JPH0681391A - バルコニーの腰壁パネル接合構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 仕上パネルを有する腰壁パネルであっても竪
子を介して互いに接合できるようにし、現場における施
工手間を低減する。 【構成】 バルコニーは、建物外壁から片持ち状に突設
されたバルコニー腕４と、バルコニー腕４に支持された
床部、腰壁、および軒天部を備えている。腰壁は腰壁パ
ネル１４を接合することによって構成される。腰壁パネ
ル14は、竪子9 の上端部29が当該腰壁パネル14の上縁よ
りも上方に突出するように配置され、中央に跨ぎ部25を
有する連結プレート24が、その跨ぎ部25で前記竪子9 の
上端部29を跨いだ状態で前記両腰壁パネル14の上縁間を
連結していると共に、その連結プレート24の跨ぎ部25が
前記竪子9 の上端部29に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バルコニーの腰壁パネ
ル接合構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】二階建て住宅等に採用されるバルコニー
では、一対の腰壁パネルの縦縁部間に、バルコニー腕の
先端部に立設した竪子を介在させ、この竪子を介して前
記両腰壁パネルを互いに接合させる場合がある。かかる
バルコニーの腰壁パネルには、コンクリート製のものや
枠組みされた鋼製フレームの表裏に仕上パネルを張着し
たもの等があるが、後者の腰壁パネルを竪子を介して接
合する場合には、鋼製フレームの縦枠をねじ止め等によ
って竪子の立側面に直接固定するのが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、昨今の作業
者不足や施工工賃の高騰等に鑑み、腰壁パネル等の建築
要素を可及的にユニット化して現場における施工手間を
低減しようとする傾向にある。しかし、上記従来の技術
では、鋼製フレームの縦枠を竪子の立側面に直接固定し
ているので、鋼製フレームの表裏に仕上パネルを張った
後では腰壁パネルを竪子に取付けることができず、当該
腰壁パネルの完全なユニット化は不可能であった。

【０００４】即ち、従来では、鋼製フレームを竪子の立
側面に固定した後、その鋼製フレームに仕上パネルを現
場で取付けなければならず、現場での施工工数を増大さ
せる原因となっていた。本発明は、かかる実情に鑑み、
仕上パネルを有する腰壁パネルであっても竪子を介して
互いに接合できるようにし、現場における施工手間を低
減することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明が講じた技術的手段は、一対の腰壁パネル14の縦
縁部間に、バルコニー腕4 の先端部に立設した竪子9 を
介在させ、この竪子9を介して前記両腰壁パネル14を互
いに接合するようにしたバルコニーの腰壁パネル接合構
造において、前記両腰壁パネル14は、前記竪子9 の上端
部29が当該腰壁パネル14の上縁よりも上方に突出するよ
うに配置され、中央に跨ぎ部25を有する連結プレート24
が、その跨ぎ部25で前記竪子9 の上端部29を跨いだ状態
で前記両腰壁パネル14の上縁間を連結していると共に、
その連結プレート24の跨ぎ部25が前記竪子9 の上端部29
に固定されている点にある。

【０００６】

【作用】連結プレート24は、竪子9 の上端部29を跨いだ
状態で一対の腰壁パネル14の上縁間を連結し、この両腰
壁パネル14を竪子9 を介在させた状態で互いに接合させ
る。従って、腰壁パネル14に仕上パネル16,17 が予め張
設されていても、仕上パネル16,17 が腰壁パネル14の接
合に邪魔になることがなく、腰壁パネル14を完全にユニ
ット化できる。

【０００７】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を詳
述する。図１〜図５において、1 は二階建て住宅等の建
物本体であり、その外壁面2 から突出するバルコニー3
を備えている。このバルコニー3 は、建物本体2 から外
方へ片持ち状に突設された複数本のバルコニー腕4 と、
このバルコニー腕4 で支持される床部5 および腰壁6
と、バルコニー3 の下面を構成する軒天部7 とを備えて
いる。バルコニー腕4 は、その基端部に柱頭ピース8 を
一体に有し、この柱頭ピース8 は建物本体1 の柱部材の
一部を構成している。また、バルコニー腕4 の先端部に
は、竪子9 が一体に立設されている。

