JPH0685003B2 - 固体カラ−撮像素子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は固体カラー撮像素子、特に改良された平滑層を
有するカラー撮像素子に関する。

〔従来の技術〕

固体撮像素子上に直接カラーフイルターを形成して固体
カラー撮像素子を作るには、被染色性のホトレジスト層
を固体撮像素子上に設け、露光、現像してパターン化
し、該パターン状に残されたホトレジスト層を染色する
方法が用いられている。この方法で多色フイルターを形
成する場合には、各色別の多層フイルターを形成し、各
層毎に異なる染料で染色するので、各層を染色する場合
の混色をさけるため、一般に次の２つの方式が採用され
ている。

すなわち、１つの方式は中間層を設ける方式であつて、
第１図に示すように、シリコン等の基板内に所定の光検
知部や回路部（図示せず）が設けられた固体撮像素子１
上に平滑層２を設け、この上に被染色性のホストレジス
ト層を設けてマスク露光と現像を行つて第１のパターン
を形成し、これを第１色目の染色で染色して第１色目の
フイルター３を形成する。次に、この上に耐染色性の第
１中間層４を設け、この上に被染色性のホトレジスト層
を設けて、第１色目のフイルターと同様にして第２色目
の染料で染色して第２色目のフイルター５を形成する。
次に、さらにこの上に耐染色性の第２中間層６を設け、
この上に被染色性のホトレジスト層を設け、上記と同様
にして第３色目の染料で染色して第３色目のフイルター
７を形成する。最後に最上層として保護層８を設けてカ
ラー撮像素子を得る。

なお、上記の各工程において、平滑層、中間層、保護層
としては何れも親油性ホトレジストが用いられ、ボンデ
イングパツト部、ダイシングカツト部等に相当する部分
はマスク露光時等に未露光になるように、現像して除い
ておく。

また、上記の方式は例えば赤(R)、緑(G)、及び青(B)の
３色フイルターの場合についてであつたが、シアンとイ
エローの補色型の場合には次の例で示すように２色であ
つてもよい。

第２の方式は中間処理を省略し防染処理を採用した方式
であつて、第２図に示すように前記の同様の固体撮像素
子11上に平滑層12を設け、この上に被染色性ホトポリマ
ーの層を設けてマスク露光と現像を行つて第１色目のパ
ターンを形成し、これを第１色目の染料、例えばシアン
染料で染色して第１色目のフイルター13を形成する。次
に、例えばタンニン酸水溶液等でフイルター13を処理し
て防染処理を施こす。次いで、この上に被染色性のホト
ポリマーの層を設け、前記と同様にして第２色目のパタ
ーンを第２色目の染料、例えばイエロー染料で染色して
第２色目のフイルターを形成する。次いでこの上に保護
層を設けてカラー固体撮像素子とする。

この場合は、シアンとイエローの補色型を採用している
ので第３色目の色はシアンフイルターとイエローフイル
ターの重なつた部分で形成することができる。また、上
記のように、第１色目のフイルター防染処理してあるの
で、第２色目のフィルターを形成するとき、第２色目の
染料が第１色目のフイルターに混入したり、第１色目の
フイルターから第１色目の染料が溶出して第２色目のフ
イルターに混入することにより混色を生ずることがな
い。さらに、上記の例で保護層15が被染色性の材料から
なる場合には、第２色目のフイルターを防染処理する。

この例においても、ポンデイングパツト部、ダイシング
カツト部等は前記方式と同様あらかじめ除いておく。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記何れの方式においても、カラーフイルターを形成す
る際に固体撮像素子上に平滑層を設けるが、これは固体
撮影素子は通常光検知部や回路部等が内部に複雑に形成
され、その表面は数μｍの凹凸巾を有しており、この上
に前記の如くフイルター層を形成させるとパターンの形
状や解像力を著しく損なうので、その表面を平滑にする
ために設けられている。

従来、このような平滑層の材料として種々のものが提案
されている（例えば、特開昭59−121045号、同59−1843
37号、同59−192208号、同60−41004号、同60−64303号
各公報）。例えば、ポリアルキルメタアクリレート又は
その共重合体、ポリグリシルメタアクリレート又はその
共重合体、等よりなる親油性ホトレジストが主として使
用されているが、このような従来の材料を用いて平滑層
を形成し、この上にゼラチン、ポリビニルアセテート、
カゼイン等からなる親水性ホトレジストを用いて前記し
たように染色法によつてカラーフイルターを形成させる
と、次のような問題が発生する。すなわち、前記染色法
で平滑層の上に親水性ホトレジスト層を設けた後、これ
を140℃〜200℃の温度で加熱して硬化させてから、露
光、現像、染色等の処理を施こすが、この加熱処理（ポ
ストベーキング）により平滑層と親水性ホトレジスト層
との熱挙動が異なることに起因して平滑層や染色層等に
微かいクラツクが発生する。

