JPH0688542A - 水素エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

水素エンジンの空燃比制御装置

Info

Publication number
JPH0688542A
JPH0688542A JP11041992A JP11041992A JPH0688542A JP H0688542 A JPH0688542 A JP H0688542A JP 11041992 A JP11041992 A JP 11041992A JP 11041992 A JP11041992 A JP 11041992A JP H0688542 A JPH0688542 A JP H0688542A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel ratio
air
hydrogen
zone
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11041992A
Other languages
English (en)
Inventor
Kosuke Fujii
浩介 藤井
Nagahisa Fujita
永久 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP11041992A priority Critical patent/JPH0688542A/ja
Publication of JPH0688542A publication Critical patent/JPH0688542A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼性の悪化を抑制しつつ未燃水素の排気管
への流出を防止してアフタバーンの発生を確実に防止す
る。 【構成】 水素を燃料とする水素エンジン1を前提とす
る。目標空燃比TRGA/Fとしてすべての運転状態に
おいて理論空燃比よりもリーン側の空燃比を設定する目
標空燃比設定手段43を備える。そして、設定された目
標空燃比に基いて水素および空気の供給量QH2 ,TQ
AIRを制御する供給制御手段44を備える。さらに、
上記目標空燃比設定手段を、特に過渡運転状態におい
て、目標空燃比をリーン側に補正するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素エンジンにおいて
燃焼室に供給される空気と水素燃料との混合気の空燃比
を制御する空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガソリンエンジンにおいて、燃
焼室に供給するガソリンと空気とからなる混合気の空燃
比を、運転状態に応じて、理論空燃比よりリッチ側もし
くはリーン側に変化させて燃焼性の向上を図ることが行
われている。
【0003】また、従来より、ガソリンエンジンにおい
て、低負荷時に水素を噴射供給することにより混合気を
理論空燃比よりもリーン側にして燃費およびエミッショ
ンの改善を図ろうとするものが知られている(例えば、
特開平53−17807号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、水素を燃料
とする水素エンジンにおいて、理論空燃比よりも濃い、
すなわちリッチ側の混合気が供給された場合、空気中の
酸素と結付かなかった未燃水素が排気管に流出して、排
気管内もしくはマフラー内でアフタバーンの発生するお
それがある。この未燃水素は濃度的に十分に稀薄であっ
ても、その燃焼可能限界がガソリンと比べて極めて高い
ため、火種がなくても摩擦熱などのなんらかの熱源によ
りアフタバーンが生じるという特殊性がある。また、上
記未燃水素が流出した場合、アフタバーンが発生しなく
ても、その未燃水素が大気に放出されることにより、そ
の分、エミッションの増大を招く。このため、燃焼室か
らの未燃水素の流出を確実に防止する必要がある。
【0005】また、燃焼室に対して燃料である水素を直
噴し、空気を水素とは別のポートから供給する場合、急
加速時などの運転状態が急変する過渡運転状態では空燃
比を所定値に制御しても、空気供給の遅れに起因して燃
焼室内の混合気が空燃比の制御値よりリッチ側にずれる
おそれがある。すなわち、上記過渡運転状態では、加速
操作に応じて空気量を調節する空気絞り弁を急開調節し
ても、その空気絞り弁と燃焼室との間の吸気管内のデッ
ドボリュームを所定の供給圧まで充填する分、燃焼室へ
の空気の供給が遅れる。このため、上記過渡運転状態に
おいて、混合気がリッチ側にずれ易くなり、リッチ側に
ずれた場合、上記未燃水素の流出という問題が発生する
おそれがある。しかも、水素を燃料とする場合の理論空
燃比(32程度)が、ガソリンの場合の理論空燃比(1
5程度)と比べてかなり高く、上記空気供給の遅れによ
り空燃比がリッチ側へずれる度合いがガソリンエンジン
の場合より水素エンジンの場合の方が大きいため、上記
問題の発生による影響はガソリンエンジンの場合よりも
大きい。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その主目的とするところは、燃焼性の悪
化を抑制しつつ未燃水素の排気管への流出を防止してア
フタバーンの発生を確実に防止することにある。また、
他の目的とするところは、特に空燃比のずれが生じやす
い過渡運転状態において空燃比がリッチ側にずれること
に伴う上記未燃水素の排気管への流出を確実に防止する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、水素を燃料とするものを前
提とし、図1に示すように、エンジンの運転状態を検出
する運転状態検出手段45と、この運転状態検出手段4
5からの出力信号に基いて、目標空燃比としてすべての
運転状態において理論空燃比よりもリーン側の空燃比を
設定する目標空燃比設定手段43を備える。そして、設
定された目標空燃比に基いて水素および空気の内の少な
くとも一方の供給量を制御する供給制御手段44を備え
る構成とするものである。
【0008】また、請求項2記載の発明は、上記請求項
1記載の発明において、目標空燃比設定手段を、特に過
