JP2008095519A - エンジンの停止制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンの自動停止時にピストンを確実に所望の位置に停止させて、エンジンを容易に再始動させる。
【解決手段】予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンを自動停止させるとともに、少なくとも当該エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒での燃焼によってエンジンを再始動させる多気筒4サイクルエンジンの停止制御装置において、前記エンジンの吸気バルブ19のバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング制御手段50を有し、当該バルブタイミング制御手段50によって、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンの吸気バルブ19のバルブタイミングを予め設定された所定角度まで進角補正することで、前記停止時膨張行程気筒のピストン13を前記エンジンの自動停止時に予め設定された所定位置に停止させることを特徴とするエンジンの停止制御装置。
【選択図】図10
【解決手段】予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンを自動停止させるとともに、少なくとも当該エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒での燃焼によってエンジンを再始動させる多気筒4サイクルエンジンの停止制御装置において、前記エンジンの吸気バルブ19のバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング制御手段50を有し、当該バルブタイミング制御手段50によって、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンの吸気バルブ19のバルブタイミングを予め設定された所定角度まで進角補正することで、前記停止時膨張行程気筒のピストン13を前記エンジンの自動停止時に予め設定された所定位置に停止させることを特徴とするエンジンの停止制御装置。
【選択図】図10
Description
本発明は、エンジンの停止制御装置に関し、特にアイドル時にエンジンを自動で停止するようにしたエンジンの停止制御装置に関する。
前記のようなエンジンを自動で停止する装置としては、例えば特許文献1に開示されるエンジンの制御装置のように、停止状態で膨張行程にある気筒内に燃料を噴射して燃焼させることによりエンジンを即時的に始動させるようにしたものが開発されている。
このような制御装置では、特に膨張行程にある気筒のピストン位置が不適切である場合、例えば当該ピストン位置が下死点に極めて近い位置にある場合には、燃焼エネルギがピストンに作用する行程が短すぎるためにエンジンを回転させることができない可能性がある。
これに対して、前記特許文献1に開示されたエンジンの制御装置は、オルタネータを制御してエンジン停止前のエンジンの回転数を調整することで、前記気筒のピストンの停止位置を所望の位置にするよう構成されている。そして、この方法によれば、エンジン回転数とピストンの停止位置との関係を予め求めておき、この関係に基づいてオルタネータの発電量を調整してエンジン回転数をピストンの停止位置を所望の位置にすることができる値にすることで、ピストンの停止位置をある程度所望の位置にすることができる。
特開2005−282434号公報
しかしながら、エンジン停止直前は、慣性力によって圧縮行程にある気筒内の圧力が上昇し、その圧縮反力によってピストンが押し返されてエンジンが逆回転する一方、この逆回転によって膨張行程にある気筒内の圧力が上昇し、その圧縮反力によってエンジンが正回転する。そして、この逆回転と正回転が繰り返された後エンジンが停止する。すなわち、前記ピストンの停止位置はこの圧縮行程気筒と膨張行程気筒の圧縮反力のバランスにより決定されるので、各気筒内の空気量の変化によって前記圧縮反力のバランスが崩れると、ピストンの停止位置を所望の位置にするのが困難となる場合がある。
そして、従来、エンジン停止直前のような低回転域では、気筒内の空気量を確保して燃焼を安定させるべく、排気バルブと吸気バルブのバルブタイミングとのオーバーラップを少なくするように吸気バルブのバルブタイミングを遅角側に設定しているものが多い。そのため、前記のようなエンジン停止直前でエンジンが逆回転すると、吸気バルブが開き圧縮行程にある気筒内に空気が流入してしまう場合がある。そして、このように圧縮行程にある気筒内に空気が流入すると、この気筒内の圧縮抵抗が大きくなって前記圧縮反力のバランスがくずれ、ピストンを所望の停止位置に停止させることができなくなる可能性がある。
本発明は、かかる事情に鑑み、エンジンの自動停止時にピストンを確実に所望の位置に停止させて、エンジンを容易に再始動させることのできるエンジンの停止制御装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンを自動停止させるとともに、予め設定されたエンジンの再始動条件が成立したときに、少なくとも当該エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒での燃焼によってエンジンを再始動させる多気筒4サイクルエンジンの停止制御装置において、前記エンジンの吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング制御手段を有し、当該バルブタイミング制御手段によって、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンの吸気バルブのバルブタイミングを予め設定された所定角度まで進角補正することで、前記停止時膨張行程気筒のピストンを前記エンジンの自動停止時に予め設定された所定位置に停止させることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、エンジンの自動停止条件が成立した際にエンジンの吸気バルブのバルブタイミングが進角補正されているので、エンジンの自動停止時にエンジンの逆回転に伴って吸気バルブが開き停止時圧縮行程気筒に空気が流入してしまうのを抑制することができる。すなわち、この停止時圧縮行程気筒の圧縮抵抗が増大することで停止時膨張行程気筒のピストンが所望の位置に停止できなくなるのを抑止することができ、停止時膨張行程気筒での燃焼によってエンジンを確実に再始動することが可能になる。
