JPH068269A - 繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法 - Google Patents
繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法Info
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- JPH068269A JPH068269A JP19308092A JP19308092A JPH068269A JP H068269 A JPH068269 A JP H068269A JP 19308092 A JP19308092 A JP 19308092A JP 19308092 A JP19308092 A JP 19308092A JP H068269 A JPH068269 A JP H068269A
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【構成】 繊維強化された合成樹脂の圧縮成形におい
て、金型内に合成樹脂材料を投入し、次いで樹脂材料を
圧縮して金型内にこの樹脂材料を充填する。しかる後、
金型上型２表面より孔あけ用ピン３を樹脂材料Ａ中に挿
入する。好ましくは、樹脂材料４を圧縮して金型内に充
填し、その後一旦圧縮力を低げ、この状態においてピン
を挿入する。 【効果】 樹脂材料内に配合された繊維に不利な配向を
もたらすことなく孔があけられることとなり、各種ＦＲ
Ｐ製品に対して、強度のある孔が容易にあけられる。
て、金型内に合成樹脂材料を投入し、次いで樹脂材料を
圧縮して金型内にこの樹脂材料を充填する。しかる後、
金型上型２表面より孔あけ用ピン３を樹脂材料Ａ中に挿
入する。好ましくは、樹脂材料４を圧縮して金型内に充
填し、その後一旦圧縮力を低げ、この状態においてピン
を挿入する。 【効果】 樹脂材料内に配合された繊維に不利な配向を
もたらすことなく孔があけられることとなり、各種ＦＲ
Ｐ製品に対して、強度のある孔が容易にあけられる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維強化された合成樹
脂製品の新規な孔あけ方法を提供するものである。
脂製品の新規な孔あけ方法を提供するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、繊維強化された合成樹脂（以下Ｆ
ＲＰという）が、ＯＡ機器、車両用部品、その他建築用
部材等として広く使用されている。このＦＲＰ製品を基
体に取り付け、或いは他のＦＲＰ製品と接合する場合に
あっては、一般にはＦＲＰ製品を成形した後、所定位置
に取り付け用孔を鉄工用ドリル又は先端超硬ドリルを用
いて穿孔するものであった。
ＲＰという）が、ＯＡ機器、車両用部品、その他建築用
部材等として広く使用されている。このＦＲＰ製品を基
体に取り付け、或いは他のＦＲＰ製品と接合する場合に
あっては、一般にはＦＲＰ製品を成形した後、所定位置
に取り付け用孔を鉄工用ドリル又は先端超硬ドリルを用
いて穿孔するものであった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このドリル
による孔あけにあっては、その穿孔位置の精度が悪くな
り、ドリルの消耗も速く、一方では穿孔作業に手間がか
かり、コスト的に大きな問題があった。又、ドリル穿孔
による粉塵も発生し、作業環境的にも好ましくないこと
は言うまでもない。
による孔あけにあっては、その穿孔位置の精度が悪くな
り、ドリルの消耗も速く、一方では穿孔作業に手間がか
かり、コスト的に大きな問題があった。又、ドリル穿孔
による粉塵も発生し、作業環境的にも好ましくないこと
は言うまでもない。
【０００４】更に、この方法の欠点は、穿孔された孔の
表面に合成樹脂中に配合された繊維が露呈することであ
る。例えば、ガラス繊維を配合したＦＲＰ製品の孔の表
面には、このガラス繊維がそのまま露呈し、このガラス
繊維は表面より離脱し易く、作業者やこれを使用する者
