JPH0682497B2 - ヘツドクラツシユ検出方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明はコアスライダに直接圧電素子を付設することに
よりヘッドクラッシュの検出感度を向上せしめ、かつ圧
電素子の出力端子を一対の電極に構成し、各電極の検出
信号を差動増幅することにより同相で発生する電気的ノ
イズを除去するようにしたヘッドクラッシュ検出方式で
ある。

〔産業上の利用分野〕

本発明は磁気ディスク装置におけるヘッドクラッシュ検
出方式に関する。

磁気ディスク装置に装着される磁気記録媒体は円板状で
磁気ヘッドの浮揚特性を保ち、ヘッドクラッシュを防止
するために高度な平滑性を要求される。

磁気記録媒体の高密度記録を指向して磁気ディスクと磁
気ヘッドの間隔を更に微小化するためには磁気ディスク
表面の平滑性を向上しなければならず、ヘッドクラッシ
ュの検出感度も更に向上させる手段の開発が望まれてい
る。

〔従来の技術〕

第５図は従来のヘッドクラッシュ検出方式の模式図と特
徴の説明図である。図において、１は磁気ヘッドであっ
て、コアスライダ２に付設され図示しない回転する磁気
ディスク上を浮揚しながら情報の読み取り、書き込みを
行う。３はコアスライダ２を支えるジンバル、４はジン
バルを支持してアクセスするアームで図示しないアクチ
ュエータに直結されている。５は圧電素子からなる超音
波検出器で、別名を弾性波抽出素子（Acoustic Emissi
on以下AEセンサと略称する）と称されるもので微小な機
械的振動を効率よく電気信号に変換する素子として知ら
れている。

６は接触源信号でコアスライダ２に接触することにより
ジンバル３、アーム４を介してAEセンサ５により検出さ
れる。この信号の伝達経路にしたがって各部位における
接触信号の特性を横軸に周波数、縦軸にAEセンサ出力の
相対値をとった第６図（ａ）〜（ｄ）のグラフを用いて
説明する。

第６図のグラフ（ａ）は、接触源信号６の周波数特性で
周波数が高くなる程出力は減衰している。AEセンサ５は
その固有の寸法の制約上、従来からコアスライダ２ある
いはジンバル３に設けることが出来ず、専らアーム４
（接触信号源６より遠ざかった位置）に設けられてい
る。

グラフ（ｂ）は、接触源信号６の伝送路となるジンバル
３の周波数特性で周波数が高くなる程出力を減衰せしめ
る作用がある。グラフ（ｃ）は、AEセンサ自体の周波数
特性で略100KHz付近にピークを有する特徴があり、高感
度を得るためには低周波数（100KHz付近）に合わせざる
を得ない。

グラフ（ｄ）は、従来方式によるAEセンサの総合検出信
号の周波数特性であり、スピンドル回転等による機械的
ノイズも100KHz付近の低周波領域に多いことから接触信
号と機械的ノイズが共存している。

〔本発明が解決しようとする問題点〕

以上説明したように、AEセンサの付設位置の制約による
接触信号伝送損失の増加、あるいは機械的ノイズの低周
波領域占有等の理由により従来方式では接触信号の検出
感度を向上することは不可能であった。

本発明は上記従来の欠点に鑑みて創作されたもので、接
触信号の検出感度を向上せしめるヘッドクラッシュ検出
方式の提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のヘッドクラッシュ検出方式は第１図に示すよう
に、コアスライダ２の浮揚面と反対面すなわち背面に一
対の電極8a,8bを有する圧電素子７を設け、かつこの一
対の電8a,8dの出力をそれぞれ差動増幅してヘッドクラ
ッシュ検出用信号を出力する差動増幅器14を備えてい
る。

〔作用〕

従来のAEセンサ５のシールドケースを除去し、中身の圧
電素子７に一対の電極8a,8bを設けることにより寸法上
の制約が解除され、コアスライダ２に直接付設すること
ができ、接触信号伝送損失を軽減できる。また、一対の
電極8a,8bの出力をそれぞれ差動増幅器14に入力し、差
動増幅することにより同相で発生する電気的ノイズを除
去することができるので、接触信号の検出感度を向上さ
せることができる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面によって詳述する。なお、構
成、動作の説明を理解し易くするために全面を通じて同
一部分には同一符号を付してその重複説明を省略する。

