜とした場合にもクラック
が発生せず、クラックの発生特性にも優れる半導体用絶
縁膜とすることができ、しかもイオン性物質の含有量が
極めて低い高純度のシリカ被膜形成用塗布液を提供する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカ被膜形成用塗布
液の製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発
明は、塗布膜法により半導体用絶縁膜を形成させるのに
最適な高純度のシリカ被膜形成用塗布液の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体用絶縁膜を形成させる方法として
は、気相成長法及び塗布膜法が知られている。ところ
で、近年半導体の集積度がますます高度化し、これに伴
って配線の線幅が細くなり、かつその間隙は狭くなり、
微細な配線パターンを実現するためには、複雑な凹凸を
有する基板上に平坦な表面を有する絶縁膜を形成させる
必要がある。ところが、気相成長法は、凹凸を有する表
面に用いた場合、均一で平坦な被膜が形成し難いという
問題を有している。一方、塗布膜法は、凹凸を有する表
面への適用が可能であり、優れた方法である。
【0003】半導体用絶縁膜に要求される重要な特性と
して、エッチング加工特性及びクラックの発生特性に優
れることがあげられる。エッチング加工特性は、膜の緻
密性に係る特性であり、緻密性に劣る膜、換言すれば多
孔性の膜は脆いものとなり、極めて急速にエッチングが
進行するためにエッチング時の制御が効かなくなり、精
密なエッチング加工が不可能となる。また、絶縁膜を形
成させるにあたっては、シリカ被膜形成用塗布液を塗布
した後、焼成する必要があるが、表面の凹凸を平坦化
し、絶縁性を高めるために膜厚を4000オングストロ
ーム程度以上に厚くした場合にも、焼成時にクラックが
発生しないこと、すなわちクラックの発生特性に優れる
ことが必要である。
【0004】特開昭61−55164号公報には、特定
のアルキルシリケート縮合体とカルボン酸とを反応させ
て得られるシリカ系縮合体をシリカ被膜形成用塗布液と
して用いる方法が開示されている。しかしながら、この
方法は、エッチング加工特性が不十分であるという点で
問題を有している。
【0005】ところで、シリカ被膜形成用塗布液は、そ
の純度が極めて高いことが要求される。純度を下げる不
純物のうちでも、金属イオンを主とするカチオン性物質
や酸から発生するアニオン性物質は、特に注意して除去
すべき物質である。なぜならば、金属イオンは、半導体
用絶縁膜の絶縁耐圧を低下させ、またアニオン性物質
は、半導体基板のアルミニウムを腐食し、半導体の寿命
を縮めることになるからである。ところが、従来の方法
により得られるシリカ被膜形成用塗布液には、原料中に
含まれている金属イオンの他、製造装置材料から溶出す
る金属イオン及び製造工程中のに使用される酸に由来す
るアニオン性物質が、不可避的に混入し、上記の不都合
を発生させるという問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、エッチング加工特性に
優れ、かつ4000オングストローム程度以上の厚膜と
した場合にもクラックが発生せず、クラックの発生特性
にも優れる半導体用絶縁膜とすることができ、しかもイ
オン性物質の含有量が極めて低い高純度のシリカ被膜形
成用塗布液を提供する点に存する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。す
なわち、本発明は、下記(1)〜(3)の工程を含むシ
リカ被膜形成用塗布液の製造方法に係るものである。 (1)下記一般式(A)で表わされるアルキルシリケー
ト縮合体及び該アルキルシリケート縮合体中のケイ素1
グラム原子あたり0.2モル以上かつ(2−(<m+n
>−1)/<m+n>)モル未満(ここで、<m+n>
は平均縮合度を表わす。)の炭素数1〜18のカルボン
酸を混合する工程 (2)一般式Si(OR7 4 (ここで、R7 アルキル
基又はフェニル基を表わす。)で表わされるテトラアル
コキシシラン及び該テトラアルコキシシラン1モルあた
り2モル以上の水を混合する工程 (3)上記(1)で得た溶液及び上記(2)で得た溶液
を、イオン交換樹脂と接触処理する工程 (式中、R1 〜R5 は同一又は異なるアルキル基又はア
ルコキシアルキル基を、R6 はアルキル基、アルコキシ
基又はアルコキシアルキル基を、mは2以上の整数を、
nは0≦n<mの整数を表わす。)
【0008】以下、詳細に説明する。本発明の(1)の
工程は、上記一般式(A)で表わされるアルキルシリケ