【０００８】床部5 は、バルコニー腕4 間に架設した根
太10上にデッキ材11を列設することによって構成されて
いる。根太10はＣ型鋼よりなり、バルコニー腕4 の側面
に固定したアングル材12で両端支持されている。腰壁6
は、上端部に手摺部13を有すると共に、前記竪子9 間で
腰壁パネル14を面一に接合することによって構成されて
いる。この腰壁パネル14は、図３，図４に示す如く、鋼
製の壁フレーム15の表裏に仕上パネル16,17 を張着して
なり、本実施例ではこの腰壁パネル14は、予め工場等で
仕上パネル16,17 の取付けまでユニット化したものを採
用している。

【０００９】壁フレーム15は、それぞれＣ型鋼よりなる
上枠18、側枠19および下枠20とから方形枠状に枠組みさ
れていて、上下方向やや下よりに側枠19間を連結する横
中間枠21を備えていると共に、左右方向中央に、上枠18
と横中間枠21間を連結する縦中間枠22を備えている。ま
た、前記仕上パネル16,17 のうち、表面仕上パネル16
は、壁フレーム15の外周全域に亘って張設されている
が、裏面仕上パネル17は、上枠18から横中間枠21に至る
範囲に張設されている。

【００１０】なお、壁フレーム15の側枠19の裏面下部に
は、前記根太10に係合する仮止具23がねじ止めされてい
る。次に、図１，図２を参照しつつ、本実施例に係る腰
壁パネル14の接合構造について説明する。即ち、本実施
例では、一対の腰壁パネル14の縦縁部間に前記竪子9 を
介在させるようにして腰壁パネル14を配置し、この両腰
壁パネル14の上縁間を連結プレート24で連結すること
で、両腰壁パネル14を竪子9 と連結プレート24とを介し
て接合している。

【００１１】連結プレート24は、短冊状の鋼製板体を所
謂ハット形に屈曲形成してなり、中央にコ字状の跨ぎ部
25を有していると共に、この跨ぎ部25の両下端から外方
に延設された一対の取付板26を備えている。跨ぎ部25の
側壁中央には、ボルト挿通孔27が開設され、かつ跨ぎ部
25の上面には前記手摺用の下地ボルト28が立設されてい
る。

【００１２】一対の腰壁パネル14は、竪子9 の上端部29
が両腰壁パネル14の上縁よりもやや上方に突出するよう
に竪子9 の両側に配置されていて、この両腰壁パネル14
の上縁コーナ部間に、前記連結プレート24がその跨ぎ部
25で竪子9 の上端部29を跨いだ状態で立設されている。
そして、連結プレート24の取付板26を腰壁パネル14の上
枠18にねじ30止めし、跨ぎ部25をボルト・ナット31,32
で竪子9 に締結することにより一対の腰壁パネル14の上
端部が竪子9 を介して互いに接合されている。なお、33
は竪子9 の上端部29に設けたねじ孔である。

【００１３】一方、腰壁パネル14の下部は、根太10の上
フランジ部に係合する前記仮止具23を介して根太10に仮
止めされており、この根太10から側枠19に向かって止め
ねじ34を螺入することで根太10に本止めされている。な
お、本実施例では、図２，図４に示す如く、竪子9 間の
スパン長Ｌを腰壁パネル幅Ｗの２倍にとる場合があり、
かかるスパン内の腰壁パネル14についても前記連結プレ
ート24によって連結するようにしている。

【００１４】また、軒天部7 は、下見切材35と軒天板36
とを備え、下見切材35は腰壁パネル14の下端に沿って取
付けられ、軒天板36は下見切材35から建物本体1 の外壁
面2に亘って水平に架設されている。図５は、腰壁6 の
上端部に設けた手摺部13の内部構造を示している。この
手摺部13は、腰壁6 の笠木37と筒状の手摺支柱38とを一
体に有する笠木ユニット39と、笠木ユニット39の上端に
取付けられる手摺材40とを備えている。

