JPH068600B2 - トンネルのインバートコンクリート覆工法とその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、トンネル工事におけるインバートコンクリ
ート覆工をインバートスリップフォームに設けたコンク
リート投入口より連続打設できる覆工法とその装置に関
するものである。

（従来の技術） 従来、トンネル工事における順巻工法のインバートコン
クリート打設は、インバート用の場所打ち型枠（固定
型）か、インバートフイニッシャ、スリップフォームに
よって施行されてきた。これらのうちスリップフォーム
に取付けたウインチによりワイヤーを牽引し、移動させ
ながら打設する従来工法に共通する問題として、打設時
に型枠が浮き上がったり、仕上がりコンクリート品質が
著しく低下し、これらにより工期短縮を不可能としてい
た。

（発明の解決しようとする問題点） この発明は上記の事情をふまえて打設コンクリートの品
質向上と工期短縮の可能な工法とその装置としてインバ
ートスリップフォームのフォーム内にコンクリート投入
口を設け、これに架設したベルトコンベヤをフォームと
共に移動自在に形成し、連続打設できる構成を開発しよ
うとするものである。

（問題点を解決するための手段） この発明の目的を達成する手段として、インバートスリ
ップフォームにコンクリート取入口を構設し、インバー
ト部分に受けたコンクリートをバイブレータで両端部ま
で締め固め盛り上がったコンクリートは面板を定規と
し、インバートスリップフォームを牽引させ、規定断面
を確保すると共に、スリップフォームの移動に伴い生コ
ンクリートを供給するコンクリート配管のパイプ先端部
をベルトコンベヤ上をスライド自在に移動させ、打設進
行に合わせ簡単に先端部配管の取外しを可能とし、連続
打設するインバートコンクリート覆工法とその装置に関
するものである。

（作 用） この発明のインバートコンクリート覆工法とその装置の
作用効果は、打設コンクリートの品質向上と工期短縮に
ついて格段の改善を可能としたことである。即ち、イン
バートスリップフォームとベルトコンベヤを組合わせ連
続打設の可能なシステムの開発によって工期短縮を格段
に改善できたのは、従来特にコンクリートポンプで施工
する場合、スランプが８cm程度となりパイブレータをか
けると両端部が垂れ下がり仕上げが難しく、締め固めが
不十分な場合があった。さらに、打設に伴いコンクリー
トパイプおよびフレキシブルホースを脱着する作業が大
きなウエートを占め打設進行の難点となっていたものが
何れも解決できたことにより改善の効果は著しく大とす
ることができる。

（実施例） この発明の実施例を図面に基づいて説明する。

まず、第１図〜第５図に示すインバートスリップフォー
ム２によるインバートコンクリート覆工法システムの配
置図に従って覆工法とその装置を説明すると、坑外より
生コン車Ｎで運搬された生コンクリートをポンプ車Ｐで
圧送するコンクリート配管３のパイプ先端部４からイン
バートスリップフォーム２に取付けられた移動自在のベ
ルトコンベヤ５上に搬入し、搬送された生コンクリート
を投入できるコンクリート投入口６をフォーム２内に構
設し、インバート部Ｉｖ内に受入れた生コンクリートを
棒状バイブレータにより両側端まで締め固め充填し、同
時に油圧チルホール７を設けてフォーム２の牽引用ワイ
ヤロープ８を牽引させてスリップフォーム２を移動させ
ながら打設していく。このスリップフォーム２の移動に
合わせコンクリート配管３のパイプ先端部４はベルトコ
ンベヤ５上に装設されたパイプ受け台車９にスライド自
在に載置されたままベルトコンベヤ５の投入側までスリ
ップフォーム２の進行方向に対向して逆に移動した場
合、先端部側配管１０を取外してつぎのパイプ先端部４
から生コンクリートをベルトコンベヤ５上に搬入させ
る。

なお、ベルトコンベヤ５はスリップフォーム２に架設さ
れたコンベヤ架台１１に投入側を電動ホイスト１２を介
して吊設され、コンクリート投入口６にそってトンネル
の両側端部まで移動自在に形成されているので、ベルト
コンベヤ５の搬入側を支承する受け台車１３も従動して
容易にコンベヤ５の搬送方向を変換する操作を操作スイ
ッチ１４により行うことができる。