ート縮合体及び該アルキルシリケート縮合体中のケイ素
1グラム原子あたり0.2モル以上かつ(2−(<m+
n>−1)/<m+n>)モル未満(ここで、<m+n
>は平均縮合度を表わす。)の炭素数1〜18のカルボ
ン酸を混合する工程である。
【0009】一般式(A)で表わされるアルキルシリケ
ート縮合体は、テトラアルコキシシランモノマーを水で
加水分解する方法、アルコキシクロロシランモノマー又
はテトラクロロシランモノマーを水で加水分解した後に
アルコールと反応させることにより脱塩化水素反応を行
わせる方法、テトラアルコキシシランモノマーに対し
て、それよりも少ないモル数のモノアルキルトリアルコ
キシシランモノマーを加えて加水分解する方法などによ
って得られ、更に市販のアルキルシリケート縮合体を、
そのまま、又は更に縮合させて用いてもよい。なお、R
1 〜R6 の炭素数は通常1〜18であり、好ましくは1
〜10、最も好ましくは1〜6である。
【0010】上記のアルキルシリケート縮合体を製造す
るために使用されるモノマーの具体例としては、メチル
トリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロ
ピルトリエトキシシランなどのモノアルコキシシラン
類;メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン
などのモノアルキルクロロシラン類;テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシランなどのテトラアルコキシシ
ラン類;トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロ
ロシランなどのトリアルコキシクロロシラン類があげら
れる。なお、これらの化合物の二種以上を混合して用い
てもよい。なお、一般式(A)中のアルコキシアルキル
基とは、R’OR−(ただし、R’及びRはアルキル基
である。)で表される基を意味する。
【0011】カルボン酸としては、炭素数1〜18、好
ましくは炭素数1〜10、最も好ましくは炭素数2〜6
のものが用いられる。炭素数が19以上のものを用いる
と、基板の表面に塗布する際にはじきを生じ易くなる。
具体的にはギ酸、酢酸、無水酢酸、プロピオン酸、吉草
酸、カプロン酸、カプリル酸、安息香酸、アクリル酸な
どがあげられる。
【0012】アルキルシリケート縮合体と反応させるカ
ルボン酸の量は、アルキルシリケート縮合体中のケイ素
1グラム原子あたり0.2モル以上かつ(2−(<m+
n>−1)/<m+n>)モル未満(ここで、<m+n
>は平均縮合度を表わす。)、好ましくは(1.3−
(<m+n>−1)/<m+n>)〜(1.8−(<m
+n>−1)/<m+n>)モルである。カルボン酸が
過多な場合は得られる半導体用絶縁膜にクラックが発生
し易く、一方カルボン酸が過少な場合は、均一な膜が得
られ難い。
【0013】アルキルシリケート縮合体とカルボン酸を
混合することにより、シリカ系縮合体を含有する溶液
(以下、「シリカ系縮合体を含有する溶液」と記す。)
が得られる。混合時の反応の進行を早めるために、加熱
し、又は塩酸、硫酸、スルホン酸化合物などの強酸の触
媒として添加することが好ましい。反応は、無溶媒下又
は水酸基を有しない有機溶媒の存在下に行うことが好ま
しい。好ましい具体的な反応方法をあげると次のとおり
である。
【0014】アルキルシリケート縮合体中に、カルボン
酸と触媒の混合溶液を滴下するか、又は一時に混合し、
攪拌しながら、常温で4〜5時間から5日間、又は加熱
還流下で0.5時間〜8時間反応させる。反応時間は触
媒量に反比例し、大量の触媒、たとえばケイ素に対して
2×10-2モル倍程度を加えると反応は極めて早く、一
方2×10-6モル倍以下程度では反応は遅い。しかしな
がら、触媒である強酸の相当量が塗布液に残留すると、
基板や基板上の金属などを腐食するので、あまり大量の
触媒を使用することは好ましくない。かくして、シリカ
系縮合体を含有する溶液が得られる。
【0015】本発明の(2)の工程は、一般式Si(O
7 4 (ここで、R7 アルキル基又はフェニル基を表
わす。)で表わされるテトラアルコキシシラン及び該テ
トラアルコキシシラン1モルあたり2モル以上の水を混
合する工程である。
【0016】一般式Si(OR7 ) 4 で表わされるテト
ラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシ
シラン、テトラフェノキシシランなどがあげられる。な
お、R7 は、その炭素数が通常1〜18であり、好まし
くは1〜10、最も好ましくは1〜6のものが用いられ
