JPH068220U - カートン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 部品点数が増加することなく、内容物の注ぎ
が容易で且つ容器を把持する手が滑り難いカートンの提
供。 【構成】 本考案のカートンは、上方に注出口２を有す
る角筒状の容器本体３における相対する両側面４、４に
滑り止め部５を形成しており、上記滑り止め部５は、容
器本体３にエンボス加工を施して矩形形状に形成されて
おり、該矩形形状の底辺７が容器底面に対して２０〜４
５°の傾斜角度で傾斜されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、紙容器、プラスッチックシートをラミネートした紙容器、ろう付け したいわゆる牛乳用容器等のカートンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、液体や粉体を収納する容器として、紙容器や表面にプラスチックシー トをラミネートした板紙を角筒形状の箱型に形成した容器（以下、「カートン」 という）が知られており、近年、使い捨て容器として用いられている。 この種のカートンでは、容器本体の上部に注出口が形成されており、内容物の 注出時には、通常、相対する両側部を片手で把持してカートンを持ち上げて、注 出口を傾斜させて中の液体や粉体を注ぐようになっている。

【０００３】 このようにカートンを片手で把持して注出する場合には手が滑り易く、片手で 把持できなかったり、注出中に落としてしまうということが生じ易い。このため 、カートンの両側部に滑り止め部を設けた構成が種々提案されている。例えば、 実開平４ー３９１９号公報に開示のカートンでは、凹凸を形成したシールを容器 側面に張り付けて滑り止めとしており、実開平４ー３９１８号公報に開示のカー トンでは、容器の側面に、容器底面に平行に複数の凹状の罫線を形成して滑り止 めとしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし乍ら、前者のカートンの滑り止め技術では、滑り止め用のシールを張り 付けることが必要であるため、容器本体とは別の構成部材を必要とし、部品点数 が増えて製造工程が複雑になるという問題点がある。 また、後者の技術では、容器本体とは別の部材を必要としないが、単に凹状の 罫線を形成しただけでは、片手でカートンを把持した時に充分な滑り止め効果が 得られないとともに、容器を傾斜させて内容液を注ぐ場合に容器を持ち難いとい う問題点がある。

【０００５】 従って、本考案の目的は、部品点数を増加させることなく、内容物の注出が容 易で且つ容器を把持する手が滑り難いカートンを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上方に注出口を有する角筒状の容器本体の相対する両側面に滑り止 め部を形成したカートンにおいて、上記滑り止め部は、容器本体にエンボス加工 を施して矩形形状に形成されており、該矩形形状の底辺が容器底面に対して２０ 〜４５°で傾斜されていることを特徴とするカートンを提供することにより、上 記目的を達成したものである。

【０００７】

【作用】

本考案のカートンによれば、内容物を注出する場合には、容器本体の相対する 両側面を片手で把持し、把持している指先を滑り止め部に押し付けるようにして 持ち、そのまま容器本体を傾斜させて、容器本体の上方にある注出口から内容物 を注ぎ出す。

【０００８】 このように容器本体を傾斜させて内容物を注出する場合、把持する指先の角度 は、通常、斜めに２０〜４５°の角度で傾斜されるが、滑り止め部が同様の角度 ２０〜４５°で傾斜されているから、指先に滑り止め部を有効にあてることがで き、カートンを把持する指先が滑り難い。 更に、容器本体にエンボスを施すだけで別部材を必要としないから、部品点数 の増加がなく、製造も容易である。

【０００９】

【実施例】

以下に、添付図面を参照して、本考案の好ましい実施例を詳細に説明する。 図１は本考案の実施例によるカートンの斜視図であり、図２は本考案の他の実 施例によるカートンの斜視図である。

【００１０】 本実施例のカートン１は、上方に注出口２を有する角筒状の容器本体３におけ る相対する両側面４、４に滑り止め部５を形成しており、上記滑り止め部５は、 容器本体３にエンボス加工を施して矩形形状に形成されており、該矩形形状の底 辺７が容器底面１０に対して２０〜４５°の傾斜角度で傾斜されている。

【００１１】 カートン１は、内容物として液体洗剤が収納されているが、該液体洗剤は予め 内容器としてのプラスチック製袋に封入されており、該袋が容器本体３内に内容 器として収納されているいわゆるバッグインボックス型のカートンである。また 、このカートン１は、計量カップ（図示せず）付きで、容器本体の注出口２から 該計量カップに液体洗剤を注いで、洗剤を使用するものである。

【００１２】 容器本体３は、厚紙製の型紙を組み立てて作られており、図示していないが、 その表面には所定の印刷またはデザインが施されている。この容器本体３は、角 筒状に形成され、その上部斜面６に注出口２が設けられ、該上部斜面６に隣接す る一対の両側面４、４には、複数個の滑り止め部５が配置されている。

【００１３】 一つの滑り止め部５は、容器本体３にエンボス加工により矩形形状に形成され て、複数の滑り止め部５は、本実施例では矩形の底辺７の延出方向に各底辺を一 直線上に位置させて２個ずつ並んで配置されており、該一対の滑り止め部５が更 に上下方向に６列に配置されている。 滑り止め部５の矩形の大きさ及び位置は、該滑り止め部５を把持する指の第１ 関節迄当たる寸法が好ましく、具体的には、矩形の大きさは底辺７の寸法Ｌが好 ましくは１０〜１５mm、側辺８の寸法Ｍが好ましくは１５〜２０mmであり、容器 本体の後側の角辺３ａからの距離Ｒは好ましくは１５〜２０mmである。 また、複数の滑り止め部５の配置において、横並びに配置された滑り止め部５ 、５間の間隔（ピッチ）Ｐは、好ましくは７〜１５mmである。ピッチＰをこのよ うな間隔とすることによって、一側面を保持する親指と他側面を保持する指先と を適当に滑り止め部５にあてることができる。

