JPH0687176A - 段ボールシートの折畳み装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 段ボールシートを押し潰すことなく、折曲げ
用罫線に沿って正確に折曲げる。 【構成】 筒状の支持部材１６,１６が、所定間隔離間
して平行に配設される。支持部材１６の上面に、長手方
向に所定間隔で複数の通孔１６ａが穿設される。支持部
材１６の上面に、その長手方向に沿ってガイド１８が配
設され。ガイド１８に、通孔１６ａと連通する溝部１８
ａが形成される。支持部材１６の長手方向両端部外方に
配設したローラに巻掛けられた無端ベルト２０は、往路
においてガイド１８上を摺動し、復路において支持部材
１６の内部を走行する。無端ベルト２０に、走行方向に
所定間隔で複数の通孔２０ａが穿設される。支持部材１
６に、吸引用ブロワ２６が連通接続される。段ボールシ
ート１０は、無端ベルト２０の表面に吸着保持された状
態で安定的に搬送される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、段ボールシートの折
畳み装置に関し、更に詳細には、段ボールシートを無端
ベルトに吸着保持した状態で搬送しつつ、折曲げ用罫線
に沿って正確な折曲げを行ない得る折畳み装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来技術】所要の印刷が施されると共に、所要のクリ
ージングその他スロッティング等の加工が施された段ボ
ールシートを、自動的に折曲げおよび糊付けする装置と
して、フォルダグルアと称する段ボールシート折畳み装
置が知られている。このフォルダグルアは、段ボールシ
ートに、その縦罫(クリーズ)の部分で折曲げを与えるた
めの折曲げ機構と、糊代の部分に糊付けするための糊付
け機構および搬送機構を有している。そして、前工程装
置(例えばプリンタ・スロッタ)から排出された段ボール
シートを、搬送機構により下流側に搬送しつつ、糊付け
機構により糊代の部分に糊付けを行なうと共に、折曲げ
機構により所要のシート部を縦罫に沿って折曲げるよう
になっている。この搬送機構は、段ボールシートの搬送
方向と交差する方向に所定間隔離間し、搬送方向に沿っ
て平行に延在する一対の搬送ベルトと、各ベルトの上方
(段ボールシートが上折りの場合)に対向的に配設した複
数の押圧ローラとを備え、ベルトと押圧ローラとにより
段ボールシートを挟持した状態で、該シートを搬送する
よう構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記搬送機構では、折
曲げ機構によるシートの正確な折曲げを行なうために、
段ボールシートを正しい姿勢を保持した状態で搬送する
ことが求められ、従来は押圧ローラにより段ボールシー
トを搬送ベルトに強く押付けることにより位置ズレが生
じないようにしていた。しかるに、押圧ローラによる押
圧力を大きく設定すると、段ボールシートの段が押し潰
されてしまい、強度低下を来たす欠点が指摘される。そ
こで、押圧ローラの押圧力を小さく設定すると、該ロー
ラと搬送ベルトとにより段ボールシートを確実に挟持す
ることができず、段ボールシートが搬送方向に対して斜
めにズレてしまう事態を生じ、その縦罫の部分で正確な
折曲げがなされず、往々にして糊代の部分がズレた状態
で接着され、製品不良を生ずることがあった。

【０００４】また、オーダ変更等により段ボールシート
の厚み寸法が変わった場合は、段潰れを生ずることなく
正しい姿勢を保持したまま段ボールシートを搬送し得る
ように、前記押圧ローラの押圧力を適正な値に設定する
作業が必要となる。しかるに、押圧ローラの押圧力を短
時間で適正な値に設定する作業には熟練を要し、不慣れ
な作業者ではオーダ変更毎の調節作業に時間が掛かり、
ロスタイムが大きくなる難点が指摘される。

【０００５】更に、段ボールシートにおける縦罫の部分
で折曲されるシート部が９０°以上折曲げられる領域に
おいては、搬送ベルトと対向して押圧ローラを設けるこ
とができず、該領域での段ボールシートの搬送が不安定
となり、このときにシートの位置ズレを生じて不良品を
生ずることがあった。

【０００６】前記プリンタ・スロッタから排出された段
ボールシートは、前記搬送ベルトと押圧ローラとの間に
挟持されて搬送されることから、未乾燥状態の印刷部に
ベルトが接触してインキが転移してしまい、これが後続
のシートに転移して汚損する問題が指摘される。そし
て、このような折曲げ不良や印刷面の汚損等の不良を生
じた段ボールシートは、製品管理面からは不良品として
排除されることとなり、生産効率の低下を招くこととな
っていた。