渡運転状態において、目標空燃比をリーン側に補正する
ように構成するものである。すなわち、エンジンの過渡
運転状態を検出する過渡運転状態検出手段45aと、過
渡運転状態が検出された時に上記過渡運転状態検出手段
45aからの出力信号に基いて上記目標空燃比設定手段
43により設定される目標空燃比をさらにリーン側に補
正する補正手段43aとを備える構成とするものであ
る。
【0009】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
すべての運転状態において目標空燃比が理論空燃比より
もリーン側に設定されるため、燃焼室に供給される水素
がすべて燃焼されて、未燃水素の排気管への流出が確実
に防止される。また、水素の燃焼可能限界が十分に高い
ため、十分な燃焼性が維持される。
【0010】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明による作用に加えて、特に空燃比のずれ
が生じやすい過渡運転状態において、目標空燃比を他の
運転状態よりもさらにリーン側に補正しているため、上
記空燃比のリッチ側へのずれに伴う未燃水素の流出が確
実に防止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図2は、本発明の実施例に係る空燃比制御
装置を備えた水素ロータリピストンエンジン(以下、単
にエンジンという)1の全体構成を示しており、ロータ
を直列に2個連結したいわゆる2ロータのロータリピス
トンエンジンが左右に展開した状態で示されている。
【0013】同図において、2は上記エンジン1に空気
を供給する吸気通路、3は上記エンジン1から排ガスを
外部に放出する排気通路、4は水素吸蔵タンクとしての
メタルハイドライドタンク(以下MHタンクと略称す
る)、5はこのMHタンク4から燃料としての水素ガス
を上記エンジン1に供給する水素供給通路、6は空気お
よび水素ガスの供給を制御する空燃比制御装置を備えた
コントロールユニットである。
【0014】上記エンジン1はペリトロコイド曲線を内
周面とするロータハウジング7と、このロータハウジン
グ7の両側面に装着された図示しない一対のサイドハウ
ジングと、上記ロータハウジング7の内部を二つに仕切
るインタミディエイトハウジング8とを備えており、こ
れらのハウジング7,8によって2つの気筒9,9が形
成されている。この各気筒9内には、3つの内方包絡面
を有する略三角形のロータ10が収容されており、この
各ロータ10の3つの稜線部がそれぞれアペックスシー
ルを介して上記ロータハウジング7の内周面に気密的に
当接することにより、上記各ロータ10と上記ハウジン
グ7,8との間にそれぞれ3つの作動室11,11,…
が区画形成されている。
【0015】上記各ロータ10はエキセントリックシャ
フト12により偏心回転運動可能に支持されており、各
ロータ10の偏心回転に伴って各作動室11の容積が変
化して吸入、圧縮、膨脹(爆発)および排気の各行程を
順に行なうことにより上記エキセントリックシャフト1
2が回転駆動されるようになっている。
【0016】上記インタミディエイトハウジング8に
は、上記各気筒9の吸気行程にある作動室11に臨んで
開口する吸気ポート13と水素供給ポート14とが互い
に独立して形成されている。上記吸気ポート13は上記
吸気通路2の下流端と連通されており、上記水素供給ポ
ート14は上記水素供給通路と連通されている。
【0017】上記ロータハウジング7には上記各気筒9
の排気行程にある作動室11に臨んで開口する排気ポー
ト15が形成されており、この排気ポート15は上記排
気通路3の上流端と連通されている。
【0018】また、上記ロータハウジング7には、各気
筒9の圧縮および膨脹行程の作動室11,11に対応す
る部分であって、ロータ回転方向のリーディング側位置
に一対のリーディング側点火プラグ(IGT−F/L、
IGT−R/L)16,16が、また、トレーリング側
位置に一対のトレーリング側点火プラグ(IGT−F/
T、IGT−R/T)17,17がそれぞれ取付けられ
ている。すなわち、各気筒9には、リーディング側位置
およびトレーリング側位置に上記ロータ10の幅方向に
各一対ずつ、計4つの点火プラグ16,17がそれぞれ
取付けられている。なお、図2は上記ロータ10の幅方
向について各1のみ示している。各点火プラグ16,1
7はこの各点火プラグ16,17ごとにイグナイタコイ
ル18,18,…と接続され、この各イグナイタコイル
18は上記コントロールユニット6からの制御信号に基
いて各点火プラグ16,17をそれぞれ異なる所定のタ
イミングで点火させるようになっている。
【0019】上記吸気通路2には、図示しないエアクリ
ーナおよびエアポンプが上流端側位置に、空気絞り弁1
9が中間位置に、空気圧力センサ20が上記空気絞り弁
19の下流側位置にそれぞれ配設されている。上記空気
絞り弁19はアクチュエータ21の駆動により開閉作動
されるようになっており、このアクチュエータ21は上
記コントロールユニット6からの制御信号により駆動さ
れるようになっている。つまり、上記空気絞り弁19は
上記コントロールユニット6に制御されて所定の流量の
空気を各気筒9に供給するようになっている。また、上
記空気絞り弁19には、その弁開度を検出して上記コン
トロールユニットに入力するポジションセンサ22が備
えられている。さらに、上記空気圧力センサ20は上記
吸気ポート13を通して各気筒9に供給される空気の圧
力を検出して上記コントロールユニット6に入力するよ
うになっている。
【0020】上記排気通路3の下流側位置にはO2 セン
サ23が配設され、このO2 センサ23は排気ガス中の
酸素濃度を計測することにより実際の空燃比(実空燃
比)A/FRを検出して上記コントロールユニット6に
入力するようになっている。
【0021】上記MHタンク4は、内部に水素を吸蔵、
放出することができる水素吸蔵合金を備えている。この
水素吸蔵合金は金属結晶格子間に侵入した水素が金属水
素化物を形成することにより水素を貯蔵するものであ
り、冷却により金属化物の生成が進行して水素が吸蔵さ
れ、逆に、加熱によりその水素が放出されるようになっ
ている。また、上記MHタンク4には上記水素吸蔵合金