に対して、チクチクと刺激し好ましいものではなかっ
た。
表面に合成樹脂中に配合された繊維が露呈することであ
る。例えば、ガラス繊維を配合したＦＲＰ製品の孔の表
面には、このガラス繊維がそのまま露呈し、このガラス
繊維は表面より離脱し易く、作業者やこれを使用する者
に対して、チクチクと刺激し好ましいものではなかっ
た。
【０００５】このため、ＦＲＰ製品を製造する金型内
に、予めピンを突出しておく方法も考えられてはいる。
しかるに、この方法にあっては、ＦＲＰ材料を金型内で
流動させると、樹脂材料の流れと共に、樹脂材料中に配
合された繊維がこのピンに当たり、樹脂材料の流動方向
に沿って、いわゆるウエルドが発生してしまう。その結
果、穿孔された孔の強度は低く、このウエルドに沿って
クラックが入り易く、取付け用の孔としては充分な強度
が得られないという欠点があり、実用化されていない。
に、予めピンを突出しておく方法も考えられてはいる。
しかるに、この方法にあっては、ＦＲＰ材料を金型内で
流動させると、樹脂材料の流れと共に、樹脂材料中に配
合された繊維がこのピンに当たり、樹脂材料の流動方向
に沿って、いわゆるウエルドが発生してしまう。その結
果、穿孔された孔の強度は低く、このウエルドに沿って
クラックが入り易く、取付け用の孔としては充分な強度
が得られないという欠点があり、実用化されていない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な従来の技術の欠点を改良せんとして鋭意研究を続けた
結果、次のような方法により解決をみたものである。即
ち、本発明は、繊維強化された合成樹脂の圧縮成形にお
いて、金型内に合成樹脂材料を投入し、次いで樹脂材料
を圧縮して金型内にこの樹脂材料を充填し、しかる後、
金型表面より孔あけ用ピンを樹脂材料中に挿入し、かか
る樹脂材料の硬化終了前にピンを抜き去ることを特徴と
する繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法を提供す
るものである。
な従来の技術の欠点を改良せんとして鋭意研究を続けた
結果、次のような方法により解決をみたものである。即
ち、本発明は、繊維強化された合成樹脂の圧縮成形にお
いて、金型内に合成樹脂材料を投入し、次いで樹脂材料
を圧縮して金型内にこの樹脂材料を充填し、しかる後、
金型表面より孔あけ用ピンを樹脂材料中に挿入し、かか
る樹脂材料の硬化終了前にピンを抜き去ることを特徴と
する繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法を提供す
るものである。
【０００７】そして、好ましくは、樹脂材料を圧縮して
金型内に充填し、その後一旦圧縮力を低げ、この状態に
おいてピンを挿入するものであり、具体的には、樹脂材
料の面圧力を２０ｋｇ／ｃｍ2 以上に昇圧して樹脂材料
を金型内に充填し、次いで面圧力を２０ｋｇ／ｃｍ2 以
下に低げてから樹脂材料中にピンを挿入する繊維強化さ
れた合成樹脂製品の孔あけ方法にかかるものである。
金型内に充填し、その後一旦圧縮力を低げ、この状態に
おいてピンを挿入するものであり、具体的には、樹脂材
料の面圧力を２０ｋｇ／ｃｍ2 以上に昇圧して樹脂材料
を金型内に充填し、次いで面圧力を２０ｋｇ／ｃｍ2 以
下に低げてから樹脂材料中にピンを挿入する繊維強化さ
れた合成樹脂製品の孔あけ方法にかかるものである。
【０００８】特に好ましい方法としては、プレスを多段
制御可能とするプログラムされたプレスとし、一段目は
高圧にて樹脂材料を金型内に充填させ、次いで樹脂材料
がまだ軟化状態のうちにこの圧力を低下させてピンを挿
入するものである。この一段目の圧力は、成形品の投影
面積当り２０Ｋｇ／ｃｍ2 以上とするのがよく、ピンの
挿入時の面圧はこれ以下に制御されているのが望まし
い。この多段方式は、ピン挿入時の挿入が容易となる以
外に、ピンの摩耗、ピン周りのガイドの摩耗が少なく、
又、作動不良もなくなる。又、圧力を低下してピンを挿
入すれば、成形品のこの孔の周りに汚れやバリを生ずる
こともなくなり、成形不良の発生も低減することとな