【０００７】

【発明の目的】本発明は、前述した従来技術に内在して
いる前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案さ
れたものであって、段ボールシートを押し潰すことなく
正しい姿勢で搬送して、折曲げ用罫線に沿って正確に折
曲げることのできる折畳み装置を提供することを目的と
する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述の課題を克服し、所
期の目的を達成するため本発明は、スロット加工および
罫線加工が施された展開状態の段ボールシートの搬送、
および該シートを前記罫線に沿って折曲げ可能な折畳み
装置において、前記段ボールシートの搬送方向に沿っ
て、少なくとも段ボールシートの折曲げ開始位置から折
曲げ完了位置までの間に亘って延在する筒状の支持部材
と、この支持部材の長手方向に所要間隔で穿設される複
数の通孔と、前記支持部材に連通接続され、該部材内を
負圧に保持し得る吸引手段と、前記支持部材の長手方向
両端外方に回動自在に枢支した一対のローラに巻掛けら
れ、長手方向に所要間隔で複数の通孔を穿設した無端ベ
ルトとからなり、前記無端ベルトは、その往路において
支持部材における通孔の穿設面に沿って外側を走行し、
その復路において支持部材の内部を走行し、前記支持部
材における内部吸引作用下に、往路を走行する無端ベル
トの表面に段ボールシートを吸着保持して搬送するよう
構成したことを特徴とする。

【０００９】

【実施例】次に、本発明に係る段ボールシートの折畳み
装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照し
ながら以下説明する。図１は、本発明の好適な実施例に
係る折畳み装置の縦断正面図、図２は、折畳み装置の全
体構成を示す概略側面図である。

【００１０】図に示すように、段ボールシート１０に所
要の印刷およびクリージングその他スロッティング等の
加工を施すプリンタ・スロッタ１２の下流側に、フォル
ダグルアと称される折畳み装置１４が配置されている。
この折畳み装置１４は、シート搬送方向と交差する方向
に所定間隔離間する一対の支持部材１６,１６が、その
全長に亘って平行に延在するよう配設されている。支持
部材１６は、上流端および下流端で開口する筒状に形成
されると共に、その上面には、長手方向に所定間隔で複
数の通孔１６ａが穿設されている。また支持部材１６の
上面には、その長手方向の全長に亘ってガイド１８が配
設され、このガイド１８には、図３に示す如く、支持部
材１６の通孔１６ａと連通する溝部１８ａがその全長に
亘って形成されている。ガイド１８の上面には、後述す
る無端ベルト２０の幅寸法よりも僅かに離間して一対の
突部１８ｂ,１８ｂが対向的に形成され、両突部１８ｂ,
１８ｂの間を無端ベルト２０が蛇行することなく安定走
行するよう構成されている。なお、無端ベルト２０が摺
動するガイド１８は、該ベルト２０の円滑な走行を達成
させるため、摩擦係数の小さな材料を材質として形成す
ることが推奨される。

【００１１】前記各支持部材１６には、複数(実施例で
は２基)の吸引用ブロワ２６が夫々連通接続され、支持
部材１６の内部を負圧に保持し得るようになっている。
そして、ガイド１８の上面を走行する無端ベルト２０の
表面に、支持部材１６の内部における吸引作用下に前記
段ボールシート１０を吸着保持させるよう構成される。

【００１２】前記支持部材１６のシート搬送方向両端部
外方に、図２に示す如く、駆動ローラ２２と従動ローラ
２４とが回転自在に枢支され、両ローラ２２,２４間に
無端ベルト２０が巻掛けられている。駆動ローラ２２
は、図示しない駆動源にギヤ列やベルト等の伝達手段を
介して接続され、該ローラ２２を所定方向に回転駆動す
ることにより、無端ベルト２０が走行するようになって
いる。

【００１３】前記無端ベルト２０は、その往路において
は前記ガイド１８の上面に沿って走行し、また復路にお
いては支持部材１６の内部を走行するよう構成されてい
る。また無端ベルト２０には、図３に示す如く、ガイド
１８の溝部１８ａに対応する位置において、その走行方
向に所定間隔で複数の通孔２０ａが穿設され、往路(ガ
イド１８に沿って走行する間)においては、支持部材１
６の内部と連通するよう構成されている。すなわち、前
記吸引用ブロワ２６を作動して支持部材１６の内部に負
圧を形成すれば、該支持部材１６の通孔１６ａ、ガイド
１８の溝部１８ａおよび無端ベルト２０の通孔２０ａを
介してその表面側に吸引力が作用する。これにより、前
記プリンタ・スロッタ１２から無端ベルト２０に移載さ
れた段ボールシート１０は、吸引作用下に無端ベルト２
０の表面に確実に吸着保持される。