本発明において、前記バルブタイミング制御手段はどのように駆動されるものでもよいが、特に前記エンジンの回転を駆動源として駆動されるようなバルブタイミング制御手段に用いればより効果的である(請求項2)。
すなわち、バルブタイミング制御手段がエンジンの回転を駆動源として駆動される場合には、特にエンジン停止直前の低回転域で前記吸気バルブのバルブタイミングを瞬時に駆動させることが困難となる。従って、前記のように、エンジンの自動停止条件成立時のような回転数が確保されている条件下で吸気バルブのバルブタイミングを進角補正するよう構成すれば、吸気バルブのバルブタイミングをより確実に進角補正でき、エンジン停止直前においてエンジンの逆回転によって吸気バルブが開いてしまうのをより確実に抑制することが可能になる。
また本発明において、前記エンジンの回転数を制御可能な回転数制御手段を有し、当該回転数制御手段が、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに、当該エンジンの回転数を、前記バルブタイミング制御手段によって前記吸気バルブのバルブタイミングの進角補正が可能となる値にまで上昇させるのが好ましい(請求項3)。
このようにすれば、回転数制御手段によってエンジンの回転数を前記バルブタイミング制御手段によって吸気バルブのバルブタイミングの進角補正が可能となる値にまで上昇させることができるので、前記のようにエンジンの回転を駆動源として駆動されるバルブタイミング制御手段であっても吸気バルブのバルブタイミングを十分に進角させることができる。すなわち、逆回転時に吸気バルブが開いてしまうのをより確実に抑止することができ、エンジンをより確実に再始動させることが可能になる。
また本発明において、前記吸気バルブのバルブタイミングの進角量を検出可能なバルブタイミング検出手段を有し、前記回転数制御手段が、前記バルブタイミング検出手段の検出結果に基づいて前記エンジンの回転数を制御するのが好ましい(請求項4)。
このようにすれば、より少ない回転数の上昇で吸気バルブのバルブタイミングの進角量を最適にすることが可能になる。
また本発明において、前記回転数制御手段が、前記エンジン自動停止条件が成立したときに当該エンジンの回転数を、気筒内を掃気するために必要な回転数と前記バルブタイミング制御手段によって前記吸気バルブのバルブタイミングを進角補正するのに必要な回転数のうちより高い回転数に制御するのが好ましい(請求項5)。
このようにすれば、回転数制御手段によって回転数を上昇することで、エンジンの気筒内を掃気することができるとともに吸気バルブのバルブタイミングを進角補正することができる。
また本発明において、前記バルブタイミング制御手段が、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンの吸気バルブのバルブタイミングを最進角位置に制御するのが好ましい(請求項6)。
このように吸気バルブのバルブタイミングを最進角位置に制御するようにしておけば、エンジンの自動停止時にエンジンが逆回転した場合に、より確実に吸気バルブが開いてしまうのを抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、エンジンの自動停止時にピストンが所望の位置から外れた位置で停止してしまうのを抑制することができ、これによってエンジンを確実に再始動させることのできるエンジンの停止制御装置を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明に係るエンジンの停止制御装置を有する4サイクル火花点火式エンジンの概略構成を示している。このエンジンには、シリンダヘッド10およびシリンダブロック11を有するエンジン本体1と、エンジン制御用のECU2とを備えている。前記エンジン本体1には、図2に示すように4つの気筒12A〜12Dが設けられている。また、各気筒12A〜12Dの内部には、クランクシャフト3に連結されたピストン13が嵌挿されることにより、その上方に燃焼室14が形成されている。
前記各気筒12A〜12Dの燃焼室14の頂部には、プラグ先端が燃焼室14内に臨むように点火プラグ15が設置されている。また、当該燃焼室14の側方には、燃焼室14内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁16が設けられている。この燃料噴射弁16は、図外のニードル弁およびソレノイドを内蔵し、前記ECU2から入力されたパルス信号のパルス幅に対応する時間だけ駆動されて開弁し、その開弁時間に応じた量の燃料を上記点火プラグ15の電極付近に向けて噴射するように構成されている。
また、各気筒12A〜12Dの上部には、燃焼室14に向かって開口する吸気ポート17および排気ポート18が設けられている。そして、これらのポート17,18と燃焼室14との連結部分には、吸気バルブ19および排気バルブ20がそれぞれ装備されている。さらに、本エンジンの停止制御装置には、吸気バルブ19の開閉タイミングを変更可能なバルブタイミング制御手段50が設けられており、このバルブタイミング制御手段50によって前記吸気バルブ19の開閉タイミングが変更されるようになっている。このバルブタイミング制御手段50は、バルブタイミング演算手段52とバルブタイミング変更手段51とからなる。バルブタイミング演算手段52はECU2内に設けられて、吸気バルブ19の開閉タイミングを演算している。一方、バルブタイミング変更手段51は、バルブタイミング演算手段52からの出力信号に応じて吸気バルブ19の開閉タイミングを所定の値に変更している。バルブタイミング制御手段50の詳細については後述する。