に水素を供給する水素充填通路24と、冷却水を供給、
排出することにより上記水素吸蔵合金を冷却する冷却水
通路25と、ロータハウジング7のウォータジャケット
との間でエンジン冷却水を循環させることにより上記水
素吸蔵合金を加熱して水素ガスの吐出量を制御する加熱
水通路26とがそれぞれ接続されている。
【0022】上記水素供給通路5には、上流側である上
記MHタンク4の側から下流端の水素供給ポート14ま
での間に、上流側から順に、上記水素供給通路5の開閉
を行なう水素電磁弁27と、圧力調整器28と、第1水
素圧力センサ29と、第1水素流量調整弁30と、第2
水素圧力センサ31と、各気筒9ごとに設けられた一対
の第2水素流量調整弁32,32と、各気筒9ごとに設
けられた一対の水素噴射弁としてのポペット弁33,3
3とが介在されている。
【0023】上記水素電磁弁27は上記コントロールユ
ニット6からの制御信号によって開閉作動され、ON作
動信号により開状態となり、OFF作動信号により閉状
態となるようになっている。
【0024】上記圧力調整器28はMHタンク4から供
給される水素ガスをほぼ5kg/cm2 に調圧するよう
になっており、上記水素圧力センサ29はこの圧力調整
器28と上記第1水素流量調整弁30との間の水素供給
通路5内の水素圧力を検出してコントロールユニット6
に第1水素圧力として入力するようになっている。
【0025】上記第1水素流量調整弁30はワイヤを介
してアクセル34と接続されて、上記アクセル34の操
作量、すなわち、アクセル開度の大小にほぼ比例して水
素ガスの流量が増減されるようになっている。この第1
水素流量調整弁30は、図3に実線で示すようにドライ
バーが上記アクセル34を戻してアクセル開度が0の近
傍になることにより上記第1水素流量調整弁30は所定
の最小開度まで閉じるようになっている。この第1水素
流量調整弁30には弁開度、すなわち、アクセル開度A
CPを検出してコントロールユニット6に入力するアク
セルセンサ35が備えられている。そして、上記第2水
素圧力センサ31はこの第1水素流量調整弁30と上記
各第2水素流量調整弁32との間の水素供給通路5内の
水素圧力を検出してコントロールユニット6に第2水素
圧力として入力するようになっている。
【0026】また、上記第2水素流量調整弁32は、ア
クチュエータ36の駆動により開閉作動されて水素ガス
の流量を調整するようになっており、このアクチュエー
タ36はコントロールユニット6からの制御信号により
駆動されるようになっている。つまり、この第2水素流
量調整弁32は、上記コントロールユニット6に制御さ
れて所定の流量の水素ガスを各気筒9に供給するように
なっている。
【0027】上記各ポペット弁33は、タイミングベル
トを介してエキセントリックシャフト12と連結され
て、エキセントリックシャフト12の回転と機械的に同
期して所定タイミングで開閉作動されるようになってい
る。すなわち、各ポペット弁33は、両気筒9,9間で
2つのロータ10,10の位相差と等しく180度位相
をずらして開閉作動されるようになっており、各吸気ポ
ート13の閉口時期近傍で開作動されて、上記吸気ポー
ト13より遅れて開口状態となった水素供給ポート14
から水素ガスを各気筒9の圧縮行程初期に噴射するよう
になっている。
【0028】つまり、上記水素供給通路5において、O
N状態の水素電磁弁27を通してMHタンク4から供給
される水素ガスは、前提として、圧力調整器28により
所定圧力に調圧され、かつ、第1水素流量調整弁30に
よってドライバーのアクセル34の操作に基く機械的フ
ェイルセーフが図られる。その上で、上記水素ガスは、
上記各第2水素流量調整弁32を介して制御された所定
の供給量のものが、上記各ポペット弁33により設定さ
れる所定の噴射タイミングで各気筒9に噴射される。
【0029】なお、図2中、37はシールを潤滑するた
めに各気筒9内にオイルを供給するメタリングオイルポ
ンプ(MOP)であり、このメタリングオイルポンプ3
6はコントロールユニット6からの制御信号により駆動
されてエンジン1の状況に応じて所定の吐出量のオイル
を吐出するようになっている。
【0030】また、図4に示すように、エンジン1のエ
キセントリックシャフト12のオートマチックトランス
ミッション38との接続部側の端部には、無整流子電動
機を備えたアクティブトルクコントロール装置(以下、
単にATCSという)39が配設されている。このAT
CS39は、本出願人が特開昭64−182536号公
報で詳細を開示したものと同様のものであり、上記無整
流子電動機をモータとして機能させることにより上記エ
キセントリックシャフト12に正トルクを与え、また、
上記無整流子電動機を発電機として機能させることによ
り上記エキセントリックシャフト12に逆トルクを与え
るように構成されている。そして、上記ATCS39
は、上記エキセントリックシャフト12に発生するトル
クの周期的変動と同期してトルク増大時に上記エキセン
トリックシャフト12に逆トルクを、トルク減少時に上
記エキセントリックシャフト12に正トルクをそれぞれ
付与するようになっている。すなわち、上記ATCS3
9は始動用のスタータの機能と、充電用のオルタネータ
の機能とを兼ね備えたものであり、例えば低速時にトル
クが不足する場合などに積極的にトルクアシストを行な
い、アクティブなトルクの制御を図るものである。
【0031】上記ATCS39に、スタータスイッチの
ON、OFFを検出するスタータ信号検出センサ40、
上記エキセントリックシャフト12の回転角を検出する
回転角センサ41および各気筒9を識別する気筒識別セ
ンサ42が設けられ、これらのセンサ40,41,42
は各検出値をコントロールユニット6に入力するように
なっている。
【0032】次に、上記コントロールユニット6におけ
る制御を図5〜図17に基いて説明する。この制御は、
図5に示すメインルーチンと、図6に示すエンジン回転
同期割込み処理と、図7に示すタイマ同期割込みとから
なり、これらはイグニッションスイッチのONによりそ
れぞれ同時に起動される。
【0033】上記メインルーチンは、図5に示すよう
に、まず、初期化ルーチンSUB1を行ない、次に、ス
