JPH0698266B2 - 燃焼排ガスの処理方法およびその装置 - Google Patents

燃焼排ガスの処理方法およびその装置

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JPH0698266B2
JPH0698266B2 JP20513489A JP20513489A JPH0698266B2 JP H0698266 B2 JPH0698266 B2 JP H0698266B2 JP 20513489 A JP20513489 A JP 20513489A JP 20513489 A JP20513489 A JP 20513489A JP H0698266 B2 JPH0698266 B2 JP H0698266B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は都市ごみ焼却炉、産業廃棄物焼却炉、その他の
廃棄物焼却炉、さらには石炭燃焼ボイラなど、その燃焼
排ガス中に汚染物質として硫黄酸化物(SOx)、塩化水
素ガス(HCl)および窒素酸化物(NOx)が含まれる場合
に、これらの汚染物質を乾式法にて容易に除去し、以っ
て大気汚染の改善に資する、燃焼排ガスの処理方法およ
びその装置に関するものである。
[従来技術および問題点] SOx、HClおよびNOxの三者の汚染物質を含む燃焼排ガス
の例としては、都市ごみ、産業廃棄物などの焼却炉の燃
焼排ガスがある。その他では、石炭、特に海外炭を燃焼
するボイラの排ガスがSOx、HClおよびNOxの三者を含む
場合がある。通常のガス燃焼、石油系液体燃料燃焼の場
合には、HClが含まれることはない。したがって、本発
明になる排ガス処理方法は、前述のとおり、各種ごみの
焼却炉燃焼排ガスと石炭燃焼排ガスとを対象としたもの
になる。
燃焼排ガスの処理方法として、SOx、HClおよびNOxの各
単味成分を対象とした汚染物質の除去法には多くのもの
があり、現に実用機が稼動している。すなわち、SOxの
除去法としては、湿式の石灰石こう法、アルカリ吸収
法、石灰乳スプレードライヤー法などがあり、特に石灰
石こう法は高度に完成された技術として多くの実績があ
る。HClの除去は都市ごみ焼却炉排ガスとして開発実用
化されており、アルカリによる吸収法、消石灰の吹き込
み法などがある。NOx処理は多くボイラ排ガス処理のた
めに開発実用化されており、乾式のアンモニア選択接触
還元法、アンモニア無触媒脱硝法が代表例であり、この
NOx処理の場合は湿式法はほとんど実用に供されていな
い。以上のように、SOx、HClおよびNOxの各々の汚染物
質の処理にはすぐれた方法が存在するが、これらの汚染
物質の同時除去の技術は今だ全く見当らない。燃焼排ガ
スがこれら三者の汚染物質のうち二者を含む場合は、汚
染物質の除去は、各々の汚染物質の除去に必要な技術の
組合わせによってなされている。例えば、最も一般的な
ボイラ排ガス処理の場合、同ガス中に含まれるSOxとNOx
の除去は、湿式の石灰石こう法と乾式のアンモニア選択
接触還元法との組合わせによってなされている。しか
し、上記から明らかなように、これら二者の全く異なっ
た構成の排ガス処理装置を組合わせ、具体的にはシリー
ズに設置し、これらを運転することは、装置の維持管理
ならびに処理コストの経済性のいずれの面からも望まし
いことではない。したがって、これらの汚染物質を含む
排ガスを同一装置において処理する方法および装置の開
発実用化が強く望まれているところである。
また、HClとNOxの処理については、すでに完成された技
術として乾式法があるが、SOx処理については乾式法の
完成はなされておらず、多くは湿式法が適用されてい
る。アメリカと西ドイツでは半乾式法が実用に供されて
いるが、日本ではほとんど実用されていない。これは主
としては、半乾式法では日本で要求される脱硝率が達成
されないためである。さて、この排ガスの湿式処理法の
大きな問題点は、この処理によって排ガス温度が60℃付