前記吸気ポート17および排気ポート18には、吸気通路21および排気通路22が接続されている。吸気ポート17に近い吸気通路21の下流側は、図2に示すように、各気筒12A〜12Dに対応して独立した分岐吸気通路21aとなっており、この各分岐吸気通路21aの上流端がそれぞれサージタンク21bに連通している。このサージタンク21bよりも上流側には共通吸気通路21cが設けられている。この共通吸気通路21cには、各気筒12A〜12Dに流入する空気量を調整可能なスロットル弁23とこのスロットル弁23を駆動するアクチュエータ24とが設けられている。スロットル弁23の上流側および下流側には、それぞれ吸気流量を検出するエアフローセンサ25と、吸気圧力を検出する吸気圧センサ26とが設置されている。
また、エンジン1には、図3に示すように前記吸気バルブ19および排気バルブ20を開閉作動させる吸気側カムシャフト41と排気側カムシャフト42とが設けられている。この吸気側カムシャフト41と排気側カムシャフト42とはそれぞれ吸気側カムプーリ43および排気側カムプーリ44に連結されている。そして、クランクシャフト3に嵌合されたクランクプーリ45と各カムプーリ43,44との間にはタイミングベルト46が張架されており、タイミングベルト46を介してクランクシャフト3の回転力がカムプーリ43,44に伝達され、各カムシャフト41,42がクランクシャフト3に同期回転されるようになっている。
前記バルブタイミング変更手段51は、前記吸気側カムシャフト41に取り付けられている。そして、前記ECU2内に設けられたバルブタイミング演算手段52の出力信号に基づいて吸気側カムシャフト41と吸気側カムプーリ43とを油圧により相対的に回動させて、吸気側カムシャフト41のクランクシャフト3に対する回転位相を変更し、吸気バルブ19の開閉タイミングを変更している。
具体的には、バルブタイミング変更手段51は、図4に示すように、吸気側カムプーリ43と回転一体に連結されたケーシング55とこのケーシング55に対して相対的に回動可能に連結されたロータ56とを有している。前記吸気側カムシャフト41はこのロータ56と回転一体に連結されている。ロータ56は複数のベーン56aを有しており、ロータ56とケーシング55との間には前記ベーン56aとケーシング55に設けられた突出壁部55aとにより複数の受圧室56bが形成されている。この受圧室56bは、図3に示すようなオイル制御バルブ47およびオイルポンプ48を介してオイルタンク49に連通されている。そして、前記バルブタイミング演算手段52から出力される信号に基づいて前記オイル制御バルブ47が駆動され、前記受圧室56b内の作動油圧が増減されるようになっている。この受圧室56b内の作動油圧が変化すると、それに応じて前記ロータ56がケーシング55に対して回動する。前記のように吸気側カムシャフト41はロータ56と回転一体に連結されており、ケーシング55は吸気側カムプーリ43ひいてはクランクシャフト3と回転一体に連結されているので、前記のようにロータ56がケーシング55に対して相対的に回動すると、吸気バルブ19のバルブタイミングが変化することになる。
ここで、前記オイルポンプ48はクランクシャフト3に連結されており、エンジンの回転を駆動源として駆動されている。すなわち、オイルポンプ48の図示しないピストンがクランクシャフト3に連結されており、このピストンがクランクシャフト3の回転に伴って駆動されることでオイルタンク49内の作動油が圧送されるようになっている。
また、前記エンジン本体1には、図2に示すように、タイミングベルト46等によりクランクシャフト3に連結されたオルタネータ28が付設されている。このオルタネータ28は、図示を省略したフィールドコイルの電流を制御して出力電圧を調節することにより発電量を調整するレギュレータ回路28aを内蔵し、このレギュレータ回路28aに入力される前記ECU2からの制御信号に基づき、車両の電気負荷および車載バッテリーの電圧等に対応した発電量の制御が実行されるように構成されている。
さらに、前記エンジン1には、クランクシャフト3の回転角を検出する2つのクランク角センサ30,31が設けられ、一方のクランク角センサ30から出力される検出信号に基づいてエンジン回転数NEが検出されるとともに、この両クランク角センサ30,31から出力される位相のずれた検出信号に基づいてクランクシャフト3の回転角度が検出されるようになっている。さらに、エンジン1には、吸気側カムシャフト41の回転位置を検出するカム角センサ32と、冷却水温度を検出する水温センサ33と、運転者のアクセル操作量に対応したアクセル開度を検出するアクセルセンサ34とが設けられており、これらの各センサから出力される検出信号がECU2に入力される。
ECU2は、前記各センサからの検出信号に基づき種々の演算を行うとともに、各アクチュエータの制御信号を出力するものである。例えば、運転条件に応じた燃料の噴射量および噴射時期や点火時期を演算し前記燃料噴射弁16や点火装置27に制御信号を出力している。また、運転条件に応じてスロットル弁23の目標開度を演算し、スロットル弁23の開度がこの目標開度となるような制御信号をアクチュエータ24に出力している。また、ECU2では、予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに各気筒12A〜12Dへの燃料噴射を所定のタイミングで停止(燃料カット)して自動的にエンジンを停止させるとともに、その後に運転者によるアクセル操作が行われる等により再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる制御が実行されるようになっている。
