JPH0681881U - 弾性クローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 芯金の直下に埋入している抗張体の波打現象
を防止する。 【構成】 周方向の間隔を有して芯金３を埋設している
弾性材料よりなる無端帯状のクローラ本体２の前記芯金
３の接地側に、帯幅方向にコードを列設した無端帯状の
抗張体４を左右に埋設している弾性クローラにおいて、
前記左右の抗張体４の各一面側にテープ状の補強体７を
その周方向全長に亘って添設し、前記抗張体４と補強体
７とを袋状に形成したキャンバス８で包み込んで一体化
している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野術】

本考案は、農業機械、各種運搬車、雪上車等で用いる主としてゴム等の弾性材 料からなる無限帯状の弾性クローラに関する。

【０００２】

【従来の技術】

弾性材料よりなる無端帯状のクローラ本体に、帯幅方向にコードを列設した無 端状の抗張体を埋設している弾性クローラにおいて、該弾性クローラ成形時に、 前記抗張体は、上下のゴムの流れ主に幅方向流れによって流されて埋入位置が乱 れ、所定位置に整然と埋入させることができず、また、クローラ本体の幅いっぱ いに抗張体を埋入する場合には、抗張体が流されて蛇行したり外部へ露出するこ とがあり、弾性クローラ完成品を駆動輪に巻装して回転させたときに均等な張力 がかからず、緊張時に蛇行したり、抗張体露出による切断事故が発生するなどの 問題があることから、前記抗張体を袋状の布層又はバイヤス（以下、袋状のキャ ンバスという）で包み込んだ技術が知られている（実公昭４３−１１９３１号、 特開昭５５−８７６９９号参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述した従来の技術では、抗張体だけを袋状のキャンバスで包み込んでいるだ けであるため、抗張体の整列性が乱れたり、抗張体が帯長手方向に波打するとい う課題があり、特に、抗張体が波打状態でクローラ本体に埋設されていると、芯 金との接触による切断、抗張体周りのゴムクラックが発生するという問題を誘発 するおそれがあった。

【０００４】 そこで本考案は、抗張体の整列性を確保し、かつ優れた弾性クローラを提供す ることが目的である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案は、周方向の間隔を有して芯金３を埋設している弾性材料よりなる無端 帯状のクローラ本体２の前記芯金３の接地側に、帯幅方向にコードを列設した無 端帯状の抗張体４を左右に埋設している弾性クローラにおいて、前述の目的を達 成するために次の技術的手段を講じている。

【０００６】 すなわち、請求項１に係る本考案は、前記左右の抗張体４の各一面側にテープ 状の補強体７をその周方向全長に亘って添設し、前記抗張体４と補強体７とを袋 状に形成したキャンバス８で包み込んで一体化していることを特徴とする弾性ク ローラ。

【０００７】 請求項２に係る本考案は、抗張体４と補強体７とを包み込むキャンバス８は、 無端状であることを特徴とするものである。 請求項３に係る本考案は、キャンバス８は、抗張体４と補強体７とを、周方向 の間隔を有して包み込んでいることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、抗張体４の一面に補強体７が添設されていて、両者４，７を 袋状のキャンバス８で包み込んでいるため、抗張体４は整列状態を維持するとと もに波打現象を生じることはない。

【０００９】

【実施例】

以下、図を参照して本考案の実施例を説明すると、第１実施例を示している図 １において、 弾性クローラ１は、主に、ゴム等の弾性材料製の無端帯状クローラ本体２と、 該クローラ本体２内にその周方向所定間隔毎に埋設された多数の芯金３と、該芯 金３の接地側で周方向に埋設された無端状のスチールコード等からなる抗張体４ とからなっている。

【００１０】 前記クローラ本体２には、接地側にラグ５が千鳥状に芯金２に対応して配設さ れ、芯金３間の幅方向中央に駆動輪（スプロケット状）の係合孔が等間隔で多数 穿設されている。 芯金３には、反接地側に突出する駆動輪案内ラグ６が、係合孔の幅方向両側に 位置して設けられており、駆動輪の駆動力が芯金３を介してクローラ本体２に伝 達されるようになっている。

【００１１】 抗張体４はスチールコードを帯幅方向に列設したものであり、芯金３の両翼部 に左右振分け状として埋設してあり、該抗張体４の一面、実施例では反接地面側 （芯金側）にテープ状の補強体７がその全長に亘って無端状に添設してあり、前 記抗張体４と補強体７は袋状のキャンバス８で包み込まれて一体化されている。 このキャンバス８は、ポリアミド系、ポリエステル系レーヨン、ビニロン、ア ラミド繊維等の有機繊維よりなっている。

【００１２】 以上の第１実施例によると、クローラ成形時にゴム流れによる抗張体４の乱れ が補強体７で抑えられるとともにキャンバス８によって抑えられ、抗張体４の整 列性は確保されるとともに、補強体７の添設によって抗張体４の波打現状は防止 される。 図２は本考案の第２実施例を示しており、補強体７は接地面側に添設されてい て、袋状のキャンバス８は芯金３の両翼部上に延押されているとともに抗張体４ が芯金３の翼部よりも幅方向外方までも埋設された点が前述した第１実施例と相 違し、その他は共通するので共通部分は共通符号で示している。

【００１３】 この第２実施例では、抗張体４によるクローラ本体２の翼部までも補強できた 点で第１実施例よりも有利であり、その他は第１実施例と共通する。 図３は本考案の第３実施例を示し、芯金３の左右翼部をなくし、中央部に基部 ３Ａを形成したものであり、その他は第１実施例と共通するので共通部分は共通 符号で示している。

【００１４】 この第３実施例では第１実施例のクローラよりもやや軽量にできる以外は、第 １実施例と共通する。 前述した第１〜３実施例において、袋状のキャンバス８はこれをエンドレスと して抗張体４と補強体７の全周を包み込む無端状に形成することもできるし、抗 張体４と補強体７とを周方向所定間隔において包み込むことができ、この部分的 に包み込むときは、芯金３の直下で包み込む方が有利である。また、補強体７は キャンバス８と同様の材料で構成できる。

【００１５】

【考案の効果】

以上詳述した通り、本考案によれば、芯金直下に埋設した抗張体は補強体を添 設して袋状のキャンバスで包み込まれているので、整列の乱れはなく、波打現象 も生じることがなく、耐久性に富んだものにできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示す断面図である。

【図２】本考案の第２実施例を示す断面図である。

【図３】本考案の第３実施例を示す断面図である。

【符号の説明】

２ クローラ ３ 芯金 ４ 抗張体 ７ 補強体 ８ キャンバス

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 周方向の間隔を有して芯金（３）を埋設
   している弾性材料よりなる無端帯状のクローラ本体
   （２）の前記芯金（３）の接地側に、帯幅方向にコード
   を列設した無端帯状の抗張体（４）を左右に埋設してい
   る弾性クローラにおいて、 前記左右の抗張体（４）の各一面側にテープ状の補強体
   （７）をその周方向全長に亘って添設し、前記抗張体
   （４）と補強体（７）とを袋状に形成したキャンバス
   （８）で包み込んで一体化していることを特徴とする弾
   性クローラ。
2. 【請求項２】 抗張体（４）と補強体（７）とを包み込
   むキャンバス（８）は、無端状であることを特徴とする
   請求項１記載の弾性クローラ。
3. 【請求項３】 キャンバス（８）は、抗張体（４）と補
   強体（７）とを、周方向の間隔を有して包み込んでいる
   ことを特徴とする請求項１記載の弾性クローラ。