テップS1でタイマフラグWAITが1か否かを判別
し、1になるまでステップS1を繰り返し、1になった
ら入力信号処理ルーチンSUB2を行なう。そして、ゾ
ーン判定ルーチンSUB3を行なった後、判定されたゾ
ーンに基いて、始動ゾーン制御ルーチンSUB4、定常
ゾーン制御ルーチンSUB5、過渡ゾーン制御ルーチン
SUB6、エンストゾーン制御ルーチンSUB7、およ
び停止ゾーン制御ルーチンSUB8を行なう。その後、
点火時期制御ルーチンSUB9を行ない、ステップS2
で上記タイマフラグWAITをクリア、すなわち、0に
してステップS1に戻り、ステップS1以下の処理を繰
り返す。
【0034】上記エンジン回転同期割込み処理は、図6
に示すように、エンジン回転角(TDC毎)に同期して
上記メインルーチンに割込み処理を行ない、各点火プラ
グ16,17を所定のタイミングで点火させるものであ
る。すなわち、まず、ステップS3で、回転角センサ4
0からの回転角検出値に基いてエンジンの回転パルス周
期を演算し、ステップS4で、上記周期の逆数を演算す
ることによりエンジン回転数NEを求める。次に、ステ
ップS5で、上記点火時期制御ルーチンSUB9により
決定された各点火プラグ16,17の点火タイミングに
基いて各4つのイグナイタコイル18,18,…に点火
信号を出力して各点火プラグ16,17の点火を行なっ
た後、リターンする。
【0035】上記タイマ同期割込み処理は、図7に示す
ように、上記メインルーチンに対して10msecを1
単位として、この10msecごとに割込み処理を行な
うものである。すなわち、10msec経過ごとに、ス
テップS6でタイマフラグWAITに1を設定し、ステ
ップS7で水素弁遅延時間H2 ODLYおよびH2 OD
LY1から1単位、すなわち、10msecを減算す
る。なお、各時間値H2ODLY,H2 ODLY1が負
の値になる場合、0をそれぞれ設定する。このタイマ同
期割込み処理により、上記メインルーチンのステップS
1(図5参照)におけるタイマフラグWAITが10m
secごとに1となって、サブルーチンSUB2〜9に
よる処理が上記10msecごとに行なわれる。なお、
上記サブルーチンSUB2〜9による処理は概略6〜7
msecで行われる。
【0036】次に、上記メインルーチンにおけるサブル
ーチンSUB1〜9の各内容について説明する。
【0037】上記初期化ルーチンSUB1の処理は、図
8に示すように、ステップS8〜S10からなる。ま
ず、ステップS8でCPUの動作モードの設定を行な
い、次に、ステップS9でそのCPUの内部メモリ、す
なわち、各レジスタおよびRAMなどをクリアする。そ
して、ステップS10でタイマ、A/Dコンバータなど
の上記CPUの各周辺装置のモードのセット、およびそ
の内部メモリの初期化などを行なった後、メインルーチ
ンのステップS1に進む。
【0038】上記入力信号処理ルーチンSUB2の処理
は、図9に示すように、ステップS11で各センサから
の入力信号である検出値をA/D変換して記憶するもの
である。すなわち、アクセルセンサ35からの検出値を
アクセル開度ACPとして、第1水素圧力センサ29か
らの検出値を第1水素圧力PH2 Aとして、第2水素圧
力センサ31からの検出値を第2水素圧力PH2 Bとし
て、O2 センサ23からの検出値を実空燃比A/FRと
して入力する他、ボジションセンサ22から空気絞り弁
開度および空気圧力センサ20から空気圧力などの入力
を行なう。そして、次のゾーン判定ルーチンSUB3に
進む。
【0039】上記ゾーン判定ルーチンSUB3の処理
は、図10に示すように、運転状態が始動ゾーン、定常
ゾーン、過渡ゾーン、エンストゾーンもしくは停止ゾー
ンのいずれであるかをエンジン回転数NEおよびアクセ
ル開度ACPなどに基いて判定するものである。上記各
ゾーンは以下の条件に基いて区分されている。すなわ
ち、上記始動ゾーンはスタータスイッチがONで、か
つ、エンジン回転数NEが500rpm以下の領域とす
る。上記定常ゾーンはスタータスイッチがOFFで、エ
ンジン回転数が500rpm以上で、かつ、アクセル開
度の変化量ΔACPが所定値以下の領域とする。上記過
渡ゾーンは上記定常ゾーンにおけるアクセル開度の変化
量が上記所定値以上になる領域とする。上記エンストゾ
ーンは上記定常ゾーンもしくは過渡ゾーンにおいてエン
ジン回転数が500rpm以下になり、エンジンが止ま
ろうとしている領域とする。
【0040】上記各ゾーンの判定は、まず、ステップS
12でスタータ信号検出センサ40からの検出信号に基
きスタータスイッチがONであるか否かを判別して、O
NであればステップS13に、OFFであればステップ
S14にそれぞれ進んでエンジン回転数NEの判別を行
なう。ステップS13でエンジン回転数NEが500r
pm以下の場合、ステップS15に進んでゾーンフラグ
FZONEに始動ゾーンフラグSTAを設定して、次の
始動ゾーン制御ルーチンSUB4に進む。逆に、エンジ
ン回転数NEが500rpmより大きい場合、ステップ
S16に進む。
【0041】上記ステップS14で、エンジン回転数N
Eが500rpm以上の場合、ステップS16に進んで
過渡判定処理を行なう。この過渡判定処理は、今回のア
クセル開度ACPから前回のアクセル開度ACPOLD
を減算することにより、アクセル変化量ΔACPを求
め、今回アクセル開度ACPを上記ACPOLDに入れ
て更新する。そして、ステップS17で上記アクセル変
化量ΔACPの判別を行ない、そのアクセル変化量ΔA
CPが所定値以下である場合、ステップS18に進んで
ゾーンフラグFZONEに定常ゾーンフラグZSTCを
設定して定常ゾーン制御SUB5に進む。
【0042】また、上記ステップS17で上記アクセル
変化量ΔACPが所定値以下でなければ、ステップS1
9で再度判別を行ない、そのアクセル変化量ΔACPが
所定値より大きい場合、ステップS20に進んでゾーン
フラグFZONEに過渡ゾーンフラグZTRNを設定し
て過渡ゾーン制御SUB6に進む。なお、上記ステップ
S19でアクセル変化量ΔACPが所定値より大きくな
い場合、ステップS12に戻り再度判定を繰り返す。
【0043】一方、上記ステップS14でエンジン回転
数NEが500rpmより小さい場合、ステップS21