近まで低下し、白煙の発生を伴うことであり、また、水
を必要とし、排水の処理が必要となる点である。そのた
め、湿式法の採用の条件が比較的整っている、すなわ
ち、水資源が豊富で海への排水の放流の可能な日本にお
いてさえも、乾式法の開発に対する要望は強い。
完全な意味でのSOx、HClおよびNOxの同時乾式除去法は
現在存在しない。SOxとHClの除去法としては石灰石吹き
込み法と石灰スラリー吹き込み法(半乾式)が知られて
いるが、十分な除去率を得ているとは言い難い。SOxとN
Oxの同時除去法としては、電子線照射法と活性炭法が知
られており、いずれもパイロットプラントでの試験段階
に達しているが、技術的にも経済的にも実用化までには
まだ問題を残している。
本発明は、上記の如く実情に鑑みてなされたもので、従
来達成不可能であったSOx、HClおよびNOxの同時除去を
達成できる排ガス処理方法およびその装置を提供するこ
とを目的としたものである。SOxとHClの両者は、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属の塩との反応という観点
からは同一方法で処理でき、すなわち同一の反応例で処
理可能であるが、NOxは全く別種の反応を必要とするも
のである。したがって、本発明は、SOx−HCl−NOxの系
はもちろんのこと、SOx−NOx、HCl−NOxの系に対しても
有効であり、SOx−HCl系でもその除去率が向上する点で
効果的な排ガス処理方法およびその装置を提供すること
を目的とする。
[問題点解決手段] 本発明は、従来の半乾式脱硫と脱塩プロセスの延長上に
あり、半乾式排ガス処理法における脱硫率および脱塩率
の向上を図るとともに、従来のプロセスでは不可能であ
ったNOxの還元除去を同時に達成できるようにしたもの
である。
すなわち、本発明による燃焼排ガスの処理方法は、燃焼
排ガス中に臭素ガスとアンモニアガスとスラリー状また
は粉状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸カルシウ
ムととを添加することにより、硫黄酸化物、塩化水素ガ
スおよび窒素酸化物を同時に除去することを特徴とす
る。
ここで、各添加剤の添加順序は、好ましくは、臭素ガス
ついでアンモニアガスついでスラリー状または粉状の水
酸化カルシウムおよび/または炭酸カルシウムの順であ
る。
水酸化カルシウムおよび/または炭酸カルシウムとして
スラリー状のものを使用する場合には、反応帯域におい
て、スラリー状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸
カルシウムを頂部からスプレーし、反応帯域を通る排ガ
スに接触させる。また、水酸化カルシウムおよび/また
は炭酸カルシウムとして粉状のものを使用する場合に
は、アンモニア注入点の後流の排ガス通路に同粉体を注
入し、排ガスに接触させる。
本発明方法における最適温度域は、スラリー状の水酸化
カルシウムおよび/または炭酸カルシウムを使用する場
合には150〜300℃であり、また粉状の水酸化カルシウム
および/または炭酸カルシウムを使用する場合には130
〜180℃である。
本発明による燃焼排ガスの処理装置は、燃焼排ガス流路
において、冷却装置の後流側に臭素ガス供給装置が設け
られ、これの後流側にアンモニアガス供給装置が設けら
れ、これの後流側にスラリー状または粉状の水酸化カル
シウムおよび/または炭酸カルシウムの供給装置が設け
られていることを特徴とする。
スラリー状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸カル
シウムを使用する場合には、反応帯域としてスラリース
プレー塔を使用する。また、粉状の水酸化カルシウムお
よび/または炭酸カルシウムを使用する場合には、同粉
体はアンモニア注入点の後流側の排ガス通路に直接注入
される。
以下、都市ごみ焼却炉排ガス処理の場合を例にとり、具
体的に本発明を説明する。都市ごみ焼却炉排ガスの構成
成分は、ごみの種類、燃焼状況などによって大幅に異な
