JPH0692187B2 - 押圧力調整機能を備えたスタンパ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はスタンプ部を記録用紙に押圧させて印字を行な
うスタンパー、特に詳細にはスタンプ部を記録用紙に押
圧させる力を最適に調整する機能を備えたスタンパーに
関するものである。

（従来の技術） 例えば複写機によって複写されたコピーに日付や社印等
を印字するスタンパー（印字装置）として従来より、ス
タンプ部を保持し揺動可能に支持された揺動部材と、記
録用紙をはさんで上記スタンプ部と向かい合うように配
された対向部材と、この対向部材にスタンプ部を押圧さ
せる方向に上記揺動部材を付勢する付勢手段とを備えて
なるものが公知となっている。この種のスタンパーにお
いては一般に、モータにより回転されるカム板によって
上記揺動部材を揺動させて、印字を行なわせるようにし
ている。すなわち上記カム板は、印字指示が与えられな
いときはスタンプ部を対向部材から離す待機位置に揺動
部材を設定し、そして印字指示が与えられたとき所定量
回転して揺動部材から離れ、それにより揺動部材が前記
付勢手段の付勢力によって揺動し、スタンプ部が記録用
紙を介して対向部材に押圧して該用紙に印字がなされ
る。

上記構造のスタンパーにおいては、きれいに印字を行な
うために、スタンプ部の対向部材への押圧力（すなわち
記録用紙への押圧力）を最適値に設定することが必要不
可欠である。最近は上記スタンプ部をサーマルヘッドか
ら構成し、このサーマルヘッドをインクドナーシートを
介して記録用紙に押圧するようにしたスタンパーも提供
されており、このようなスタンパーにおいては特に上記
押圧力を正確に設定することが望まれる。そのために
は、上記カムが揺動部材から離れるタイミングとカムの
停止タイミングとを最適に設定する必要がある。つまり
カムが揺動部材から離れてからも回り続けると揺動部材
の揺動がカムによって妨げられ、反対にカムが揺動部材
から完全に離れる前に停止してしまうと揺動部材に所定
の付勢力が与えられず、どちらの場合も印字不良を招
く。

そこで従来は、揺動部材が前記待機位置にあることを位
置センサーで検出して該揺動部材が正確にこの位置で待
機するようにし、印字指示が与えられたならばモータを
所定回転角だけ回転させて、カムが揺動部材から離れる
タイミングとカムの停止タイミングとを厳密に規定する
ようにしていた。

（発明が解決しようとする問題点） ところが上述の位置センサーは個々に部品公差のバラツ
キがあり、高精度で所定位置に取り付けることは極めて
難しく、またモータのトルク負荷の点から、スタンパー
組立て後この位置センサーの取付位置や前記カムの取付
角度を厳密に調整する必要があり、その作業は大変面倒
なものとなっていた。

そこで本発明は、このような面倒な作業を必要とせずに
スタンプ部の記録用紙への押圧力を調整することができ
るスタンパーを提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段及び作用） 本発明の押圧力調整機能を備えたスタンパーは、前述の
ようなスタンプ部を保持した揺動部材と、対向部材と、
付勢手段と、カムと、位置センサーとからなるスタンパ
ーにおいて、 上記カムを駆動するモータとしてステッピングモータを
用い、 このステッピングモータは、上記位置センサーから揺動
部材が待機位置にあることを示す検出信号を受ける制御
回路により、該信号が入力されたとき停止させ、また印
字指示がなされたとき所定ステップ数回転させるように
し、 そしてこの制御回路にはモータ回転角設定手段を接続し
て、上記ステップ数を任意に変更できるようにしたこと
を特徴とするものである。