る。かかるピンの作動は油圧にて作動することが好まし
く、１００〜２００ｋｇ／ｃｍ2 程度の内圧により油圧
シリンダ−を作動させることとなる。
制御可能とするプログラムされたプレスとし、一段目は
高圧にて樹脂材料を金型内に充填させ、次いで樹脂材料
がまだ軟化状態のうちにこの圧力を低下させてピンを挿
入するものである。この一段目の圧力は、成形品の投影
面積当り２０Ｋｇ／ｃｍ2 以上とするのがよく、ピンの
挿入時の面圧はこれ以下に制御されているのが望まし
い。この多段方式は、ピン挿入時の挿入が容易となる以
外に、ピンの摩耗、ピン周りのガイドの摩耗が少なく、
又、作動不良もなくなる。又、圧力を低下してピンを挿
入すれば、成形品のこの孔の周りに汚れやバリを生ずる
こともなくなり、成形不良の発生も低減することとな
る。かかるピンの作動は油圧にて作動することが好まし
く、１００〜２００ｋｇ／ｃｍ2 程度の内圧により油圧
シリンダ−を作動させることとなる。
【０００９】
【作用】本発明は、繊維強化合成樹脂材料をもって、先
ず、金型内に充填し、樹脂材料中に配合された繊維は無
配向の状態で充填されるものであって、この状態でしか
も樹脂材料が硬化前のまだ軟化状態において、金型表面
よりピンを樹脂材料中に挿入するものである。従って、
このピンの挿入によっても、樹脂材料内の繊維はほとん
ど乱されず無配向のままで保たれるものである。このた
め、穿孔された孔の周囲の繊維は、ほぼ無配向状態で樹
脂材料中に存在することとなり強度は特に低減すること
はない。
ず、金型内に充填し、樹脂材料中に配合された繊維は無
配向の状態で充填されるものであって、この状態でしか
も樹脂材料が硬化前のまだ軟化状態において、金型表面
よりピンを樹脂材料中に挿入するものである。従って、
このピンの挿入によっても、樹脂材料内の繊維はほとん
ど乱されず無配向のままで保たれるものである。このた
め、穿孔された孔の周囲の繊維は、ほぼ無配向状態で樹
脂材料中に存在することとなり強度は特に低減すること
はない。
【００１０】この挿入されるピンの形状は特に限定され
ることはないが、円柱状のものよりはやや先細のピンが
よく、場合によっては尖頭状のピンであってもよい。一
般には、コア即ち上型に油圧シリンダ−に連結されたピ
ンを備え、キャビティを構成する下型にピンの先端が入
るような受部を形成しておくことにより、ピンの挿入時
に両者が嵌り合い、ピンによる孔が確実にあけられ、ピ
ン先端に対応する位置に薄いバリが発生するのを防止す
ることができることとなる。
ることはないが、円柱状のものよりはやや先細のピンが
よく、場合によっては尖頭状のピンであってもよい。一
般には、コア即ち上型に油圧シリンダ−に連結されたピ
ンを備え、キャビティを構成する下型にピンの先端が入
るような受部を形成しておくことにより、ピンの挿入時
に両者が嵌り合い、ピンによる孔が確実にあけられ、ピ
ン先端に対応する位置に薄いバリが発生するのを防止す
ることができることとなる。
【００１１】本発明によって適用される合成樹脂は、一
般には不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性合成樹脂が主であって、配合される繊維も一般には
ガラス繊維であり、これは長繊維であっても短繊維であ
ってもいずれでもよい。
般には不飽和ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬
化性合成樹脂が主であって、配合される繊維も一般には
ガラス繊維であり、これは長繊維であっても短繊維であ
ってもいずれでもよい。
【００１２】そして、その成形法も、通常はＳＭＣ法に
よる圧縮成形法に採用されるが、これに限定されるもの
ではない。
よる圧縮成形法に採用されるが、これに限定されるもの
ではない。
【００１３】
【実施例】以下、本発明を実施例をもって更に詳細に説
明する。 （実施例１）平面寸法が１０００ｍｍ×１０００ｍｍ
で、周囲に高さ７５ｍｍのフランジを有する組立水槽用
パネルＡを成形した。樹脂材料としてイソフタル酸／ネ
オペンチルグリコ−ル系不飽和ポリエステル樹脂３５重