に進み、現在の運転状態を示すゾーンフラグFZONE
が定常ゾーンフラグZSTCもしくは過渡ゾーンフラグ
ZTRNであるか否かを判別する。現在の運転状態が定
常もしくは過渡運転状態であれば、ステップS22で上
記ゾーンフラグFZONEにエンストゾーンフラグEN
STを設定してエンストゾーン制御SUB7に進む。
【0044】また、上記ステップS21で現在の運転状
態が定常もしくは過渡運転状態になければ、ステップS
23でエンジン回転数NEが0、すなわち、エンジンが
停止しているか否かを判別し、停止している場合、ステ
ップS24でゾーンフラグFZONEに停止ゾーンフラ
グSTOPを設定して、停止ゾーン制御SUB8に進
む。また、上記ステップS23でエンジン回転数NEが
0でなければ、ステップS12に戻り再度判定を繰り返
す。
【0045】上記ゾーン判定ルーチンSUB3によって
エンジンの運転状態検出手段45が構成され、その内、
ステップS12〜S14,S16,S17,S19およ
びS20によって過渡運転状態検出手段45aが構成さ
れている。
【0046】上記始動ゾーン制御ルーチンSUB4によ
る処理は図11に示すように、まずステップS25でゾ
ーンフラグFZONEの確認を行ない、ゾーンフラグF
ZONEが始動ゾーンフラグSTAである場合、ステッ
プS26〜S31の処理を行ない、始動ゾーンフラグS
TA以外である場合、上記ステップS26〜S31をと
ばして次の定常ゾーン制御ルーチンSUB5に進む。
【0047】始動ゾーンである場合、まず、上記ステッ
プS26で水素電磁弁27をON作動してMHタンク4
から水素ガスを水素供給通路5に供給する。次に、水素
弁遅延時間H2 ODLYに200msecを設定し、ス
テップS28で上記時間H2ODLYの経過を判別す
る。200msec経過していない場合、次の定常ゾー
ン制御ルーチンSUB5以下の処理を繰り返し、タイマ
同期割込み処理(図7参照)のステップS7による10
msecごとの減算により上記時間H2 ODLYが0に
なるのを待つ。なお、上記ステップS27での時間設定
は1回行われるだけで、以後の処理では省かれる。
【0048】そして、200msec経過した場合、ス
テップS29で水素供給量QH2 として10msecの
経過ごとに所定の増加定数QH2 STAを加えた値を設
定し、ステップS30でこの水素供給量QH2 が所定の
上限値(例えば20%)を超えないように制限を加え
る。そして、ステップS31でこの水素供給量QH2 に
対応する制御信号を各アクチュエータ36に出力して、
各第2水素流量調整弁33の開度調整を行なう。すなわ
ち、始動ゾーン制御では、図12に示すように、水素電
磁弁27をON作動にした後、上記水素弁遅延時間H2
ODLYの経過後初めて各第2水素流量調整弁32が開
かれて水素ガスが各気筒9に供給される。そして、時間
の経過と共に増量されるが上記所定の上限値まで増量さ
れれば、以後その上限値の水素供給量で供給される。
【0049】上記定常ゾーン制御ルーチンSUB5によ
る処理は、図13に示すように、まずステップS32で
ゾーンフラグFZONEの確認を行ない、ゾーンフラグ
FZONEが定常ゾーンフラグSTCである場合、ステ
ップS34〜S42の処理を行ない、定常ゾーンフラグ
STC以外である場合、上記ステップS34〜S42を
とばし、それぞれステップS33を経た後、次の過渡ゾ
ーン制御ルーチンSUB6に進む。
【0050】定常ゾーンである場合、まず、上記ステッ
プS34で水素電磁弁27をON作動してMHタンク4
から水素ガスを水素供給通路5に供給する。次に、ステ
ップS35で目標空燃比TRGA/Fをアクセル開度A
CPとエンジン回転数NEとをパラメータとして予め定
めた三次元のマップから演算する。このマップは最大の
空燃比であっても理論空燃比を超えない値として与えら
れるようになっており、これにより、アクセル開度AC
Pとエンジン回転数NEとの関係におけるすべての領
域、すなわち、すべての運転状態で上記理論空燃比より
リーン側に制御される。
【0051】そして、ステップS36で目標吸気量TQ
AIRを上記目標空燃比TRGA/Fとエンジン回転数
NEとの関係に基いて予め定めたマップから求め、ステ
ップS37で実吸気量QAIRを空気圧力センサ20の
検出値とエンジン回転数NEとの関係に基いて予め作成
したマップから求める。次に、ステップS38で目標水
素供給量QH2 を上記目標空燃比TRGA/Fと上記実
吸気量QAIRとの関係に基いて予め定めたマップから
求める。
【0052】次に、ステップS39〜S41で上記目標
空燃比TRGA/Fを実現する水素供給量QH2 となる
ようにPI制御を行なう。すなわち、上記ステップS3
9で上記目標水素供給量QH2 に基いて空燃比のフィー
ドバック(F/B)ゲインをマップから求め、ステップ
S40で上記目標空燃比TRGA/FとO2 センサによ
り得られた実空燃比A/FRとから偏差ΔA/Fを求め
てこの偏差ΔA/Fの正負に基き積分定数ΣIを求め、
ステップS41でF/B定数CFBの演算およびこのF
/B定数CFBを乗じることにより上記目標水素供給量
QH2 の補正を行なう。
【0053】そして、ステップS42で上記目標吸気量
TQAIRに基く制御信号をアクチュエータ21に出力
して空気絞り弁19の開度調整を行なうとともに、上記
目標水素供給量QH2 に基く制御信号を各アクチュエー
タ36に出力して各第2水素流量調整弁32の開度調整
を行なう。最後に、ステップS33で水素供給量QH2
とエンジン回転数NEとの関係に基いて予め定められた
マップによりMOP37の吐出量を求め、この吐出量に
基く制御信号を上記MOP37に出力する。
【0054】上記過渡ゾーン制御ルーチンSUB6によ
る処理は、図14に示すように、まずステップS43で
ゾーンフラグFZONEの確認を行ない、ゾーンフラグ
FZONEが過渡ゾーンフラグTRNである場合、ステ
ップS45〜S53の処理を行ない、過渡ゾーンフラグ
TRN以外である場合、上記ステップS45〜S53を
とばして、それぞれステップS44を経た後、次のエン
ストゾーン制御ルーチンSUB7に進む。
【0055】過渡ゾーンである場合、まず、上記ステッ
プS45で水素電磁弁27をON作動して開状態にす