るが、主としてO2=8〜15%、SO2=10〜100ppm、HCl=
100〜1000pm、NOx=50〜200ppm、CO2=6〜8%程度で
あり、残りは水分とN2ガスである。ここで、本発明に係
る有害ガス成分は言うまでもなく、SO2、HClそれにNOx
である。
燃焼炉内でごみは約950℃で燃焼されるが、発生した排
ガスは、熱交換された後、通常焼却炉から200〜300℃で
排出される。本発明の方法では、この排ガスを対象と
し、反応プロセス上適当な温度域まで同ガスを冷却す
る。この冷却は空冷でも可能であるが、水噴霧方式のク
エンチャーが実用的である。この冷却によって排ガスの
温度は、スラリー状の水酸化カルシウムおよび/または
炭酸カルシウムを使用する場合には150〜300℃には、ま
た粉状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸カルシウ
ムを使用する場合には130〜180℃になされる。この温度
域では排水はもはや生ぜず、後に述べるSOxおよびNOxの
除去反応上もこの温度域は適当な領域である。クエンチ
ャーを出た排ガス中にまず臭素ガス(Br2)を添加す
る。次に同排ガスにアンモニアガス(NH3)を注入す
る。
しかる後、スラリー状の水酸化カルシウムおよび/また
は炭酸カルシウムを使用する場合には、反応帯域として
スラリースプレー塔を使用し、同スラリーを塔頂からス
プレーし、反応帯域を通る排ガスに接触させる。ここ
で、排ガス温度は130〜250℃まで冷却されるが、上記ス
ラリーはその水分の蒸発により固体粒子に転換される。
そして、スラリースプレー塔を出た排ガスをバグフィル
ターに導入し、排ガスに元来含まれているダストおよび
石灰スラリー塔にて生成した石灰化合物粒子を除去す
る。この時の排ガス温度は130〜180℃であり、水分の凝
縮は発生せず、全系統は乾式で運転される。
また、粉状の水酸化カルシウムおよび/まはた炭酸カル
シウムを使用する場合には、NH3注入点の後流側で排ガ
ス通路に粉状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸カ
ルシウムを注入し排ガスと接触させる。この時の排ガス
温度はやはり130〜180℃である。
本プロセスフローは以上のとおりであるが、以下にこの
プロセスフローにおけるSOx、HClおよびNOxの除去の機
構について詳述する。
まず、排ガス中にBr2を注入添加すると、次の反応式の
如く、このBr2はNOx(主としてNO)と反応し、臭化ニト
ロシルを生成する。
NO+1/2Br2=NOBr ……(1) SO2もBr2と反応し、中間体を生成すると思われるが、こ
れは現在のところ確認されていない。HClがBr2と直接的
に反応する減少は認められていない。ここで、生成した
NOBrは非常に反応性に富み、次の反応式の如く、無触媒
的にNH3によって還元分解される。
NOBr+NH3→ N2+H2O+HBr ……(2) この反応は非常に低い温度でも生起し、たとえば60℃程
度のアンモニア水系においてもNOBrは還元分解される。
この反応は以下のように考えられる。
NOBr+NH4OH= NH4NO2+HBr …(3) NH4NO2=N2+2H2O …(4) 上記反応式(1)および(2)の反応速度は極めて早
く、NOx濃度50〜200ppmの低濃度域において、60℃以上
の低温度域はもちろんのこと、スラリー状の水酸化カル
シウムおよび/または炭酸カルシウムを使用する場合の
最適温度域150〜300℃、および粉状の水酸化カルシウム
および/または炭酸カルシウムを使用する場合の最適温
度域130〜180℃において、いずれも90%以上の脱硝率を
得ることが可能である。なお、この時のBr2およびNH3
添加量は反応式(1)および(2)で示される当量比よ
りわずかに過剰(当量比1.5以下)で十分であり、反応
時間も1〜10秒程度である。この反応は極めて特異な反
応であり、Br2の性質とよく似た性質を有するCl2(塩素