この再始動制御とは、具体的には、まず、エンジンの自動停止時に圧縮行程の途中でピストン13が停止した停止時圧縮行程気筒に燃料を噴射し点火することで初回の燃焼を行わせ、次にエンジンの自動停止時に膨張行程の途中で停止した停止時膨張行程気筒に燃料を噴射し点火することで2回目の燃焼を行わせるものである。この再始動では、前記停止時圧縮行程気筒での燃焼によりピストン13が押し下げられてクランクシャフト3が少しだけ逆回転し、これにより停止時膨張行程気筒のピストン13が一旦上昇するのでこの停止時膨張行程気筒内の空気が圧縮される。このように停止時膨張行程気筒内の空気が圧縮されれば、この圧縮された空気に燃料を噴射し点火することでこの停止時膨張行程気筒での2回目の燃焼を実現することができる。このようにして、クランクシャフト3に正回転の駆動トルクが与えられる結果、エンジンが自動的に再始動する。
前記のように再始動モータ等を使用することなく、停止時膨張行程気筒に噴射された燃料に点火するだけでエンジンを適正に再始動させるためには、この停止時膨張行程気筒で得られる燃焼エネルギーを充分に確保することにより、これに続いて圧縮上死点を迎える気筒がその圧縮反力に打ち勝って圧縮上死点を超えるようにしなければならない。すなわち、停止時圧縮行程気筒内に所定量の空気量を確保するとともに、停止時膨張行程気筒内にも充分な空気量を確保しておく必要がある。具体的には、図5および図6に示すように、ピストン13を、前記停止時膨張行程気筒が、圧縮上死点後のクランク角が90°CAとなる位置よりもやや下死点側の所定範囲、例えば圧縮上死点後のクランク角が100°〜120°CAとなる適正範囲R内に停止させる必要がある。
ここで、前記のように燃料噴射を停止してエンジンを自動停止させる場合、クランクシャフト3やフライホイール等が有する運動エネルギーが、摩擦による機械的な損失や各気筒12A〜12Dのポンプ仕事によって消費されることにより、エンジンのクランクシャフト3は燃料噴射の停止時点から惰性で数回転した後に停止する。例えば、4気筒4サイクルのエンジンでは10回前後の圧縮上死点を迎えた後に停止する。具体的には、図14に示すように、燃料噴射を停止した時間t3以降では、気筒12A〜12Dがそれぞれ圧縮上死点を迎える度にエンジン回転数Neが一時的に落ち込み低下していく。そして、最後の圧縮上死点を超えた時点の後に圧縮上死点を迎える気筒では、慣性力によるピストン13の上昇に伴って空気圧が高まり、その圧縮反力によりピストン13が押し返されてクランクシャフト3が逆回転する。このクランクシャフト3の逆回転によって膨張行程気筒の空気圧が上昇すると、その圧縮反力に応じて膨張行程気筒のピストン13が下死点側に押し返されてクランクシャフト3が再び正回転し始める。このようにして、クランクシャフト3の逆回転と正回転とが数回繰り返された後にエンジンは停止する。
このように、前記エンジンの自動停止時のピストン13の停止位置は、前記圧縮行程気筒および膨張行程気筒における圧縮反力のバランスにより決定される。従って、エンジンが自動停止する際にピストン13を再始動に適した前記適正範囲R内に停止させるためには、停止時膨張行程気筒の圧縮反力が停止時圧縮行程気筒の圧縮反力よりも所定値以上小さくなるように、両気筒に対する吸気流量を調節する必要がある。
そこで、本実施形態では、燃料噴射の停止時点でスロットル弁23の開度を大きな値に設定することにより、停止時膨張行程気筒および停止時圧縮行程気筒に所定量の空気を吸入させた後、所定時間が経過した時点でスロットル弁23の開度を低減することにより各気筒に流入する吸入空気量を調整するようにしている。
ただし、実際のエンジンでは、吸気ポートや分岐吸気通路の形状に個体差があることにより、また、エンジンの温度等によりこれらを流通する空気の挙動が変化するため、エンジンの自動停止期間中に各気筒12A〜12Dに吸入される吸気流量にばらつきが生じる。したがって、スロットル弁23の開閉制御のみでは、ピストンの停止位置を適正範囲R内に収めるのが困難となる。
この点につき、本実施形態では、図7に一例を示すように、エンジンの自動停止期間中においてエンジン回転数NEが低下する過程で、各気筒12A〜12Dが圧縮上死点を通過する際のエンジン回転数NEとピストン13の停止位置との間に相関関係があることに着目した。そして、エンジン回転数NEが低下する過程で180°CA毎(各気筒が圧縮上死点を通過する際)のエンジン回転数NEを検出し、この検出結果に応じてオルタネータ28の発電量を制御することにより、エンジン回転数NEの落ち込み具合を調整して、エンジンの自動停止時のピストン13の停止位置を適正範囲Rに近い範囲に納めるようにしている。
前記図7は、エンジン回転数NEが800rpm付近となるときに燃料噴射を停止した場合の180°CA毎のエンジン回転数NEとピストン13の停止位置との関係を示したものである。ここでは、前記のように燃料噴射の停止時点でスロットル弁23を十分に開いた後、所定時間が経過した時点でスロットル弁23の開度を低減した場合である。この図の横軸は、燃料噴射停止後の180°CA毎のエンジン回転数NEであり、縦軸はエンジン停止時のピストン13の停止位置である。また、図中の番号はエンジンの自動停止時から数えて、各気筒が圧縮上死点を通過する順番を表している。
この図から明らかなように、圧縮上死点時のエンジン回転数NEが適正回転数範囲(斜線の範囲)にあれば、ピストン13の停止位置を再始動に好適な前記適正範囲Rにほぼ納めることが可能となる。
従って、前記のようにオルタネータ28の発電量を制御することにより燃料噴射停止後のエンジン回転数NEの落ち込み具合を調整すれば、ピストン13を適正範囲R内にて停止させることができる。
しかしながら、このオルタネータ28によりエンジン回転数NEを調整する方法を幾種類かのエンジンで実施したところ、そのうちの数種類のエンジンにおいてはピストン13を適正範囲R内に停止させることができない場合があることが判明した。これについて種々の調査を行ったところ、エンジンの自動停止直前にエンジンが吸気バルブ19の開弁時期まで逆回転して吸気バルブ19が開く結果、停止時圧縮行程気筒内に空気が流入してしまうことが原因であることが判明した。すなわち、前記のように圧縮上死点時のエンジン回転数NEの落ち込みを調整しても、自動停止直前の逆回転時に停止時圧縮行程気筒内に空気量が流入すると、停止時圧縮行程気筒内の圧縮反力が増加してしまい、停止時膨張行程気筒のピストン13を十分に上昇させることができなくなる場合がある。特に、流入する空気量は運転条件や周囲状況等によって種々に変化するため、前記のように吸気バルブ19が開いてしまうと、同一のエンジンにおいてもピストン13を適正範囲R内に停止させることができなくなる場合が生じる。
