JPH0686321U

JPH0686321U - 空芯チョークコイル

Info

Publication number: JPH0686321U
Application number: JP3322793U
Authority: JP
Inventors: 輝夫高木
Original assignee: 株式会社アイキューフォー
Priority date: 1993-05-26
Filing date: 1993-05-26
Publication date: 1994-12-13

Abstract

(57)【要約】【目的】従来の空芯チョークコイルは、軸芯方向に長い
いわゆるソレノイド巻きにて形成されるため、リアクタ
ンスを増大させるときは、巻数を多くするか、複数を直
列接続する等の手段を講ずる必要があり、この場合、イ
ンダクタンスがせいぜい巻数、個数等に比例して増大す
るに止まり、全体として、形態がかなり大きくなって、
多くのスペースを専有し、また、巻線抵抗が必要以上に
増大してＱが悪くなる。本発明は、これを解決しようと
するものである。【構成】巻数を同数乃至ほぼ同数にした複数の渦巻状コ
イル１，２を、同芯状に隣接させるとともに、これらの
渦巻状コイルの作る磁束が相加わる方向に生ずるよう直
列接続したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空芯チョークコイルに係る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の空芯チョークコイルは、一般に、図４に示すように、軸芯方向に長いいわゆるソレノイド巻きにて形成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような形態のものでリアクタンスを増大させるときは、巻数を多くするか、複数を直列接続する等の手段を講ずる必要があり、その結果、インダクタンスがせいぜい巻数、個数等に比例して増大するに止まるため、全体として、その形態かなり大きくなり、多くのスペースを専有することになる。巻線抵抗が必要以上に増大し、Ｑ（Ｑ＝ωＬ／Ｒ ω：角速度Ｌ：インダクタンスＲ：巻線抵抗）が悪くなる。等の問題点を生ずる。本考案は、かかる問題点を解決しようとするものであり、小型化、扁平化を可能にし、Ｑの改善を図ろうとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、請求項１の考案は、巻線を渦巻状に巻回し、絶縁性接着材で固結させたことを特徴とする。また、請求項２の考案は、巻数を同数乃至ほぼ同数にした複数の渦巻状コイルを、同芯状に隣接させるとともに、これらの渦巻状コイルの作る磁束が相加わる方向に生ずるよう直列接続したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】如上の構成であるから、請求項１の渦巻状に巻回した空芯チョークコイルは、単数乃至複数の成層での使用を可能にし、したがって、形態の小型化、扁平化を可能にするとともに、請求項２の空芯チョークコイルの成立を可能にする。請求項２の空芯チョークコイルでは、各渦巻状コイルの自己インダクタンスの他に、渦巻状コイル相互間で相互誘導による相互インダクタンスを生じ、この渦巻状コイル相互間の相互インダクタンスは、複数の渦巻状コイルの作る磁束が相加わることからコイル数に応じて格段に大きなものとなり、渦巻状コイル相互間が密接した状態で最大となる。而して、全インダクタンスは、各渦巻状コイルの自己インダクタンスの総和にそのような相互インダクタンスの総和が加算されたものとなるが、渦巻状コイル相互間がすべて密接した全相互インダクタンスが最大の状態では、一つの渦巻状コイルが有する自己インダクタンスにコイル数のほぼ二乗倍を乗じた極めて大きな値となる。なお、この値は、渦巻状コイル相互間を離間させることで相互インダクタンスが減少して小さくなるので、任意な調整が可能である。また、斯様な全インダクタンスに比べ、巻線抵抗は、全渦巻状コイルが有する分に止まるため、Ｑの格段の改善が可能となる。

【０００６】

【実施例】

図１乃至図３は、本考案の実施例を示している。図示のものは、巻数を同数乃至ほぼ同数にしかつ巻き方向相互に逆向きとした二つの渦巻状コイル１，２を、同芯状に密着にて隣接させるとともに、両コイルの作る磁束が相加わる方向に生ずるよう双方の巻芯部で直列接続して成る。具体的には、両渦巻状コイル１，２は、一本の巻線の中間点を巻芯部に位置させて、その両側を相互逆方向に渦巻状に巻回して、一体かつ二層に形成し、絶縁性接着材により固結させる。例えば、両渦巻状コイル１，２の自己インダクタンスをそれぞれ４μＨとし、両渦巻状コイルを図示のように密接させて最大の相互インダクタンスを生じさせたとすれば、全体としてほぼ１６μＨとなり、従来の約２倍となる。なお、作業性を考慮すると、両渦巻状コイル１，２の形成には撚線を用いるとよい。以上の実施例では、二つの渦巻状コイル１，２から成るが、生ずる磁束が相加わる状態である限り、その数は任意であり、また、間隔の調整も任意である。

【０００７】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、渦巻状の巻回に巻回するから、単数乃至複数の成層での使用ができ、これにより、形態の小型化、扁平化を図ることができ、請求項２の優れた空芯チョークコイルを得ることができる。また、請求項２の考案によれば、巻数を同数乃至ほぼ同数にした複数の渦巻状コイルが同芯状に隣接し、これらの渦巻状コイルの作る磁束が相加わる状態で直列接続されているので、渦巻状コイル相互間にコイル数に応じて格段に大きくなる相互インダクタンスを生じさせることができ、かかる相互インダクタンスの総和と各渦巻状コイルの自己インダクタンスの総和との加算により、全インダクタンスをコイル数に応じて格段に増大した大きなものとすることができる。したがって、形態を小型化、扁平化でき、専有スペースを大幅に縮減できる。更に、インダクタンスの増大にもかかわらず、巻線抵抗が両渦巻状コイル１，２の分に止まるため、Ｑを格段に改善させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の空芯チョークコイルの実施例を示す
斜視図である。

【図２】同例の縦断側面図である。

【図３】同例の構成要領説明図である。

【図４】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，２…渦巻状コイル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】巻線を渦巻状に巻回し、絶縁性接着材で
固結させたことを特徴とする空芯チョークコイル。
【請求項２】巻数を同数乃至ほぼ同数にした複数の渦
巻状コイルを、同芯状に隣接させるとともに、これらの
渦巻状コイルの作る磁束が相加わる方向に生ずるよう直
列接続したことを特徴とする空芯チョークコイル。