JPH0687751B2 - 高濃度のリゾホスファチジルコリンを含むリゾレシチンを採取する方法 - Google Patents

高濃度のリゾホスファチジルコリンを含むリゾレシチンを採取する方法

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JPH0687751B2 JP2258165A JP25816590A JPH0687751B2 JP H0687751 B2 JPH0687751 B2 JP H0687751B2 JP 2258165 A JP2258165 A JP 2258165A JP 25816590 A JP25816590 A JP 25816590A JP H0687751 B2 JPH0687751 B2 JP H0687751B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、原料となるリゾレシチンより、必要な成分を
採取する方法に係り、特に、種々の成分の中で、リゾホ
スファチジルコリン(LPC)を高濃度に含むリゾレシチ
ンを採取する方法に関するものである。
(背景技術) リゾレシチン(リゾリン脂質)は、分子中に水酸基を持
つために、レシチン(リン脂質)よりも親水性が大き
く、pHや温度変化に対して安定なエマルジョンを形成す
る特徴を有するが、中でも、リゾホスファチジルコリン
(LPC)は、非イオン界面活性剤に似た挙動を示し、塩
類濃度の高い溶液に対しても界面活性を保つと言われて
いる。このため、LPCは、食品、化粧品、医薬品等の各
分野において、広く応用が期待されているものである。
ところで、市販されているリゾレシチンは、卵黄レシチ
ンや大豆レシチン等の動植物性レシチンに、酵素を作用
させて、該レシチンを加水分解することにより、製造さ
れているが、原料によって多少組成は異なるものの、一
般に、前記リゾホスファチジルコリン(LPC)の他に、
リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)やリゾホ
スファチジン酸(LPA)、更に、リゾ化されていない未
反応の各種リン脂質を含んでおり、また多くの場合、原
料レシチンに由来する中性油脂を含んでいるので、LPC
濃度はそれほど高くはないのである。
而して、より高濃度のLPCを含むリゾレシチンを製造す
るためには、アセトン等の溶剤を用いて中性油脂を除去
し、更にアルコール分画を行なう方法が知られている。
しかし、この方法は、操作が面倒である上に、大豆レシ
チン等の植物性レシチンから得られたリゾレシチンを原
料とする場合等には、原料にLPC以外のアルコール可溶
性成分が多量に含まれることから、アルコール分画操作
を繰り返して行なっても、LPC濃度を70%以上にするこ
とは非常に困難である問題を内在している。
また、シリカゲル等を用いるクロマト法は、高濃度LPC
を分画することは可能であるが、生産性が悪く、高価で
あって、工業的手法ではないのである。
(解決課題) このような事情を背景として、本発明は為されたもので
あって、その解決課題とするところは、簡便な操作によ
って、原料リゾレシチン(リゾリン脂質混合物)の中か
ら、リゾホスファチジルコリン(LPC)を効率的に取り
出して、高濃度のLPCを含むリゾレシチンを有利に採取
することにある。
(解決手段) 上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意研究を重
ねた結果、所定の二酸化炭素とアルコールの混合溶媒に
て、脱脂されたリゾレシチンの抽出操作を行なうと、各
種のリゾリン脂質及びリゾ化されずに残った各種の未反
応のリン脂質の中にあって、リゾホスファチジルコリン
(LPC)が抽出され易く、未反応のリン脂質は抽出され
難いことを見い出し、そしてこの知見に基づいて、本発
明を完成したのである。
すなわち、本発明は、レシチンに酵素を作用させて得ら
れるリゾレシチンを脱脂した後、液体状態若しくは超臨
界状態の二酸化炭素と炭素数が1〜4のアルコールとか
らなる混合溶媒を抽出溶媒として用い、該混合溶媒に