また、コンベヤ架台１１の搬入側の支柱１５はコンベヤ
台車１６を設けて支承されスリップフォーム２の移動に
追従できるよう形成される。

また、スリップフォーム２には油圧ポンプユニット１７
および制御盤１８を装設し、スリップフォーム２の移動
操作を容易ならしめると共に、点検用足場板１９を付設
し、打設コンクリートの点検容易に連続打設を行うこと
ができる。

なお、第３図に示すように、両側壁の下部内壁面Ｗにロ
ーラー２１を転動自在にスリップフォーム２とその上に
コンベヤ架台１１の投入側支柱２２を支承できるよう取
付け、ベルトコンベヤ５を支柱２２に沿って横行自在に
装設した電動ホイスト１２に吊設し、第４図に示すよう
にパイプ先端部４を載置したパイプ受け台車９を装設し
たベルトコンベヤ５を支承する横桁２３を側壁の下部内
壁面Ｗに沿って移動させる移動ローラー２４を有するコ
ンベヤ台車２５を設けると共に、第５図に示すようにコ
ンベヤ架台１１の搬入側支柱１５を支承できるコンベヤ
架台１１の下側横桁２６の両端にコンベヤ台車１６の移
動用ローラー２７を装設し、上記と同様に側壁Ｓの下部
内壁面Ｗに沿って移動自在に構成する。

なお、この装置による施工において、コンクリートの揚
圧力によりフォーム２の浮き上がり防止のためカウンタ
ーウエイト４２をスリップフォーム２に取付ける。

つぎに、第６図〜第１０図は、この発明のインバートス
リップフォーム２のコンクリート投入口６を構設する前
段階の構造を示すもので、トンネルの長手方向に前後二
枚のインバート部Ｉｖの面板２８となるインバートフォ
ーム２９を並設し、インバートフォーム２９を上部から
固定し、横方向に並設した両側壁Ｓの下部内壁面Ｗに沿
って移動できる移動用ローラー２０とその上部にサイド
ローラー２１を装着した横桁３０と、さらにその上部に
長手方向に支持梁３１を設けてなるスリップフォーム２
に第９図に示すように、充填用妻板止め金具３２をスリ
ップフォーム２の進行方向Ｆの矢印側の端部下面に片持
状にフォーム２の側縁に沿って下端にゴム板張り３３を
施し、側壁Ｓに至るまで突設し、また中心線ＣＬの左側
に示すように止水用妻板止め金具３４を装設して打設さ
れるコンクリートが進行方向に盛上がって流出しないよ
うにする。

なお、第８図に示すように、前述の横桁３０と支持梁３
１を斜めに繋止するターンバックル３５を設けたワイヤ
ー３６を張設し補強とする。コンクリートの打設口３７
は中心線ＸＸ上および側壁Ｓ側に開口されているが、後
述するようにホッパー状のコンクリート投入口６をスリ
ップフォーム２の横方向一杯に第１４図〜第１７図に示
すように構設する。

なお、第１０図に示すように、スリップフォーム２の進
行方向に平行して設けられた両側の支持梁３１の後端部
の下方に吊設されたゲージ金具３８によって打設された
インバートコンクリートの仕上状況を点検容易に形成
し、スリップフォーム２の後側に接し設けた足場用台車
３９を設けて作業の便に供する。

第１１図〜第１３図はインバート作業用の足場用台車３
９を示すもので、両側壁Ｓの下部内壁Ｗに沿って転動で
きる移動用ローラー４０を装着し、インバートコンクリ
ート仕上面より若干の間隙を設けて凹曲状のエキスパン
ドメタル張りの足場板１９を形成する。スリップフォー
ム２通過後のコンクリートの表面にはフォーム２のエア
ー抜孔４１からエアー抜きを行っても気泡が認められる
こともあるので、またフォーム２の停止時に生ずること
のあるセメントペースト線と共に、コテ仕上げを容易に
行うことができる。

