JPH0696603B2 - 自己分散型水性ビニル樹脂の製造法 - Google Patents

自己分散型水性ビニル樹脂の製造法

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JPH0696603B2
JPH0696603B2 JP62116668A JP11666887A JPH0696603B2 JP H0696603 B2 JPH0696603 B2 JP H0696603B2 JP 62116668 A JP62116668 A JP 62116668A JP 11666887 A JP11666887 A JP 11666887A JP H0696603 B2 JPH0696603 B2 JP H0696603B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/04Polymerisation in solution
    • C08F2/06Organic solvent

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は転相法を特徴とする均一で粒径の小さい自己分
散型水性ビニル樹脂の製造法に関するものである。
〔従来の技術及び問題点〕 従来、水性樹脂分散体は大部分乳化重合法によって製造
されており、重合反応と生成水性樹脂分散体の安定性を
保つため、数%の乳化剤が使用されている。
通常この処方で粒径の小さい水性樹脂分散体を得ようと
すると、比較的多量の乳化剤を必要とする。
しかしながら、用いられた乳化剤は乾燥後の皮膜の耐水
性、密着性、接着性、耐候性、機械的強度等を低下させ
るなど有害な副作用を示す。
これらの問題点を改良する方法としてソープフラー乳化
重合法が注目されている。このような重合法の詳細は多
くの文献に述べられており、例えば山崎らの「合成ポリ
マーラテックスの新展開と問題点」〔化学工業資料(東
工試ニュース)vol 13(4)P3(1978)〕に記述されて
いるが、ソープフリー乳化重合より得られた水性樹脂分
散物は放置安定性と機械的安定性が著しく悪いといった
問題点があり、実用的でない。
又、例えば特公昭49−36942号公報には、単量体のイン
ターポリマーのアンモニア−粉砕粒子の水性コロイド分
散液からなり、前記のインターポリマーは10,000〜150,
000の重量平均分子量を有しており、そしてメタクリル
酸メチルの少なくとも20重量%と、4〜16個の炭素原子
をもつアクリル酸アルキル及び6〜16個の炭素原子をも
つメタクリル酸アルキルからなる群から選ばれたエステ
ルの0〜75重量%と、スチレン、酢酸ビニル及び塩化ビ
ニルからなる群から選ばれたエチレン性不飽和共重合性
単量体の0〜40重量%と、1〜8重量%のアクリル酸、
1〜8重量%のメタクリル酸、4〜8重量%のマレイン
酸及び4〜8重量%のイタコン酸からなる群から選択さ
れた酸とからなり、この酸の少なくとも約30モル%はア
ンモニウム塩の形態でありそしてこの粒子数の少なくと
も約95%は直径0.01〜0.1μの範囲の大きさを有すると
いう内容のものが開示されているが、この発明のコロイ
ド分散体はアルカリ膨潤させたカルボン酸変性のアクリ
ル系ポリマーラテックスを高温下で激しく機械的剪断力
のもとに粒子を分割する方法で、操作が複雑なことと、
共重合体中のカルボン酸モノマー量や、アルカリ中和度
などの極めて限定された条件下でのみ粒子径の小さい水
性樹脂分散体が得られるといった問題点があり、又、こ
の種の方法は均一な粒径分布を得ることが困難であるば
かりでなく粗大粒子が沈降する等、分散物の安定性に問
題がある。
又、例えば特開昭58−136647号公報には、酸性基を有す
る不飽和単量体2〜20重量%とこれと共重合可能な他の
不飽和単量体98〜80重量%とからなる重量平均分子量10
4〜106の共重合体を合成した後、未反応物もしくは未反
応物と媒体とを除去して実質的に未反応物および媒体を
含まぬ固形物を調製し、この共重合体にアンモニア水、
苛性ソーダなどのアルカリ水溶液を加えて40〜95℃の温
度下で中和処理し、その後更に撹拌しながら水を徐々に
滴下することにより半透明な分散体を得る方法が開示さ
れているが、この種の方法は均一な粒径分布を得ること
が困難であるばかりでなく、粗大粒子が沈降する等、分
散物の安定性に問題がある。
特にガラス転位温度の高いポリマー(例えばスチレン、
メチルメタクリレート等)はその傾向が著しい。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の問題点を解決した均一で安定な粒
子径の小さい自己分散型水性ビニル樹脂の製造法に関
し、鋭意研究の結果、転相法を特徴とする均一で安定な
粒子径の小さい自己分散型水性ビニル樹脂を得ることに
成功し本発明に到った。
即ち、本発明は、塩生成基を有する重合可能な二重結合
を有する単量体0.5〜15.0重量%と、それと共重合し得
る重合可能な二重結合を有する単量体99.5〜85.0重量%
とを、アルコール系及び/又はケトン系溶剤中で溶液重
合を行ない均質な共重合体を得、次にこの共重合体に、
必要に応じ中和剤を加え塩生成基をイオン化し、続いて
水を加えた後、アルコール系及び/又はケトン系溶剤を