る。
【0017】用いられる水の量は、テトラアルコキシシ
ラン1モルあたり2モル以上、好ましくは2〜10モ
ル、最も好ましくは2〜6モルである。水の量が過少で
あると得られる半導体用絶縁膜の緻密性及び耐薬品性が
低下する。一方、水の量が過多であると、得られる塗布
液の保存安定性が低下し、ゲルが発生することがあり、
好ましくない。
【0018】有機溶媒としては、たとえばメタノール、
エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;酢
酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトンなど
のケトン類が用いられる。
【0019】テトラアルコキシシランと水を有機溶媒中
で混合することにより、テトラアルコキシシランが加水
分解すると同時に、分解生成物が縮合し、シリカ系化合
物を含有する溶液(以下、「シリカ系化合物を含有する
溶液」と記す。)が得られる。混合時の反応の進行を早
めるために、塩酸、硫酸、スルホン酸化合物などの強酸
の触媒として添加することが好ましい。反応温度は常温
〜溶媒の沸点、反応時間は0.5時間〜5日間である。
【0020】本発明の(3)の工程は、上記(1)で得
た溶液及び上記(2)で得た溶液を、イオン交換樹脂と
接触処理する工程であり、具体的には、カチオン交換樹
脂を用いた処理及びアニオン交換樹脂を用いた処理があ
げられる。
【0021】カチオン交換樹脂としては、具体的にはフ
ェノールスルフォン酸−ホルムアルデヒド樹脂、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体のスルフォン酸誘導体な
どの強酸性カチオン交換樹脂をあげることができる。ア
ニオン交換樹脂としては、具体的には第四級アンモニウ
ム塩型フェノール樹脂、第四級アンモニウム塩型スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体のような強塩基性アニオ
ン交換樹脂、芳香族アミン型樹脂、脂肪族アミン型樹
脂、ポリエチレン−ポリアミン型樹脂のような弱塩基型
アニオン交換樹脂をあげることができる。カチオン交換
樹脂及びアニオン交換樹脂のいずれも、市販のものを用
いることができる。なお、樹脂の使用に際しては、それ
ぞれ、酸処理又はアルカリ処理により、H型及びOH型
に変換しておく必要がある。
【0022】除去すべきイオン性物質としては、ナトリ
ウムイオン、カルシウムイオン、鉄イオン、銅イオン、
アルミニウムイオンなどの金属イオン及び(1)の工程
の触媒として用いた酸に由来する硫酸イオン、硝酸イオ
ン、塩素イオンなどのアニオンがあげられる。(3)の
工程の処理に付される溶液が、カチオン性不純物又はア
ニオン性不純物のうちの一方のみを含有する場合は、そ
れぞれに応じて、カチオン交換樹脂による処理又はアニ
オン交換樹脂による処理のうちの、一方のみを実施すれ
ばよい。また、該溶液がカチオン性不純物及びアニオン
性不純物の両方を含有する場合は、カチオン交換樹脂に
よる処理とアニオン交換樹脂による処理の両方を実施す
る必要がある。
【0023】イオン交換樹脂による処理の具体例として
は、樹脂を充填したカラムに処理すべき溶液を流通させ
る方法があげられる。ここで、カチオン交換樹脂及びア
ニオン交換樹脂を別々のカラムに充填して用いてもよ
く、又は両交換樹脂を一つのカラムに混合して充填して
用いてもよい。処理の具体的条件は、不純物の含有量、
除去する目標水準、用いる交換樹脂の性能などに依存す
るが、通常は空塔速度で1〜20hr-1である。
【0024】本発明のシリカ被膜形成用塗布液は、最終
的には、シリカ系縮合体を含有する溶液とシリカ系化合
物を含有する溶液を混合して用いられる。シリカ系縮合
体を欠く場合はクラックの発生特性に劣り、一方シリカ
系化合物を欠く場合はエッチング加工特性に劣る。シリ
カ系縮合体とシリカ系化合物の量比は、シリカ系縮合体
中のケイ素原子とシリカ系化合物のケイ素原子の割合
で、1/0.1〜1/0.7の範囲が好ましく、1/
0.2〜1/0.5がより好ましい。シリカ系縮合体が
過少な場合は、膜厚を4000オングストローム程度以
上にした場合にクラックが発生することがあり、一方シ
リカ系化合物が過少な場合はエッチング加工特性に劣る
ことがあり、好ましくない。
【0025】ところで、前記の第(3)の工程を実施す
るにあたっては、シリカ系縮合体を含有する溶液とシリ
カ系化合物を含有する溶液を、各々別々にイオン交換処
理に付した後に混合してもよく、又はシリカ系縮合体を
含有する溶液とシリカ系化合物を含有する溶液を予め混
