JPH0695968B2 - 車両座席組立体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、車両座席組立体、特に湾曲する角の回りで円
滑な外面を備える装飾されたカバー組立体に関する。

［従来の技術］ 車両座席組立体は一般に座席クツシヨンと背部とを有
し、各々は剛性の高い支持フレームと体型に合わせて作
られた発泡パツドとを有し、発泡パツドは支持フレーム
を取り囲み座席カバー組立体は発泡パツド上に在る。カ
バーの外側表面は、多くの場所でほぼ膨れ湾曲した外形
を示す。しかし、少しの伸び特性しか有しない或いは伸
び特性を有しない従来の織物を使用する時は、座席カバ
ー組立体の後部が座席カバー組立体の前部と接する角の
回りに円滑な湾曲する形態を達成する事は困難である。
しばしばカバー織物内のダーツが湾曲に沿つて現れる。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、縫い目に沿つた湾曲する輪郭が円滑で
且つ材料の視覚的なギヤザー付け或いはダーチング（da
rting）が自由な、従来の織物の座席カバーを提供する
事である。本発明のもうひとつの目的は、単純で効率的
な製造方法により、角を囲む円滑な外部輪郭を有する座
席カバーを提供する事である。

［課題を解決するための手段とその作用］ 本発明の車両座席カバー組立体は、車両座席クツシヨン
組立体及び／又は座席背部組立体上に使用される。各々
の組立体は第一カバー部材と第二カバー部材とを有し、
それらは縫い目で共に結合される。

本発明による背部組立体は、支持フレームと前カバー部
材と前もつて成形された発泡パツドを囲んで内包する後
カバー部材とを有している。前後のカバー部材は織物形
式の材料から前もつて切断される。カバー部材は湾曲す
る角を有し、それらの角は材料の端縁に沿つて互いに組
み合わされている。

一つの部材の角は、角を囲んで部材の端縁に平行な線に
沿うシヤーリング糸縫い目を有している。このシヤーリ
ング縫い目は端縁に沿つて小さな増分で均一に材料にギ
ヤザーを作り、湾曲する角に沿つて材料内に緩やかに湾
曲するポケツトを形成する。二つの部材の端縁は端縁に
平行な糸縫い目で側部と頭部に沿つて結合され、開口す
る端部を有する袋を形成する。

後部材は又中央ジツパーにより結合される二つの半分の
後部材から形成されても良い。前部材がシヤーリング縫
いされる時、後部材は織物或いは皮或いは人工皮革材料
で形成されても良い。

前後のカバー部材は、（１）一つのカバー部材の織物を
丸い角にほぼ平行に丸い角の端縁に沿つてシヤーリング
縫い目で縫う事と、（２）前カバーの外側を後カバー部
材の外側に対して相補的な関係でカバー部材の端縁に沿
つて位置決めする事と、（３）カバー部材をそれらの端
縁に沿つて共に縫う事と、（４）カバーを裏返しにして
前カバーの外側が外側に後カバーの外側を外側にする事
とにより結合される。

こうして形成されるカバーはそれから予め成形された発
泡パツド上にたたみこまれ又それから支持フレーム上に
たたみこまれる。或いは代替として、後カバー部材内に
垂直方向のジツパーを有する座席カバーが発泡パツド上
に位置決めされてジツパーが閉じられて組立体が完成さ
れても良い。こうして形成されたカバーは座席背部組立
体の湾曲する角に沿つて円滑な輪郭を成し、こうして座
席背部組立体はきちんとしたあつらえの外観を呈しカバ
ーとその中に収容される発泡パツドとの適合を高める。

シヤーリング縫い目構造は又車両座席部分或いは背部カ
バー部分の相対する端部で特殊な織物材料にギヤザーを
作る為に使用されても良く、それにより座席表面或いは
背部カバー表面に形成される装飾的タツクを補償し、こ
うして座席或いは背部は完成したカバーの表面に於いて
円滑な丸い輪郭を成す。これは特に、少しの伸び特性し
か有さない或いは伸び特性を有さない材料を使用する完
成座席に膨らんだ形状を達成するのに有効である。