このような欠点を除くための手段も提供されているが、
何れも満足でなかつたり、面倒な操作を必要とする等の
問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明者らは種種検討を重ねた結果、上記の問題は、平
滑層として、親水性ホトレジストを含み、防染処理され
た平滑層を用いることによって解決できることを見出し
た。

すなわち、固体撮像素子上に、親水性ホトレジストを含
み、且つ、防染処理された平滑層を設け、該平滑層の上
に、感光性を有する親水性樹脂からなる色素層を設けた
ことを特徴とする固体カラー撮像素子である。

以下、本発明を詳細に説明する。

本発明は前記した第１図に示す中間層を設けて染色して
得られる固体カラー撮像素子にも第２図に示す防染処理
を施して染色して得られる固体カラー撮像素子にも適用
することができる。すなわち、第１図における平滑層２
と第２図における平滑層12を親水性ホトポリマーで形成
させる。

本発明で用いる親水性ホトポリマーとしては、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、カゼイン、膠等の天然また
は合成親水性樹脂に重クロム酸塩、ジアゾ化合物、ビス
アジド化合物等で感光性をもたせたものがあげられる。

平滑層はスピンコーテイング等により0.5〜2.5μｍ程度
の厚さで固体撮像素子上に塗布、乾燥する。

次に、この平滑層上にボンデイングパツト部、ダイシン
グカツト部等の除去すべき部分のみを被覆するマスク
（露光パターン）を載せて紫外線露光を行ない、温湯等
で現像して非露光部を除去して基板を露光させておく。

本発明で用いる親水性ホトレジストを平滑層に用いる場
合には、次の染色工程で平滑層が染色されるおそれがあ
るので、防染処理を施しておく必要がある。防染処理
は、例えば酢酸酸性タンニン酸水溶液による処理と、酒
石酸アンチモニルカリウム水溶液と酢酸を含有する水溶
液による処理等により行うことができる。

次に、従来法と同様に第１図及び第２図に関連して前記
したような中間層を設ける方式又は防染処理を施こす方
式に従つてカラーフイルターを設け、さらに保護層を設
けて本発明のカラー固体撮像素子を得る。

カラーフイルターを作成する材料、現像液組成、防染処
理液組成、露光手段等は従来この分野で用いられている
ものがすべて用いられる。

例えば、第１図及び第２図に示す方式で色素層を形成す
るホトレジスト層の材料としては、ゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、カゼイン等の親水性樹脂に重クロム酸
塩、ジアゾ化合物、又はビスアジド化合物等で感光性を
与えたものが用いられ、この水溶液をスピンコート等に
よつて塗設し、フイルターとなる部分以外を被覆するマ
スクを用いて紫外線露光し、フイルター部を硬化した後
に温湯等を現像液として現像し、不要部を除く。

第１図のように中間層を用いる場合は、染色後フイルタ
ー部に中間層と同様にスピンコート等により設ける。中
間層としては、上記と同様の親水性ホトレジストを用い
ることが好ましいが親油性のホトレジストを用いること
もできる。後者の場合には、マスク露光後不要部を除く
現像液として、メチルエチルケトン、エタノール等の勇
気溶剤又はこれらと水の混合液が用いられる。

保護層としても、上記の如き親水性ホトレジストを用い
ることが好ましいが、親油性ホトレジストも用いられ
る。保護層を設けた後に、ボンデイングパツト部、ダイ
シングカツト部等を被覆して紫外線露光し、現像して非
露光部を除去する。保護層には防染処理を行つても行わ
なくてもよい。

第１図の中間層を設ける方式においては、カラーフイル
ターはR,G,Bの三色系であつてもシアン、イエローの二
色の補色型であつてもよく、又、第２図の防染処理方式
では、シアン、イエローの補色型が用いられ、補色型の
場合、各色素層の重なつた部分をグリーン層、色素層の
存在しない域をホワイト層とし４色構成となすことがで
きる。

以下、本発明を実施例によつて具体的に説明する。

〔実施例〕

比較例 CCDタイプの固体撮像素子の段差を平滑化する為に次の
放射線感応性有機高分子材料（親油性ホトレジスト）を
夫々２μの厚さにスピンコートで塗布し、下記条件でベ
ーキングを行い疎水性の感光膜を作成した。