留去し水系に転相することを特徴とする安定な自己分散
型水性ビニル樹脂の製造法に係わるものである。
本発明に用いられる塩生成基を有し重合可能な二重結合
を有する単量体としては、アニオン性単量体、カチオン
性単量体、両性単量体等がある。更に詳しくはアニオン
性単量体としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和
スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等があり、
カチオン性単量体としては不飽和3級アミン含有モノマ
ー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等があり、両性
単量体としては、N-(3-スルホプロピル)‐N-メタクロ
リルオキシエチル‐N,N-ジメチルアンモニウムベタイ
ン、N-(3-スルホンプロピル)‐N-メタクロリルアミド
プロピル‐N,N-ジメチルアンモニウムベタイン、1-(3-
スルホンプロピル)‐2-ビニルピリジニウムベタイン等
がある。
具体的に説明すると、アニオン性単量体のうち不飽和カ
ルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール
酸、シトラコン酸等、又はそれらの無水物等がある。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン
酸、2-アクリルアミド‐2-メチルプロパンスルホニック
アシッド、3-スルホプロピル(メタ)アクリックアシッ
ドエステル、ビス‐(3-スルホプロピル)‐イタコニッ
クアシッドエステル等及びその塩がある。又、その他2-
ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステ
ル及びその塩がある。
不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビ
ニルホスフェート、アシッドホスホキシエチル(メタ)
アクリレート、3-クロロ‐2-アシッドホスホキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、アシッドホスホキシプロピル
(メタ)アクリレート、ビス(メタアクリロキシエチ
ル)ホスフェート、ジフェニル‐2-メタクリロイロキシ
エチルホスフェート、ジフェニル‐2-アクリロイロキシ
エチルホスフェート、ジブチル‐2-メタクリロイロキシ
エチルホスフェート、ジブチル‐2-アクリロイロキシエ
チルホスフェート、ジオクチル‐2-(メタ)アクリロイ
ロキシエチルホスフェート等がある。
カチオン性単量体としては、不飽和3級アミン含有モノ
マー及び不飽和アンモニウム塩含有モノマー等がある
が、具体的には、ビニルピリジン、2-メチル‐5-ビニル
ピリジン、2-エチル‐5-ビニルピリジンの如きモノビニ
ルピリジン類;N,N-ジメチルアミノスチレン、N,N-ジメ
チルアミノメチルスチレンの如きジアルキルアミノ基を
有するスチレン類;N,N-ジメチルアミノエチルメタクリ
レート、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-
ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルア
ミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル
メタクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレ
ート、N,N-ジエチルアミノプロピルメタクリレート、N,
N-ジエチルアミノプロピルアクリレートの如きアクリル
酸又はメタクリル酸のジアルキルアミノ基を有するエス
テル類;2-ジメチルアミノエチルビニルエーテルの如き
ジアルキルアミノ基を有するビニルエーテル類;N-
(N′,N′‐ジメチルアミノエチル)メタクリルアミ
ド、N-(N′,N′‐ジメチルアミノエチル)アクリルア
ミド、N-(N′,N′‐ジエチルアミノエチル)メタクリ
ルアミド、N-(N′,N′‐ジエチルアミノエチル)アク
リルアミド、N-(N′,N′‐ジメチルアミノプロピル)
メタクリルアミド、N-(N′,N′‐ジメチルアミノプロ
ピル)アクリルアミド、N-(N′,N′‐ジエチルアミノ
プロピル)メタクリルアミド、N-(N′,N′‐ジエチル
アミノプロピル)アクリルアミドの如きジアルキルアミ
ノ基を有するアクリルアミドあるいはメタクリルアミド
類、或いはこれらをハロゲン化アルキル(アルキル基の
炭素数1ないし18、ハロゲンとして塩素、臭素、ヨウ
素)、ハロゲン化ベンジル、例えば塩化ベンジルまたは
臭化ベンジル、アルキルまたはアリールスルホン酸、例
えばメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはトル
エンスルホン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素
数1ないし18)、および硫酸ジアルキル(アルキル基の
炭素数1ないし4)の如き公知の四級化剤で四級化した
もの等が挙げられる。