ガス)では生起せず、したがってNOxの除去は達成され
ない。反応式(2)で生成するHBrは、過剰のNH3が存在
する場合には、NH4Brを生成する。
HBr+NH3=NH4Br ……(5) SO2に対するBr2の作用は、つぎの反応式の如く、SO2
酸化である。
SO2+Br2+2H2O= H2SO4+HBr ……(6) この反応において中間体の存在は確認されていない。こ
のSO2の酸化反応も低温度たとえば約60℃においても十
分な速度で進行する。ただし、SO2の酸化平衡は高温度
域ではSO2側にあり、400℃を越す領域ではSO2酸化率は
減少し始める。Br2の注入添加量は、反応式(6)に見
られるとおり、SO2に対して当量比1以上必要である。
ここで、もしNH3が過剰に存在するならば、つぎの反応
式の如く、硫安およびNH4Brが生成することになる。た
だし、硫安については、スラリー状の水酸化カルシウム
および/または炭酸カルシウムを使用する場合の最適温
度域150〜300℃、および粉状の水酸化カルシウムおよび
/または炭酸カルシウムを使用する場合の最適温度域13
0〜180℃を考慮すれば、これは相平衡論的に酸性硫安と
して存在しているはずである。
H2SO4+2NH3= (NH4)2SO4 ……(7) (NH4)2SO4= (NH4・H・SO4+NH3 ……(8) HClに対するBr2の作用効果は不明である。
以上のように、Br2およびNH3が注入添加された排ガス中
で、NOxは還元除去され、SO2はSO3へ酸化され、またHBr
ないしはNH3の過剰条件の場合には排ガス中にNH4Brが生
成する。
この状態で、この排ガスは、スラリー状の水酸化カルシ
ウムおよび/または炭酸カルシウムを使用する場合に
は、スラリースプレー塔に通され、塔頂からスプレーさ
れたスラリーに接触させられる。このスラリースプレー
塔ではNOxに係る反応はもはや存在しない。排ガス中の
酸化生成物SO3はつぎの反応式(9)の如く石灰スラリ
ーと反応し、硫酸カルシウムを生成するとともに、水分
が蒸発し、硫酸カルシウムの固体粒子が生成する。一部
未酸化のSO2ももちろん石灰スラリーと反応し、反応式
(10)の如く亜硫酸カルシウムの固体粒子を生成するこ
とになる。
また、粉状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸カル
シウムを使用する場合には、同粉体をNH3注入点の後流
側で排ガス通路に注入し、排ガスに接触させる。その結
果、粉状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸カルシ
ウムは、排ガス通路および/またはその後流側のバグフ
ィルターのような集塵装置において排ガス中の酸化生成
物SO3とやはり反応式(9)の如く反応し、硫酸カルシ
ウムを生成する。一部未酸化のSO2の上記粉体と反応式
(10)の如く反応し、亜硫酸カルシウムの固体粒子を生
成する。
H2SO4+Ca(OH)2= CaSO4+2H2O ……(9) SO2+Ca(OH)2= CaSO3+H2O ……(10) ここで、CaSO4の固体粒子は化学的にも不活性で投棄処
理可能な物質である。CaSO3量が多い場合にはその酸化
処理が必要であるが、本プロセスの場合には、ごみ焼却
炉排ガスではSO2濃度そのものが低いことやSO2が硫酸へ
酸化されていることもあり、CaSO3量は少なく問題とな
らない。
HClはつぎの反応式の如く水酸化カルシウムおよび/ま
たは炭酸カルシウムとの反応によって塩化カルシウムを
生成し、ほぼ完全に除去される。
2HCl+Ca(OH)2 =CaCl2+2H2O ……(11) 2HCl+CaCO3 =CaCl2+H2O+CO2 ……(12) 排ガス中へ添加した臭素は、前述のようにHBrを生成
し、次にNH4BrおよびCaBr2への転化が起り、これらはダ
スト、CaSO4、CaSO3、CaCl2などとともに後流側のバグ
フィルターなどの集塵装置によって捕集される。この添
加した臭素は必要に応じて回収して循環再使用すること