［実施例］ 図面を参照すると、本発明の好適実施例による発泡カプ
セル座席背部の為のカバーは第１図に10で示されてい
る。車両座席背部は端縁17を有する前カバー部材16と端
縁19を有する後カバー部材18とを有している。後カバー
部材18は左半分部分20と右半分部分21とから構成され、
それらの部分はジツパー22により結合される。前カバー
部材16は適当な織物材料で作られ、その材料は湾曲する
角領域を伴つて前もつて切断された平坦な形状を有して
いる。後カバー部材18は適当な材料或いは織物から切断
され、材料或いは織物は湾曲する角領域を伴つて前もつ
て切断された平坦な形状を有し、湾曲する角領域は前カ
バー部材16の角24と26とに合わされる様になつている。

角24と角26とは、湾曲する角の端縁17近くの線に沿つて
湾曲する角にほぼ平行に糸を伴う材料にひだをよせるた
めのひだよせ縫い目として作用するシャーリング縫い目
を有し、端縁17に沿つて材料にひだを取り、即ち、ギャ
ザーを作り、前カバー部材16の湾曲する角24と26に沿つ
て円滑な湾曲するポケツトを形成する。前カバー部材16
は糸の縫い目36で後カバー部材18と結合され、糸の縫い
目36は、カバーの端縁17と19にほぼ平行であり且つカバ
ーの端縁17と19から間隔を置かれ、又内側カバー10上に
縫い目28を形成する整合関係で合わされた前カバー部材
16と後カバー部材18の両方を貫通する。前成形された発
泡パツド30は結合された前後カバー部材16と18との間に
収容され、結合された前後カバー部材16と18は第１図に
示される円滑な座席背部組立体を形成する。

従来の構造に於いて、車両座席背部上のカバーの角は円
滑な輪郭を成していない。湾曲する角を囲んで縫い目で
材料に不均一なギヤザーを作る事は、第２図に示される
様な皺或いはダーツ15を形成する。比較として、本発明
で形成される角24は第３図に示される様に円滑な湾曲輪
郭を成す。

本発明による又第１図、第３図、第４図、第５図に示さ
れる好適実施例による座席背部カバーの組立中、カバー
は丸い角24と26の端縁に沿う又丸い角24と26にほぼ平行
なシヤーリング縫い目で前カバー部材の織物を最初に縫
う事により形成される。シヤーリング縫い目32はシヤー
リング縫い目32の方向に直角に位置する糸34を引き締
め、こうして材料にギヤザーを作り、角24と26の回りで
前カバー部材16の他の部分では平坦な織物内に湾曲する
ポケツトを形成する。

第二に、前カバー部材16の外側は、それから後カバー部
材18の外側に対してカバー部材の端縁17と19とに沿つて
相補的な関係で配置される。

第三に、カバー部材はそれから端縁17と19とにほぼ平行
な線に沿つて糸36で縫い合わされる。

最後に、カバーは裏返され、前カバー部材の外方側は外
側になり、後カバー部材の外方側は外側になる。完成し
たカバーはそれから前に成形され引き続いて座席背部フ
レーム（図示されず）上に配置された発泡パツドを覆つ
て配置され得る。ジツパー22はそれから閉鎖され座席背
部の組立が完成する。

代替としては、カバーはジツパー22を利用する事無く形
成されても良く、後カバー部材は単一シート材料或いは
織物である。この実施例において、裏返しにされた完成
カバーは前に形成された発泡パツド30上にたたみこまれ
る。

本発明の主要な利点は、シヤーリング縫い目32がカバー
部材の材料の均一なギヤザー付けを達成して、前後のカ
バー部材が縫い目36を介して結合される時ダーツ或いは
皺が湾曲する角の縫い目に沿つて形成されない事であ
る。前に成形された発泡パツド30は、完成したカバー10
内に挿入される時、均一に湾曲するポケツトを満たし、
こうして円滑な湾曲する輪郭を完成した座席背部カバー
の外方表面に成し、より仕上がりの良いあつらえの外観
を全体として座席背部組立体に与える。これが従来技術
に対する改良である。

上記の方法により形成された角を有する車両座席クツシ
ヨン組立体は、第６図に示される。車両座席クツシヨン
40は頭部カバー部材46上に前方角42と44とを有してい
る。カバー部材46の前方端縁は第６図の下方破線48によ
り示される。組立中、上記の座席背部の角のおける様
に、前端部を横切りカバー部材46の角42と44を囲んで縫
われるシヤーリング縫い目50はシヤーリング縫い目の方
向に直角に位置する糸を寄せ集め、材料にギヤザーを作
り、座席カバー部材46のその他の所は平坦な織物に湾曲
したポケツト並びに前部を形成する。