る。次に、ステップS46で目標空燃比TRGA/F
を、上記定常ゾーン制御ルーチンSUB6のステップS
35と同様の三次元のマップから演算する。従って、得
られる目標空燃比TRGA/Fは理論空燃比よりリーン
側に制御される。
【0056】そして、ステップS47で、上記ステップ
S46の目標空燃比TRGA/Fに対してアクセル変化
量ΔACPに応じてリーン側への補正をさらに加える。
すなわち、アクセル変化量ΔACPに基いて補正値CA
Fを予め定めたマップより求め、この補正値CAFを上
記ステップS46の目標空燃比TRGA/Fに乗じるこ
とにより補正後の目標空燃比TRGA/Fを演算する。
なお、上記マップはアクセル変化量ΔACPが大きい
程、よりリーン側に補正されるように定められている。
【0057】次に、ステップS48で目標水素供給量Q
H2 を上記目標空燃比TRGA/Fとエンジン回転数N
Eとの関係に基いて予め定めたマップから求め、ステッ
プS49で目標吸気量QTAIRを上記目標水素供給量
QH2 とエンジン回転数NEとの関係に基いて予め定め
たマップから求める。
【0058】次に、ステップS50〜S52で上記目標
空燃比TRGA/Fを実現する水素供給量QH2 となる
ように、上記定常ゾーン制御ルーチンSUB5(図13
参照)のステップS39〜S41と同様にPI制御を行
ない、補正後の目標水素供給量QH2 を求める。
【0059】そして、ステップS53で上記ステップS
49の目標吸気量TQAIRに基く制御信号をアクチュ
エータ21に出力して空気絞り弁19の開度調整を行な
うとともに、上記補正後の目標水素供給量QH2 に基く
制御信号を各アクチュエータ36に出力して各第2水素
流量調整弁32の開度調整を行なう。最後に、ステップ
S44で水素供給量QH2 とエンジン回転数NEとの関
係に基いて予め定められたマップによりMOP37の吐
出量を求め、この吐出量に基く制御信号を上記MOP3
7に出力する。
【0060】この過渡ゾーン制御ルーチンSUB6にお
けるステップS46および上記定常ゾーン制御ルーチン
SUB5におけるステップS35によって、本実施例に
おける目標空燃比設定手段43が構成されている。ま
た、上記過渡ゾーン制御ルーチンSUB6におけるステ
ップS47によって、上記目標空燃比設定手段43によ
り設定される目標空燃比TRGA/Fをさらにリーン側
に補正する補正手段43aが構成されている。さらに、
上記過渡ゾーン制御ルーチンSUB6におけるステップ
S48〜S53および上記定常ゾーン制御ルーチンSU
B5におけるステップS36〜S42によって、上記目
標空燃比に基いた供給量の空気および水素ガスを供給制
御する供給制御手段44が構成されている。
【0061】上記エンストゾーン制御ルーチンSUB7
による処理は図15に示すように、まずステップS54
でゾーンフラグFZONEの確認を行ない、ゾーンフラ
グFZONEがエンストゾーンフラグENSTである場
合、ステップS55〜S60の処理を行ない、エンスト
ゾーンフラグENST以外である場合、上記ステップS
54〜S60をとばして次の停止ゾーン制御ルーチンS
UB8に進む。
【0062】エンストゾーンである場合、まず、上記ス
テップS54で水素電磁弁27をOFF作動してMHタ
ンク4からの水素ガスを遮断する。次に、水素弁遅延時
間H2 ODLY1に80msecを設定し、ステップS
57で上記時間H2 ODLY1の経過を判別する。80
msec経過していない場合、次の停止ゾーン制御ルー
チンSUB8以下の処理を繰り返し、タイマ同期割込み
処理(図7参照)のステップS7による10msecご
との減算により上記時間H2 ODLY1が0になるのを
待つ。なお、上記ステップS56での時間設定は1回行
われるだけで、以後の処理では省かれる。
【0063】そして、80msec経過した場合、ステ
ップS58で水素供給量QH2 として10msecの経
過ごとに所定の増加定数QH2 EST1を加えた値を設
定し、ステップS59でこの水素供給量QH2 が所定の
上限値(例えば20%)を超えないように制限を加え
る。そして、ステップS60でこの水素供給量QH2 に
対応する制御信号を各アクチュエータ36に出力して、
各第2水素流量調整弁33の開度調整を行なう。すなわ
ち、エンストゾーン制御では、水素電磁弁27を閉状態
にした後であって、上記水素弁遅延時間H2 ODLY1
の経過後、各第2水素流量調整弁32が開かれて水素ガ
スが各気筒9に供給される。これにより、各気筒9内に
残留している水素ガスを完全に燃焼させておくようにな
っている。なお、上記水素弁遅延時間H2 ODLY1だ
け遅延させるのは、遅延させずに一気に増加させると、
空気絞り弁19の閉作動によりリッチ側になり過ぎるた
めである。
【0064】上記停止ゾーン制御ルーチンSUB8によ
る処理は、図16に示すように、まずステップS61で
ゾーンフラグFZONEの確認を行ない、ゾーンフラグ
FZONEが停止ゾーンフラグSTOPである場合、ス
テップS62〜S65の処理を行ない、停止ゾーンフラ
グSTOP以外である場合、上記ステップS62〜S6
5をとばして、次の点火時期制御ルーチンSUB9に進
む。
【0065】停止ゾーンである場合、まず、上記ステッ
プS62で水素電磁弁27をOFF作動してMHタンク
4からの水素ガスを遮断する。次に、ステップS63で
水素供給量QH2 に0%を、ステップS64で目標吸気
量QAIRに0%をそれぞれ設定し、ステップS65で
対応するアクチュエータ21,36に制御信号を出力し
て空気絞り弁19および各第2水素流量調整弁32を閉
状態にする。
【0066】上記点火時期制御ルーチンSUB9による
処理は、図17に示すように、ステップS66で各ゾー
ン制御ルーチンSUB4〜8で設定された水素供給量Q
H2とエンジン回転数NEとをパラメータとするマップ
より各点火プラグ16,17の点火時期を求める。そし
て、上記メインルーチン(図5参照)におけるステップ
S2に進む。
【0067】上記エンジン1の場合、目標空燃比設定手
段43によって、定常運転状態、すなわち、定常ゾーン
において、アクセル開度ACPおよびエンジン回転数N
Eのすべての領域で目標空燃比として理論空燃比よりも