ができる。すなわち、NH4BrおよびCaBr2はともに水に易
溶であるため、水抽出を実施する。そしてBr2の回収
は、つぎの反応式の如く、pHを3.5以下位に維持してCl2
を吹き込むことによってなされる。
2Br-+Cl2 =Br2+2Cl- ……(13) また、安価な電力が使用できる場合には、つぎの反応式
の如く、電気分解によってBr2の生成も行なうことがで
きる。
2Br-=Br2+2e-(陽極) …(14) [発明の効果] 本発明のSOx、HClおよびNOxの乾式同時除去法によれ
ば、従来達成し得なかったこれらの物質の同時除去を高
効率で文字通り乾式で行なうことができる。しかも、生
成物は固体であり、SOxは不活性なCaSO4として回収され
る。
従来の技術でSOx、HClおよびNOxを高効率で除去するた
めには、湿式アルカリ洗浄法とアンモニア選択接触還元
法の組合せが行なわれているが、本発明の方法によれ
ば、湿式法における廃水処理の問題、煙突における白煙
の発生、アンモニア選択接触還元法における触媒の必要
性、その保守、運転の煩雑さなどの問題がなく、効率的
な処理が達成される。
[実施例] 次に、本発明を実施例および比較例を以って説明する。
比較例1 本比較例は、都市ごみ焼却炉の排ガスを流通させるパイ
ロットプラント(排ガス処理量:1500〜1900Nm3/hで、石
灰スラリー噴霧による半乾式の脱塩・脱硫を目的に建設
されたもの)を使用して、排ガス処理を実施した。
本都市ごみ焼却炉の排ガス組成を後記の表1に示す。本
表に見られるとおり、ここに示された都市ごみ焼却炉の
排ガス組成は特殊なものではなく、極く普通に見られる
ものである。
添付の第1図に本比較例で使用したパイロットプラント
および排ガスのフローを示す。同図において、焼却炉
(1)で発生した排ガスは熱交換器(2)で冷却され、
約250℃で電気集塵器(3)へ導入される。そして、排
ガスはここで除塵された後、ブロア(4)を経て煙突
(5)から大気へ拡散される。
本比較例に使用した装置は、第1図に示すように、焼却
炉(1)から電気集塵器(3)に至るダクト中間部で排
ガスを抜き出すようになっており、排ガス抜き出し量は
1400〜1700Nm3/h(ドライガスベース)である。この排
ガスはまず排ガス冷却塔(6)に導入され、ここで水タ
ンク(7)から来る水の噴霧によって150〜270℃まで冷
却される。
その後、排ガスは反応塔(8)へ導入される。ここでは
スラリータンク(9)から来る約5〜8%の石灰スラリ
ーが噴霧される。その噴霧量は35〜55kg/hであり、この
中の有効石灰の量が下記の式で示される当量数で1.0〜
1.3になるよう、同スラリーを注入した。この反応塔
(8)内では、スラリーの水分の蒸発によって、排ガス
温度は130〜250℃まで低下する。
排ガスは最後にバグフイルター(10)に導入され、生成
した塩化カルシウムおよび硫酸カルシウム、さらにはご
み焼却炉本来のダストが系外へ分離除去される。ここ
で、HClおよびSOxとCa(OH)2との反応は反応塔(8)に
おいてより著しく起るかもしれないが、排ガスが同塔
(8)から低温度域のバグフィルター(10)へ移動した
とき反応率が上昇し、HClおよびSO2はより高度に除去さ
れることになる。その後、排ガスはブロア(4)(11)
を経て煙突(5)へ送られる。
その結果、HClの除去率は93〜95%であり、SO2の除去率
も同じく92〜95%であった。しかし、この方法はあまく
でHClとSO2の除去に有効な手段であって、NOxの除去は
全くなされなかった。
実施例1 比較例1と同じパイロットプラントを用いて、同条件の
実験を実施した。ただし、本実施例においては第1図に
示したように排ガス冷却塔(6)と反応塔(8)の間に
おいて、上流側で排ガスにBr2ガスを注入し、下流側でN
H3ガスを注入した。Br2ガスおよびNH3ガスの注入量は下
記の式で示される当量数でBr2およびNH3ともに1.1〜1.2
になるようにした。
その結果、HCl除去率は95〜98%、SO2除去率はほぼ100