本発明において、塩生成基を有する重合可能な二重結合
を有する単量体と、それと共重合し得る重合可能な二重
結合を有する単量体の配合割合は前者0.5〜15.0重量
%、後者99.5〜85.0重量%である。塩生成基を有する重
量可能な二重結合を有する単量体の量が0.5重量%未満
では均一で安定な粒径の小さい自己分散型水性樹脂分散
体が得られない。一方、15重量%を越えると、実用性の
ある耐水性を有する樹脂が得られない。
本発明に用いられる塩生成基を有する重合可能な二重結
合を有する単量体と共重合し得る重合可能な二重結合を
有する単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-アミル、アク
リル酸イソアミル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸
2-エチルヘキシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸
デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸n-アミル、メタクリル酸n-ヘ
キシル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸2-エチ
ルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシ
ルなどのメタクリル酸エステル類、スチレン、ビニルト
ルエン、2-メチルスチレン、1-ブチルスチレン、クロル
スチレンなどのスチレン系モノマー、アクリル酸ヒドロ
キシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどのヒド
ロキシ基含有モノマー、N-メチロール(メタ)アクリル
アミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなど
のN-置換(メタ)アクリル系モノマー、アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有
モノマー、又、次の式 CH2=CHCOOC2H4C6F13、CH2=CHCOOC2H4C8F17、 CH2=CHCOOC2H4C10F21、CH2=CHCOOC2H4C12F25、 CH2=C(CH3)COOC2H4C6F13、CH2=C(CH3)COOC2H4C
8F17、 CH2=C(CH3)COOC2H4C10F21、 CH2=C(CH3)COOC2H4C12F25、 CH2=CHCOOC2H4CF2 6H、 CH2=CHCOOC2H4CF2 8H、 CH2=C(CH3)COOC2H4CF2 6H、 CH2=C(CH3)COOC2H4CF2 8H、 等で示されるフッ化アルキル基を結合した(メタ)アク
リル酸エステル、並びにアクリロニトリルなどの1種又
は2種以上から選択することができる。
本発明に用いられるアルコール系溶剤としては、例えば
メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパ
ノール、n-ブタノール、第2級ブタノール、第3級ブタ
ノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール、2-イ
ミノエタノール等が挙げられ、好ましくはイソプロパノ
ールである。
又、ケトン系溶剤としては、例えばアセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン等が挙
げられ、好ましくは、メチルエチルケトンである。
これらは1種又は2種以上混合して用いられる。必要に
よっては高沸点親水性有機溶剤を併用してもよい。
高沸点親水性有機溶剤としては、フェノキシエタノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、3-メチル‐3-メトキシブタ
ノール等がある。
ここに用いる開始剤としては、公知のラジカル開始剤が
用いられる。例えば、t-ブチルヒドロペルオキシドに代
表されるヒドロ過酸化物類、過酸化ジt-ブチルに代表さ
れる過酸化ジアルキル類、過酸化アセチルに代表される
過酸化ジアシル類、過酢酸t-ブチルに代表される過酸エ
ステル類、メチルエチルケトンペルオキシドに代表され
るケトンペルオキシド類、及び2,2′‐アゾビス(イソ
ブチロニトリル)、2,2′‐アゾビス(2,4-ジメチルワ
レロニトリル)、1,1′‐アゾビス(シクロヘキサン‐1
-カルボニトリル)等に代表されるアゾ重合開始剤が挙
げられる。
前記各原料を使用して均一で安定な自己分散型水性樹脂
分散物を得るには、例えば、撹拌機、還流冷却器、滴下
ロート、温度計、チッ素ガス導入管のついた反応器を準
備し、塩生成基を有する重合可能な二重結合を有する単
量体0.5〜15.0重量%と、それと共重合し得る重合可能
な二重結合を有する単量体99.5〜85.0重量%と、ラジカ
ル開始剤を全モノマーに対し0.05〜0.5重量%及び必要
によっては連鎖移動剤を用い、アルコール系及びケトン
系溶剤の一種又は二種以上を用いチッ素ガス気流中で50
℃〜溶剤還流下で均質な共重合体を得、次にこの共重合
体に、必要に応じて中和剤等を加え塩生成基をイオン化