リーン側のものが設定され、供給制御手段44により上
記目標空燃比に基いた量の空気および水素ガスが各気筒
9に供給されるように制御されるため、その供給された
水素ガスを各気筒9ですべて燃焼させることができる。
このため、未燃水素の排気通路3への流出を確実に防止
することができ、アフタバーンの発生およびエミッショ
ンの増大を確実に防止することができる。また、この
際、上記理論空燃比よりもリーン側の混合気であって
も、水素ガスの燃焼可能限界が十分に高く燃焼性の維持
を十分に図ることができ、燃焼性の悪化を抑制すること
ができる。
【0068】しかも、特に空燃比のずれが生じやすい過
渡運転状態、すなわち、過渡ゾーンにおいて、上記目標
空燃比設定手段43によって、目標空燃比が上記理論空
燃比よりもリーン側に制御された空燃比に対してさらに
リーン側に補正されたものが設定されるため、急加速も
しくは減速などにより各気筒9での実際の空燃比が上記
目標空燃比よりもリッチ側にずれても、その実際の空燃
比を確実に理論空燃比よりもリーン側に維持することが
できる。このため、過渡運転状態においても、各気筒9
に供給された水素ガスをすべて燃焼させることができ、
未燃水素の流出に伴うアフタバーンの発生およびエミッ
ションの増大をより確実に防止することができる。
【0069】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、その他種々の変形例を包含するものであ
る。すなわち、上記実施例では、水素エンジンをロータ
リピストンエンジンとして構成した示しているが、これ
に限らず、例えばレシプロエンジンとして構成してもよ
い。この場合おいても、同様の作用、効果を得ることが
できる。
【0070】また、上記実施例では、供給制御手段44
を水素および空気の各供給量を制御するように構成して
いるが、これに限らず、例えばいずれか一方の供給量を
制御するように構成してもよい。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における水素エンジンの空燃比制御装置によれば、す
べての運転領域で空燃比が理論空燃比よりもリーン側に
制御されるため、エンジンに供給される水素ガスをすべ
て燃焼させることができる。このため、未燃水素の排気
管への流出を確実に防止することができ、アフタバーン
の発生およびエミッションの増大を確実に防止すること
ができる。また、この際、上記理論空燃比よりもリーン
側の混合気であっても、水素ガスの燃焼可能限界が十分
に高く燃焼性の維持を十分に図ることができ、燃焼性の
悪化の抑制を図ることができる。
【0072】また、請求項2記載の発明によれば、上記
請求項1記載の発明による効果に加えて、特に空燃比の
ずれが生じやすい過渡運転状態において、目標空燃比が
さらにリーン側に補正されたものになるように制御して
いるため、急加速もしくは減速などにより実際の空燃比
にリッチ側へのずれが生じても、その実際の空燃比を確
実に理論空燃比よりもリーン側に維持することができ
る。このため、過渡運転状態においても、エンジンに供
給された水素ガスをすべて燃焼させることができ、未燃
水素の流出に伴うアフタバーンの発生およびエミッショ
ンの増大をより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】水素エンジンの全体構成図である。
【図3】第1および第2水素流量調整弁の開度特性を示
す図である。
【図4】図2のエンジンの一部を示す側面構成図であ
る。
【図5】メインルーチンのフローチャートである。
【図6】エンジン回転同期割込み処理のフローチャート
である。
【図7】タイマ同期割込み処理のフローチャートであ
る。
【図8】初期化ルーチンのフローチャートである。
【図9】入力信号処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図10】ゾーン判定ルーチンのフローチャートであ
る。
【図11】始動ゾーン制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図12】始動ゾーンにおける水素供給特性を示す図で
ある。
【図13】定常ゾーン制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図14】過渡ゾーン制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図15】エンストゾーン制御ルーチンのフローチャー
トである。
【図16】停止ゾーン制御ルーチンのフローチャートで
ある。
【図17】点火時期制御ルーチンのフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 水素エンジン 2 吸気通路 5 水素供給通路 19 空気絞り弁 33 第2水素流量調整弁 43 目標空燃比設定手段 43a 補正手段 44 供給制御手段 45 運転状態検出手段 45a 過渡運転状態検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 21/02 311 D G H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を燃料とする水素エンジンの空燃比
    制御装置であって、 エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、 この運転状態検出手段からの出力信号に基いて、目標空
    燃比としてすべての運転状態において理論空燃比よりも
    リーン側の空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、 設定された目標空燃比に基いて水素および空気の内の少
    なくとも1つの供給量を制御する供給制御手段とを備え
    ていることを特徴とする水素エンジンの空燃比制御装
    置。
  2. 【請求項2】 エンジンの過渡運転状態を検出する過渡
    運転状態検出手段と、過渡運転状態が検出された時に上
    記過渡運転状態検出手段からの出力信号に基いて目標空
    燃比設定手段により設定される目標空燃比をさらにリー