合した後、該混合溶液をイオン交換処理に付してもよ
い。混合に際しては、たとえば両溶液を密閉できる容器
に仕込み、マグネットスターラー又は回転モーター付攪
拌器によって十分に混合すればよい。
【0026】かくして得られる混合液は、必要に応じて
有機溶媒を用いて濃度を調整し、更にフィルターにより
濾過した後、最終製品であるシリカ被膜形成用塗布液と
される。なお、濃度調整用の有機溶媒としては、エチル
セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソル
ブなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル類;エタノールなどのアルコール類;アセトンな
どのケトン類が用いられる。
【0027】本発明のシリカ被膜形成用塗布液には、造
膜性を向上させるため、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルホ
ルマール、ポリビニルエーテル、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリプロピレングリコール、エチルセルロースなど
の高分子化合物を添加してもよい。更に、膜質を改善す
るために、酸化ホウ素、ホウ酸、アルキルホウ酸エステ
ルなどのホウ素化合物;五酸化リン、リン酸、アルキル
リン酸エステルなどのリン化合物;酸化ヒ素、ヒ酸、ア
ルキルヒ酸エステルなどのヒ素化合物;酸化アンチモ
ン、アンチモン酸、アルキルアンチモン酸エステルなど
のアンチモン化合物及びこれらの混合物を、シリカ系縮
合体及びシリカ系化合物のケイ素に由来するSiO2
対して1重量%以上50重量%以下、好ましくは2重量
%以上10重量%以下の割合で添加してよい。なお、上
記の化合物は、塗布液に溶解した状態で用いるのが好ま
しい。
【0028】本発明のシリカ被膜形成用塗布液を塗布す
る基板としては、ガラス、金属、樹脂、セラミックなど
があげられる。塗布法としては、液中に基板を浸漬して
引き上げ、その引き上げ速度を調整することにより膜厚
を変えるディッピング法又は基板を高速回転させて塗布
する回転塗布法などが用いられる。これらの方法を用い
て塗布した後、基板ごと乾燥し、次いで350℃〜10
00℃の範囲で加熱することにより、緻密で平滑なシリ
カ被膜が得られる。
【0029】本発明のシリカ被膜形成用塗布液を用いる
と厚さ0.5μm以上のシリカ膜が350℃程度の比較
的低温で得ることができるため、高温のプロセスが使え
ないような半導体の製造や、耐熱性高分子セラミック成
形体などのコーティングが可能となる。また、高温で処
理した場合には、電気的特性及び機械的特性に優れた膜
が得られる。更に、本発明のシリカ被膜形成用塗布液
は、イオン性不純物の含有量が極めて低いため、半導体
用絶縁膜の絶縁耐圧を低下させたり、半導体基板のアル
ミニウムを腐食することにより半導体の寿命を縮めると
いった問題も伴わない。かかる優れた特徴を有する本発
明のシリカ被膜形成用塗布液は、特に電子部品の多層配
線の層間絶縁膜、表面保護膜などへの用途に好適に使用
される。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 実施例1 1lのフラスコに市販のアルキルシリケート縮合体(エ
チルシリケート40、商品名 ES−40、日本コルコ
ート社製:一般式(A)中のR1 〜R5 がエチルであ
り、R6 がエトキシであり、n=0であり、平均縮合度
は4.63である。)451gと酢酸89g(酢酸/S
i(モル比)=0.5)を混合し、更に96%硫酸を
0.53gを加え、70℃の温度において5時間攪拌す
ることによりシリカ系縮合体を含有する溶液を得た。該
溶液に含有されるシリカ系縮合体のケイ素の量は3モル
であった。
【0031】次に、テトラエトキシシラン312gをエ
タノール240gに溶解し、これに水76g(H2 O/
Siモル比=6.0)と硝酸0.7gを加え、1lのフ
ラスコ中で2時間還流下で反応させ、シリカ系化合物を
含有する溶液を得た。該溶液に含有されるシリカ系化合
物中のケイ素の量は1.50モルであった。次いで、上
記のシリカ系縮合体を含有する溶液とシリカ系化合物を
含有する溶液を、各溶液に含有されるケイ素の割合が1
/0.4になるように混合した。そして、該混合溶液
を、スチレン−ジビニルベンゼン系強酸性カチオン交換
樹脂及びスチレン−ジビニルベンゼン系強塩基性アニオ
ン交換樹脂を混合して充填したカラムに、空塔速度3h
-1で通過させた。なお、使用に先立って、スチレン−
ジビニルベンゼン系強酸性カチオン交換樹脂及びスチレ
ン−ジビニルベンゼン系強塩基性アニオン交換樹脂を、
