JPH0686259U - 蓄電池の極柱の極性表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓄電池の極柱の極性表示装置の組み立てを簡
単にすると共に、その極性表示が目に付き易いようにす
ると共に、耐腐食性の極性表示装置を提供する。 【構成】 蓄電池２の電槽蓋２ａを貫通する陽極柱Ｐ及
び陰極柱Ｎの外部突出部４，４′の夫々に平座５，５′
を施し、その上面に互いに異色に着色された合成樹脂製
締付け用ナット６，６′を嵌合結着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、蓄電池の極柱の極性表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の焼結式アルカリ蓄電池やポケット式の蓄電池の極柱端子装置として、陽 極端子と陰極端子とを外観上識別し得るように、互いに色違いの環状の極柱表示 板を具備したものは公知である。例えば、図６示のように、蓄電池の電池蓋ａの 極柱貫通孔ｂを貫通する陽性又は陰性の極柱ｃの外部突出部ｄに、極性を表示す る特定の色に着色された環状の極性表示板ｅを嵌合し、その上面に金属製の例え ばニッケル鍍金を施した鉄製の平座金（いわゆる平座金）ｆを該外部突出部ｄに 嵌合して重合し、その上面にその平座金ｆを介して該陽極柱ｃの該外部突出部ｄ に金属製締付け用ナットｇを螺合締着して成る。該電池蓋ａと該平座金ｆとの間 に挟持された極性表示板ｅの色の相異により、例えば、陽極柱を図示のように赤 色で、陰極柱（図示しない）を白色で表し、これらの表示板の色によりその極柱 ｃが陽性か陰性かを識別するようにしている蓄電池の極柱の極性表示装置は公知 である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の装置は、その極性表示のため、本来の極柱の締付け装置である平座 金ｆと金属製の締付け用ナットｇの他に、環状の極性表示板ｅを製造する必要が あり、コストの増大をもたらす上、且つこれを上記のように電池蓋ａと平座金ｆ との間に介在するよう組み立てる作業を要し、更には、組み付けられた状態では 、その上面に重合した平座金ｆによって、その極性表示板ｅの上面は殆ど隠され てしまうため、外部から見にくい不都合を伴う。また、該平座金ｆを廃しても、 金属製締付け用ナットｇが該極性表示板ｅの上面に重合するので、同様の不都合 を生ずる。従って、該極性表示板ｅの外径を該平座金ｆよりも大きくするのが一 般であり、更に好ましくは、図示のように肉厚として、更に見易いようにしてい るが、それだけ、製造コストの増大となる不都合をもたらす。一方、締付け用ナ ットｇも金属製であるため、這い上がって来た電解液により腐蝕することがしば しば見られる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本発明は、従来の上記の課題を解決し、蓄電池の極柱の極性表示装置を組み立 てる部品の数を減少せしめて組み立ての生産効率を向上せしめると共に、製造コ ストを低下させ、而も締付け用ナットによる強固な締付力を安定良好に長期に亘 り維持できるようにした蓄電池の極柱の極性表示装置を提供するもので、蓄電池 の電槽に施された電槽蓋に夫々設けた極柱貫通孔を貫通する陽極柱と陰極柱を挿 通して該電槽蓋の上方に露出せしめた外部突出部に、平座を嵌合して該蓋の上面 に載置し、その平座の上面に該陽極柱と該陰極柱の該外部突出部の夫々に、互い に異色に着色された合成樹脂製締付け用ナットを螺合締着して成る。 更に、本発明は、更に組み立て部品の数を少なくし、組み立て作業の簡略化し た蓄電池の極柱の極性表示装置を提供するもので、電槽に施された電槽蓋に夫々 設けた極柱貫通孔を貫通する陽極柱と陰極柱の外部突出部の夫々に、互いに異色 に着色された合成樹脂製締付け用座付きナットを螺合締着して成る。