JPH068949Y2 - 自動車のセンタコンソ−ルボツクス構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車のセンタコンソールボックスの構造に
関する。

従来の技術 従来、第５，６，７図に示したように自動車のセンタコ
ンソールボックス１にはハンドブレーキの操作レバー２
を遊挿するためのハンドブレーキ組付用開口部３（以下
単に組付用開口部と称す。）が形成されている。この組
付用開口部３は、図示したように前記操作レバー２が斜
状に起立していることから、この操作レバー２を上方か
ら遊挿し得るように、車体前後方向に渡って長尺状とな
っている。このため品質感の向上を図るべく操作レバー
２遊挿孔４が形成されたハンドブレーキラバー５を、前
記組付用開口部３の後部に装着するとともに、組付用開
口部３の前部をハンドブレーキマスク６にて閉塞するよ
うにしている。さらに今日においては、第６図に示した
ようにハンドブレーキラバー５に孔７，７を形成する一
方、ハンドブレーキマスク６にこの孔７，７に係合する
爪８，８を設け、両部材の一体性を確保する構造が提案
されている（実願昭５９−１３４４９５号）。

考案が解決しようとする問題点 しかしながらかかる構造にあっては、硬質性素材で形成
されているハンドブレーキマスク６の爪８，８を軟質性
素材で形成されているハンドブレーキラバー５の孔７，
７に挿入する際、該ハンドブレーキラバー５がセンタコ
ンソールボックス１の内部方向に弾性変形し、挿入作業
が困難となる欠点を有するとともに、操作レバー２の操
作，移動に伴って前記操作レバー遊挿孔４が押し広げら
れた際、ハンドブレーキラバー５がセンタコンソールボ
ックス１の内部方向に撓み変形し、品質感の低下を招来
するおそれがあった。

本考案は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので
あり、ハンドブレーキラバー５とハンドブレーキマスク
６の組付作業性の向上を図るとともに、ハンドブレーキ
ラバー５の撓み変形による品質感の低下を解消した自動
車のセンタコンソールボックス構造を提供するものであ
る。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために本考案にあっては、自動車
のセンタコンソールボックスに形成されたハンドブレー
キ組付用開口部の周縁部に、フランジを形成し、該フラ
ンジに係止用孔を形成する一方、前記ハンドブレーキ組
付用開口部の後部に装着され、ハンドブレーキの操作レ
バー遊挿口が形成されてなるハンドブレーキラバーの端
部に、前記係止用孔に係合する突片を形成するととも
に、前記ハンドブレーキ組付用開口部の前部を閉塞する
ハンドブレーキマスクの後端部と前記フランジ間で、前
記ハンドブレーキラバーの突片近接部を挟持してある。

作用 前記構成において、前記係止用孔が形成されているフラ
ンジは、センタコンソールボックスの組付用開口部に設
けられ、硬質性素材で成形されていることから、前記突
片を挿入係合する際、フランジが弾性変形するようなこ
とはなく、容易に組付を行い得る。又、ハンドブレーキ
ラバーの端部、前記突片の近接部は、フランジによって
裏打ちされるとともに、該フランジとハンドブレーキマ
スクによって挟持されていることから、ハンドブレーキ
の操作レバーを操作，移動させた際の前記ハンドブレー
キラバーのセンタコンソールボックス内部方向への撓み
変形は阻止されるのである。

実施例 以下本考案の一実施例を示す第１図，第２図，第３図及
び第４図について前述の従来の構造と同一対象部材，部
分には同一符号を付して説明する。第１図はコンソール
ボックスの斜視図でこれは第７図に示した従来のものと
同じ形状であり、第７図と同様に車体前後方向に渡って
組付用開口部３が形成されており、該組付用開口部３は
後部側の斜状開口３ａ，垂直開口３ｂ，及び前部側の水
平開口３ｃとからなり、各開口３ａ，３ｂ，３ｃは、各
々屈曲部９ａ，９ｂを介して一体に形成されていること
は従来と同じである。第２図の要部構成分解図に示すよ
うに、前記垂直開口３ｂと水平開口３ｃ間の屈曲部９ｂ
には「フランジ」としての垂直フランジ１０と水平フラ
ンジ１１とが連続して形成されており、水平フランジ１
１には係止用孔１２が形成されている。一方、前記組付
用開口部３の後部、すなわち斜状開口３ａと垂直開口３
ｂには、ハンドブレーキラバー５が装着されており、ハ
ンドブレーキラバー５には操作レバー遊挿孔４が形成さ
れている。このハンドブレーキラバー５の端部には前記
係止用孔１２に係合する突片１３，１３が設けられてお
り、該突片１３の上方には突片近接部１７として垂直方
向に平らな部分が形成され、更にその上方には水平方向
に段部１４が形成されている。さらに、前記組付用開口
部３の前部、すなわち水平開口３ｃを閉塞するハンドブ
レーキマスク６には、前記垂直フランジ１０に沿って起
立する立設片１５が設けられており、該立設片１５の端
縁には、前記段部１４に係合する突縁１６が形成されて
いる。