    ン側に補正する補正手段とを備えている請求項1記載の
    水素エンジンの空燃比制御装置。
JP11041992A 1992-04-28 1992-04-28 水素エンジンの空燃比制御装置 Withdrawn JPH0688542A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11041992A JPH0688542A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 水素エンジンの空燃比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11041992A JPH0688542A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 水素エンジンの空燃比制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0688542A true JPH0688542A (ja) 1994-03-29

Family

ID=14535291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11041992A Withdrawn JPH0688542A (ja) 1992-04-28 1992-04-28 水素エンジンの空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0688542A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007198158A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 Mazda Motor Corp 水素エンジンの空燃比制御装置
US7822530B2 (en) 2006-01-27 2010-10-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gas-fueled internal combustion engine and control method for gas-fueled internal combustion engine
JP2015021470A (ja) * 2013-07-23 2015-02-02 マツダ株式会社 燃料噴射弁

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007198158A (ja) * 2006-01-24 2007-08-09 Mazda Motor Corp 水素エンジンの空燃比制御装置
US7822530B2 (en) 2006-01-27 2010-10-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gas-fueled internal combustion engine and control method for gas-fueled internal combustion engine
JP2015021470A (ja) * 2013-07-23 2015-02-02 マツダ株式会社 燃料噴射弁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3803220B2 (ja) 電磁駆動式吸排気バルブを備えたエンジンシステムの制御装置
JP3772891B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4281610B2 (ja) 予混合圧縮自着火機関の運転方法及び予混合圧縮自着火機関
EP1433938B1 (en) Internal combustion engine having variable compression ratio mechanism and control method therefor
EP1201901B1 (en) Control apparatus and control method for direct injection engine
JP2003193872A (ja) 自己着火エンジンの制御装置
JP3878522B2 (ja) ベンチュリ式燃料供給装置を備えたエンジンの空燃比制御方法及びその方法を備えた燃料制御装置
US6321714B1 (en) Hybrid operating mode for DISI engines
JPH0688542A (ja) 水素エンジンの空燃比制御装置
JP4239582B2 (ja) エンジンの制御装置
JP3772890B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3251080B2 (ja) 水素エンジンの空燃比制御装置
JP3772892B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3382025B2 (ja) ガスエンジンの制御装置
JP2001193524A (ja) 筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置
JP4329589B2 (ja) エンジンの始動装置
JP4438715B2 (ja) 水素エンジンの燃料制御装置
JP4293075B2 (ja) 4サイクル多気筒エンジンの始動装置
JPH062592A (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH0610689A (ja) 水素エンジンの制御装置
JP2004068617A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008095519A (ja) エンジンの停止制御装置
JP4315056B2 (ja) エンジンの始動装置
JP3598735B2 (ja) 内燃機関の回転速度制御装置
JP4092579B2 (ja) 内燃エンジンの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990706