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、極柱を、平座と特定の色で着色された合成樹脂製の締付け用 ナットにより締付結着したので、僅か２つの部品で極柱の極性表示装置が簡単に 組み立てられると同時に、電解液による締付け用ナットの腐蝕が防止され、安定 な長期に亘る極柱の螺合締付けが維持されると共に、そのナットは、その上面並 びに側面全体が外部に現れるので、その色は外部から容易に見ることができるの で、容易にその色でその極柱の極性が識別できる。この場合、該平座も上面の締 付け用ナットと同じ色に着色した合成樹脂で製造するときは、その極性表示は更 に外観上更に認識し易く、また一方、アルカリ電解液による腐蝕もなくなる。 更に、本考案によれば、特定の色に着色された合成樹脂製の締付け用座付きナ ットを使用するときは、組み立て部品が更に減り、更に該装置の組み立て作業が 容易となる。この場合、夫々の該座付きナットの下面に環状突起を形成し、これ を、該電槽蓋に夫々設けた極柱貫通孔とこれを挿通する夫々の極柱との間に成形 した断面くさび状の環状の嵌合溝に貫入した状態で、該締付け用座付きナットの 螺合締付けを行うときは、強固な封口結着が得られる。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１及び図２は、本考案の実施の１例を示す。図面で１は、アルカリ蓄電池２ の陽極Ｐ側に設けた本考案の極柱の極性表示装置、１′は、アルカリ蓄電池２の 陰極Ｎ側に設けた本考案の極柱の極性表示装置を示す。更に詳細には、陽極Ｐ側 の極性表示装置１は次の通り構成される。即ち、該アルカリ蓄電池２の電槽２ａ に施された電槽蓋２ｂは、その１側に設けた極柱貫通孔３に電池内部の電池要素 の１側から上方に延びる陽極柱Ｐを挿通し、その蓋２ｂの上方にその上端部を突 出させ、その外部突出部４に平座５を嵌合して該電槽蓋２ｂの上面に載置し、そ の上面に、例えば赤色に着色されたＡＢＳ樹脂などの合成樹脂製の締付け用ナッ ト６を、その外部突出部４の螺条部に螺合圧締めることにより構成する。一方、 該陰極Ｎ側の極性表示装置１′は、該電池蓋２ｂの他側に設けた極柱貫通孔に電 池内部の電池要素の他側から上方に延びる陰極柱Ｎを挿通し、その蓋２ｂの上方 にその上端部を突出させ、その外部突出部４′に平座５′を嵌合して該電槽蓋２ ｂの上面に載置し、その上面に、例えば白色に着色された合成樹脂製の締付け用 ナット６′を、その外部突出部４′の螺条部に螺合圧締めすることにより構成す る。 図２は、その陽極Ｐ側の本考案の極柱の極性表示装置の断面図を示す。該平座 ５は、金属製平座即ち平座金で足りるが、これに限定されず、合成樹脂製の平座 としてもよい。 図面で７は、電槽蓋２ｂの内側で、該極柱Ｐの外周を囲繞してラッパ状に突出 したパッキング座金８は、該座金７と極柱Ｐとの間の環状凹部に収容された環状 パッキングを示し、上記の締付け用ナット６により締付けるとき、その電槽蓋２ ｂに内側から圧着し、該極柱貫通孔３を封口し電解液の滲み出しを防止するもの である。この封口装置は、陰極側においても同様である。図面で９は排気弁装置 を示す。 本考案の陽極柱Ｐと陰極柱Ｎの夫々の極性表示装置１，１′は、上記のように 僅か２つの組み立て部品で、即ち、平座５と赤色の合成樹脂製締付け用ナット６ と平座５′と白色の合成樹脂製締付け用ナット６′とで夫々構成されるので、そ の組み立て作業が簡単で且つ比較的安価に製作できるばかりでなく、該ナット６ ，６′が電解液や外気による汚染、腐蝕が防止され、安定良好な締付けが長期に 亘って維持されると同時に、これらナット６，６′は外部にその上面並びに側面 全体が大きく露出しているので、一見して容易にその夫々の色を見分けることが できる。 尚、平座５，５′を、その極性に合わせて赤色又は白色に着色するときは、更 に、両極性表示は見易くなる。