以上の構成に係る本実施例において、前記突片１３を係
止用孔１２に係合させるに際しては、第１図Ａ−Ａ線の
断面を示す第３図のように、突片１３を上方より係止孔
１２に挿入後、下方より突片１２の下端部を引き下げ
る。このとき水平フランジ１１は硬質のセンタコンソー
ルボックス１と同質の硬質素材で成形されていることか
ら、作業時に弾性変形するようなことはなく、容易に突
片１３の係止作業を行うことができる。そして第４図に
示すようにハンドブレーキマスク６が装着されると、ハ
ンドブレーキラバー５の突片１３と段部１４間の突片近
接部１７は垂直フランジ１０によって裏打ちされるとと
もに、垂直フランジ１０とハンドブレーキマスク６の立
設片とによって挟持され、更にハンドブレーキラバー５
の段部１４はハンドブレーキマスク６の突縁１６と垂直
フランジ１０の端縁とによって挟持される。すなわちハ
ンドブレーキマスク６の後端部としての立設片１５及び
突縁１６と、垂直フランジ１０とによって挟持される。
したがって、ハンドブレーキの操作レバー２を操作した
際、操作レバー遊挿孔４が弾性変形してもこれに伴うハ
ンドブレーキラバー５のセンタコンソールボックス１内
部方向への撓み変形は阻止され、この撓み変形による品
質感の低下を解消することができる。

なお、上記実施例においては、突片１３を水平フランジ
１１の係止用孔１２に挿入したが、突片１３を垂直フラ
ンジ１０に設けた係止用孔に挿入するようにしてもよ
く、またフランジは水平フランジと垂直フランジとより
構成せず、両者を合併した円弧状のフランジとしてもよ
い。但しこの場合は立設片１５も円弧状にする必要があ
る。要はハンドブレーキ組付用開口部の周縁部にフラン
ジを形成することである。

考案の効果 以上説明したように本考案は、センタコンソールボック
スに形成されたハンドブレーキ組付用開口部の周縁部に
フランジを形成し、該フランジに係止用孔を形成する一
方、ハンドブレーキラバーの端部に前記係止用孔に係合
する突片を形成する構成とした。よって係止用孔が形成
されているフランジは、センタコンソールボックスと同
一素材の硬質性素材で形成されていることから、前記突
片を挿入する際、フランジが弾性変形するようなことは
なく、容易に組付を行うことができる。また、ハンドブ
レーキラバーの端部の突片近接部はフランジによって裏
打ちされるとともに、該フランジとハンドブレーキマス
クとによって挟持したことから、ハンドブレーキの操作
レバーを操作した際、ハンドブレーキラバーの撓み変形
が阻止され、品質感の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すセンタコンソールボッ
クスの斜視図、第２図は同実施例の要部構成分解図、第
３図は第１図Ａ−Ａ線の断面図、第４図は同実施例のハ
ンドブレーキマスク装着説明図、第５図は同実施例のセ
ンタコンソールボックスを下方より見た図、第６図は従
来例のハンドブレーキマスク装着説明図、第７図は従来
例のセンタコンソールボックスの斜視図である。 １…センタコンソールボックス、２…操作レバー、３…
ハンドブレーキ組付用開口部、４…操作レバー遊挿孔、
５…ハンドブレーキラバー、６…ハンドブレーキマス
ク、１０、１１…フランジ、１２…係止用孔、１３…突
片、１７…突片近接部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車のセンタコンソールボックスに形成
   されたハンドブレーキ組付用開口部の周縁部に、フラン
   ジを形成し、該フランジに係止用孔を形成する一方、前
   記ハンドブレーキ組付用開口部の後部に装着され、ハン
   ドブレーキの操作レバー遊挿口が形成されてなるハンド
   ブレーキラバーの端部に、前記係止用孔に係合する突片
   を形成するとともに、前記ハンドブレーキ組付用開口部
   の前部を閉塞するハンドブレーキマスクの後端部と前記
   フランジ間で、前記ハンドブレーキラバーの突片近接部
   を挾持したことを特徴とする自動車のセンタコンソール
   ボックス構造。