JPH0684129A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JPH0684129A
JPH0684129A JP4354979A JP35497992A JPH0684129A JP H0684129 A JPH0684129 A JP H0684129A JP 4354979 A JP4354979 A JP 4354979A JP 35497992 A JP35497992 A JP 35497992A JP H0684129 A JPH0684129 A JP H0684129A
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gap
head
track width
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Seiji Kumagai
静似 熊谷
Junichi Honda
順一 本多
Yoshito Ikeda
義人 池田
Masatoshi Hayakawa
正俊 早川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一対の磁気コア材を接合して磁気ヘッドを製
造する方法において、磁気記録媒体摺動面近傍での磁気
コア材の透磁率が最大となるように、接合時の磁気コア
材の残留応力を制御する。 【効果】 ヘッド化した後の透磁率を確実に最大なもの
とし、ヘッド出力を大幅に向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドの製造方法
に関し、特に単結晶フェライトまたは単結晶と多結晶の
接合フェライトを磁気コア材とする磁気ヘッドの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、VTR(ビデオテープレコーダ
ー)等の磁気記録再生装置に組み込まれる磁気ヘッド
は、単結晶フェライト等の磁性材料よりなる磁気コアと
コイルにより構成されている。このフェライトにより形
成される磁気コアを用いた磁気ヘッドは、フェライトヘ
ッドと称され、一般的に用いられるものである。
【0003】このような磁気ヘッドは、例えば図25に
示されるようにトラック幅規制溝201,202により
トラック幅が規制されるフロントギャップ形成面20
3,204、バックギャップ形成面205,206を境
として左右別々に形成された一対の磁気コア207,2
08がフロントギャップg3 、バックギャップg4 を有
して突き合わされ接合一体化されてなる。上記一対の磁
気コア207,208は、各磁気コア207,208の
突合わせ面に被着形成されたギャップ膜209,210
の対向面であるギャップ形成面203,204及び20
5,206同士を突合わせるとともに、フロントギャッ
プg3 及びバックギャップg4 近傍に溶融充填された非
磁性材料である融着ガラス211によって接合一体化さ
れている。そして、その接合一体化された突合わせ面に
は、それぞれコイルを巻装するための巻線溝212,2
13が形成されている。
【0004】かかる磁気ヘッドは、次のような製造方法
により製造される。先ず、図26に示すように、単結晶
フェライトまたは単結晶フェライトと多結晶フェライト
の接合材等よりなる基板214を用意し、各磁気コア2
07,208のトラック幅を規制するための断面略半円
状のトラック幅規制溝215を所定のピッチで複数形成
する。
【0005】次に、図27に示すように、上記基板21
4にコイルを巻装するための断面略台形状の巻線溝21
6,217及びガラス融着を行うための断面略コ字状の
ガラス溝218,219を、上記トラック幅規制溝21
5と直交するように所定のピッチで設ける。次いで、図
28に示すように、上記基板214を巻線溝216とガ
ラス溝218を単位とするブロック220と、図29に
示す巻線溝217とガラス溝219を単位とするブロッ
ク221とに分割する。
【0006】次に、図28に示すように、上記トラック
幅規制溝215と巻線溝216とガラス溝218が形成
されたブロック220に、SiO2 等の非磁性材料より
なるギャップ膜222を例えばマグネトロンスパッタ法
のような薄膜形成技術を用いてギャップ長の約半分の厚
さで成膜し、フロントギャップ形成面223とバックギ
ャップ形成面225を形成する。同様にして、他方のブ
ロック221にもギャップ膜227を成膜して、フロン
トギャップ形成面224とバックギャップ形成面226
を形成する。
【0007】次に、図29に示すように、これらブロッ
ク220,221をそれぞれのフロントギャップ形成面
223,224とバックギャップ形成面225,226
が接するように突き合わせる。
【0008】そして、融着ガラスよりなるガラス棒を巻
線溝216,217とガラス溝218,219に配し、
所定の条件下で加熱及び図中矢印P2 方向に数十MPa
程度の圧力を加え、上記ガラス棒を溶融加熱する。する
と、フロントギャップ及びバックギャップ近傍やトラッ
ク幅規制溝215,230に融着ガラス231が充填さ
れ、フロントギャップ形成面223,224間及びバッ
クギャップ形成面225,226間に、記録再生ギャッ
プとして機能するフロントギャップとバックギャップが
形成される。
【0009】次に、上記融着ガラス231によって接合
一体化されたブロック220,221のテープ摺動面2
32に円筒研磨を施す。そして最後に、チップ切断を行
い、コイルを巻線溝216,217に巻装することによ
り、図25に示す磁気ヘッドが得られる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな加工工程を経た単結晶フェライトは、工程中に生じ
る様々な加工歪のために、磁気コアの透磁率は大きく劣
化し、磁気ヘッドの再生効率が低下するという問題が発
生している。
【0011】例えば前述のような製造方法により製造さ
れる磁気ヘッドにおいて、磁気コア207,208を形
成する一対のブロック220,221の接合には、これ
らブロック220,221を突き合わせ、非磁性材料で
ある融着ガラス231を配し、加熱及び加圧を施して溶
融充填を行っている。突き合わせる前のブロック22
0,221は反りを有していることが多く、ただ単に突
き合わせただけでは、突き合わせ面であるフロントギャ
ップ形成面223,224とバックギャップ形成面22
5,226が面接触状態で接触せず、磁気ギャップが開
いてしまう。そこで、融着ガラス231を加熱処理して
溶融充填する際、加圧処理を施しブロック220,22
1の反りを矯正し、磁気ギャップが良好に形成されるよ
うにしている。なお、一対のブロック220,221を
突き合わせる際には数十MPaの圧力が加えられる。
【0012】しかしながら、この加圧処理の際、圧力は
ブロック220,221を形成する磁性材料である単結
晶フェライトまたは単結晶フェライトと多結晶フェライ
トの接合材等の磁気ギャップ形成部に集中し、ブロック
220,221を接合した後も磁気ギャップ形成部のフ