【０００７】 本考案は、更に、上記装置の組み立て部品を少なくし、更に組み立て作業を簡 単にすると同時に、簡単且つ安定堅牢な構造に構成できる。 図３及び図４は、本考案の他の実施例を示し、図３に示すアルカリ蓄電池２の 電槽蓋２ｂの両側に突出する陽極柱Ｐの外部突出部４と陰極柱Ｎの外部突出部４ ′の夫々に、平座５又は５′とナット６又は６′の２部材を各別に使用すること なく、直接、夫々互いに異色の、図示の場合は、赤色と白色に夫々着色された合 成樹脂製の締付け用座付きナット１０，１０′を螺合し、該電槽蓋２ａの上面に 圧締結着したものである。かくして、その夫々のナット１０，１０′は四方から 容易に外観でき、その夫々の色により、極性表示を明らかになし得ると共に、そ の装置は、その夫々の極柱Ｐ，Ｎに単に１つの座付きナット１０，１０′を施す だけであるから、その組み立て作業及び製造を容易且つ安価に行うことができる 。 また、上記の締付け用ナット６，６′及び座付きナット１０，１０′は、弾性 を有する合成樹脂で構成するときは、パッキング作用も兼ね、電解液の漏出を防 止できる。

【０００８】 図５は、上記の座付きナットを利用し、上記の極柱の表示作用に加えて、良好 なパッキング作用を付与するようにした本考案の極柱の極性表示装置の他の実施 例を示す。 図５において、該電槽蓋２ｂに設けた極柱貫通孔３と該貫通孔３を挿通する陽 極柱Ｐの挿通部との間に、上方に開口する環状の嵌合溝１１、好ましくは、図示 のような断面くさび状の環状の嵌合溝１１を形成する一方、該陽極又は陰極表示 用の好ましくは比較的弾性を有する合成樹脂製座付きナット１０の座の底面に環 状に突出する好ましくは断面くさび状の嵌合用突起１０ａを突設したものを、該 極柱Ｐの該外部突出部４に螺合し、その下面の環状の嵌合用突起１０ａを前記の 環状の嵌合溝１０ａに嵌入せしめた状態で、押圧結着することにより、該極柱Ｐ と該極柱貫通孔３との間は、気液密に封口することができる。而して、この場合 は、前記のパッキング座金７及び環状のパッキング８の使用を廃止することがで き、更に組み立て作業を簡単にし、更に安価な極柱の極性表示装置をもつ蓄電池 を製造することができる。 図面で１２は、電池蓋２ｂの該極柱貫通孔３の下面の周縁に係止する極柱の周 囲肩部を示す。尚、該陰極柱Ｎ側も上記と同様の構成とするので、説明は省略す る。

【０００９】

【考案の効果】

このように本考案によるときは、陰，陽極柱の極性表示装置を、蓄電池の電槽 蓋の貫通孔を挿通する陽極柱と陰極柱の外部突出部の夫々に施される平座とその 上面に施される互いに異色の合成樹脂製の締付け用ナットとの２つの部品で構成 したので、組み立てが簡単なばかりでなく、組み立て作業を簡単にし、而も電解 液や外気によるナットの腐蝕が防止され、長期に亘り安定堅牢な極柱装置をもた らすと共に、夫々のナットは、外面四方に露出しているので、その極柱表示が明 らかに且つ容易に外観できる等の効果を有する。

【００１０】 この場合、平座も合成樹脂で作製し且つこれが施される極柱の極性を表示する 上記ナットと同じ色に着色するときは、更に、その極性表示が明らかに且つ容易 になし得る。

【００１１】 更に本考案によれば、互いに異色に着色された合成樹脂製の締付け用座付きナ ットを用いるときは、平座の使用を省略でき、更に組み立て作業を容易にし、更 に構造簡単な極柱の極性表示装置が得られる。

【００１２】 この場合、該座付きナットの下面に環状の嵌合用突起を設け、電池蓋の極柱貫 通孔と該貫通孔を挿通する極柱との間に、環状の嵌合溝を形成し、該嵌合溝に該 座付きナットの下面の該嵌合用突起を嵌合した状態で該ナットを蓋面外周に良好 な封口をもたらすことができる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の極柱の極性表示装置を備えた蓄電池の
１例の斜面図である。

【図２】図１の要部の半裁断面図である。

【図３】本考案の他の実施例の極性表示装置を備えた蓄
電池の斜面図である。

【図４】図３の要部の半裁断面図である。

【図５】本考案の更に他例の半裁断面図である。

【図６】従来の蓄電池の極柱の極性表示装置の半裁断面
図である。

【符号の説明】

１，１′ 本考案の極柱の表示装置 ２ 蓄電池 ２ａ 電槽 ２ｂ 電槽蓋 ３ 極柱貫通孔 Ｐ 陽極柱 Ｎ 陰極柱 ４ 陽極柱の外
部突出部 ４′ 陰極柱の外部突出部 ５ 平座 ６，６′ 互いに異色に着色された合成樹脂製締付け用
ナット １０ａ 環状の嵌合用突起 １１ 環状の嵌
合溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓄電池の電槽に施された電槽蓋に夫々設
   けた極柱貫通孔を貫通する陽極柱と陰極柱を挿通して該
   電槽蓋の上方に露出せしめた外部突出部に、平座を嵌合
   して該蓋の上面に載置し、その平座の上面に該陽極柱と
   該陰極柱の該外部突出部の夫々に、互いに異色に着色さ
   れた合成樹脂製締付け用ナットを螺合締着して成る蓄電
   池の極柱の極性表示装置。
2. 【請求項２】 該陽極柱と該陰極柱の夫々に施した夫々
   の平座は、その上面の締付け用ナットと同じ色に着色さ
   れた合成樹脂製平座である請求項１記載の蓄電池の極柱
   の極性表示装置。
3. 【請求項３】 電槽に施された電槽蓋に夫々設けた極柱
   貫通孔を貫通する陽極柱と陰極柱の外部突出部の夫々
   に、互いに異色に着色された合成樹脂製締付け用座付き
   ナットを螺合締着して成る蓄電池の極柱の極性表示装
   置。
4. 【請求項４】 該電槽蓋に夫々設けた極柱貫通孔とこれ
   を挿通する夫々の極柱との間に環状の嵌合溝を形成し、
   夫々の極柱の外部突出部に該締付け用座付きナットをそ
   の下面に突出せしめた環状の嵌合用突起を貫入した状態
   に螺合締着して成る請求項３記載の蓄電池の極柱の極性
   表示装置。