し(すでにイオン化されている場合は不要)、続いて水
を加えた後、アルコール系及び/又はケトン系溶剤を留
去し水系に転相することにより得られる。
塩生成基を有する重合可能な二重結合を有する単量体は
0.5〜15.0重量%の範囲がよく、0.5重量%未満では安定
な自己分散型水性ビニル樹脂が得られない。一方15重量
%を越えると塗膜の耐水性が劣る。
均質な共重合体を得る方法としては、可能な限り反応系
中のモノマー比率を一定に保つようにモノマーの滴下速
度をコントロールすることが好ましい。具体的には、共
重合性がとぼしく反応速度の遅いモノマーを初期にその
全量又は一部を反応器中に仕込み、反応速度の速いモノ
マー等を反応器中に滴下するか、又は、反応速度の遅い
モノマーと反応速度の速いモノマーの一部を反応器中に
仕込み、この組成を可能な限り一定に保ち反応速度の速
いモノマーの消費速度にあわせ、反応速度の速いモノマ
ーを滴下すること等により均質な共重合体が得られる。
このような均質な共重合体を得るには乳化重合法、懸濁
重合法、沈殿重合法、バルク重合法、溶液重合法等の重
合処方の内、沈殿重合法、バルク重合法、溶液重合法が
優れており、特に転相溶媒として有効なアルコール系又
はケトン系溶液中で溶液重合する事が特に好ましく工業
的に有利である。
本発明で得られる自己分散型水性ビニル樹脂の数平均分
子量は10,000〜500,000が好適である。この理由は10,00
0未満では塗膜の物性が劣り、また500,000を越えると高
粘度となり転相工程等で支障をきたし、高濃度で安定な
自己分散型水性ビニル樹脂が得られない。
このような本発明で得られた自己分散型水性ビニル樹脂
は透過光でほぼ完全な透明性を有しており、レーザー光
を照射するとコロイド特有のチンダル現象を有してい
る。
本発明で得られた、均一で安定な自己分散型水性ビニル
樹脂の粒径は、好ましくは0.001〜0.1μであり、更に好
ましくは0.001〜0.06μである。
本発明で得られる自己分散型水性ビニル樹脂は、織物、
不織布、紙、木材、皮革、ゴム、プラスチック、金属、
ガラス、コンクリート、石膏、窯業系サイディング材、
ALC板等に含浸させるか、或いはこれらの表面に塗布す
ることにより、表面コーティング、接着、風合い改良な
どの性質向上の効果を得ることができる外、陰極線管用
フィルミング液、バーコードラベル(POSラベル)用コ
ーティング剤、土木建築関係、インキ、塗料、粉末エマ
ルション並びにゴムラテックスや樹脂エマルションが一
般に応用されている分野で有利に利用することができ
る。
また、構造的に見て高分子界面活性剤であるのでバイン
ダーとしての用途の他、一般の界面活性剤として広範な
用途を有する。例えば乳化重合用保護コロイド、石炭及
び炭酸カルシウム等の分散剤、凝集剤、結着剤、表面改
質剤等々の用途がある。
〔実施例〕
次に実施例、比較例を掲げて本発明を具体的に説明する
が、本発明がこれらに限定されないことは勿論である。
なお、例中の部及び%は特記しない限り全て重量基準で
ある。
実施例−1 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計、チッ素導入
管のついた反応器にメチルエチルケトン500部、メチル
メタクリレート123.5部、n-ブチルアクリレート293.7
部、アクリル酸82.8部を仕込み、チッ素ガスを流し溶存
酸素を除去する。
一方滴下ロートに溶存酸素を除去したメチルエチルケト
ン253部とメチルメタクリレート253部及びアゾビスイソ
ブチロニトリル0.5部を仕込む。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加
え、滴下ロートよりメチルメタクリレートの消費速度に
あわせてモノマーを滴下する。
モノマーを滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル1.
5部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、
更に2時間熟成、再びアゾビスイソブチロニトリル0.7
部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、再
び4時間反応を続け、均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン120部を加え中和
し、続いてイオン交換水2700部を加えた後、減圧下望ま
しくは50℃以下でメチルエチルケトンを留去し、透明な
自己分散型水性ビニル樹脂を得た。
実施例−2 実施例−1と同様にメチルエチルケトン500部、メチル
メタクリレート131.4部、n-ブチルアクリレート338.3
部、アクリル酸30.4部を仕込み、チッ素ガスを流し溶存
酸素を除去する。
一方滴下ロートに溶存酸素を除去したメチルエチルケト
ン281.2部とメチルメタクリレート281.2部及びアゾビス
イソブチロニトリル0.56部を仕込む。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加
え、滴下ロートよりメチルメタクリレートの消費速度に
あわせてモノマーを滴下する。
モノマーを滴下終了後、アゾビスイソブチロニトリル1.