ェライト中には内部残留応力が存在する。このため、こ
れによる逆磁歪効果によって、得られる磁気コアの透磁
率の低下を引き起こし、磁気ヘッドの再生効率が低下す
る。
【0013】特に、近年においては高密度記録の要求に
伴って磁気ヘッドのトラック幅を小さくすることが求め
られており、トラック幅が小さくなると、上記のような
ブロック220,221と磁気ギャップ形成部のフェラ
イトにかかる応力は更に大きなものとなり、磁気ギャッ
プ形成部のフェライトに大きな歪みを与え、フェライト
の透磁率が低下し、磁気ヘッドの再生効率も低下する。
特に、トラック幅が20μm程度以下となるとこれらの
現象は更に顕著となり大きな問題となる。
【0014】ところが、これまで、残留応力によるフェ
ライト材料の透磁率の劣化と実際の磁気ヘッドでの再生
出力とを定量的に関係付ける方法が存在せず、従って、
上記のような磁気ギャップ形成時の残留応力がどの位磁
気ヘッドの再生出力を劣化させているかは実際に磁気ヘ
ッドを作成し、その再生出力を測定するしかなく、応力
に関して明確な設計指針を立てられない状況であった。
また、この透磁率の応力依存性は、単結晶フェライトに
おいては、その結晶方向によっても変化し得る。すなわ
ち、単結晶フェライトを用いた磁気ヘッドを設計する場
合は、加工性や耐摩耗性の面と再生出力や記録特性の面
を考慮して単結晶フェライトの切出し面方位を決定し、
さらに製造工程において残留応力を制御し、フェライト
の磁気特性の劣化を防止しなければならない。いまで
は、試行錯誤によって、この一連の作業を行わなければ
ならなかった。
【0015】そこで本発明は、上述のような従来の実情
に鑑みて提案されたものであり、磁気コア材の透磁率を
ヘッド化後に確実に最大となるように制御し、これによ
り再生効率に優れた磁気ヘッドの製造を可能とすること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、一対の磁気コア材を接合することによ
って磁気ヘッドを製造するに際し、磁気記録媒体との摺
動面近傍での前記磁気コア材の透磁率が最大となるよう
に、接合時の磁気コア材の残留応力を制御することを特
徴とする。
【0017】本発明者等は、上記した問題について種々
検討を加え、応力を印加した状態で磁気コア材(特に単
結晶フェライト)の透磁率を測定して、応力が透磁率に
与える影響を定量化し、これに基づいて、磁気ヘッド化
する前にフェライトの磁気記録媒体摺動面近傍の摺動方
向での透磁率が最大となる応力値を把握し、磁気ヘッド
化した後のフェライトヘッドの残留応力を上記応力値に
設定することにより、磁気ヘッドの出力向上が可能であ
ることを見い出し、本発明に到達したものである。以下
に、本発明を詳細に説明する。
【0018】1.フェライトヘッドのギャップ近傍の透
磁率と磁気ヘッド再生効率 解析に用いたフェライトヘッドは、図1に示す如きもの
であった。すなわち、磁気ヘッドは一対の単結晶フェラ
イトコア1,2からなり、これらの磁気コア1,2間に
は磁気記録媒体摺動面に磁気ギャップgが形成されてい
て、次の寸法に設定された。
【0019】磁気ギャップ長:0.2μm デプス:15μm トラック幅:20μm 面取り深さ:65μm
【0020】このフェライトヘッドを用い、次の〜
のようにして解析を行った。 プログラム ハードウェア:CPU:NWS−1860(SONY社
製) ソフトウェア:有限要素法を用いた3次元磁場解析ソフ
ト (Ansoft社製 Maxwell)
【0021】計算 シミュレーションにより、磁気ギャップ中の磁束密度H
gを求め、この最大値より効率ηを求めた。また、フェ
ライトコアの磁束密度Bcと断面積Scとからインダク
タンスLを求め、L換算の効率を計算した。この値は、
実際のヘッド出力のレベル差に対応する。なお、計算式
は次の通りである。
【0022】η=(Hg×Gap)/(I×N) Hg=Bg/μ0
【0023】η:ヘッド効率 Hg:ギャップ中磁界 〔A/m〕 Bg:ギャップ中磁束密度 〔T〕 μ0 :真空の透磁率 Gap:ギャップ長 〔m〕 I :電流 〔A〕 N :ターン数
【0024】L=(Bc×Sc)/IA (但し、
1ターン当たりのL) L:ヘッドのインダクタンス 〔H〕 Bc:磁気コア中の磁束密度 〔T〕 Sc:磁気コアの断面積 〔m2 〕 IA :総電流 〔AT〕
【0025】計算条件 コイルの断面積:Scoil=150×330〔μ
2 〕 電流:片側10mAT/10ターン 電流密度:202020 〔A/
2 〕 境界条件:固定境界条件、無限遠でB=0(但し、無限
境界要素を使用)
【0026】透磁率 ギャップ近傍(図1参照)のフェライトの透磁率を10
0〜500の範囲で変化させた。
【0027】上記の条件で、シミュレーションを行って
得られた磁気ギャップ近傍の透磁率μとヘッドの単位イ
ンダクタンス当たりの効率η/√Lとの関係は、図2の
ようになった。ここで、インダクタンスLは巻数により
変化するので、単位インダクタンス当たりの効率η/√
Lがビデオヘッドの実際の出力に対応する。
【0028】図2のシミュレーション結果から、磁気ギ
ャップ近傍の透磁率μがヘッド出力を左右することが判
る。
【0029】2.透磁率の応力及び周波数依存性 次に、図3に示すように、バルクヘッドの磁束の方向と
発生する応力の向きを考慮し、測定サンプルSを磁気記
録媒体(磁気テープ)が摺動する方向を長手とする短冊
形とした。
【0030】このサンプルSは、実際には、結晶化ガラ
ス板に貼り合わせ、サンプルを上側又は下側にして上側
が凸になるように長手方向に曲げ荷重を加え、この応力
印加状態でネットワークアナライザー(ヒユーレットパ
ッカード社製41195A)を用いてサンプルの長手方
向の透磁率を測定した。
【0031】この測定サンプルSは、実際のヘッドとの
対応では図6の如く、磁気記録媒体摺動面の近傍を構成
する部分に相当するものである。ここでは、同サンプル
は、フェライト結晶の切出しの結晶方位を摺動方向にお
いて(100)面が現れるようにした。以下に、フェラ
イト結晶の面方位を(100)面、(111)面、(2
11)面として表す。
【0032】図3には、サンプル長手方向に(100)
面が現れるサンプルの透磁率の応力及び周波数依存性の
測定結果が示されている。
【0033】また、同様に、図4には、サンプル長手方
向に結晶の面方位(111)面が現れるサンプルの透磁
率の応力及び周波数依存性の測定結果が示され、この測
定サンプルSは実際のヘッドでは図7の如くに磁気記録
媒体摺動面近傍を構成する部分に相当している。図5に
は、サンプル長手方向に(211)面が現れるサンプル
の透磁率の応力及び周波数依存性の測定結果が示され、
この測定サンプルSは実際の磁気ヘッドでは図8の如く
に磁気記録媒体摺動面の近傍を構成する部分に相当して
いる。
【0034】3.応力とヘッド効率の関係 例えば、図3に示した長手方向が<100>方向の単結
晶フェライトの応力と透磁率との関係を図に示した透磁
率とヘッド効率(η/√L)との関係に代入することに
よって、応力とヘッド効率の関係を求めることができ