て、前記脱脂されたリゾレシチンの抽出操作を行なっ
て、その抽出液から前記混合溶媒を除去することによっ
て、高濃度のリゾホスファチジルコリンを含むリゾレシ
チンを採取することを、その要旨とするものである。
(具体的構成) ところで、本発明において、抽出操作が施されるべきリ
ゾレシチンは、動物または植物由来のレシチンが酵素に
より加水分解されたものであって、例えば、卵黄、牛
脳、豚脳等から得られる動物由来のレシチンや、大豆、
とうもろこし、なたね等の植物種子から得られる植物由
来のレシチンに、所定の酵素を作用させることにより得
られる。なお、通常、酵素として、ホスホリパーゼA2
使用されるが、これには、市販の製剤を使用することが
出来る。また、レシチンや、リゾレシチンも各種類のも
のが製品化され、市販されているので、それらを使用す
ることが可能である。
そして、かかる酵素処理によって得られた原料リゾレシ
チンが、中性油脂を含む場合には、LPCの抽出操作に先
立って、予め油脂分が除去せしめられるのである。油脂
分の除去方法としては、従来から行なわれている公知の
各種手法を用いることが出来、例えば、アセトン抽出や
超臨界二酸化炭素抽出によって、油脂分を抽出分離する
ことが出来る。
また、特に、原料リゾレシチンが植物性レシチンに由来
するものである場合には、LPCの抽出操作において、原
料リゾレシチンと抽出溶媒との接触を容易にするため
に、該リゾレシチンを抽出溶媒に不溶の粉粒体と予め混
合しておくことが望ましい。何故なら、一般に、固体ま
たは液体であるリゾレシチン相に対して、抽出溶媒の浸
透は著しく悪く、リゾレシチン相の抽出溶媒に対する溶
解速度も遅いところから、単にリゾレシチンに抽出溶媒
を注入しただけでは、抽出に時間がかかり、必要以上に
抽出溶媒を使用するようになるばかりでなく、抽出溶媒
の浸透の違いにより、再現性の悪い不安定な抽出になる
恐れがあるからである。それ故、原料リゾレシチンを、
抽出操作に先立って、予め粉粒体と混合しておけば、抽
出溶媒に対する該リゾレシチンの接触面積を大幅に増や
して、抽出を容易にすることが出来るのであり、更に抽
出溶媒の流路を均等にして、溶液の流れを一様にするこ
とが出来るのである。
因みに、かかる粉粒体の具体例としては、後述する二酸
化炭素とアルコールとからなる抽出溶媒に不溶で且つ原
料リゾレシチンに対して不活性なもの(即ち、原料リゾ
レシチンと反応したり、強固な吸着作用を示さないも
の)であれば、特に制限はなく、でんぷん粉末、大豆蛋
白、卵白、セルロース系粉末、多孔性シリカ等が用いら
れ得る。また、抽出溶媒に配合されるアルコールが、2
%以上の水を含まなければ、デキストリン粉末も使うこ
とが出来る。
また、粉粒体と原料リゾレシチンとの混合比について
は、均一な混合が為され得る割合に適宜に決定されれば
よいが、必要以上に粉粒体を用いることは経済的でない
ので、原料リゾレシチンの1重量部に対して、粉粒体を
0.2〜4重量部の範囲で混合するのが適当である。
さらに、原料リゾレシチンが粉末状または液状の場合
は、粉粒体と均一に混合せしめることは容易であるが、
固体または著しく高粘度の液体の場合には、原料リゾレ
シチンを適当な溶剤に溶かしてから、粉粒体と混合し
て、その後乾燥するとよい。その際、原料リゾレシチン
の溶解に使用する溶剤を、後述する抽出溶媒の一成分と
されるアルコールとする場合には、混合後の乾燥は省略
することが出来る。
なお、卵黄由来のリゾレシチンにおいては、卵黄中の蛋
白質が上記の粉粒体の役目を果たすので、特別に粉粒体
を添加する必要はない。要するに、原料の性状にあわ
せ、抽出が均等に試されるように、粉粒体の添加を考慮
すればよいのである。
このようにして調製された原料リゾレシチンの組成は、
リゾホスファチジルコリン(LPC)以外に、リゾホスフ
ァチジルエタノールアミン(LPE)やリゾホスファチジ
ン酸(LPA)、更には、リゾ化されずに残った未反応の
ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノー
ルアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)等