ここで、従来、エンジン回転数NEが低い運転条件では、図8に示すように、吸気バルブ19のバルブタイミングが遅角側に制御されている場合が多い。これは、低回転時の燃焼を安定させるべく、吸気バルブ19と排気バルブ20とのオーバーラップ量を抑制し、気筒内の空気量を確保するためである。しかし、このように吸気バルブ19のバルブタイミングを遅角させていると前記のように逆回転時に吸気バルブ19が開弁してしまう可能性が非常に高くなる。
そこで、本発明では、図9に示すように、エンジンの自動停止条件が成立した後に吸気バルブ19のバルブタイミングを前記バルブタイミング制御手段50によって最進角位置に進角補正し、エンジンの逆回転時に吸気バルブ19が開弁しないようにしている。
特に、本実施形態では、前記のようにバルブタイミング変更手段51の作動油圧が、クランクシャフト3に連結されたエンジン1の回転を駆動源とするオイルポンプ48によって生成されている。そのため、エンジンの自動停止条件が成立するようなエンジン回転数が低い場合には、オイルポンプ48が十分に駆動されずバルブタイミングを変更するために必要な油圧を得ることができない場合がある。従って、本実施形態では、エンジンの自動停止条件が成立した時点で、エンジン回転数を、吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正するために必要な油圧が得られるまで上昇させて、前記バルブタイミング変更手段51による吸気バルブ19のバルブタイミングの進角補正を実現している。
前記のような回転数NEの上昇および吸気バルブ19のバルブタイミング進角補正は、前記バルブタイミング制御手段50および回転数制御手段60とによって行われる。
このバルブタイミング制御手段50のうちECU2内に設けられたバルブタイミング演算手段52は、吸気バルブ19のバルブタイミングの目標進角補正量を演算するためのものである。このバルブタイミング演算手段52では、カム角センサ32の検出値と最進角位置との偏差に基づき吸気バルブ19のバルブタイミングの目標進角補正量を演算するとともに、吸気バルブ19のバルブタイミングを前記目標進角補正量だけ進角させるために前記バルブタイミング変更手段51に供給せねばならない要求作動油圧を演算している。
前記回転数制御手段60は、エンジン回転数NEを、オイルポンプ48によって前記要求作動油圧を生成するのに必要な値に制御するためのものである。この回転数制御手段60では、まず、このバルブタイミング演算手段52で演算された要求作動油圧を実現するために必要なエンジンの目標回転数N1を算出する。そして、前記クランク角センサ30,31の検出結果に基づく現在のエンジン回転数NEと前記目標回転数N1との偏差に基づいて要求噴射量を算出する。ここで、エンジン本体1に噴射する噴射量が急激に変化すると運転者に違和感を与えてしまうので、実際には、運転者が異常と感じないように要求噴射量に補正を行う。このようにして算出された要求噴射量の信号は前記燃料噴射弁16に出力される。そして、エンジン回転数NEが前記目標回転数N1になると前記バルブタイミング制御手段50により吸気バルブ19のバルブタイミングが進角補正される。
また、エンジンの自動停止時には、前述のように燃料噴射停止後のエンジン回転数NEの低下具合がオルタネータ28により調整されるが、このエンジン回転数NEの低下具合を最適にするためには、燃料噴射停止時点すなわちエンジン回転数低下直前におけるエンジン回転数NEを所定の値N3(オルタネータ制御用回転数)にしておくのが好ましい。そこで、前記回転数制御手段60にて、燃料噴射停止時点でのエンジン回転数NEがこのオルタネータ制御用回転数N3となるような制御を行う。すなわち、この回転数制御手段60では、エンジン回転数NEをオルタネータ制御用回転数N3にするために必要な噴射量が演算される。
さらに、エンジン自動停止時にはエンジン1を掃気する必要がある。そこで、この回転数制御手段60にて、エンジン回転数NEが、掃気に必要な回転数である掃気用回転数N2となるような制御も行う。すなわち、回転数制御手段60では、エンジン回転数NEをこの掃気用回転数N2にするために必要な噴射量が演算される。
次に、本実施形態におけるエンジンの自動停止時の具体的な制御例を図10および図11等を参照しながら説明する。図10はエンジンの自動停止時における燃料噴射停止までの制御手順のうちの前半部分を示すフローチャートである。一方、図11は自動停止時の燃料噴射停止までの制御手順のうち後半部分を示すフローチャートである。
まず、最初に、各種センサ類からの検出信号に基づいて、エンジンの自動停止条件が成立したか否かの判定を行う(ステップS1)。具体的には、ブレーキの作動状態が所定時間継続し、車速が所定値以下であるといった場合には、エンジンの自動停止条件が成立したと判定される。
エンジンの自動停止条件が成立したと判定されれば(ステップS1でYES)、カム角センサ32の検出信号に基づいて現在の吸気バルブ19のバルブタイミングを算出し、この現在のバルブタイミングと最進角位置との偏差すなわち目標進角補正量を算出する(ステップS2)。そして、この目標進角補正量に基づいてバルブタイミング変更手段51に供給すべき目標油圧を算出する(ステップS3)。さらに、この算出された目標油圧を実現可能な目標回転数N1を算出する(ステップS4)。次に、クランク角センサ30,31の検出結果に基づいて算出される現在のエンジン回転数NEと前記目標回転数N1との偏差に基づいて必要な要求噴射量を算出し(ステップS5)、噴射量がこの要求噴射量となるまでインジェクタ16のパルス幅を徐々に増加させて、エンジン回転数NEを前記目標回転数N1まで上昇させていく(ステップS6)。