る。同様に、図4、図5についても求めることができ
る。なお以下、フェライトの結晶方向を<100>方
向、<111>方向、<211>方向で表す。
【0035】<100>、<111>のそれぞれについ
て、各応力下で得られるヘッド効率(η/√L)を周波
数に対してプロットしたデータを図11に示す。
【0036】4.実際のヘッド出力との対応 応力を変化させた場合 分析組成:55mol% Fe2 3 、22mol%
MnO、23mol%ZnOからなる単結晶フェライト
の磁気ギャップ近傍のテープ摺動方向に、圧縮20MP
aと圧縮50MPaの各残留応力が働いている2種類の
ヘッドを作成した。これらの各残留応力は、磁気ヘッド
作成時に、例えば前述した図29に示すように、一対の
ブロック220,221をそれぞれフロントギャップ形
成面223,224とバックギャップ形成面225,2
26が接するように突き合わせ、融着ガラスよりなるガ
ラス棒を巻線溝216,217とガラス溝218,21
9に配し、所定の条件下で上記ガラス棒を加熱するとと
もに、同図中矢印P2 方向に数十MPa程度の圧力を加
え、フロントギャップ及びバックギャップ近傍やトラッ
ク幅規制溝215,230に融着ガラス231を溶融充
填する。このときの圧力を制御することによって、残留
応力を調節した。
【0037】これらのヘッドについて、5MHzでの再
生出力を測定したところ、20MPaの場合の方が50
MPaよりも1.9dB高くなった。一方、5MHzに
おけるヘッド効率(η/√L)の値を応力に対してプロ
ットすると図9のようになる。
【0038】これによれば、20MPaと50MPaの
出力差は2.2dBとなり、実測値とほぼ一致してい
る。このことから、ヘッド化時の応力値によって実際の
ヘッド出力を予測し、最大のヘッド出力を再現できるプ
ロセス条件を決めることができる。
【0039】結晶方向を変化させたとき テープ摺動方向の結晶方位が<100>、<111>の
2種類のヘッドを各々制作した。この際、圧縮50MP
aの残留応力を加えた状態でヘッド化した。結晶方位が
<111>のヘッド出力の、結晶方位が<100>のヘ
ッド出力に対する相対出力の結果を図11に○印で示し
た。
【0040】一方、圧縮50MPaの場合のヘッド効率
η/√L周波数の関係を図10のデータから前述の磁場
解析ソフトで計算した結果から求めてプロットすると、
図11のようになる(実際には圧縮47MPaのデータ
を示したが、圧縮50MPaとほぼ同等)。
【0041】そして、この図11のグラフ上に、結晶方
位が<111>のヘッド出力の、結晶方位が<100>
のヘッド出力に対する相対出力の計算値を×印でプロッ
トしたが、○印の実測値と比べると良い一致を見る。こ
のことから、異なった結晶方位においてもフェライト試
料の透磁率から実際のヘッド出力を予測することが可能
である。結晶方位が異なれば、ヘッド出力を向上させる
応力値も異なってくる。
【0042】5.応力を制御する方法 以上のように単結晶の各結晶方向における応力に依存す
る透磁率の変化と磁気ヘッド出力の変化の関係を明確に
することが可能となった。この結果に鑑み、加工組立工
程や材料の物性値、更に単結晶フェライトの結晶方位等
を種々選択することにより、磁気記録媒体との摺動面近
傍での前記磁気コア材の透磁率(但し、磁気記録媒体摺
動方向での透磁率)が最大となるように、前記接合時の
磁気コア材の残留応力を制御することで磁気ヘッドの再
生効率を向上させることができる。
【0043】例えば、磁気ヘッドの製造方法中で磁気ヘ
ッドに多大な応力を発生させる工程は、磁気コア接合工
程であり、磁気コア接合時、非磁性材料である融着ガラ
スを配して加熱及び加圧処理を施す際の圧縮応力が内部
応力として残留し、磁気コアの透磁率を低下させ、磁気
ヘッドの再生効率を低下させるものと思われる。
【0044】そこで本発明では、磁気記録媒体との摺動
面近傍での前記磁気コア材の透磁率(但し、磁気媒体摺
動方向での透磁率)が最大となるように、前記接合時の
磁気コア材の残留応力を制御する一手段として、一対の
磁気コアを磁気ギャップを有して接合し、閉磁路を形成
させて磁気ヘッドを形成する磁気ヘッドの製造方法にお
いて、磁気ギャップ部の接合を行った後に磁気ギャップ
近傍に非磁性材料を充填することを特徴とするものであ
る。
【0045】上記磁気コアを形成する材料としては、磁
気ヘッドの製造に一般的に用いるものであれば良く、単
結晶フェライト及び単結晶フェライトと多結晶フェライ
トの接合材等の磁性材料が挙げられる。このとき、磁気
ギャップ部の接合を融着ガラスによって行っても良く、
また、磁気ギャップ近傍に充填する非磁性材料を融着ガ
ラスとし、そのガラス転移点が、磁気ギャップ部の接合
に用いる融着ガラスの屈服点よりも低いものを用いても
良い。
【0046】上記磁気ギャップ部の接合に用いる融着ガ
ラスとしては、磁気ヘッドの製造に通常用いられるもの
であれば、いずれでも良いが、接着能力があり、屈服点
が比較的高いものが望ましい。なお、下地層として融着
ガラスと磁気コア間にSiO2 膜等を介在させても良
い。また、磁気ギャップ近傍に充填する非磁性材料とし
てはSiO2 等の非磁性材料の他に、融着ガラスが挙げ
られるが、磁気ヘッドの製造に通常用いられるものであ
ればいずれでも良く、ガラス転移点が比較的低いものが
望ましい。
【0047】さらに、上記磁気ヘッドの製造方法におい
て、磁気ギャップ部の接合を金属膜の低温熱拡散によっ
て行っても良く、金属膜としてはAu、Ag、Pt、P
b等が挙げられ、例えば下地層としてSiO2 膜、Cr
膜等を介在させたSiO2 とAu、CrとAuにより構
成される複合薄膜等を用いても良い。なお、複合薄膜の
形成は、スパッタリング法等の薄膜形成技術により行え
ば良い。
【0048】また、例えばもう一つの手段としては、よ
り応力の制御を容易にするために、トラック位置合わせ
融着時における加圧力の低減を図り、フェライトコアへ
残留する応力の少ない磁気特性に優れた磁気ヘッドを作
成することが可能な磁気ヘッドの製造方法を提供するた
めに、一対の磁気ヘッド用コア基板にそれぞれトラック
幅の3倍以上の平坦部が残るようにトラック幅規制溝を
所定ピッチで複数形成する工程と、上記トラック幅規制
溝と略直交してコイルを巻装するための巻線溝を形成す
る工程と、上記一対の磁気ヘッド用コア基板をトラック
位置合わせしながら接合一体化する工程と、接合一体化
された磁気ヘッド用コア基板よりヘッドチップに切り出
す工程とからなることを特徴とする。
【0049】
【作用】本発明方法によれば、一対の磁気コア材を接合
するに際し、磁気記録媒体との摺動面近傍での前記磁気
コア材の透磁率(但し、磁気媒体摺動方向での透磁率)
が最大となるように、接合時の磁気コア材の残留応力を
制御しているので、磁気ヘッドの再生効率が高まる。
【0050】また、本発明では、磁気ギャップ部の接合
を行った後に、圧力を加えない状態で磁気ギャップ近傍
に非磁性材料を充填するので、磁気コアのギャップ部に
かかる圧力が微小なものとなり、該磁気コアの磁気ギャ