%に達し、NOx除去率は70〜85%であった。
比較例2 本比較例では第2図に示すフローのパイロットプラント
を使用した。このプラントは排ガス処理量1400〜1700Nm
3/hのものであり、第1図のプラントにおける反応塔
(8)およびスラリータンク(9)を具備せず、NH3
入点の後流側の排ガス通路に粉状消石灰の注入点を有す
る。このプラントはその他の点では第1図のプラントと
同じ構成を有する。
第2図に示すフローにおいて、焼却炉(1)で発生した
排ガスは熱交換器(2)で冷却され、約250℃で電気集
塵器(3)へ導入され、そして、排ガスはここで除塵さ
れた後、ブロア(4)を経て煙突(5)から大気へ拡散
される。
焼却炉(1)から電気集塵器(3)に至るダクト中間部
で排ガスは抜き出され、排ガス抜き出し量は1400〜1700
Nm3/h(ドライガスベース)である。この排ガスはまず
排ガス冷却塔(6)に導入される、ここで水タンク
(7)から来る水の噴霧によって130〜180℃まで冷却さ
れる。その後、排ガスに粉状の消石灰が注入される。そ
の注入量は2〜5kg/hであり、この中の有効石灰の量が
比較例1で記載した式で示される当量数で1.0〜1.3にな
るよう、同消石灰を注入した。
排ガスは最後にバグフイルター(10)に導入され、生成
した塩化カルシウムおよび硫酸カルシウム、さらにはご
み焼却炉本来のダストが系外へ分離除去される。その
後、排ガスはブロア(4)(11)を経て煙突(5)へ送
られる。
その結果、HClの除去率は85〜92%であり、SO2の除去率
も80〜90%であった。しかし、この方法はあまくでHCl
とSO2の除去に有効な手段であって、NOxの除去は全くな
されなかった。
実施例2 比較例2と同じパイロットプラントを用いて、同条件の
実験を実施した。ただし、本実施例においては第2図に
示したように排ガス冷却塔(6)と消石灰の注入点の間
において、上流側で排ガスにBr2ガスを注入し、下流側
でNH3ガスを注入した。Br2ガスおよびNH3ガスの注入量
は実施例1で記載した式で示される当量数でBr2およびN
H3ともに1.1〜1.2になるようにした。
その結果、HCl除去率は90〜95%、SO2除去率はほぼ100
%に達し、NOx除去率は70〜85%であった。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はいずれも本発明の実施例を示すフ
ローシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 利治 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目6番14号 日立造船株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−214524(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼排ガス中に臭素ガスとアンモニアガス
    とスラリー状または粉状の水酸化カルシウムおよび/ま
    たは炭酸カルシウムとを添加することにより、硫黄酸化
    物、塩化水素ガスおよび窒素酸化物を同時に除去するこ
    とを特徴とする燃焼排ガスの処理方法。
  2. 【請求項2】燃焼排ガス流路において、冷却装置の後流
    側に臭素ガス供給装置が設けられ、これの後流側にアン
    モニアガス供給装置が設けられ、これの後流側にスラリ
    ー状または粉状の水酸化カルシウムおよび/または炭酸
    カルシウムの供給装置が設けられていることを特徴とす
    る請求項1の方法に使用される燃焼排ガスの処理装置。
JP20513489A 1989-07-07 1989-08-08 燃焼排ガスの処理方法およびその装置 Expired - Lifetime JPH0698266B2 (ja)

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