量％、炭酸カルシウム３５重量％、１インチ長さのガラ
ス繊維３０重量％を含むシ−トモ−ルディングコンパウ
ンド（ＳＭＣ）を用いた。
明する。 （実施例１）平面寸法が１０００ｍｍ×１０００ｍｍ
で、周囲に高さ７５ｍｍのフランジを有する組立水槽用
パネルＡを成形した。樹脂材料としてイソフタル酸／ネ
オペンチルグリコ−ル系不飽和ポリエステル樹脂３５重
量％、炭酸カルシウム３５重量％、１インチ長さのガラ
ス繊維３０重量％を含むシ−トモ−ルディングコンパウ
ンド（ＳＭＣ）を用いた。
【００１４】図１は上下型１、２及びそのピン３の部位
における一部拡大断面図であり、主としてキャビティを
構成する下型１に上型２が嵌合し、所定のキャビティが
構成され、成形材料が充填された後にピン３が油圧シリ
ンダ−４によって成形材料内に挿入されて成形品に孔が
設けられるものである。図にあっては、下型１のピン３
に対向する面は平面をなしているが、本例にあってはピ
ン３の先端が点線で示すように先細５とされ、一方、下
型１にこれに合致するように同じく点線で示す凹み６を
形成したものである。このため、ピン３は樹脂材料中に
挿入された際に完全に材料中を貫通することができたも
のであり、ピン３の先端によるバリの発生が生じない。
そして、パネルＡのフランジ１１を形成する金型（下型
１）の周囲には、一辺当たり直径１４ｍｍのピン８本を
等間隔に油圧シリンダ−にて配置した。
における一部拡大断面図であり、主としてキャビティを
構成する下型１に上型２が嵌合し、所定のキャビティが
構成され、成形材料が充填された後にピン３が油圧シリ
ンダ−４によって成形材料内に挿入されて成形品に孔が
設けられるものである。図にあっては、下型１のピン３
に対向する面は平面をなしているが、本例にあってはピ
ン３の先端が点線で示すように先細５とされ、一方、下
型１にこれに合致するように同じく点線で示す凹み６を
形成したものである。このため、ピン３は樹脂材料中に
挿入された際に完全に材料中を貫通することができたも
のであり、ピン３の先端によるバリの発生が生じない。
そして、パネルＡのフランジ１１を形成する金型（下型
１）の周囲には、一辺当たり直径１４ｍｍのピン８本を
等間隔に油圧シリンダ−にて配置した。
【００１５】さて、ガラスクロス上に前記のＳＭＣ９５
０ｍｍ×９５０ｍｍを４枚積層し、、これを下型１内に
投入し、型温１４０℃、型締圧３５ｋｇ／ｃｍ2 （面圧
３５ｋｇ／ｃｍ2 ）にて成形した。投入したＳＭＣ重量
は１５ｋｇであった。型締圧力が３５０トン（面圧３５
ｋｇ／ｃｍ2 ）になって１０秒後に、この圧力を２０ト
ン（面圧２ｋｇ／ｃｍ2 ）に低下させ、四周のピン３２
本を軟化したＳＭＣ中に打ち込んだ。そして、５秒後に
再び昇圧させ、３５０トンで４分間硬化を続け、終了直
前にピンを引き抜き脱型した。
０ｍｍ×９５０ｍｍを４枚積層し、、これを下型１内に
投入し、型温１４０℃、型締圧３５ｋｇ／ｃｍ2 （面圧
３５ｋｇ／ｃｍ2 ）にて成形した。投入したＳＭＣ重量
は１５ｋｇであった。型締圧力が３５０トン（面圧３５
ｋｇ／ｃｍ2 ）になって１０秒後に、この圧力を２０ト
ン（面圧２ｋｇ／ｃｍ2 ）に低下させ、四周のピン３２
本を軟化したＳＭＣ中に打ち込んだ。そして、５秒後に
再び昇圧させ、３５０トンで４分間硬化を続け、終了直
前にピンを引き抜き脱型した。
【００１６】本実施例の樹脂材料のキャビティ内への投
入時間とキャビティの面圧との関係を図示したのが図２
であって、樹脂材料投入後面圧を所定の圧力Ｐ1 とし、
しばらく経ってから（Ｔ1 ）一旦面圧を下げ（圧力Ｐ
2 ）、この時点で樹脂中にピンを挿入（圧入）すること
となる。そして、再度面圧を上げ（Ｐ1 ）、所定の時間
（Ｔ2 ）経過後にピンを抜き去り、面圧を下げて成形品
をキャビティ内より取り出すものである。
入時間とキャビティの面圧との関係を図示したのが図２
であって、樹脂材料投入後面圧を所定の圧力Ｐ1 とし、
しばらく経ってから（Ｔ1 ）一旦面圧を下げ（圧力Ｐ
2 ）、この時点で樹脂中にピンを挿入（圧入）すること
となる。そして、再度面圧を上げ（Ｐ1 ）、所定の時間