この各感光膜の上に、ボンデイングパツト部と、ダイシ
ングカツト部とを被覆し、絵素エリアが露出しているマ
スク（露光パターン）を用いて、紫外線露光を行なつ
た。次いで、上記条件で各ホトレジスト専用の現像液で
２分間現像し、感光膜の未露光部分（ボンデイングパツ
ト部とダイシングカツト部）を溶出除去した。次いで20
0℃で30分間ポストベークをおこなつて、CCD固体撮像素
子の表面に平滑層を作成した。

この平滑化層の上に厚さ1.3ミクロンの重クロム酸ゼラ
チン光硬化性樹脂層を設け、この上にストライプ模様か
らなるマスク（露光パターン）を置いて密着紫外線露光
を行なつた。次いで、露光した樹脂層を温湯で洗浄し
て、樹脂の未硬化部分を溶出除去して、ストライプ状の
凸部からなる硬化樹脂層を残した。

この硬化樹脂層をシアン染料（銅フタロシアニン（テト
ラ）スルホン酸の（テトラ）ピリジニウム塩）で染色し
て着色樹脂膜を調製した。

このシアン着色樹脂膜を、40℃の酢酸酸性タンニン酸水
溶液（タンニン酸0.05重量％と酢酸0.2重量％を含有す
る水溶液）で１分間処理し、次いで水洗後、40℃の酒石
酸アンチモニルカリウム水溶液（酒石酸アンチモニルカ
リウム0.0625重量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶
液）で同じく１分間処理して着色樹脂膜に色汚染防止改
質処理（防染処理）を施した。

上記により防染処理を施したシアンフイルターの上に、
シアンフイルター形成操作と同様な操作により黄色着色
樹脂膜（イエローフイルター）を作成しカラーフイルタ
ー（比較試料１〜３を作製した。ただし、黄色染色操作
は、（スミノール・ミリング・イエローMR（住友化学工
業（株）製）のピリジニウム塩を使用した。

以上のようにして作成したカラーフイルタを、オーバー
コート層を塗布するために170℃で20分間ポストベーク
した後に、反射型光学顕微鏡によりフイルター面を観察
したところ、着色樹脂膜にクラツクが多数発生してい
た。

実施例１ 本発明の方法によるオンウエハカラーフイルタの作成 前述の如きCCD固体撮像素子の上に下記組成の重クロロ
酸ゼラチン感光液を２ミクロンの厚さにスピンコートで
塗布し、且つ前記と同様マスク露光した後に40℃の温湯
で８分現像を行つて、ボンデイングパツト部とダイシン
グカツト部を除き、更に40℃の酢酸酸性タンニン酸水溶
液（タンニン酸0.2重量％と酢酸0.2重量％を含有する水
溶液）で４分間処理した。次に、軽く水洗后、40℃の酒
石酸アンチモニルカリウム水溶液（酒石酸アンチモニル
カリウム0.5重量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶液）
で４分間処理を行い、ゼラチン光硬化層の色汚染防止改
質処理（防染処理）を行い、更に170℃で20分間ポスト
ベークを行つた以外は比較例と同様にしてカラーフイル
ターを作成した。

比較例と同様にして顕微鏡でカラーフイルターを検査し
たところ、クラツク等の欠陥のない優れたカラー固体撮
像素子が得られた。

重クロム酸ゼラチン感光液組成 ゼラチン 100g 水 １ 重クロム酸アンモン 10g 前記の如く本発明方法で作製したカラーフイルターを更
に40℃の酢酸酸性タンニン酸水溶液（タンニン酸0.05重
量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶液）で１分間処理
し、次いで水洗後、40℃の酒石酸アンチモニルカリウム
水溶液（酒石酸アンチモニルカリウム0.0625重量％と酢
酸0.2重量％を含有する水溶液）で同じく１分間処理し
て着色樹脂膜に色汚染防止改質処理（防染処理）を施し
た。

上記のマイクロカラーフイルターの上に、厚さ1.0ミク
ロンの重クロム酸ゼラチン光硬化性樹脂層を設け、この
上にボンデイングパツド部とダイシングカツト部とを被
覆し、画素部分が露出している露光パターンを置いて、
密着露光を行なつた。次いで、露光した樹脂層を温湯で
洗浄して、樹脂の未露光部分（ボンデイングパツト部と
ダイシングカツト部）を溶出除去した。

この硬化樹脂層を40℃の酢酸酸性タンニン酸水溶液（タ
ンニン酸0.2重量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶液）
で４分間処理し、次いで水洗後、40℃の酒石酸アンチモ
ニルカリウム水溶液（酒石酸アンチモニルカリウム0.5
重量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶液）で同じく４
分間処理して硬化樹脂膜に色汚染防止改質処理（防染処
理）を施しフイルタの保護層を形成した。これを170℃
のオーブン内に40分間放置して加熱処理（ポストベー
ク）した。