ップ形成部に透磁率を最大とするような応力が残留して
再生効率が大幅に高まる。
【0051】また、本発明の方法によれば、磁気ギャッ
プ近傍に充填する融着ガラスのガラス転移点が、磁気ギ
ャップ部の接合に用いる融着ガラスの屈服点よりも低い
ものを用いているので、融着ガラスの磁気ギャップ近傍
への充填時に磁気ギャップが開いてしまうことがなく、
良好な接合強度が確保される。
【0052】さらに、本発明においては、磁気ギャップ
部の接合を金属膜の低温熱拡散によって行っているの
で、良好な接合強度が確保されるとともに、低温での製
造が可能となり生産性が大幅に向上する。
【0053】また、本発明においては、トラック幅規制
溝が形成された一対の磁気ヘッド用コア基板をトラック
位置合わせしながら突き合わせて接合一体化する際に、
トラック幅の3倍以上の平坦部が残るようにトラック幅
規制溝を所定ピッチで形成しているので、当該平坦部が
融着時に加えられる加圧力を低減し、該磁気ヘッド用コ
ア基板への応力を制御し易くする。この結果、磁気ヘッ
ド用コア基板の磁気特性が最適になるように制御された
磁気ヘッドが得られる。
【0054】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら説明する。先ず、本発明者等
は、磁気コア材料としてMn−Zn単結晶フェライトを
用いて、材料中の内部残留応力と該材料の透磁率の関係
を調査した。上記磁気コア材料としてMn−Zn単結晶
フェライトを用いる場合、図6に示すような面方位で構
成される,いわゆるβ型フェライトや図7に示すような
面方位で構成される,いわゆるJ型フェライトが代表的
なものとして挙げられる。なお、β型フェライトとJ型
フェライトの面方位は、表1に示す通りである。
【0055】
【表1】
【0056】本発明者等は、β型及びJ型の代表的な2
種類のMn−Zn単結晶フェライトにおいて、それぞれ
の磁気ギャップ形成面に垂直な方向である、<100>
及び<111>方向で加圧を施し透磁率の測定を行っ
た。結果を図18に示すが、β型フェライトに、<10
0>方向に加圧を施した結果を実線で示し、J型フェラ
イトに<111>方向に加圧を施した結果を破線で示
す。図18に示される様に、透磁率は明らかに応力に依
存しており、応力σの絶対値の増加により透磁率μが低
下する傾向にあることが確認された。
【0057】上述のような、Mn−Zn単結晶フェライ
トの透磁率の応力依存性は次のように説明できる。すな
わち、磁気コアを形成しているMn−Zn単結晶フェラ
イトは、一般に磁歪定数が10-6程度であり比較的大き
な値を示すため、加圧後に残留する内部応力により、見
かけの磁気異方性が変化する。
【0058】例えば、磁気ギャップ形成面に垂直な方向
<abc>磁歪定数λabc 及び応力σabc と結晶異方性
1 により見かけの異方性エネルギーKは(1)式のよ
うに表される。 K=K1 −(3/2)λabc ・σabc ・・・(1)式 一般に回転磁化過程が支配的な周波数領域では透磁率μ
と異方性エネルギーKの関係は(2)式のように表され
る。
【0059】μ∝1/K・・・(2) 従って、異方性エネルギーの増減により透磁率は逆比例
して増減することになる。
【0060】例えば、今回の測定に用いたMn−Zn単
結晶フェライトの磁気異方性K1 は正である。一方、<
100>方向の磁歪定数λ100 は負であるため、<10
0>方向の異方性エネルギーKは、引っ張り側の応力を
正とすると応力σ100 の増加に伴って増加することが
(1)式よりわかり、(2)式よりフェライトの透磁率
が低下することがわかる。次に、応力σ100 が圧縮側に
大きく(負の方向に大きく)なると、異方性エネルギー
Kは、応力σ100 がある値に達するまでは減少するが、
その後、符号が反転し、再び増加することが(1)式よ
りわかる。よって(2)式より、応力σ100 が圧縮側に
大きく(負の方向に大きく)なると、透磁率μは増加し
た後、減少することがわかる。これらの結果は、図18
中実線で示されるβ型フェライトの<100>方向の応
力の変化に対する透磁率の変化の様子と一致している。
【0061】また、<111>方向の磁歪定数λ111
正であるため、引っ張り側の応力を正とすると<111
>方向の異方性エネルギーKは、応力σ111 がある値に
達するまでは減少するが、その後、符号が反転し、再び
増加することが(1)式よりわかる。よって(2)式よ
り、応力σ111 が引っ張り側に大きく(正の方向に大き
く)なると、透磁率μは増加した後、減少することがわ
かる。次に応力σ111が圧縮側に大きく(負の方向に大
きく)なると、<111>方向の異方性エネルギーK
は、応力σ111 の増加に伴って増加することが(1)式
よりわかり、(2)式よりフェライトの透磁率が減少す
ることがわかる。これらの結果が、図18中破線で示さ
れるJ型フェライトの<111>方向の応力の変化に対
する透磁率の変化の様子と一致している。
【0062】そこで本発明者等は、表1に示した代表的
な面方位を有するβ型及びJ型Mn−Zn単結晶フェラ
イトを用いて従来の製造方法により、磁気ヘッドを製造
し、これらの磁気ヘッドの再生効率の評価を行った。そ
の結果、磁気ギャップ形成面が(111)面であるJ型
フェライトを用いた磁気ヘッドよりも磁気ギャップ形成
面が(100)面であるβ型フェライトを用いた磁気ヘ
ッドの方が、再生効率が10dB高いという結果を得
た。これは、後者の方が前者よりも高い透磁率を有して
いることを示している。この結果は、図18に示したよ
うに図中破線で示されるJ型フェライトと図中実線で示
されるβ型フェライトの垂直方向で圧縮する方向に応力
をかけた場合の透磁率の関係に一致しており、上記磁気
ヘッドにはギャップ面に対して垂直方向の応力が残存し
ていることが確認された。
【0063】次に、本発明を適用した磁気ヘッドの製造
方法の実施例について説明する。先ず、磁気コアを形成
するために図12に示す様なフェライト等よりなる基板
3を用意し、これに各磁気コアのトラック幅を規制する
ための断面略半円状のトラック幅規制溝4を所定のピッ
チで複数形成する。次に、この基板3に図13に示すよ
うにコイルを巻装するための断面略台形状の巻線溝5,
6とガラス融着を行うための断面略コ字状のガラス溝
7,8を、トラック幅規制溝4と直交するように所定の
ピッチで設ける。そして、上記基板3のギャップ形成面
3aを鏡面に仕上げる。
【0064】上記巻線溝5,6は、フロントギャップの
デプスが零となる位置に形成する。一方、ガラス溝7,
8は、バックギャップの深さが所定の深さとなる位置に
形成する。そして、図14に示すように、上記基板3
を、巻線溝5とガラス溝7を単位とするブロック9と、
巻線溝6とガラス溝8を単位とするブロック10とに分
割する。
【0065】次に、図14に示すように上記トラック幅
規制溝4と巻線溝5とガラス溝7が形成されたブロック
9に、磁気ギャップ部の接合を行うために形成される融
着ガラス等よりなるギャップ膜11を例えばマグネトロ
ンスパッタリング法のような薄膜形成技術を用いてギャ