【００１４】なお、支持部材１６と無端ベルト２０との
間に、溝部１８ａを形成したガイド１８を介装したこと
により、無端ベルト２０が吸引作用下にガイド１８の上
面に強力に吸着されるのを防止している。これにより、
無端ベルト２０の駆動効率が低下するのが防止され、出
力の小さな駆動手段が使用可能となる。

【００１５】前記支持部材１６の内部には、図２に示す
如き配置で、複数の案内ローラ２８が回転自在に枢支さ
れ、該案内ローラ２８により無端ベルト２０が所要の経
路を走行するよう構成される。そして、前記ブロワ２６
と支持部材１６との接続部においては、支持部材１６の
内部を走行する無端ベルト２０は、該接続部よりも下方
に臨むよう設定され(図１参照)、ガイド１８の上面を走
行する無端ベルト２０に対する吸引作用の妨げとならな
いようになっている。

【００１６】前記両支持部材１６,１６は、その長手方
向の複数個所において台車３２に夫々支持されており、
この台車３２,３２は、図４に示す如く、シート搬送方
向と交差するレール３０に走行自在に載架されている。
そして対向する台車３２,３２は、ねじ軸等の調節手段
３４により相互に近接・離間移動させ得るよう構成して
ある。すなわち、オーダ変更等により段ボールシート１
０の外形寸法が変わった場合は、調節手段３４を作動さ
せることにより、支持部材１６,１６を段ボールシート
１０の適正個所に位置決めすることができる。なお符号
３６は、段ボールシート１０における左右のシート部１
０ａ,１０ａを折曲げ形成するガイドバーを示し、符号
３８は糊付け装置を示す。

【００１７】

【実施例の作用】次に、実施例に係る折畳み装置の作用
につき説明する。

【００１８】前記複数の吸引用ブロワ２６を作動させる
ことにより、各支持部材１６の内部に負圧を形成した状
態で、無端ベルト２０を走行駆動させる。前記プリンタ
・スロッタ１２から排出された段ボールシート１０は、
ガイド１８,１８に沿って走行している一対の無端ベル
ト２０,２０に移載され、該シート１０は、支持部材１
６,１６の内部における負圧作用下に無端ベルト２０,２
０の上面に吸着保持される。

【００１９】前記無端ベルト２０,２０の走行に伴って
下流側に搬送された段ボールシート１０は、左右のシー
ト部１０ａ,１０ａの下面が上ホールディングベルトま
たはガイドバー３６,３６に圧力的に当接して上方への
折曲力が付与され、罫線に沿って徐々に折曲げられる
(図１参照)。このとき、段ボールシート１０には折曲げ
時に生ずる外力が作用するが、該シート１０は無端ベル
ト２０,２０に吸着保持されているので、位置ズレを生
ずることなく正確な位置で折曲げられる。これにより、
前記糊付け装置３８で糊付けされた糊代の部分(図示せ
ず)が、正確な位置に接着される。すなわち、段ボール
シート１０における所要のシート部１０ａ,１０ａの折
曲げが開始される前から、該シート部１０a,１０ａの折
曲げが完了するまでの間、段ボールシート１０は無端ベ
ルト２０,２０に吸着保持されているので、折曲げ用罫
線での正確な折曲げおよび糊代部の正確な位置への接着
を達成し得るものである。

【００２０】前記シート部１０ａ,１０ａが折畳まれた
段ボールシート１０を排出位置まで搬送した各無端ベル
ト２０は、駆動ローラ２２により反転して支持部材１６
の内部に導入される。支持部材１６の内部は、吸引用ブ
ロワ２６による吸引作用により空気の動きが生じてお
り、ここを走行する無端ベルト２０に付着したインキの
乾燥が促進される。従って、支持部材１６を通過して従
動ローラ２４で反転して前記ガイド１８の上面に沿って
走行する無端ベルト２０から、新たに搬送される段ボー
ルシート１０にインキが転移して汚損するのを有効に防
止し得る。また、段ボールシート１０から無端ベルト２
０に転移した紙粉等も、該ベルト２０が支持部材１６の
内部を通過する際に除去される。

【００２１】ここで、オーダ変更等により段ボールシー
ト１０の厚み寸法が変わった場合においては、従来必要
であった押圧ローラの調節作業を省くことができ、オー
ダ変更に要するサイクルタイムを短縮することができ
る。また、無端ベルト２０は復路においては支持部材１
６の内部を走行するので、装置の下方に駆動部が露出す
ることはなく、近隣での作業者に与える危険を解消させ
得るものである。更に、可動部の露出を抑え得るために
機械装置の外観がスッキリし、デザインの向上が図られ
る副次的な効果も有する。