（Ｔ2 ）経過後にピンを抜き去り、面圧を下げて成形品
をキャビティ内より取り出すものである。
【００１７】得られた水槽用パネルＡは図３に示す如き
製品であり、そのフランジ１１に穿設されたボルト用孔
１２の周囲はガラス繊維がほぼ均一にランダム配向され
ており、しかもピンの先端に当たる部位にはバリの発生
は全くなかった。そして、ボルト締めに供されても十分
な強度に耐えられるものであった。
製品であり、そのフランジ１１に穿設されたボルト用孔
１２の周囲はガラス繊維がほぼ均一にランダム配向され
ており、しかもピンの先端に当たる部位にはバリの発生
は全くなかった。そして、ボルト締めに供されても十分
な強度に耐えられるものであった。
【００１８】一方、予めキャビティ内にピンを突出させ
ておいて、同様の樹脂材料を充填した場合にあっては、
製品の外観は図３と変わりはないものが得られるが、フ
ランジ１１に穿設されたボルト用孔１２の周囲は、図４
に示すようにガラス繊維１３が樹脂と共に流れた跡がは
っきり残り、樹脂の流れの方向にウエルド１４を生じ
る。従って、このフランジ１１に強力な力がかかると、
このウエルド１４からボルト用孔１２に向かって亀裂が
入り、例えばこのパネルを使用した組立水槽にあって
は、地震等により水槽が破損し、水漏れが生ずる危険性
をはらんでいる。
ておいて、同様の樹脂材料を充填した場合にあっては、
製品の外観は図３と変わりはないものが得られるが、フ
ランジ１１に穿設されたボルト用孔１２の周囲は、図４
に示すようにガラス繊維１３が樹脂と共に流れた跡がは
っきり残り、樹脂の流れの方向にウエルド１４を生じ
る。従って、このフランジ１１に強力な力がかかると、
このウエルド１４からボルト用孔１２に向かって亀裂が
入り、例えばこのパネルを使用した組立水槽にあって
は、地震等により水槽が破損し、水漏れが生ずる危険性
をはらんでいる。
【００１９】尚、図５及び図６は図２と同様に樹脂材料
のキャビティ内への投入時間とキャビティの面圧との関
係を図示したものであって、図５はピンの挿入時にもキ
ャビティ内の面圧を下げず一定の圧力（Ｐ1 ）としてお
くものであって、一方、図６の例にあってはピンの挿入
時に面圧を下げる（Ｐ2 ）が、その後も面圧をそのまま
とする例である。図５の場合には面圧が余り高くする必
要のない樹脂の場合、或いはピンを尖頭状としておく場
合に主として適用され、図６の場合にあっては例えばリ
ブにある成形品のリブひけ対策上有効となる。上記図２
を含めて、いずれの方法を選択するかは使用される樹脂
や成形品の形状、或いはピンの長さ、形状等の違いを考
慮して適宜実施されることになる。
のキャビティ内への投入時間とキャビティの面圧との関
係を図示したものであって、図５はピンの挿入時にもキ
ャビティ内の面圧を下げず一定の圧力（Ｐ1 ）としてお
くものであって、一方、図６の例にあってはピンの挿入
時に面圧を下げる（Ｐ2 ）が、その後も面圧をそのまま
とする例である。図５の場合には面圧が余り高くする必
要のない樹脂の場合、或いはピンを尖頭状としておく場
合に主として適用され、図６の場合にあっては例えばリ
ブにある成形品のリブひけ対策上有効となる。上記図２
を含めて、いずれの方法を選択するかは使用される樹脂
や成形品の形状、或いはピンの長さ、形状等の違いを考
慮して適宜実施されることになる。
【００２０】（実施例２）平面寸法が９３０ｍｍ×８９
０ｍｍで、周囲に高さ６０ｍｍフランジ２１を有するバ
ルコニ−用パネルＢを形成した。使用した樹脂材料は、
ハロゲン化不飽和ポリエステル樹脂２８重量％、水酸化
アルミニウム４４重量％、１インチ長さのガラス繊維２
８重量％を含むＳＭＣであった。
０ｍｍで、周囲に高さ６０ｍｍフランジ２１を有するバ
ルコニ−用パネルＢを形成した。使用した樹脂材料は、
ハロゲン化不飽和ポリエステル樹脂２８重量％、水酸化
アルミニウム４４重量％、１インチ長さのガラス繊維２
８重量％を含むＳＭＣであった。
【００２１】そして、パネルのフランジ２１を形成する
金型の対向する２辺に、直径９．５ｍｍのピン２本を油
圧シリンダ−にて配置された。
金型の対向する２辺に、直径９．５ｍｍのピン２本を油