ップ長の約半分の厚さで成膜し、フロントギャップ形成
面12とバックギャップ形成面13を形成する。
【0066】そして、図15に示すように、上記のよう
にして形成された一方のブロック9と、同様にして作製
されたギャップ膜14が形成されてなる他方のブロック
10を、それぞれのフロントギャップ形成面12,1
5、バックギャップ形成面13,16同士が接するよう
にギャップ膜11,14を突き合わせ面として突き合わ
せ、所定の条件下で図15中矢印P1 方向に加圧し、且
つ加熱処理を施す。
【0067】この結果、これらブロック9,10は、フ
ロントギャップ形成面12,15とバックギャップ形成
面13,16、すなわち磁気ギャップ部のみで接合一体
化される。
【0068】次に、図16に示されるように、磁気ギャ
ップ近傍に充填される非磁性材料であるガラス棒をブロ
ック9,10の巻線溝5,6及びガラス溝7,8に配
し、所定の条件下で加熱処理を施して各磁気ギャップ近
傍やトラック幅規制溝4に、融着ガラス17,18を溶
融充填する。このように接合されたブロック9,10の
テープ摺動面19に円筒研磨を施し、チップ切断を施
し、図17に示されるような磁気コアを得、これにコイ
ルを巻装して磁気ヘッドを得る。
【0069】この磁気コアは言うまでもなく、トラック
幅規制溝4によりトラック幅が規制されるフロントギャ
ップ形成面12,15とバックギャップ形成面13,1
6を境として左右別々に形成された一対の磁気コア2
0,21がフロントギャップg1 、バックギャップg2
を有して突き合わされ接合一体化されたものである。そ
して、これらトラック幅規制溝4、フロントギャップg
1 、バックギャップg2近傍には、非磁性材料である融
着ガラス17,18が溶融充填され、これにより上記一
対の磁気コア20,21が接合されている。なお、上記
各磁気コア20,21にはコイルを巻装するための巻線
溝5,6が形成されている。
【0070】そこで、上記のような磁気ヘッドの製造方
法により2種類の磁気ヘッドの製造を行った。磁気コア
を形成する磁性材料として、β型及びJ型Mn−Zn単
結晶フェライトを用い、ギャップ形成面にあたる(10
0)面及び(111)面にトラック幅が20μmとなる
ようにトラック幅規制溝を形成し、巻線溝,ガラス溝を
形成し、一対の巻線溝とガラス溝を単位とするブロック
に分割した。
【0071】ギャップ膜を形成するギャップ材としては
SiO2 を主成分とする屈服点が583℃、転移点が6
38℃の融着ガラスを用い、ガス圧0.8Pa,電力密
度1W/cm2 の条件下でギャップ長の半分(本実施例
においては1000Å)の膜厚で上記融着ガラスのギャ
ップ膜を上記ブロックに形成し、フロントギャップ形成
面及びバックギャップ形成面を形成した。
【0072】次に、上記のように加工が施され、ギャッ
プ膜が形成される一対のブロックをギャップ膜を突き合
わせ面とし、フロントギャップ形成面及びバックギャッ
プ形成面が接するように突き合わせ、640℃,数十M
Paの条件下で加熱加圧処理を1時間施した。次に、ブ
ロックに形成されている巻線溝に融着ガラスとしてギャ
ップ膜に用いた融着ガラスの屈服点よりも低いガラス転
移点(560℃)を有する棒状のPbガラスを配し、5
60℃で1時間の加熱処理を行い、磁気ギャップ近傍及
びトラック幅規制溝に融着ガラスの溶融充填を行った。
【0073】なお、この時、ギャップ膜の融着ガラスが
再度溶融し磁気ギャップ部が開くことはなかった。次
に、上記接合されたブロックのテープ摺動面に円筒研磨
を施し、チップ切断し、コイルを巻装して磁気ヘッドを
得、β型Mn−Zn単結晶フェライトを用いた磁気ヘッ
ドを実施例1、J型Mn−Zn単結晶フェライトを用い
た磁気ヘッドを実施例2とした。
【0074】また、比較のために上記の磁気ヘッドと同
型の磁気ヘッドを従来の磁気ヘッドの製造方法により製
造した。磁気コアを形成する材料としてはβ型及びJ型
Mn−Zn単結晶フェライトを用い、ギャップ膜として
SiO2 膜を形成し、ギャップ膜が形成される一対のブ
ロックを突き合わせ、ブロックに形成されている巻線溝
及びガラス溝に融着ガラスとしてガラス転移点560℃
のPbガラスを融着ガラスとして配し、560℃で1時
間の加熱処理を行い、磁気ギャップ近傍及びトラック幅
規制溝に融着ガラスの溶融充填を行った。次に、上記接
合されたブロックのテープ摺動面に円筒研磨を施し、チ
ップ切断し、コイルを巻装して磁気ヘッドを得、β型M
n−Zn単結晶フェライトを用いた磁気ヘッドを比較例
1、J型Mn−Zn単結晶フェライトを用いた磁気ヘッ
ドを比較例2とした。
【0075】以上のようにして得られた実施例1,2、
比較例1,2の磁気ヘッドの電磁変換特性の評価を行っ
た。β型Mn−Zn単結晶フェライトを用いた実施例1
と比較例1の再生出力を比較すると、実施例1の方が2
dB高い再生出力を示した。これは、製造方法の違いか
ら実施例1の磁気コア中の内部残留応力が比較例1と比
較して大幅に減少し、磁気コアの透磁率が向上したため
と思われる。また、J型Mn−Zn単結晶フェライトを
用いた実施例2と比較例2の再生出力を比較すると、実
施例2の方が10dB高い再生出力を示した。これも、
製造方法の違いから実施例2の磁気コア中の内部応力が
比較例2と比較して大幅に減少し、磁気コアの透磁率が
向上したためと思われる。
【0076】上記実施例においては、磁気コアを形成す
る磁性材料として、Mn−Zn単結晶フェライトを用い
たが、フロントギャップを構成する先端部のみを単結晶
フェライトとして後部を多結晶フェライトとした接合材
としても良い。
【0077】また、上記実施例においては、ギャップ膜
として融着ガラスの単層膜を用いた例を示したが、該ギ
ャップ膜は下地層としてSiO2 膜を形成した2層構造
としても良い。このような2層構造のギャップ膜は、例
えば本実施例においてはマグネトロンスパッタ等の薄膜
形成方法によりSiO2 膜を600Å形成した後、融着
ガラスを400Å形成すればよい。
【0078】さらに、上記ギャップ膜としては、下地層
としてCr膜が形成されたCrとAuの複合膜を用いて
も良く、例えば本実施例においてはスパッタリング等の
薄膜形成方法によりCr膜を600Å形成した後、Au
膜を400Å形成すれば良い。また、ギャップ膜の形成
された一対のブロックの接合は、200℃〜300℃、
数十MPaの条件下で行えば良い。なお、上記複合膜に
おいては、必要に応じてSiO2 膜を下地層として設け
ても良い。
【0079】よって、本実施例の磁気ヘッドの製造方法
により製造された磁気ヘッドにおいては、先ず磁気ギャ
ップ部の接合を行い、しかる後圧力を加えない状態で磁
気ギャップ近傍に融着ガラスを充填するため、製造中に
磁気コア中に残留する内部応力が大幅に減少し、磁気コ
アの磁気ギャップ形成部に歪みが発生せず、磁気コアの
透磁率が向上するため、得られる磁気ヘッドの再生効率
が向上する。また、磁気ヘッドの磁気ギャップ部の接合
を行う融着ガラスの屈服点よりも磁気ギャップ近傍に充
填される融着ガラスのガラス転移点が低いことから、磁
気ギャップ部の接合後、磁気ギャップ近傍に融着ガラス