そして、エンジン回転数NEが目標回転数N1になったかどうかを判定して(ステップS7)、判定結果がYESの場合には噴射量の増加を終了する。一方、判定結果がNOの場合、すなわち、エンジン回転数NEが目標回転数N1に到達していない場合には、ステップS5、S6を繰り返してエンジン回転数NEを上昇させていく。エンジン回転数NEが目標回転数N1になった後は、バルブタイミング変更手段51を駆動し、吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正する(ステップS8)。そして、カム角センサ32の検出結果に基づいて、吸気バルブ19のバルブタイミングが最進角位置にまで進角されたかどうかを判定する(ステップS9)。このとき、この判定結果がNOの場合、すなわち、吸気バルブ19のバルブタイミングを最進角位置にまで進角させることができなかった場合には、ステップS2に戻りステップS2〜ステップS9までを実施する。
吸気バルブ19のバルブタイミングが最進角補正されれば、次に、現在のエンジン回転数NEが前記掃気用回転数N2よりも小さい、あるいは現在のエンジン回転数NEがオルタネータ制御用回転数N3よりも小さいかどうかが判定される(ステップS10)。この判定結果がYESの場合、すなわち、現在のエンジン回転数NEが前記回転数N2,N3のいずれかよりも小さい場合には、前記掃気用回転数N2とオルタネータ制御用回転数N3のうち高い方の回転数を目標回転数Ntに設定して(ステップS11)、エンジン回転数NEがこの新たな目標回転数Ntとなるまで(ステップS13)噴射量を増量する(ステップS12)。一方、この判定結果がNOの場合、すなわち、現在のエンジン回転数NEが前記いずれの回転数N2,N3よりも大きい場合には、所定時間掃気が行われる(ステップS14)。
次に、現在のエンジン回転数NEがオルタネータ制御用回転数N3と一致しているかどうかが判定される(ステップS15)。この判定結果がNOの場合には、目標回転数Ntをオルタネータ制御用回転数N3として(ステップS16)、エンジン回転数NEがこのオルタネータ制御用回転数N3となるまで(ステップS18)噴射量を増減する(ステップS17)。そして、エンジン回転数NEが前記オルタネータ制御用回転数N3となった時点、すなわち前記判定結果がYESの場合に、燃料噴射を停止する(ステップS19)。
次に、燃料噴射停止後の制御例を図12を参照しながら説明する。
前記のように燃料噴射が停止されると、まず、スロットル弁23を設定開度となるように開弁する(ステップS20)。続いて、上死点時のエンジン回転数が適正回転数範囲にあるかどうかを判定する(ステップS21)。
前記ステップS21での判定がYESであれば、さらに現在のエンジン回転数NEが所定回転数以下であるかどうかを判定する(ステップS22)。この所定回転数は、吸気の輸送遅れを考慮して、停止時膨張行程気筒内の吸気量が停止時圧縮行程気筒の吸気量よりも多くなるようなタイミングでスロットル弁23を閉じるためのものであって、例えば500〜600rpmの範囲に設定されている。そして、エンジン回転数NEがこの所定回転数以下となれば(ステップS22でYES)スロットル弁23を閉弁する(ステップS23)。一方、エンジン回転数NEが所定回転数以上であればステップS21に戻る。
一方、前記ステップS21での判定がNOの場合、すなわち、エンジン回転数NEが適正回転数範囲から外れていると判定された場合には、現在のエンジン回転数NEと適正回転数との偏差に基づいてオルタネータ28の発電量を算出する(ステップS24)。この発電量は、例えば、エンジン回転数NE、適正回転数および現在のオルタネータ28の発電量に応じて、予め設定されたマップ等から決定するようにすればよい。そして、このマップは、現在のエンジン回転数NEが適正回転数範囲の上限よりも高いときにはエンジン本体1の負荷が増加するようにオルタネータ28の発電量を増大させる一方、現在のエンジン回転数NEが適正回転数範囲の下限よりも小さいときにはエンジン本体1の負荷が減少するように発電量を減少させるよう構成されている。また、前記マップにおいて発電量の目標値は、上死点時のエンジン回転数が適正回転数範囲の下限付近になるよう大きめに設定されている。
そして、オルタネータ28で前記決定された発電量が発電される(ステップS25)。このオルタネータ28の発電作動によってエンジン本体1の負荷が調整されることで、慣性で回転するエンジン本体1の回転数の軌跡は高回転側または低回転側のいずれかにシフトされて、徐々に目標とする軌跡に近づいて行く。そして、エンジン回転数NEが前記ステップS22の所定回転数以下になれば(YESの場合)、ステップS23に進み、スロットル弁23を閉じる。
以上のような制御を行ったときのエンジン回転数NE等の変化の様子を図14に示す。
この図は、エンジン自動停止条件が成立した際にONとなる自動停止判定フラグと、燃料噴射が停止されたときにONとなる燃料噴射停止フラグと、エンジン回転数NEと、スロットル弁23の目標開度と、吸気バルブ19のバルブタイミングとのタイムチャートを示している。
この図に示すように、まず時間t1にて自動停止条件が成立したことを示す停止判定フラグが0から1(OFFからON)に変化すると、スロットル弁23が予め設定された所定開度となるように駆動されるとともに、前記回転数制御手段60によってエンジン回転数NEの制御が開始され、エンジン回転数NEが徐々に上昇していく。時間t2にてエンジン回転数NEが目標回転数N1(この図では約900rpm)まで上昇すると、バルブタイミング制御手段50によって吸気バルブ19のバルブタイミングが最進角位置まで進角補正される。その後、所定時間が経過し掃気が十分に行われたと判断されると、時間t3にて燃料噴射停止フラグが0から1に変化して、燃料噴射が停止される。このとき、スロットル弁23の目標開度は低減される。燃料噴射停止後(t3以降)は、エンジン回転数NEがオルタネータ28の制御により調整されつつ低下し、それに伴ってオイルポンプ48の駆動力が低減して吸気バルブ19のバルブタイミングが徐々に遅角側に移動していく。