を含むものである。そして、本発明においては、このよ
うな原料リゾレシチンに対して、以下の如き抽出溶媒を
用いて抽出操作を行なうことにより、LPCを効率的に抽
出せしめ、その濃度を著しく高めるのである。
すなわち、本発明では、液体状態若しくは超臨界状態の
二酸化炭素と炭素数が1〜4のアルコールの混合溶媒
を、抽出溶媒として使用する。そのうちの二酸化炭素
は、抽出溶媒としてよく知られているものであるが、本
発明においては、アルコールに可溶のリゾレシチンおよ
び未反応のレシチンの抽出比率をコントロールする作用
も有するのである。なお、二酸化炭素の超臨界状態は、
温度が臨界温度:31.1℃以上、圧力が臨界圧力:7.38MPa
(75.2kg/cm2)以上の状態であって、また液体状態は、
臨界温度よりも低い温度下の状態をいう。
一方、アルコールはLPC,LPE,PC,PE等の溶剤として働く
ものであって、炭素数が1〜4のものが何れも使用され
得、その中から1種類若しくは2種類以上が適宜に組み
合わされて選択されることとなる。なお、炭素数が4よ
り大きいと、リゾレシチンの溶解度が低くなり、事実
上、抽出溶剤として作用し得なくなるのである。また、
アルコールの水分含有量は10重量%程度以下であること
が望ましい。それを越える割合で水分が含まれる場合に
は、リゾレシチンの溶解度を低下させるだけでなく、LP
Cの分別能力を低下させる等、高濃度のLPC抽出に悪影響
を及ぼす恐れがあるからである。
そして、かかるアルコールと前記二酸化炭素の混合割合
は、前記原料リゾレシチンの組成等に応じて適宜に決定
されるところであるが、好ましくは、アルコールの配合
量が、4〜20重量%程度である。アルコールの配合量
が、この範囲より少ない場合には、LPCの溶解度が小さ
くなって収率が落ちる傾向があり、反対に混合割合がこ
れより大きいと、リゾレシチンの溶解性をコントロール
する二酸化炭素の作用が低下して、LPC濃度が上がり難
くなる懸念があるからである。
ところで、第1図は、本発明手法が適用される抽出装置
の一例を示すフローシートであるが、そこに示されるよ
うに、ボンベ2より二酸化炭素が供給される一方、タン
ク4よりエントレーナたる所定のアルコールが供給さ
れ、それらが流路上で所定の割合に混合されることによ
って、抽出溶媒が調製されるようになっている。そし
て、該抽出溶媒は、原料リゾレシチンが収容され、且つ
所定温度及び所定圧力に制御されている抽出器6内に供
給され、以てLPCの抽出が行なわれるのである。
しかる後、原料リゾレシチン中の可溶成分を溶かし込ん
だ抽出液が、抽出器6外に取り出され、分離器8,10にお
いて、先ず、常圧に戻されて、二酸化炭素とアルコール
溶液とに分離される。次いで、常法により、減圧蒸溜に
てアルコールが除去されることにより、目的とする高濃
度のLPCを含むリゾレシチンを得るのである。なお、3,5
はポンプであり、12はフローメータ、14は積算式ガスメ
ーターである。
より詳細には、上記の抽出操作に際しては、一般に、温
度が低い程、または圧力が高い程、抽出溶媒に対する原
料リゾレシチンの溶解度は大きくなる。一方、未反応の
ホスファチジルコリン(PC)が原料リゾレシチン中に残
存している場合には、LPCと共に、PCが抽出されてくる
ので、その場合には、若干、抽出温度を高めに設定する
ほうがよい。なお、より具体的な温度条件及び圧力条件
は、目的とするLPC濃度や収率、また原料リゾレシチン
の組成等に応じて、適宜に最適な条件が選ばれることに
なるが、一般に、温度が70℃以上ではリゾレシチンの熱
変化が著しくなる問題があり、また過度な低温抽出は経
済的でなく、更にまた、圧力が45MPaを越える場合に
は、装置設計及び維持管理上問題があるところから、二
酸化炭素として、超臨界状態のものを使用する場合に
は、温度:31〜65℃、圧力:8〜45MPaの範囲が好ましく、
より好ましくは、温度:40〜60℃、圧力:10〜30MPaであ
る。また、液体状態の二酸化炭素を使用する場合には、
温度:−20〜30℃、圧力:5〜8MPaの範囲が好ましい。
このようにして、前記脱脂された原料リゾレシチンに、