圧シリンダ−にて配置された。
【００２２】このＳＭＣを８ｋｇを金型内に投入後、型
温１４０℃、型締圧（面圧）４０ｋｇ／ｃｍ2 にて成形
した。型締圧力が３３０トンになって１０秒後に圧力を
０トンに落とし、左右に形成したフランジに対して２個
所ずつピンを挿入した。そして５秒後に再び昇圧させ３
３０トンにて４分間硬化させて 終了１０秒前にピンを
引き抜き脱形した。
温１４０℃、型締圧（面圧）４０ｋｇ／ｃｍ2 にて成形
した。型締圧力が３３０トンになって１０秒後に圧力を
０トンに落とし、左右に形成したフランジに対して２個
所ずつピンを挿入した。そして５秒後に再び昇圧させ３
３０トンにて４分間硬化させて 終了１０秒前にピンを
引き抜き脱形した。
【００２３】得られたバルコニ−用パネルＢは図７に示
す如き製品であり、フランジ２１にピンによって穿設さ
れたボルト用孔２２の周囲はガラス繊維がほぼ均一に配
向されており、ここにボルトを挿入した状態で強度をは
かったが、１５００ｋｇの荷重に対しても破損されなか
った。
す如き製品であり、フランジ２１にピンによって穿設さ
れたボルト用孔２２の周囲はガラス繊維がほぼ均一に配
向されており、ここにボルトを挿入した状態で強度をは
かったが、１５００ｋｇの荷重に対しても破損されなか
った。
【００２４】一方、キャビティ内にピンを予め突出させ
ておいてからＳＭＣを投入して圧縮成形した成形品にあ
っては、フランジ２１に穿設されたボルト用孔２２の周
囲には、図４と同様に樹脂材料の流れに合致して斜めに
ウエルド１４が生じており、ボルト挿入後の強度は約７
００ｋｇにてウエルド１４部位から亀裂が生じてしまっ
た。
ておいてからＳＭＣを投入して圧縮成形した成形品にあ
っては、フランジ２１に穿設されたボルト用孔２２の周
囲には、図４と同様に樹脂材料の流れに合致して斜めに
ウエルド１４が生じており、ボルト挿入後の強度は約７
００ｋｇにてウエルド１４部位から亀裂が生じてしまっ
た。
【００２５】又、前記成形法において、ピンの挿入の
際、型締圧３３０トンのままで挿入した場合、成形され
たボルト用孔の周囲のガラス繊維にそれ程乱れはなかっ
たが、孔の周囲が黒くなりピンが摩耗したためと考えら
れる。
際、型締圧３３０トンのままで挿入した場合、成形され
たボルト用孔の周囲のガラス繊維にそれ程乱れはなかっ
たが、孔の周囲が黒くなりピンが摩耗したためと考えら
れる。
【００２６】
【発明の効果】本発明は、以上のように繊維強化された
合成樹脂に孔をあけるに際し、金型内に樹脂材料を投入
・圧縮し、その後樹脂材料が軟化した状態下にピンを挿
入することにより、樹脂材料内に配合された繊維に不利
な配向をもたらすことなく孔があけられることとなり、
特に、このピン挿入の際、一旦型締圧をやや下げること
が好ましい。かかる方法によって、各種ＦＲＰ製品、例
えばＯＡ機器用ハウジングやシャ−シ−、車両用のボデ
−、エア−ツ−ル、バンパ−等、建築用品における水槽
用パネル、バルコニ−パネル、ユニットバス、その他パ
ラボラアンテナ等のＦＲＰ製品に対して、強度のある孔
が容易にあけられることとなったもので、その利用価値
は極めて高い。
合成樹脂に孔をあけるに際し、金型内に樹脂材料を投入
・圧縮し、その後樹脂材料が軟化した状態下にピンを挿
入することにより、樹脂材料内に配合された繊維に不利
な配向をもたらすことなく孔があけられることとなり、
特に、このピン挿入の際、一旦型締圧をやや下げること
が好ましい。かかる方法によって、各種ＦＲＰ製品、例
えばＯＡ機器用ハウジングやシャ−シ−、車両用のボデ
−、エア−ツ−ル、バンパ−等、建築用品における水槽
用パネル、バルコニ−パネル、ユニットバス、その他パ
ラボラアンテナ等のＦＲＰ製品に対して、強度のある孔
が容易にあけられることとなったもので、その利用価値
は極めて高い。
【図１】図１は上下型及びピンの部位における一部拡大
断面図である。
断面図である。
【図２】図２は樹脂材料のキャビティ内への投入時間と
キャビティの面圧との関係を示したグラフである。
キャビティの面圧との関係を示したグラフである。
【図３】図３は、実施例１で成形された水槽用パネルの