つぎに、第１４図〜第１７図に示すように、前述のイン
バートスリップフォーム２に第１６図（イ）、（ロ）、
（ハ）図に示すように、ホッパー状のコンクリート投入
口６を構設し、第１４図、第１５図、第１７図に示すよ
うに進行方向に前側のインバートフォーム２９の内側に
装設し、中心線に対して直交する両側壁Ｓの方向にコン
クリートの投入可能に形成すると共に、従来から具設し
た両側および後側のコンクリート打設口３７はそのまま
開口させる。

〔発明の効果〕

この発明は上記の構成を有するので、下記の利点があ
る。

(1)コンクリート投入口をインバートスリップフォーム
内に構設し、ベルトコンベヤによりコンクリートを連続
投入しながらスリップフォームを移動させ、連続打設す
ることができるので、打設進捗度が格段に改善され工期
短縮の効果が著しく大であること。

(2)スリップフォームの移動に伴って盛り上がったコン
クリートを面板を定規としてフォームを牽引させて規定
断面を確保することができるため、打設コンクリート品
質向上をはかることができること。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明のトンネルのインバートコンクリート
覆工法を行う覆工装置の配置図（正面図）、第２図は同
上（平面図）、第３図は第１図のＡＡ矢視図（断面
図）、第４図は第１図のＢＢ矢視図（断面図）、第５図
は第１図のＣＣ矢視図（断面図）、第６図はトンネルの
コンクリート側壁に装設されたこの発明のインバートス
リップフォームの取付説明図（正面図）、垂直中心線に
対し左側は第７図のＡＡ矢視図、右側は同じくＢＢ矢視
図を示す。第７図はインバートスリップフォームの組立
説明図（側面図）、第８図は同じく（平面図）、第９図
は垂直中心線の左側に止水用妻板止め金具の取付説明図
（正面図）、右側に充填用妻板止め金具の取付説明図
（正面図）、第１０図は垂直中心線に対し左側とゲージ
金具の取付説明図（正面図）を示す。第１１図はインバ
ート足場用台車の取付説明図（正面図）、第１２図は同
上（平面図）、第１３図は同上（側面図）、第１４図は
第６図に示すインバートスリップフォームにコンクリー
ト投入口を構設した取付説明図（正面図）垂直中心線に
対し左側に投入口を示す。第１５図はコンクリート投入
口を構設したインバートスリップフォームの組立説明図
（側面図）、第１６図はコンクリート投入口の組立説明
図、（イ）図は正面図、（ロ）図は平面図、（ハ）図は
側面図、第１７図は第１５図のインバートスリップフォ
ームの組立説明半截図（平面図）である。 （主要部分の符号の説明） １・・・インバートコンクリート覆工装置 ２・・・インバートスリップフォーム ３・・・コンクリート配管 ４・・・パイプ先端部 ５・・・ベルトコンベヤ ６・・・コンクリート投入口 ９・・・パイプ受け台車 １０・・・先端側配管 １１・・・コンベヤ架台 １３・・・受 け 台 車 ２８・・・面 板 Ｐ・・・ポ ン プ 車

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリート配管により圧送された生コン
   クリートをインバートスリップフォームに架設したベル
   トコンベヤに受けてインバートスリップフォームに構設
   したコンクリート投入口に搬入し、バイブレータにより
   締め固め充填すると同時に面板を定規としてインバート
   スリップフォームを牽引させながら打設し、その移動に
   伴いコンクリート配管のパイプ先端部をベルトコンベヤ
   上をスライド自在に移動させ、打設の進行に合わせパイ
   プ先端部の配管を取外して連続打設を行うことを特徴と
   するトンネルのインバートコンクリート覆工法。
2. 【請求項２】トンネル内を牽引し移動させるインバート
   スリップフォーム内にコンクリート投入口を構設し、生
   コンクリートを搬送させる投入側を吊設するコンベヤ架
   台と搬入側の受け台車によりインバートスリップフォー
   ムと共に移動自在に支承されるベルトコンベヤを架設
   し、その上にスライド自在に支承されるパイプ受け台車
   を装設し、コンベヤ上を移動自在にパイプ先端部を載置
   し配設されるコンクリート配管にポンプ車を介して生コ
   ンクリートを圧送させ、移動するインバートスリップフ
   ォームによる連続打設に追従して供給させることを特徴
   とするインバートコンクリート覆工装置。