二酸化炭素とアルコールとからなる抽出溶媒を適用した
場合には、各種リゾレシチン及び未反応のレシチンの中
において、LPCが最も効率的に抽出され、反対に未反応
のレシチンは抽出され難く、中でもPIは殆ど抽出されな
いのである。従って、かかる抽出操作を経ることによっ
て、PIの殆どは残留成分として残り、また、抽出液中に
LPC以外のリゾレシチンや未反応のレシチンが多量に混
入することも効果的に抑制されることから、抽出される
リゾレシチンのLPC濃度を著しく高めることが出来るの
である。
なお、具体的な抽出時間の設定は、抽出装置の規模、二
酸化炭素とアルコールの混合溶媒の送り量、その他の抽
出条件や原料リゾレシチンの組成等に応じて、適宜に行
なわれるところであるが、抽出時間があまり長くなる
と、次第にLPC以外のアルコール可溶成分が混入してく
ることとなるため、一般に、抽出開始後の相対的に早い
時期の抽出区分を採取することが望ましい。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって、何等の制約をも受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例 1 市販のリゾレシチン(協和発酵工業製、エルマイザー
A)から、常法に従いアセトンを用いて油脂分を除去
し、減圧下で溶剤を除去して、粉末状の脱脂リゾレシチ
ンを得た。そして、この脱脂リゾレシチン:30gを、約60
mlのヘキサンに溶解し、デキストリン粉末(松谷化学
製、パインフロー):60gと混合した後、40℃、真空下で
溶剤を除去して、リゾレシチンとデキストリンとの粉末
混合物を調製した。
次いで、この粉末混合物を500mlの抽出容器に入れ、超
臨界二酸化炭素とエタノール(2重量%の水分を含む)
との混合溶媒(エタノール比率:16重量%)を連続的に
注入して、LPCの抽出を8時間行なった。抽出条件は、
温度:40℃、圧力:30MPa、溶媒の平均流量:200N/hであ
った。かかる抽出により得られたリゾレシチンの量は、
2.7gであり、収率は9.0%であった。
そして、このようにして採取されたリゾレシチンの組成
を、「基準油脂分析法」(日本油化学協会編、2.2.8.4a
−86)の「リン脂質リン組成」に準拠した薄層クロマト
グラフ法によって分析し、主なリン脂質について、その
結果を下記第1表に示した。また、抽出原料とした脱脂
リゾレシチン(コントロール)の組成も分析し、同表に
合わせて示した。
その結果より明らかなように、LPC濃度は、30.1%(抽
出前)から64.8%(抽出後)にまで高められた。また、
未反応のPE,PCは、抽出されなかった。
実施例 2 ホスファチジルコリン含有量を強化した大豆レシチン
(ツル−レシチン工業製、PC35):100重量部に対して、
水:50重量部の加え、撹拌して均一な混合液とした。そ
して、この混合液に、0.1%のホスホリパーゼA2製剤(N
OVO社製、レシターゼ10L)を加え、1N水酸化ナトリウム
溶液で、pHを5.5〜6.5に調整しながら、50〜60℃で48時
間、酵素反応を行なった。そして、得られた酵素反応物
を50〜60℃で真空乾燥して水分を除去した後、アセトン
洗浄と真空乾燥を施して、油脂分を除去し、脱脂リゾレ
シチンを得た。
次に、この脱脂リゾレシチン:20gを、約40mlのエタノー
ルに溶解し、デキストリン:60gと混合した後、真空下で
溶剤を除去して、リゾレシチンとデキストリンの粉末混
合物を調製した。
そして、この粉末混合物を500mlの抽出容器に入れ、超
臨界二酸化炭素とエタノールの混合溶媒(エタノール比
率:16重量%)を連続的に注入して、LPCの抽出を4時間
行なった。抽出条件は、温度:40℃、圧力:30MPa、溶媒
の平均流量:200N/hであった。かかる抽出により得ら
れたリゾレシチンの量は、5.8gであり、収率は29%であ
った。
かくして採取されたリゾレシチンと抽出原料とした脱脂
リゾレシチンについて、組成を分析したところ、第1表
に示す結果が得られ、LPC濃度が88.1%にまで高められ
ていることが判った。