第１図は本発明実施例の模式図を示す。図において、７
はAEセンサの中身を構成する圧電素子であって、一対の
電極8aと8bとを付設している。8cは圧電素子７とコアス
ライダ２との間に介在せしめたアース電極であってコア
スライダ２と電気的に接続されている。このようにAEセ
ンサのシールドケースを除去した中身の圧電素子７だけ
に電極構成することにより寸法上の制約は解除され、コ
アスライダ２の浮揚面と対向する面に付設することがで
きる。

電極8aと8bにそれぞれ接続された信号線９は導電性のジ
ンバル３に沿ってアーム４に設けられた端子10aと10bに
それぞれ接続され、ここからシールド線11を介して出力
される。

12は磁気ディスク、矢印Ｐは磁気ディスク12の回転方向
を示す。

第２図は本発明実施例のブロック図を示す。図におい
て、13は圧電素子ヘッドであって圧電素子７と一対の電
極8aと8bとから構成される。14は差動増幅器で一対の電
極8aと8bとからの検出信号をそれぞれ入力する。差動増
幅器14は同相で発生した電気的ノイズを除去する。15は
帯域濾波器で低域の機械的なノイズと、高域の電気的な
ノイズを除去し目的の帯域を選択する。16は比較器で所
要の閾値を設定し、閾値以下のノイズを除去し目的の接
触信号17を検出する。

同一の圧電素子ヘッド13を用いたコアスライダ貼付方式
はアーム貼付方式に比較して検出感度が100倍程度増加
する。

圧電素子ヘッドから出力を導く信号線９はジンバル３の
剛性の点から剛性の大きいシールド線は使用不可であ
る。剛性の弱い絶縁線を用いる。このため信号線９は空
間のノイズを拾い易くなるが、差動増幅器14の作用によ
り同じ相で混入するノイズは相殺する。事実差動増幅器
14なしでは一般環境で使用出来ない位ノイズが大であ
る。また、差動増幅器14を用いることにより検出感度は
２倍程度増加する。

第３図は本発明の圧電素子構造の第１変形例を示す。図
において、18aと18bは一対の電極を示し、この場合はコ
アスライダ２（あるいはアース）と各電極間は絶縁が必
要である。

第４図は本発明の圧電素子構造の第２変形例を示す。図
において、19aと19bは一対の電極を示し、この場合もコ
アスライダ２（あるいはアース）と各電極間は絶縁が必
要である。このように非対称形の電極を用いても実用上
接触信号の検出に支障はない。

〔本発明の効果〕

以上詳細に説明したように本発明のヘッドクラッシュ検
出方式によれば、従来方式に比較して数十倍にS/Nが向
上するため、従来では見られなかった微小接触状況が検
出可能となり、磁気ディスク装置の開発に効果大なるも
のがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の模式図、 第２図は本発明実施例のブロック図、 第３図は本発明の圧電素子構造の第１変形例を示す図、 第４図は本発明の圧電素子構造の第２変形例を示す図、 第５図は従来のヘッドクラッシュ検出構成を模式的に示
す図、 第６図は、第５図の接触源信号の伝送経路における各部
位の信号特性を説明するための図である。 図において、１は磁気ヘッド、２はコアスライダ、５は
超音波検出器（AEセンサ）、７は圧電素子、8aと8bは電
極、14は差動増幅器をそれぞれ示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転する磁気ディスク上で浮揚するコアス
   ライダ（２）の背面に一対の電極（8a,8b）を有する圧
   電素子（７）を付設すると共に、 前記一対の電極（8a,8b）の出力をそれぞれ差動増幅器
   （14）に入力し、該差動増幅器（14）の出力によりヘッ
   ドクラッシュを検出することを特徴とするヘッドクラッ
   シュ検出方式。