【００２２】

【別実施例について】図５および図６は、本発明に係る
折畳み装置の別実施例を示すものであって、各支持部材
１６の上流側の所要の領域に亘って、これと対向的に押
圧ローラ３８が配設されている。すなわち、支持部材１
６の上方に、該部材１６と平行に支持板４０が配設さ
れ、該支持板４０に所定間隔で複数の押圧ローラ４２が
回転自在に枢支されている。この支持板４０は、図示し
ない調節機構を介して昇降調節可能に構成されている。

【００２３】従って、前記プリンタ・スロッタ１２から
排出された段ボールシート１０は、押圧ローラ４２と無
端ベルト２０とにより挟持された状態で下流側に安定的
に搬送される。この場合に、段ボールシート１０は無端
ベルト２０に吸着保持されているので、押圧ローラ４２
の押圧力は小さく設定しておけばよく、段ボールシート
１０の段が押し潰されることはない。そして、押圧ロー
ラ４２の配設されていない領域においては、前述した如
く、段ボールシート１０は無端ベルト２０,２０に吸着
保持された状態で安定的に搬送される。

【００２４】なお実施例では、段ボールシートの所要の
シート部を上方に折込む上折り構造の折畳み装置につき
説明したが、本願はこれに限定されるものでなく、段ボ
ールシートの所要のシート部を下方に折込む下折り構造
の折畳み装置にも好適に採用可能である。なお下折りの
場合は、無端ベルトにより吸着搬送される段ボールシー
トの下方にガイドバーを配設し、該シートの落下を防止
することが推奨される。

【００２５】また実施例では、前工程装置から排出され
る段ボールシートを、その折曲げ用罫線に沿って折曲げ
るよう構成したものにつき説明したが、前工程装置から
排出される展開状態の段ボールシートを折曲げることな
く後工程装置に搬送する場合にも、該シートを位置ズレ
させることなく確実に搬送し得るので好適に使用可能で
ある。

【００２６】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る段ボー
ルシートの折畳み装置によれば、折畳み装置の略全長に
亘って配設した支持部材の内部を負圧とし、該支持部材
の外側を走行する無端ベルトに段ボールシートを吸着保
持するよう構成したので、シートの位置ズレを防止し
て、折曲げ用罫線に沿って正確な折曲げを達成し得る。
また、押圧ローラを使用することなく段ボールシートを
正しい姿勢を保持した状態で搬送し得るので、オーダ変
更等により段ボールシートの厚み寸法が変わった場合
に、押圧ローラの位置調節を不要として、サイクルタイ
ムを短縮することができる。

【００２７】また無端ベルトは、その復路においては負
圧が形成される支持部材の内部を走行するので、この間
に該ベルトに付着したインキの乾燥を促進することがで
き、無端ベルトから段ボールシートにインキが転移して
汚損するのを未然に防止し得る利点を有する。更に、走
行する無端ベルトが装置の下方に露出しないので、近隣
での作業者に与える危険を解消させ得る効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る折畳み装置を示す縦断
正面図である。

【図２】折畳み装置の全体構成を示す概略側面図であ
る。

【図３】折畳み装置の要部を示す概略斜視図である。

【図４】折畳み装置の要部を示す縦断正面図である。

【図５】本発明の別の実施例に係る折畳み装置の全体構
成を示す概略側面図である。

【図６】図５に示す別実施例に係る折畳み装置の要部縦
断正面図である。

【符号の説明】

１０ 段ボールシート １６ 支持部材 １６ａ 通孔 ２０ 無端ベルト ２０ａ 通孔 ２２ 駆動ローラ ２４ 従動ローラ ２６ 吸引用ブロワ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スロット加工および罫線加工が施された
   展開状態の段ボールシート(10)の搬送、および該シート
   (10)を前記罫線に沿って折曲げ可能な折畳み装置におい
   て、 前記段ボールシート(10)の搬送方向に沿って、少なくと
   も段ボールシート(10)の折曲げ開始位置から折曲げ完了
   位置までの間に亘って延在する筒状の支持部材(16)と、 この支持部材(16)の長手方向に所要間隔で穿設される複
   数の通孔(16a)と、 前記支持部材(16)に連通接続され、該部材内を負圧に保
   持し得る吸引手段(26)と、 前記支持部材(16)の長手方向両端外方に回動自在に枢支
   した一対のローラ(22,24)に巻掛けられ、長手方向に所
   要間隔で複数の通孔(20a)を穿設した無端ベルト(20)と
   からなり、 前記無端ベルト(20)は、その往路において支持部材(16)
   における通孔(16a)の穿設面に沿って外側を走行し、そ
   の復路において支持部材(16)の内部を走行し、 前記支持部材(16)における内部吸引作用下に、往路を走
   行する無端ベルト(20)の表面に段ボールシート(10)を吸
   着保持して搬送するよう構成したことを特徴とする段ボ
   ールシートの折畳み装置。