（実 施 例） 以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。

第１図および第２図は、本発明の一実施例による押圧力
調整機能を備えたスタンパーを示すものである。第２図
に示されるように記録用紙10は、用紙ガイド11の間を用
紙搬送ローラ12によって図中左方から右方側に搬送され
る。用紙ガイド11の一部には開口部13が形成され、そこ
には対向ローラ14が設けられている。この対向ローラ14
は用紙搬送方向に対して直角に配され、搬送される記録
用紙10はこの対向ローラ14上を移動する。該対向ローラ
14よりも用紙搬送方向上流側には、記録用紙10の通過を
検出する用紙検出センサー15が設けられている。この用
紙検出センサー15は例えば公知の光電式センサー等から
なるものであり、該センサー15が発する用紙検出信号S1
は、後に詳述する制御回路16に入力されるようになって
いる。

上記対向ローラ14の上側には、揺動軸17を中心に揺動自
在に支持された揺動部材18が配設されている。この揺動
部材18はコイルスプリング19により、第２図の矢印Ａ方
向に付勢されている。また揺動部材18の一端にはスタン
プ部としてのサーマルヘッド20が固定されており、該サ
ーマルヘッド20は上記スプリング19の付勢力によって揺
動部材18が矢印Ａ方向に揺動したとき、対向ローラ14に
押圧される。なおこのサーマルヘッド20と対向ローラ14
との間には、インクドナーシート21が公知の機構によっ
て張架されている。揺動部材18の他端近傍には、円板の
一部を切り欠いた形状のカム22が摺接するようになって
いる。このカム22は、前記制御回路16から駆動制御信号
S2を受けるステッピングモータ23によって回転される。
また揺動軸17の近傍において揺動部材18には検出端24が
固定されており、この検出端24は例えば光電式の位置セ
ンサー25によって検出されるようになっている。この位
置センサー25の検出信号S3は、前記制御回路16に入力さ
れる。また該制御回路16には、モータ回転角設定スイッ
チ26からステップ数変更指示信号S4が入力されるととも
に、印字モード設定スイッチ27から印字指示信号S5が入
力されるようになっている。

以下、上記構成のスタンパーの作動について説明する。
サーマルヘッド20によって印字を行なう前、揺動部材18
は後述のようにして第３図図示の待機位置、つまりサー
マルヘッド20が対向ローラ14から離れる位置に設定され
ている。制御回路16は印字モード設定スイッチ27から印
字指示信号S5が入力されている場合、前記用紙検出セン
サー15から用紙検出信号S1を受けてから（つまり搬送さ
れる記録用紙10の先端が検出されてから）所定時間経過
後ステッピングモータ23に駆動制御信号S2を送り、該ス
テッピングモータ23を第３図中反時計方向に所定ステッ
プ数だけ回転させる。それによりカム22は第２図図示の
回転位置、つまり揺動部材18から離れる回転位置に設定
され、そのため該揺動部材18はスプリング19の付勢力に
よって第２図の矢印Ａ方向に揺動する。したがってサー
マルヘッド20はインクドナーシート21および記録用紙10
を介して対向ローラ14に押圧する。このときサーマルヘ
ッド20は公知の方法によって発熱作動するようにされ、
その熱によりドナーシート21のインクが溶融され、該イ
ンクにより文字、社印等所定の内容が記録用紙10に印字
される。

次いで制御回路16には、例えば揺動部材18の印字動作を
検出するセンサー（図示せず）等から印字終了を示す信
号が入力され、制御回路16はこの信号を受けるとステッ
ピングモータ23を前記の場合とは逆に時計方向に回転さ
せる。するとカム22が揺動部材18を押し、揺動部材18は
第２図の矢印Ａ方向と反対方向に揺動する。揺動部材18
が第３図に示す待機位置まで戻り、位置センサー25が検
出端24を検出して検出信号S3を制御回路16に送ると、そ
こでステッピングモータ23は停止される。以上述べた動
作が繰り返されることにより、次々と搬送される記録用
紙10にはそれぞれ所定の内容が印字記録される。