【００１４】 滑り止め部５の底辺７が容器底面１０に対して、２０〜４５°の傾斜角度で傾 斜され、該傾斜角度αは好ましくは２０〜３０°である。このように傾斜角度を 規定したのは、通常カートンを片手で把持して注出口２から内容物を抽出する場 合やカートンを上から把持して持ち運ぶ場合には、図１及び図２に示すように、 把持する指が容器底面に対して２０〜４５°に傾斜されているから、この指の傾 斜角度と一致させたのである。このように、滑り止め部５の底辺７の傾斜角度α をカートンを把持する指の角度βに一致させるようにすることにより、滑り止め 部５の側辺８に対して直角の角度を形成し、滑り止め部５における指の当接面積 を最大限にすることができる。

【００１５】 各滑り止め部５は、凹状に形成されており、該凹部には、更に多数の凹凸のエ ンボス９が形成されているが、エンボス９の凹凸は、指先が当接した際に充分に 滑り難いものであれば良いが、エンボス密度は、好ましくは１〜４０個／cm² 、 凹凸１個の大きさが好ましくは１〜１０mm、一つの凸の高さが好ましくは０．５ 〜１．０mmである。 このようなエンボス９を有する滑り止め部５は、カートン１の組み立て前の展 開体を製造するときにエンボス処理を施すことにより容易に形成される。 尚、本実施例のカートンでは、両側面４、４におけるその上部には、更に略Ｌ 字型形状の滑り止め部５ａが形成されており、該滑り止め部５ａはカートンの持 ち運び時に上方から片手で容易に持ち上げできるようになっている。

【００１６】 次に、本考案の実施例による作用について説明する。 カートン１内の内容物（液体洗剤）を取り出す際には、内容物の残量によって も異なるが、図１に示すように、通常、カートン１のやや上方の位置を、斜め下 方から、片手で把持する。この場合、カートン１の両側面４、４において、一面 に親指を当て、他面に残りの指等を当てて片手でカートン１を保持する。

【００１７】 そして、カートン１の注出口２を傾斜させて、計量カップに容器本体内の液体 を注ぐ。 この時、カートンを把持する手は容器本体の底面に対して下方から斜めに把持 し、手の指先と容器本体の底面とがなす角度βは上述の滑り止め部５の底辺７が 容器底面に対してなす角度αに一致し、カートン１を把持する指先に力がかかり 易くなり、滑り難い。 しかも、滑り止め部５には、凹凸のエンボス９が形成されているので、摩擦が 大きく、滑り難い。

【００１８】 尚、カートン１の把持位置は、内容量に応じて変わるが、上下方向に複数の滑 り止め部５を設けているので、どの把持位置でもカートンを把持する手の滑りを 防止できる。 一方、液体内容物を注出せずに、単に持ち上げて移動等する場合には、容器本 体の上方にある滑り止め部５ａを上方から把持することによって、容易に持ち上 げることができる。

【００１９】 本考案は、上述した実施例に限定されることなく、本考案の趣旨を逸脱しない 範囲で種々変形可能である。 例えば、図２に示すように、滑り止め部５の矩形形状は、帯状に長く延出する ものであっても良い。尚、図２では、斜め上方から角度βでカートンを把持する 場合を示している。 また、滑り止め部５の矩形形状は、実質的に矩形であればよく、角に丸みを付 けてもよい。このように丸みを付けることによって、カートンの表面割れを防止 し且つカートンを把持した時のフィット感を高めることができる。 更に、滑り止め部５は、その内側を凹状に形成することに限らず、凸状に形成 してもよい。

【００２０】

【考案の効果】

本考案のカートンは、部品点数の増加がなく、内容物の注ぎが容易で且つ容器 を把持する手が滑り難い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例によるカートンの斜視図であ
る。

【図２】本考案の他の実施例によるカートンの斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ カートン ２ 注出口 ３ 容器本体 ４ 両側面 ５ 滑り止め部 ７ 底面 ９ エンボス α 傾斜角度

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に注出口を有する角筒状の容器本体
   の相対する両側面に滑り止め部を形成したカートンにお
   いて、 上記滑り止め部は、容器本体にエンボス加工を施して矩
   形形状に形成されており、該矩形形状の底辺が容器底面
   に対して２０〜４５°で傾斜されていることを特徴とす
   るカートン。
2. 【請求項２】 上記滑り止め部は、複数個設けられ、そ
   れぞれの滑り止め部の底辺を一直線上に位置させて配置
   されていることを特徴とする請求項１に記載のカート
   ン。
3. 【請求項３】 上記滑り止め部は、上下方向に所定間隔
   をあけて複数個設けられていることを特徴とする請求項
   １又は２に記載のカートン。
4. 【請求項４】 上記カートンが、上記容器本体に、液体
   が収納された内容器を収納したバックインボックス型で
   あることを特徴とする請求項１に記載のカートン。