それぞれ、2N塩酸水溶液又は1.5N苛性ソーダ水溶
液で処理し、水洗後、エタノール置換を行った。
【0032】イオン交換樹脂による処理をした後の溶液
について、1M(モル/l)の塩化バリウム水溶液によ
る硫酸イオンの定性テストを行ったところ、イオン交換
樹脂による処理の前の溶液で検出された硫酸バリウムの
白色沈澱は検出されなかった。また、ICP−AES法
(誘導結合プラズマ原子発光分析法)により、金属イオ
ンの検出を行ったところ、表1の結果が得られた。
【0033】更に、イオン交換樹脂による処理をした後
の溶液をブチロセロソルブで希釈し、0.2μのフィル
ターで濾過した。得られた濾過液を用いて、クラック発
生特性を評価した。評価は、濃度を変化させた数種の試
料液を、3インチ直径のシリコンウエハー上にスピナー
塗布し、450℃で30分間焼成することにより各種の
厚みのシリカ被膜を形成させ、その時のクラックの発生
の有無を目視観察した。その結果、クラック発生最小厚
みは7000オングストロームであり、極めて優れたク
ラック発生特性を有することがわかった。
【0034】実施例2 実施例1において、スチレン−ジビニルベンゼン系強酸
性カチオン交換樹脂による処理をした後、スチレン−ジ
ビニルベンゼン系強塩基性アニオン交換樹脂による処理
を実施したこと以外は、実施例1と同様に行った。な
お、各処理における空塔速度は5hr-1とした。イオン
交換樹脂による処理をした後の溶液について、1Mの塩
化バリウム水溶液による硫酸イオンの定性テストを行っ
たところ、イオン交換樹脂による処理の前の溶液で検出
された硫酸バリウムの白色沈澱は検出されなかった。ま
た、ICP−AES法により、金属イオンの検出を行っ
たところ、表1の結果が得られた。更に、クラック発生
最小厚みは7000オングストロームであり、極めて優
れたクラック発生特性を有することがわかった。
【0035】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 施 例 1 2 処理前 処理後 処理前 処理後 金属イオン濃度 ppb ナトリウム 240 <20 280 <20 カルシウム 40 <10 50 <10 鉄 10 <10 15 <10 カリウム 20 <20 30 <20 亜鉛 120 40 120 40 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0036】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、エ
ッチング加工特性に優れ、かつ4000オングストロー
ム程度以上の厚膜とした場合にもクラックが発生せず、
クラックの発生特性にも優れる半導体用絶縁膜とするこ
とができ、しかもイオン性物質の含有量が極めて低い高
純度のシリカ被膜形成用塗布液を提供することができ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(3)の工程を含むシリカ
    被膜形成用塗布液の製造方法。 (1)下記一般式(A)で表わされるアルキルシリケー
    ト縮合体及び該アルキルシリケート縮合体中のケイ素1
    グラム原子あたり0.2モル以上かつ(2−(<m+n
    >−1)/<m+n>)モル未満(ここで、<m+n>
    は平均縮合度を表わす。)の炭素数1〜18のカルボン
    酸を混合する工程 (2)一般式Si(OR7 4 (ここで、R7 アルキル
    基又はフェニル基を表わす。)で表わされるテトラアル
    コキシシラン及び該テトラアルコキシシラン1モルあた
    り2モル以上の水を混合する工程 (3)上記(1)で得た溶液及び上記(2)で得た溶液
    を、イオン交換樹脂と接触処理する工程 (式中、R1 〜R5 は同一又は異なるアルキル基又はア
    ルコキシアルキル基を、R6 はアルキル基、アルコキシ
    基又はアルコキシアルキル基を、mは2以上の整数を、
    nは0≦n<mの整数を表わす。)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009298998A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Ishihara Chem Co Ltd 湿気硬化型床用塗装材
KR101160902B1 (ko) * 2003-10-01 2012-07-03 후지필름 가부시키가이샤 필름 연신 장치 및 용액 필름 형성 방법

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