カバー部材46は又織物挿入物52を有する。挿入物52は円
滑な丸い輪郭を有するほぼ平行な膨らんだ部分54の連な
りを形成する。

挿入物52は、最初に完成挿入物より広い織物の片を取
り、余分の材料にギヤザーを作るよう相対する端部をシ
ヤーリング縫いして、膨らんだ輪郭を形成する事により
形成される。平行なタツクの連なりは、それから挿入物
の本体内に取り入れられ、挿入物は第６図に示される輪
郭を有する完成形状の挿入物を形成する。平行なタツク
は挿入物の一部分を一緒に縫い或いは結合する事により
形成され得る。挿入物52の端縁はそれからカバー部材46
に縫い目56に沿つて縫い付けられる。カバー部材46はそ
れから底カバー部材58に縫い付けられ裏返しにされ、座
席カバー部材46と58の外方側は外側になる。完成したカ
バーはそれから前に成形された発泡座席パツドを覆つて
配置され、座席パツドは第６図に示される円滑な前端縁
輪郭と表面リブ付き輪郭とを成し、カバー部材46と58を
結合する円滑な縫い目60とカバー部材46が挿入物52を結
合する円滑な縫い目56とを形成する。

上記の記載から、本発明が、体型に合わせて作られた車
両座席或いは背部カバーを形成する改良された方法を提
供する事が、明らかにされる。

本発明の方法は特に、円滑で丸く体型に合わせて作られ
た表面を小さな伸び特性しか有しない或いは伸び特性を
有しない織物材料上に形成する為の物である。その様に
形成された輪郭は第６図に示される座席カバー40の挿入
物52内の様に真つ直ぐでも良く、或いは他の美的に好ま
しい表面形状に形成されても良い。上記構造の変形が無
論本発明の範囲から離れることなく成され得る。上記の
記載は本発明の一実施例のみを示し、付属される特許請
求の範囲を限定する意図は無い。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による座席背部用カバーの図、第２図
は、座席背部上に取り付けられたカバーの角を示す従来
の座席カバーの部分図、第３図は、第１図に示されるカ
バーの角の部分図、第４図は第１図の４−４線に沿つた
カバーの横断面図、第５図はカバー材料の糸の寄せ集め
を示す本発明によるカバー部材の材料内のシヤーリング
縫い目の拡大図、第６図は本発明によるカバー角と装入
物とを有する車両座席クツシヨンの図。 10……カバー、16……前カバー部材、18……後カバー部
材、20……左半分部分、21……右半分部分、22……ジツ
パー、24……湾曲角、26……湾曲角、28……縫い目、30
……発泡パツド、32……シヤーリング縫い目、34……
糸、40……座席クツシヨン、46……カバー部材、50……
シヤーリング縫い目、52……挿入物、56……縫い目、60
……円滑縫い目。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】車両座席組立体であり、 フレーム部材と、 前に切断された平坦な形状を有する第一カバー部材（1
   6）と、第一カバー部材（16）にかみあう前に切断され
   た平坦な形状を有する第二カバー部材（18）とを有し、
   丸い角（24,26）を形成する第一カバー部材（16）の一
   部は、第一カバー部材（16）の一方の端縁（17）に対し
   てほぼ平行に隣接して延びる糸（34）によるひだよせ縫
   い目（32）を有して、丸い角（24,26）に沿ってひだを
   取る、座席カバー（10）と、 フレーム部材に固定され、且つ第一カバー部材（16）と
   第二カバー部材（18）との間に収容される形成された発
   泡パッド（30）と、 ひだよせ縫い目（32）に対してその少なくても一部分が
   隣接する縫い目（28）を備えて端縁整合関係でかみあう
   第一カバー部材（16）と第二カバー部材（18）の両方を
   貫通して、第一カバー部材（16）と第二カバー部材（1
   8）の端縁（17,19）に沿って平行な糸の縫い目（36）
   と、を有する車両座席組立体。
2. 【請求項２】ひだよせ縫い目（32）は、前記丸い角（2
   4,26）に沿って配置される、特許請求の範囲第１項に記
   載の車両座席組立体。
3. 【請求項３】第二カバー部材（18）は、左半分部分（2
   0）と右半分部分（21）を備え、右半分部分（21）は、
   左半分部分（20）と右半分部分（21）の隣接する端縁の
   間でそれらに沿って縫い付けられているジッパー（22）
   により垂直方向に分割されている、特許請求の範囲第１
   項に記載の車両座席組立体。