一部切り欠き斜視図である。
一部切り欠き斜視図である。
【図４】図４は、実施例１との比較として成形されたパ
ネルのボルト用孔の周囲の様子を示す拡大図である。
ネルのボルト用孔の周囲の様子を示す拡大図である。
【図５】図５は図２と同様に樹脂材料のキャビティ内へ
の投入時間とキャビティの面圧との関係を図示したグラ
フである。
の投入時間とキャビティの面圧との関係を図示したグラ
フである。
【図６】図６は図２と同様に樹脂材料のキャビティ内へ
の投入時間とキャビティの面圧との関係を図示した更に
別例のグラフである。
の投入時間とキャビティの面圧との関係を図示した更に
別例のグラフである。
【図７】図７は、実施例２で成形されたバルコニ−用パ
ネルの一部切り欠き斜視図である。
ネルの一部切り欠き斜視図である。
Ａ‥‥水槽用パネル、 Ｂ‥‥バルコニ−用パネル、 １‥‥下型、 ２‥‥上型、 ３‥‥ピン、 ４‥‥油圧シリンダ−、 ５‥‥ピンの先端先細部、 ６‥‥下型凹み、 １１‥‥フランジ、 １２‥‥ボルト用孔、 １３‥‥ガラス繊維、 １４‥‥ウエルド、 ２１‥‥フランジ、 ２２‥‥ボルト用孔。
Claims (3)
- 【請求項１】 繊維強化された合成樹脂の圧縮成形にお
いて、金型内に合成樹脂材料を投入し、次いで樹脂材料
を圧縮して金型内にこの樹脂材料を充填し、しかる後、
金型表面より孔あけ用ピンを樹脂材料中に挿入すること
を特徴とする繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方
法。 - 【請求項２】 樹脂材料を圧縮して金型内に充填し、そ
の後一旦圧縮力を低げ、この状態においてピンを挿入す
る請求項第１項記載の繊維強化された合成樹脂製品の孔
あけ方法。 - 【請求項３】 樹脂材料の面圧力を２０ｋｇ／ｃｍ2 以
上に昇圧して樹脂材料を金型内に充填し、次いで面圧力
を２０ｋｇ／ｃｍ2 以下に低げてから樹脂材料中にピン
を挿入する請求項第１項及び第２項記載の繊維強化され
た合成樹脂製品の孔あけ方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19308092A JPH068269A (ja) | 1992-06-28 | 1992-06-28 | 繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19308092A JPH068269A (ja) | 1992-06-28 | 1992-06-28 | 繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH068269A true JPH068269A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=16301890
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19308092A Pending JPH068269A (ja) | 1992-06-28 | 1992-06-28 | 繊維強化された合成樹脂製品の孔あけ方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH068269A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102351797A (zh) * | 2011-09-26 | 2012-02-15 | 无锡美华化工有限公司 | 乙内酰脲的生产设备和方法 |
-
1992
- 1992-06-28 JP JP19308092A patent/JPH068269A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102351797A (zh) * | 2011-09-26 | 2012-02-15 | 无锡美华化工有限公司 | 乙内酰脲的生产设备和方法 |
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