5部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、
更に2時間熟成後アゾビスイソブチロニトリル0.7部を
メチルエチルケトン10部に溶解したものを加え、4時間
反応を続け均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン43部を加え中和
し、続いてイオン交換水2550部を加え実施例−1と同様
の処方で透明な自己分散型水性ビニル樹脂を得た。
実施例−3 実施例−1と同様にイソプロピルアルコール400部、メ
チルメタクリレート153.8部、n-ブチルアクリレート34
0.8部、アクリル酸5.4部を仕込みチッ素ガスを流し溶存
酸素を除去する。
一方滴下ロートに溶存酸素を除去したイソプロピルアル
コール269部とメチルメタクリレート269部及びアゾビス
イソブチロニトリル5.4部を仕込む。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部をイソプロピルアルコール100部に溶解したもの
を加え、滴下ロートよりメチルメタクリレートの消費速
度にあわせてモノマーを滴下する。モノマー滴下終了
後、アゾビスイソブチロニトリル1.5部をイソプロピル
アルコール10部でスラリー状にしたものを加え、更に2
時間反応後、再びアゾビスイソブチロニトリル0.7部を
イソプロピルアルコール10部でスラリー状にしたものを
加え、4時間反応を続け均質な共重合体を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン8部を加え中和
し、続いてイオン交換水2400部を加え実施例−1と同様
の処方で透明な自己分散型水性ビニル樹脂を得た。
実施例−4 実施例−1と同様にメチルエチルケトン500部、メチル
メタクリレート166.7部、n-ブチルアクリレート280部、
ジメチルアミノエチルメタクリレート53.3部を仕込みチ
ッ素ガスを流し溶存酸素を除去する。
一方滴下ロートに溶存酸素を除去したメチルエチルケト
ン166.7部とメチルメタクリレート166.7部及びアゾビス
イソブチロニトリル0.33部を仕込む。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加
え、滴下ロートよりメチルメタクリレートの消費速度に
あわせてモノマーを滴下する。モノマー滴下終了後、ア
ゾビスイソブチロニトリル1.3部をメチルエチルケトン1
0部に溶解したものを加え、更に2時間熟成後アゾビス
イソブチロニトリル0.7部をメチルエチルケトン10部に
溶解したものを加え、4時間反応を続け均質な共重合体
を得た。
次にこの共重合体に70%グリコール酸35部を加え中和
し、続いてイオン交換水2140部を加え実施例−1と同様
の処方で透明な自己分散型水性ビニル樹脂を得た。
比較例−1 実施例−1と同様にメチルエチルケトン500部、メチル
メタクリレート131.6部、n-ブチルアクリレート236.8
部、アクリル酸131.6部を仕込みチッ素ガスを流し溶存
酸素を除去する。
一方滴下ロートに溶存酸素を除去したメチルエチルケト
ン157.9部とメチルメタクリレート157.9部及びアゾビス
イソブチロニトリル0.4部を仕込む。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加
え、滴下ロートよりメチルメタクリレートの消費速度に
あわせてモノマーを滴下する。モノマー滴下終了後、ア
ゾビスイソブチロニトリル1.4部をメチルエチルケトン1
0部に溶解したものを加え、更に2時間熟成後アゾビス
イソブチロニトリル0.7部をメチルエチルケトン10部に
溶解したものを加え、4時間反応を続け均質な共重合体
を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン185部を加え中和
し、続いてイオン交換水2600部を加え実施例−1と同様
の処方で透明な自己分散型水性ビニル樹脂を得た。
比較例−2 実施例−1と同様にメチルエチルケトン500部、メチル
メタクリレート153.8部、n-ブチルアクリレート340.8
部、アクリル酸2.3部を仕込みチッ素ガスを流し溶存酸
素を除去する。
一方滴下ロートに溶存酸素を除去したメチルエチルケト
ン269部とメチルメタクリレート269部及びアゾビスイソ
ブチロニトリル0.54部を仕込む。
反応器を83±3℃に加熱後、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部をメチルエチルケトン10部に溶解したものを加
え、滴下ロートよりメチルメタクリレートの消費速度に