以上により、クラツク等のない優れたカラー固体撮像素
子が得られた。

実施例２ CCDタイプの固体撮像素子の段差を平滑化する為本発明
による平滑層として、厚さ2.0ミクロンの重クロム酸ゼ
ラチン光硬化性樹脂層を設けこの上にボンデイングパツ
ド部とダイシングカツト部とを被覆し、画素部分が露出
している露光パターンを置いて、密着露光を行なつた。
次いで、露光した樹脂層を温湯で洗浄して、樹脂の未露
光部分（ボンデイングパツト部とダイシングカツト部）
を溶出除去して、凸部からなる硬化樹脂層を残した。こ
の硬化樹脂層を40℃の酢酸酸性タンニン酸水溶液（タン
ニン酸0.2重量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶液）で
４分間処理し、次いで水洗後、40℃の酒石酸アンチモニ
ルカリウム水溶液（酒石酸アンチモニルカリウム0.5重
量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶液）で同じく４分
間処理して硬化樹脂膜に色汚染防止改質処理（又は防染
処理）を施し、さらに170℃で20分間ポストベークを行
つた。この平滑化層の上に厚さ0.7ミクロンの重クロム
酸ゼラチン光硬化性樹脂層を設け、この上にストライプ
模様からなるマスク（露光パターン）を置いて密着露光
を行なつた。次いで、露光した樹脂層を温湯で洗浄し
て、樹脂の未硬化部分を溶出除去して、ストライプ状の
凸部からなる硬化樹脂層を残した。

この硬化樹脂層をシアン染料（銅フタロシアニン（テト
ラ）スルホン酸の（テトラ）ピリジニウム塩）で染色し
て着色樹脂膜を調製した。

このシアン着色樹脂膜を、40℃の酢酸酸性タンニン酸水
溶液（タンニン酸0.05重量％と酢酸0.2重量％を含有す
る水溶液）で１分間処理し、次いで水洗後、40℃の酒石
酸アンチモニルカリウム水溶液（酒石酸アンチモニルカ
リウム0.0625重量％と酢酸0.2重量％を含有する水溶
液）で同じく１分間処理して着色樹脂膜に色汚染防止改
質処理を施した。

上記により汚染処理を施したシアンフイルターの上に、
シアンフイルター形成操作と同様な操作により黄色着色
樹脂膜（イエローフイルター）を形成した。ただし黄色
染色操作は、（スミノール・ミリング・イエローMR（住
友化学工業（株）製）のピリジニウム塩を使用した。

以上のようにして作成した着色樹脂層によりシアン、イ
エロー、グリーン（シアンとイエローの重なり部分）、
およびホワイト（非樹脂部分）の四色から構成されたマ
イクロカラーフイルターが形成された。

上記のマイクロカラーフイルターの上に、ｐ−フエニレ
ンジアクリル酸エチルと当モルの1,4−ビス（β−ヒド
ロキシエトキシ）−シクロヘキサンとの共重合体（増感
剤として２−ベンゾイルメチレン−１−メチル−β−ナ
フトチアゾリンを２重量％含有）からなる厚さ１μｍの
樹脂塗布層を形成し、これを150℃のオーブン内に30分
間放置して加熱処理（プリベーク）した。この上にボン
デイングパツド部とダイシングカツト部とを被覆し、画
素部分が露出している露光パターンを置いて、紫外線露
光を行なつた。次いでこの樹脂被覆層をγ−ブチロラク
トンで現像して樹脂の未露光部分（ボンデイングパツド
部とダイシングカツト部）を溶出除去した。これを170
℃のオーブン内に40分間放置して加熱処理（ポストベー
ク）した。

以上によりクラツク等のない優れたカラー固体撮像素子
が得られた。

〔発明の効果〕

以上の結果からも明らかなように、本発明によるとき
は、ベーキングを行つた後も、平滑層や色素層等にクラ
ツクが生じていない優れたカラー固体撮像素子が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々カラー固体撮像素子の一部を示
す概略拡大断面図である。 1,11……固体撮像素子、2,12……平滑層、3,13……第１
色目のフイルター、4,6,8……中間層、5,17……第２色
目のフイルター、７……第３色目のフイルター、8,15…
…保護層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】固体撮像素子上に、親水性ホトレジストを
   含み、且つ、防染処理された平滑層を設け、該平滑層の
   上に、感光性を有する親水性樹脂からなる色素層を設け
   たことを特徴とする固体カラー撮像素子。