の溶融充填を行っても、磁気ギャップが開くことはな
く、良好な接合強度を有する磁気ヘッドを得ることがで
きる。
【0080】次に、トラック幅の3倍以上の平坦部が残
る様にトラック幅規制溝を所定ピッチで形成し、当該平
坦部に発生する応力を制御する場合の実施例を説明す
る。この磁気ヘッドを作成するには、先ず、図19に示
すように、Mn−Zn単結晶フェライトやNi−Zn単
結晶フェライト等の酸化物磁性材料からなる平板状をな
す磁気ヘッド用コア基板22の磁気ギャップ形成面とな
る一主面22aを鏡面研磨した後、断面略円弧状をなす
トラック幅規制溝23をヘッドの数(本実施例では2
つ)に応じて所定ピッチPで複数形成する。
【0081】トラック幅規制溝23を形成するには、1
ピッチP間に磁気ギャップgのトラック幅Twの3倍以
上の平坦部24が残るように、上記磁気ヘッド用コア基
板22の磁気ギャップ形成面となる主面22aに対し
て、該トラック幅規制溝23を断面略円弧状をなす溝と
して磁気ヘッド用コア基板22の短辺方向に沿って形成
する。
【0082】次に、先に形成したトラック幅規制溝23
に近接した位置に、トラック幅Twを規制するための断
面略コ字状をなすトラック幅規制溝25を同様にして磁
気ヘッド用コア基板22の短辺方向に沿って形成する。
【0083】この結果、隣接して設けられるトラック幅
規制溝23,25間には、所定のトラック幅Twとされ
た磁気ギャップ形成部26がそれぞれ形成される。
【0084】次に、上記トラック幅規制溝23,25と
略直交する方向に、コイルを巻装させるための巻線溝2
7と、磁気ヘッド用コア基板22同士の接合強度を確実
なものとするためのガラス溝28とを上記磁気ヘッド用
コア基板22にそれぞれ形成する。巻線溝27は、磁気
ギャップ形成面となる主面22aと略平行なコイル巻装
面27aとこのコイル巻装面27aの両端縁に上記主面
22aに対して傾斜する形斜面27b,27cとを有し
た断面略コ字状をなす溝として形成し、上記トラック幅
規制溝23,25と直交する方向に上記磁気ヘッド用コ
ア基板22の長手方向全体に亘って形成する。なお、上
記巻線溝27の一方の傾斜面27bは、磁気ギャップg
のデプスを規制する働きをする。
【0085】一方、ガラス溝28は、磁気ギャップ形成
面となる主面22aと略平行な面28aと、この面28
aの両端縁に上記主面22aと直交する垂直面28b,
28cとを有した断面コ字状をなす溝として形成し、上
記トラック幅規制溝23,25と直交する方向に上記巻
線溝27と平行となるように上記磁気ヘッド用コア基板
22の長手方向全体に亘って形成する。
【0086】次に、上述の工程を順次繰り返してトラッ
ク幅規制溝23,25及び巻線溝27並びにガラス溝2
8をそれぞれ形成した磁気ヘッド用コア22をもう一つ
同様にして作成する。その後、これら磁気ヘッド用コア
基板22,22をトラック位置合わせしながら、図20
に示すように突き合わせて重ね合わせる。
【0087】すなわち、互いに磁気ヘッド用コア基板2
2,22に形成された所定のトラック幅Twとされた磁
気ギャップ形成部26,26同士を相対向するようにし
て突き合わせる。なお、磁気ヘッド用コア基板22,2
2同士を突き合わせる際には、予め設定されたギャップ
長に応じた厚みとされたギャップスペーサー(図示は省
略する。)を磁気ギャップ形成面を除く接合界面に介在
させるか、或いは磁気ギャップ形成面となる主面22a
にSiO2 等よりなるギャップ膜を成膜した後に、これ
ら磁気ヘッド用コア基板22,22を突合わせる。
【0088】そして、これら磁気ヘッド用コア基板2
2,22にそれぞれ設けられた巻線溝27,27及びガ
ラス溝28,28内にガラス棒(図は省略する。)を挿
入した後、これら磁気ヘッド用コア基板22,22をそ
の両端より加圧した状態で上記ガラス棒を溶融せしめ
る。このとき本実施例では、上記磁気ヘッド用コア基板
22,22にはトラック幅Twの3倍以上とした平坦部
26を設けているため、この幅広の平坦部26が融着時
に加えられる加圧力を低減し、該磁気ヘッド用コア基板
22への応力を大幅に減少せしめる。したがって、磁気
ヘッド用コア基板22の有する磁気特性が劣化せず、ヘ
ッド化した後の磁気ヘッドの再生効率の向上が期待でき
る。また、加圧力が和らぐことから、磁気ギャップ形成
部分26に変形等が生じない。
【0089】この結果、上記一対の磁気ヘッド用コア基
板22,22は、融着ガラス29によって接合一体化さ
れる。また、融着ガラス29は、相対向するトラック幅
規制溝23,25内にも充填されることになり、該融着
ガラス29が磁気記録媒体に対する当たり特性を確保す
る役目をする。
【0090】次に、接合一体化された磁気ヘッド用コア
基板22,22から所定の大きさとなるようにヘッドチ
ップ(図は省略する。)を切り出す。そして、このヘッ
ドチップに対して磁気記録媒体対接面となる部分を円筒
研磨するとともに、巻線溝27にコイルを確実に巻装す
るための切り欠き溝30,31を切削加工することによ
って、磁気ヘッドを図21に示すように完成する。
【0091】このようにして作製された磁気ヘッドにお
いては、融着工程において磁気ヘッド用コア基板22が
大きな加圧力を受けていないために、該磁気ヘッド用コ
ア基板22の有する磁気特性が略そのまま生かされるの
で、高い再生効率を得ることができる。また、磁気ギャ
ップg部分の形状も融着時の加圧力によってだれず、正
確なトラック幅Twとなる。なお、図23に示すように
磁気ヘッド用コア基板301,301の主面に、隣接す
るトラック幅規制溝302,302によって磁気ギャッ
プgのトラック幅Twを規制するようにした場合には、
これら磁気ヘッド用コア基板301,301の接合面積
はトラック幅Tw×〔フロントギャップFGのデプスと
バックギャップBGのデプス〕となることから、磁気ギ
ャップ部分のフェライトへの応力が増大し、磁気特性の
劣化並びにヘッドの再生効率が低下する。また、かかる
加圧力により、磁気ギャップ形成面の両端縁部303,
304が、図24に示すように、他方の磁気ヘッド用コ
ア基板301側へだれる等の変形が生ずる。
【0092】ところで、磁気ヘッド用コア基板22にト
ラック幅Twの3倍以上の平坦部24を設けることによ
り、該磁気ヘッド用コア基板22の応力ダメージが減少
することについては、以下の理由による。今、トラック
幅規制溝23を形成する溝形成ピッチPを、図23に示
す従来の磁気ヘッドを作成するときの溝形成ピッチP1
(Cw+Tw)のN倍とすることを考える。なお、Tw
は磁気ギャップ形成面となる主面22aにおける磁気ギ
ャップ形成部分26の対向幅を示し、Cwは上記主面2
2aにおけるトラック幅規制溝23の対向幅を示すもの
である。このとき、本実施例では、隣接するトラック間
のトラック位置合わせ時の接合面積S1 は、
【0093】
【数1】
【0094】で表される。ただし、デプス方向の長は1
と仮定する。そうすると、従来の方法での接合面積S2
は、
【0095】
【数2】
【0096】で表されるから、これら接合面積S1 と接