この図では、前記掃気用回転数N2とオルタネータ制御用回転数N3とがどちらも吸気バルブのバルブタイミングの進角補正に必要な目標回転数N1と一致する場合について示している。従って、これら掃気用回転数N2とオルタネータ制御用回転数N3とが前記目標回転数N1と異なる場合には、前記のように燃料噴射停止前にエンジン回転数NEを別途制御するのがよい。
また、前記実施形態では、エンジン回転数NEが所定の目標回転数N1まで上昇した後に吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正する場合について説明したが、エンジン回転数NEの制御とバルブタイミングの進角補正とを同時に行うようにしてもよい。このように構成した場合のフローチャートを図13に示す。図13は、前記図10におけるステップS3〜ステップS7のステップがステップS33〜S35のステップとなったものである。すなわち、図10の場合のように目標進角補正量を算出した後目標油圧(ステップS3)および目標回転数N1を算出して(ステップS4)エンジン回転数NEを上昇させ(ステップS5〜ステップS7)、エンジン回転数NEが目標回転数N1となった時点でバルブタイミングの進角補正を行う(ステップS8)のに対して、目標油圧および目標回転数の算出を行わずに噴射量の増加量のみを算出し(ステップS33)、噴射量を増量してエンジン回転数NEを上昇させつつ(ステップS34)吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正していく(ステップS35)。そして、吸気バルブ19のバルブタイミングが最進角位置となった時点で噴射量の増加を停止する(ステップS9)。このようにすれば、目標油圧等の演算を行う必要がなく演算負荷をより小さくすることができる。また、エンジン回転数NEの上昇を、吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正するのに必要な最小限の値におさめることが可能になる。
以上のように、本エンジン停止制御装置によれば、エンジンの自動停止条件が成立したときにエンジンの吸気バルブ19のバルブタイミングが進角補正されるので、自動停止時にエンジンが逆回転した際に吸気バルブ19が開いて停止時圧縮行程気筒に空気が流入してしまうのをより確実に抑制することができる。その結果、自動停止時にピストン13をより確実に所望の位置に停止させることができるので、エンジンを停止時膨張行程気筒での燃焼により確実に再始動させることが可能になる。
特に、エンジンの自動停止条件成立時に回転数を上昇させて吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正するようにしているので、本発明を、バルブタイミングがエンジンの回転を駆動源として駆動されるオイルポンプ48等の駆動によって変更されるようなバルブタイミング制御手段50を有するエンジンに用いたとしても、吸気バルブ19のバルブタイミングを確実に進角補正することができる。
また、前記エンジン回転数NEの上昇量を、カム角センサ32すなわちバルブタイミング検出手段の検出結果に基づいて制御するようにすれば、より確実に吸気バルブ19のバルブタイミングを所定の進角量だけ進角補正することができる。
また、前記のようにエンジンの自動停止前にエンジン回転数NEを上昇させておけば、同時にエンジンの掃気を行うことが可能になる。さらに、前記のように吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正すると、吸気バルブ19と排気バルブ20とのオーバーラップが増加する可能性があるが、前記のようにエンジン回転数NEを上昇させておけば気筒内に流入する空気量を十分に確保することができる。すなわち、吸気バルブ19のバルブタイミングを進角補正しつつ燃焼の安定化を図ることができる。
ここで、エンジンの自動停止条件成立時に、予め設定された掃気用回転数N2と前記吸気バルブのバルブタイミングの進角補正のための目標回転数N1のうち、より高い回転数となるようにエンジン回転数NEを制御するようにすれば、掃気制御および吸気バルブの進角補正制御のいずれをも確実にかつ効果的に実施することが可能になる。
また、吸気バルブ19のバルブタイミングの進角量はエンジンの逆回転によって吸気バルブ19が開弁しない値であればよいが、最進角位置に設定しておけば、より確実に吸気バルブ19の開弁を抑制することができる。特に前記のようにエンジンの回転を駆動源とするバルブタイミング制御手段50を用いる場合には、燃料噴射停止後にエンジン回転数NEの低下によって吸気バルブ19のバルブタイミングが遅角側に移行した場合でも、そのバルブタイミングを十分に進角側とすることができる。
ここで、前記実施形態では、バルブタイミング変更手段51がオイルポンプ48から圧送されるオイルで駆動する油圧式装置の場合について示したが、その他モータ等によって制御されるものであってもよい。
また、前記実施形態では、エンジン自動停止後の再始動の際に、まず停止時圧縮行程気筒内の混合気を燃焼させてエンジン本体1を少しだけ逆回転させた後、停止時膨張行程気筒の混合気を燃焼させる場合について示したが、最初に停止時膨張行程気筒の混合気を燃焼させて再始動を実現するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、吸気バルブ19のバルブタイミングを最進角位置まで補正した場合について示したが、この進角位置は、前述のようにエンジンの逆回転時に吸気バルブ19が開弁しないような位置あるいは、開弁したとしても空気量の流入が非常に小さくなるような位置であれば、適宜設定可能である。
また、前記実施形態では、目標回転数N1の値を目標進角補正量から算出する場合について示したが、この目標回転数N1は予め設定された値であってもよい。
1 エンジン本体