ここで、前記位置センサー25の取付位置は、部品寸法の
バラツキ等により各スタンパー毎に僅かずつ異なること
が多い。このように位置センサー25の取付誤差が存在す
れば、該位置センサー25によって検出、規定される揺動
部材18の待機位置（第３図図示の状態）が各スタンパー
毎にまちまちとなってしまう。そうなれば、該揺動部材
18を印字作動させる際のステッピングモータ23の回転ス
テップ数を所定値に定めても、カム22が揺動部材18から
外れるタイミングと該カム22が停止するタイミングとが
まちまちになるので、サーマルヘッド20の記録用紙10へ
の押圧力を所望値に設定し得なくなる。つまり、カム22
が揺動部材18から離れてからもさらに回り続けると揺動
部材18の揺動がカム22によって妨げられ、反対にカム22
が揺動部材18から完全に離れる前に停止してしまうと揺
動部材18に所定の付勢力が与えられず、どちらの場合も
印字不良を招く。

そこで本装置においてはモータ回転角設定スイッチ26が
設けられ、該スイッチ26によって印字作動時のステッピ
ングモータ23の回転ステップ数が変更できるようになっ
ている。このモータ回転角設定スイッチ26は例えば公知
のディップスイッチからなり、該スイッチ26を操作して
いる間制御回路16にはステップ数変更指示信号S4が入力
され、制御回路16における上記ステップ数の設定値が連
続的に変更される。例えば印字作動時、カム22が揺動部
材18から外れた後もさらに回転し過ぎて揺動部材18の揺
動を妨げている場合には上記ステップ数を減らし、その
反対にカム22が揺動部材18から完全に外れる前に停止し
て揺動部材18の揺動を妨げている場合は、上記ステップ
数を増やす。このようにステッピングモータ23の回転ス
テップ数つまりはカム22の回転角を調整することによ
り、位置センサー25の取付位置誤差を補償して、サーマ
ルヘッド20の記録用紙10への押圧力を所望値に設定する
ことが可能となる。

なお以上説明した実施例においては、スタンプ部がサー
マルヘッド20から構成されているが、本発明はこのよう
なスタンプ部を有するスタンパーに限らず、その他例え
ばインクが塗布される印字体を用いて印字を行なうスタ
ンパー等に対しても同様に適用可能である。

（発明の効果） 以上詳細に説明した通り本発明の押圧力調整機能を備え
たスタンパーによれば、スタンプ部の記録用紙への押圧
力を最適な値に調整できるので、きれいに印字を行なう
ことができる。しかも本発明装置において上記押圧力の
調整は、機械的な調整によらず電気的に行なうようにし
ているので、調整作業は従来に比べて著しく簡単にな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例装置を示す斜視図、 第２図および第３図はそれぞれ、上記実施例装置の印字
時、印字待機時の状態を示す概略側面図である。 10……記録用紙、14……対向ローラ 16……制御回路、18……揺動部材 19……コイルスプリング、20……サーマルヘッド 22……カム、23……ステッピングモータ 24……検出端、25……位置センサー 26……モータ回転角設定スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スタンプ部を保持し揺動可能に支持された
   揺動部材と、 記録用紙をはさんで前記スタンプ部と向かい合うように
   配された対向部材と、 この対向部材に前記スタンプ部を押圧させる方向に前記
   揺動部材を付勢する付勢手段と、 ステッピングモータによって回転されて前記揺動部材
   を、前記スタンプ部が前記対向部材から離れる待機位置
   と、該対向部材に押圧する位置との間で揺動させるカム
   と、 前記揺動部材が前記待機位置にあることを検出して検出
   信号を出力する位置センサーと、 この位置センサーから前記検出信号が入力されたとき前
   記ステッピングモータを停止させ、印字指示がなされた
   とき該モータを所定ステップ数回転させる制御回路と、 この制御回路に接続され、前記ステップ数を任意に変更
   させるモータ回転角設定手段とからなる押圧力調整機能
   を備えたスタンパー。