合面積S2 の面積比S1 /S2 は、
【0097】
【数3】
【0098】となる。例えば、トラック幅Twが20μ
mから10μmに減少した場合、従来の方法では20μ
mの場合の2倍の加圧力になってしまうが、本実施例の
方法では(3)式に当てはめてみると、
【0099】
【数4】
【0100】倍の面積となる。なお、この値は、Twを
10μm,Cwを190μmとしたときの値である。ま
たこのとき、N=3(つまり3倍ピッチ)とすると、
【0101】
【数5】
【0102】となり、7倍強の面積となるので、従来の
Tw=20μmのときに比べても、
【0103】
【数6】
【0104】倍の面積となる。逆に、加圧力は、3/1
1に減少することになる。したがって、本発明の方法を
適用すれば、狭トラックの磁気ヘッドを作成する場合に
も加圧力の低減が図れ、再生効率の高い磁気ヘッドを作
成することができる。
【0105】なお、従来の方法の20μmのトラック幅
から10μmのトラック幅に狭トラック化を図る場合に
は、2倍の加圧力になってしまうが、本発明では従来の
方法の10μmのトラック幅に比べて、
【0106】
【数7】
【0107】の加圧力になるので、例えば、
【0108】
【数8】
【0109】ならば、従来の20μmのトラック幅より
加圧力が減少する。この条件を当てはめると、
【0110】
【数9】
【0111】となる。この場合の隣接トラック間の平坦
部24の幅は32μmであり、トラック幅10μmの3
倍以上となっている。従って、隣接するトラック間の平
坦部24の幅をトラック幅Twの3倍以上とすれば、磁
気ヘッド用コア基板のトラック位置合わせ融着時におけ
る加圧力を大幅に低減することができ、磁気ヘッド用コ
ア基板への応力の制御を行い易くなる。
【0112】ここで実際に、Tw=10μm,Cw=1
90μm,N=3とした場合のフェライトヘッドを作成
し、これを8mmビデオ(NTSC)の条件にて試作評
価を行った。なお、ギャプ長は0.25μm,インダク
タンスは0.7μH(5MHz)とした。また、N=1
に比べてN=3の場合には、1.5dBもの大幅な出力
改善が認められた。この結果は、本発明方法によるガラ
ス融着時の加圧力の制御によるものと考えられる。
【0113】なお、上述の例においては、単結晶フェラ
イトのみによって閉磁路を構成する磁気ヘッドの製造方
法について本発明を適用したが、金属磁性薄膜を磁気コ
ア材として用いた,いわゆるメタル・イン・ギャップ型
の磁気ヘッドを作製する場合にも本発明が適用できる。
かかる場合には、トラック幅規制溝23,25及び巻線
溝27並びにガラス溝28を形成した後に、磁気ヘッド
用コア基板22の磁気ギャップ形成面となる主面22a
に金属磁性薄膜32,33を成膜し、これら金属磁性薄
膜32,33同士を突き合わせるようにして、図22に
示すようにこれら磁気ヘッド用コア基板22,22を重
ね合わせればよい。その後の工程は、前述した工程と同
様である。これによって、金属磁性薄膜32,33を主
コアとしたメタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドが作
製される。
【0114】なお、金属磁性薄膜32,33に使用され
る強磁性金属材料としては、従来より公知の高飽和磁束
密度且つ軟磁気特性に優れた強磁性合金材料が使用さ
れ、結晶質,非結晶質を問わない。例示するならば、F
e系合金、Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−C系
合金、Fe−Al−Si系合金、Fe−Ga−Si系合
金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系合
金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Co−Si系合
金、Fe−Ru−Ga−Si系合金、Fe−Co−Si
−Al系合金等の結晶質合金材料や、Co−Zr−N
b,Co−Zr−Nb−Ta等のアモルファス合金等が
挙げられる。もちろん、一般に使用されるアモルファス
合金(例えばFe,Ni,Coのうち1以上の元素と
P,C,B,Siのうち1以上の元素とからなる合金、
またはこれを主成分としAl,Be,Sn,In,M
o,W,Ti,Mn,Cr,Zr,Hf,Nb等を含ん
だ合金等のメタル−メタロイド系アモルファス合金、或
いはCo−Zr,Co−Hf等の遷移元素を主成分とす
る合金、またはこれらに希土類元素を添加した合金等の
メタル−メタル系アモルファス合金。)等も使用可能で
ある。
【0115】なお、磁気ヘッドのより一層の高出力化並
びに高帯域での渦電流損を回避するために、上記金属磁
性薄膜32,33を絶縁膜を介して膜厚の薄い金属層を
何層にも積層することにより形成される多層膜構造とし
てもよい。この場合には、絶縁膜として従来より多く使
用されているSiO2 の他、Ta2 5 、Al2 3
ZrO2 、Si3 4 等の如き材料からなる膜を使用す
る。また、このときの各金属層及び絶縁膜の形成方法と
しては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法、クラスター・イオンビーム法等に代表され
る真空薄膜形成技術がいずれも採用できる。
【0116】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の方法によれば、一対の磁気コアを接合するに際し、
磁気記録媒体との摺動面近傍での前記磁気コア材の透磁
率(但し、磁気媒体摺動方向での透磁率)が最大となる
ように、接合時の磁気コア材の残留応力を制御している
ので、ヘッド化した後の透磁率を確実に最大とし、磁気
ヘッドの再生効率を大きく向上させることができる。
【0117】また、本発明の方法によれば、磁気ギャッ
プ部の接合を行った後に磁気ギャップ近傍に非磁性材料
を充填するため、磁気コアのギャップ部にかかる圧力が
微小であり、磁気コアの磁気ギャップ形成部に透磁率を
最大とするような応力を残留させることができ、再生効
率に優れた磁気ヘッドを得ることができる。
【0118】また、本発明の方法によれば、磁気ギャッ
プ部の接合を融着ガラスとし、また、磁気ギャップ近傍
に充填する非磁性材料を融着ガラスとした場合には、磁
気ギャップ部の接合に用いる融着ガラスの屈服点よりも
ガラス転移点が低い融着ガラスを、上記磁気ギャップ近
傍に充填する融着ガラスとして使用すれば、該融着ガラ
スの磁気ギャップ近傍への充填時に磁気ギャップが開い
てしまうこともなく、良好な接合強度を有する磁気ヘッ
ドを得ることができる。
【0119】さらに本発明の方法においては、磁気ギャ
ップ部の接合を金属膜の低温熱拡散によって行った場合
には、良好な接合強度を有する磁気ヘッドが得られると
ともに、低温で製造が行えることになり、生産性が良好
なものとなってその工業的価値が増大する。
【0120】また、本発明の方法においては、トラック
幅の3倍以上の平坦部が残るようにトラック幅規制溝を
所定ピッチで形成しているので、磁気ヘッド用コア基板
のトラック位置合わせ融着時における加圧力を上記平坦