あわせてモノマーを滴下する。モノマー滴下終了後、ア
ゾビスイソブチロニトリル1.5部をメチルエチルケトン1
0部に溶解したものを加え、更に2時間熟成後アゾビス
イソブチロニトリル0.7部をメチルエチルケトン10部に
溶解したものを加え、4時間反応を続け均質な共重合体
を得た。
次にこの共重合体にトリエチルアミン3.4部を加え中和
し、続いてイオン交換水2400部を加え実施例−1と同様
の処方で乳白色な自己分散型水性ビニル樹脂を得た。
実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例2で得られた
水性樹脂について以下に示す方法により物性を評価し
た。
その結果を表1に示す。
物性評価方法 (1) 粒 径 COULTER ELECTRONICS INC 製のCOULTER MODEL N4で測
定。
(2) 性 状 水性樹脂の肉眼で観察した性状を記述。
(3) 高温放置安定性 水性樹脂を温度40℃±2℃に保った恒温器に1ケ月間放
置した後、外観の状態を観察し、○,△,×の三段階に
区別した。
○:全く不変 △:40℃下で1週間以上安定で、40℃下で1ケ月以内に
増粘もしくは沈殿物発生。
×:40℃下で1週間以内に分離ないしは多量の沈殿物発
生。
(4) 希釈安定性 樹脂分1%になるように蒸溜水で希釈し、これを内径7m
m、長さ30cmのガラス管に入れて密栓し、24時間後の状
態を観察し、○,△,×の三段階に区別した。
○:分離、沈降認められず均一 △:少量の沈降認められるが、実用レベル内 ×:分離、沈降物多く実用レベル外 (5) 機械的安定性(マーロン試験器) マーロン試験器受器に水性樹脂100gを入れ、荷重10kgで
5分間撹拌後、水性樹脂を100メッシュ金網で濾過し、
凝集物を105℃で3時間乾燥し重量を求め、下記式にて
機械的安定性を求める。
(6) 光 沢 ガラス板に水性樹脂組成物を塗布し乾燥後、スガ試験機
(株)の光沢計を測定した。未塗布ガラス板よりも光沢
の良いものを○印とし、劣るものを×印として表示し
た。
参考に同光沢計による2〜3の例を示す。
数字が大きい方が光沢性が良い。
(7) 耐水性 テフロンコーティング皿に水性樹脂組成物を入れ乾燥し
て得たフィルムを25℃の水中に1日間浸漬し、状態の変
化を観察した。
○:塗膜の膨潤率5%以内で白化等の変化のないもの △:塗膜の膨潤率5%〜10%で白化等の変化のないもの
及び若干白化するもの ×:塗膜の膨潤率10%以上で白化等表面変化の大きいも
の (8) 浸透性 (供試体の作成) 小野田普通ポルトランドセメント、標準砂(山口県豊浦
産)及び水を1対1対0.5重量部の割合に配合し、万能
混合撹拌機(5DM-03-R型:(株)三英製作所製)にて低
速1分、高速2分混練し、4×4×16cmの型枠に詰め成
型し、2日後に脱型し、80℃、3時間乾燥し、乾燥後冷
却し、デシケーター内に保存した。
(試験方法) 水性樹脂組成物の15%水液100mlを直径約6cmのビーカー
に入れ、これに上記モルタル供試体を60分間浸漬し、60
分後取り出し、下部1.5cmの所を4×4cmの面と平行に切
断し、50℃で3時間乾燥した。エマルションの浸透深さ
に付き以下の様な方法で測定した。
(測定法) 切断面をX線マイクロアナライザー(JCXA-733型、日本
電子技術サービス(株)製)を用いて樹脂中に最も多く
含まれている炭素分布を測定し、炭素が多く分布してい
るものを浸透しているとし○印で表示し、炭素分布が認
められないものを浸透していないとし×印で表示した。
(9) 密着性 (8)項で得た供試体を用い、JIS K5400-1979年「塗料
一般試験法」中に記載の碁盤目試験に準じて行った。
但し2×2cmを4mm間隔にカットし合計25の碁盤目を作り
25〜20付着しているものを○印で表示し、20〜10付着し
ているものを△印で表示し、10以下のものを×印で表示
した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩生成基を有する重合可能な二重結合を有
    する単量体0.5〜15.0重量%と、それと共重合し得る重
    合可能な二重結合を有する単量体99.5〜85.0重量%と
    を、アルコール系及び/又はケトン系溶剤中で溶液重合
    を行ない均質な共重合体を得、次にこの共重合体に、必
    要に応じ中和剤を加え塩生成基をイオン化し、続いて水
    を加えた後、アルコール系及び/又はケトン系溶剤を留
    去し水系に転相することを特徴とする安定な自己分散型
    水性ビニル樹脂の製造法。
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