実施例 3 実施例2と同様の脱脂リゾレシチン:20gを、約40mlのエ
タノールに溶解し、パーライト(東興パーライト工業
製、トプコパーライトNo.34):30gを添加混合した後、
真空下で溶剤を除去して、リゾレシチンとパーライトと
の粉末混合物を調製した。
次いでこの粉末混合物を500mlの抽出容器に入れ、液化
二酸化炭素とエタノールとの混合溶媒(エタノール比
率:8重量%)を連続的に注入して、LPCの抽出を8時間
行なった。抽出条件は、温度:5℃、圧力:7MPa、溶媒の
平均流量:400N/hとした。
かくして得られたリゾレシチンの収率は20.0%であっ
た。また、採取されたリゾレシチンの組成を分析したと
ころ、LPC濃度は89.3%と高く、抽出溶媒に液化二酸化
炭素を配合する場合にも、超臨界二酸化炭素を配合する
場合と同様に、良好な結果が得られた。
実施例 4 市販の粉末卵黄:100重量部に対して、80重量部の水を加
えた分散液を作り、この分散液に対して0.1%のホスホ
リパーゼA2製剤(NOVO社製、レシターゼ10L)を加え、1
N水酸化ナトリウム溶液でpH5.5〜6.5に調整しながら、5
0〜60℃で24時間、酵素反応を行なった。そして、得ら
れた酵素反応物を50〜60℃で真空乾燥して、リゾ化粉末
卵黄を得た。次いで、このリゾ化粉末卵黄:100gを、500
mlの抽出管に入れ、温度:40℃、圧力:30MPaの超臨界二
酸化炭素を用いて、平均流量400N/hで8時間抽出を行
ない、リゾ化粉末卵黄中の油脂分を除去した。
そして、この脱脂されたリゾ化粉末卵黄に対して、温
度:40℃、圧力:30MPa、溶媒の平均流量:400N/hの抽出
条件にて、超臨界二酸化炭素とエタノールの混合溶媒
(エタノール比率:16重量%)を用いて、LPCの抽出を4
時間行なった。
かくして採取されたリゾレシチンと抽出原料とした脱脂
リゾ化粉末卵黄について、組成を分析したところ、第1
表に示す結果が得られ、LPC濃度が91.2%に高められて
いることが判った。
実施例 5〜8 超臨界二酸化炭素と混合するアルコールの種類を変更し
て調製した4種類の抽出溶媒のそれぞれを用いて、実施
例1で調製したリゾレシチンとデキストリンの粉末混合
物の抽出を行なった。
各々の抽出において得られたリゾレシチンについて、組
成を分析したところ、第1表に示す結果が得られ、何れ
もLPC濃度が効果的に高められていることが判った。ま
た、何れの溶媒の場合でも、PE、PIは抽出されなかっ
た。
従って、炭素数1〜4のアルコールは何れも抽出溶媒と
して使用可能であり、とりわけ、メタノール及びエタノ
ールが良好な溶剤であることが認められた。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明手法に従えば、
種々のリゾレシチン及びリゾ化されずに残った種々の未
反応のレシチンを含有する原料リゾレシチンより、簡単
な操作で、且つ良好な収率をもって、効率的にLPCを抽
出することが出来るのである。
従って、本発明手法は、工程の簡略化を図り得て、且つ
良好な生産性を達成し得る、工業生産に適した高濃度LP
Cを含むリゾレシチンの製造法として、極めて利用価値
の高いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明手法が適用される抽出装置の一例を示
すフローシートである。 2:ボンベ、4:タンク 6:抽出器、8,10:分離器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レシチンに酵素を作用させて得られるリゾ
    レシチンを脱脂した後、液体状態若しくは超臨界状態の
    二酸化炭素と炭素数が1〜4のアルコールとからなる混
    合溶媒を抽出溶媒として用い、該混合溶媒にて、前記脱
    脂されたリゾレシチンの抽出操作を行なって、その抽出
    液から前記混合溶媒を除去することを特徴とする高濃度
    のリゾホスファチジルコリンを含むリゾレシチンを採取
    する方法。
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