部によって大幅に低減することができ、当該平坦部が融
着時に加えられる加圧力を低減し、該磁気ヘッド用コア
基板への応力を制御し易くできる。この結果、磁気ヘッ
ド用コア基板の磁気特性が最適になるように制御された
磁気ヘッドを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】解析に用いた磁気ヘッドを示す図である。
【図2】ヘッド効率と透磁率との関係を示す特性図であ
る。
【図3】テープ摺動方向が<100>方向の単結晶フェ
ライトの透磁率の応力及び周波数依存性を示す特性図で
ある。
【図4】テープ摺動方向が<111>方向の単結晶フェ
ライトの透磁率の応力及び周波数依存性を示す特性図で
ある。
【図5】テープ摺動方向が<211>方向の単結晶フェ
ライトの透磁率の応力及び周波数依存性を示す特性図で
ある。
【図6】図3の測定サンプルとこれに対応する磁気ヘッ
ドを示す斜視図である。
【図7】図4の測定サンプルとこれに対応する磁気ヘッ
ドを示す斜視図である。
【図8】図5の測定サンプルとこれに対応する磁気ヘッ
ドを示す斜視図である。
【図9】テープ摺動方向が<100>方向の単結晶フェ
ライトヘッドのヘッド効率の応力依存性を示す特性図で
ある。
【図10】テープ摺動方向が<100>方向及び<11
1>方向の各単結晶フェライトの透磁率の周波数依存性
を示す特性図である。
【図11】テープ摺動方向が<100>方向及び<11
1>方向の各単結晶フェライトヘッドのヘッド効率の周
波数依存性を示す特性図である。
【図12】本発明を適用した磁気ヘッドの製造方法の一
例を工程順に示すものであり、基板にトラック幅規制溝
を形成する工程を示す斜視図である。
【図13】トラック幅規制溝を形成した基板に、巻線
溝,ガラス溝を形成する工程を示す斜視図である。
【図14】トラック幅規制溝,巻線溝,ガラス溝を形成
した基板をブロックに切断し、この上にギャップ膜を形
成する工程を示す斜視図である。
【図15】トラック幅規制溝,巻線溝,ガラス溝,ギャ
ップ膜を形成した一対のブロックを接合する工程を示す
斜視図である。
【図16】接合した一対のブロックの巻線溝及びガラス
溝に非磁性材料を充填する工程を示す斜視図である。
【図17】上述の工程を経て作製された磁気ヘッドの斜
視図である。
【図18】B型及びJ型Mn−Zn単結晶フェライトに
おける応力と透磁率の関係を示す特性図である。
【図19】本発明の方法により磁気ヘッドを順次作製す
る工程を示すもので、トラック幅規制溝形成工程を示す
斜視図である。
【図20】ガラス融着工程を示す斜視図である。
【図21】上述の工程を経て作製された磁気ヘッドを示
す斜視図である。
【図22】メタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドを作
製する場合の磁気ヘッド用コア基板のガラス融着工程を
示す斜視図である。
【図23】従来の方法により磁気ヘッドを作製する工程
を順次示すもので、ガラス融着工程を示す斜視図であ
る。
【図24】図23の要部拡大正面図である。
【図25】従来の磁気ヘッドの一例を示す斜視図であ
る。
【図26】従来の磁気ヘッドの製造方法の一例を工程順
に示すものであり、基板にトラック幅規制溝を形成する
工程を示す斜視図である。
【図27】トラック幅規制溝を形成した基板に、巻線
溝,ガラス溝を形成する工程を示す斜視図である。
【図28】トラック幅規制溝,巻線溝,ガラス溝を形成
した基板をブロックに切断し、この上にギャップ膜を形
成する工程を示す斜視図である。
【図29】トラック幅規制溝,巻線溝,ガラス溝,ギャ
ップ膜を形成した一対のブロックの巻線溝及びガラス溝
に非磁性材料を配し、接合する工程を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
3・・・基板 4,23,25・・・トラック幅規制溝 5,6,27・・・巻線溝 7,8,28・・・ガラス溝 9,10・・・ブロック 11,14・・・ギャップ膜 12,15・・・フロントギャップ形成面 13,16・・・バックギャップ形成面 17,18・・・融着ガラス 22・・・磁気ヘッド用コア基板 26・・・磁気ギャップ形成部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 正俊 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の磁気コア材を接合することによっ
    て磁気ヘッドを製造するに際し、 磁気記録媒体との摺動面近傍での前記磁気コア材の透磁
    率が最大となるように、接合時の磁気コア材の残留応力
    を制御することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 一対の磁気コアを磁気ギャップを有して
    接合して閉磁路を形成させ磁気ヘッドを形成する磁気ヘ
    ッドの製造方法において、 磁気ギャップ部の接合を行った後に、磁気ギャップ近傍
    に非磁性材料を充填することを特徴とする磁気ヘッドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 磁気ギャップ部の接合を金属膜の低温熱
    拡散によって行うことを特徴とする請求項2記載の磁気
    ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁気ギャップ部の接合を融着ガラスによ
    って行うことを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッドの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 磁気ギャップ近傍に充填する非磁性材料
    が融着ガラスであり、そのガラスの転移点が、磁気ギャ
    ップ部の接合に用いる融着ガラスの屈服点よりも低いこ
    とを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 一対の磁気ヘッド用コア基板にそれぞれ
    トラック幅の3倍以上の平坦部が残るようにトラック幅
    規制溝を所定ピッチで複数形成する工程と、 上記トラック幅規制溝と略直交してコイルを巻装するた
    めの巻線溝を形成する工程と、 上記一対の磁気ヘッド用コア基板をトラック位置合わせ
    しながら接合一体化する工程と、 接合一体化された磁気ヘッド用コア基板よりヘッドチッ
    プに切り出す工程とからなることを特徴とする磁気ヘッ
    ドの製造方法。
JP4354979A 1992-02-19 1992-12-18 磁気ヘッドの製造方法 Pending JPH0684129A (ja)

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JP4-93530 1992-07-16
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