2 ECU(自動停止制御手段)
3 クランクシャフト
13 ピストン
16 燃料噴射弁
19 吸気バルブ
23 スロットル弁
28 オルタネータ
32 カム角センサ(バルブタイミング検出手段)
41 吸気側カムシャフト
48 オイルポンプ
50 バルブタイミング制御手段
51 バルブタイミング変更手段
52 バルブタイミング演算手段
60 回転数制御手段
2 ECU(自動停止制御手段)
3 クランクシャフト
13 ピストン
16 燃料噴射弁
19 吸気バルブ
23 スロットル弁
28 オルタネータ
32 カム角センサ(バルブタイミング検出手段)
41 吸気側カムシャフト
48 オイルポンプ
50 バルブタイミング制御手段
51 バルブタイミング変更手段
52 バルブタイミング演算手段
60 回転数制御手段
Claims (6)
- 予め設定されたエンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンを自動停止させるとともに、予め設定されたエンジンの再始動条件が成立したときに、少なくとも当該エンジンの自動停止時に膨張行程にあった停止時膨張行程気筒での燃焼によってエンジンを再始動させる多気筒4サイクルエンジンの停止制御装置において、
前記エンジンの吸気バルブのバルブタイミングを変更可能なバルブタイミング制御手段を有し、
当該バルブタイミング制御手段によって、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンの吸気バルブのバルブタイミングを予め設定された所定角度まで進角補正することで、前記停止時膨張行程気筒のピストンを前記エンジンの自動停止時に予め設定された所定位置に停止させることを特徴とするエンジンの停止制御装置。 - 請求項1に記載のエンジンの停止制御装置において、
前記バルブタイミング制御手段が、前記エンジンの回転を駆動源として駆動されることを特徴とするエンジンの停止制御装置。 - 請求項2に記載のエンジンの停止制御装置において、
前記エンジンの回転数を制御可能な回転数制御手段を有し、
当該回転数制御手段が、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに、当該エンジンの回転数を、前記バルブタイミング制御手段によって前記吸気バルブのバルブタイミングの進角補正が可能となる値にまで上昇させることを特徴とすることを特徴とするエンジンの停止制御装置。 - 請求項3に記載のエンジンの停止制御装置において、
前記吸気バルブのバルブタイミングの進角量を検出可能なバルブタイミング検出手段を有し、
前記回転数制御手段が、前記バルブタイミング検出手段の検出結果に基づいて前記エンジンの回転数を制御することを特徴とするエンジンの停止制御装置。 - 請求項3または4に記載のエンジンの停止制御装置において、
前記回転数制御手段が、前記エンジン自動停止条件が成立したときに当該エンジンの回転数を、気筒内を掃気するために必要な回転数と前記バルブタイミング制御手段によって前記吸気バルブのバルブタイミングを進角補正するのに必要な回転数のうちより高い回転数に制御することを特徴とするエンジンの停止制御装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のエンジンの停止制御装置において、
前記バルブタイミング制御手段が、前記エンジンの自動停止条件が成立したときに当該エンジンの吸気バルブのバルブタイミングを最進角位置に制御することを特徴とするエンジンの停止制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006274994A JP2008095519A (ja) | 2006-10-06 | 2006-10-06 | エンジンの停止制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006274994A JP2008095519A (ja) | 2006-10-06 | 2006-10-06 | エンジンの停止制御装置 |
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Family Applications (1)
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JP2006274994A Pending JP2008095519A (ja) | 2006-10-06 | 2006-10-06 | エンジンの停止制御装置 |
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JP (1) | JP2008095519A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010179872A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Mazda Motor Corp | 車両の走行制御装置 |
JP2010216349A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Denso Corp | エンジン回転停止制御装置 |
JP2016148302A (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
2006
- 2006-10-06 JP JP2006274994A patent/JP2008095519A/ja active Pending
Cited By (4)
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CN105888761A (zh) * | 2015-02-13 | 2016-08-24 | 丰田自动车株式会社 | 车辆的控制装置和控制方法 |
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