【００１５】即ち、笠木ユニット39は、笠木37の上面に
複数の手摺支柱38を所定ピッチで立設させてなり、この
手摺支柱38の上端間にはチャンネル材41が固定されてい
る。そして、この笠木ユニット39は、手摺支柱38内に前
記下地ボルト28を挿通させるようにして腰壁6 上に装着
され、チャンネル材41より突出した下地ボルト28にナッ
ト42を螺合することによって腰壁6 に固定されている。

【００１６】また、手摺材40は、図５に矢印で示す如
く、チャンネル材41に上方から嵌合されて、笠木ユニッ
ト39に取付けられている。上記構成に係る本実施例によ
れば、一対の腰壁パネル14を竪子9 の上端部29を残すよ
うにして配置し、この上端部29を跨ぐ連結プレート24で
両腰壁パネル14を連結しているので、表裏に仕上パネル
16,17 を有するユニット化された腰壁パネル14であって
も竪子9 を介して互いに接合することができ、従って現
場で仕上パネル16,17 を張設する必要がなくなり、現場
における施工手間を大幅に低減できる。また、腰壁パネ
ル14を仕上パネル16,17 を張設した状態までユニット化
できるので、現場で張設する場合に比べて腰壁パネル14
自体の防水性の向上も期待できる。

【００１７】更に、本実施例では、連結プレート24の跨
ぎ部25に手摺用の下地ボルト28が立設されているため、
腰壁パネル14の接合と同時に手摺部13の一部を構成で
き、この点からも部品点数の減少による施工手間の低減
化が図られていると共に、下地ボルト28にかかる荷重は
跨ぎ部25を介して竪子9 に伝達されるため、手摺部13の
構造強度も安定したものとなる。

【００１８】なお、図６は本実施例に係るバルコニー3
について、各部材の割付けの一例を示している。このよ
うに、本実施例では前記連結プレート24を主体とした接
合構造を採用することにより、腰壁パネル14のユニット
化が図られ、この腰壁パネル14の割付けをデッキ材11そ
の他の部材との関係を考慮して行なうことができる。図
７は防水タイプのバルコニー3 についての各部材の割付
けを示し、デッキ材11の代わりに防水床を用いた点で図
６の場合と異なる。

【００１９】以上、本発明に係る一実施例を説明した
が、本発明はこれに限られるものではなく、跨ぎ部25の
形状については、要は竪子9 の上端部29を跨げる形状、
例えば逆Ｕ字状等であってもよい。また、この跨ぎ部25
と竪子9 の上端部29との固定手段は、前記ボルト・ナッ
ト31,32 に限定されないことは勿論である。更に、本発
明に係る接合構造は、内部に壁フレーム15を有しないも
の、例えばコンクリート製の腰壁パネルにも採用するこ
とができる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
仕上パネル16,17 を有するユニット化された腰壁パネル
14であっても竪子9 を介して互いに接合することができ
るので、バルコニー3 を施工するに際しての現場におけ
る施工手間を大幅に低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】バルコニーの腰壁パネル接合構造の斜視図であ
る。

【図２】同平面図である。

【図３】バルコニーの側面断面図である。

【図４】同正面断面図である。

【図５】手摺部の縦断面図である。

【図６】バルコニーの各部材の割付図である。

【図７】同割付図である。

【符号の説明】 ３ バルコニー ４ バルコニー腕 ９ 竪子 14 腰壁パネル 24 連結プレート 25 跨ぎ部 29 上端部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 雄弘 大阪府大阪市中央区南船場３丁目12番12号 クボタハウス株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の腰壁パネル(14)の縦縁部間に、バ
   ルコニー腕(4) の先端部に立設した竪子(9) を介在さ
   せ、この竪子(9) を介して前記両腰壁パネル(14)を互い
   に接合するようにしたバルコニーの腰壁パネル接合構造
   において、 前記両腰壁パネル(14)は、前記竪子(9) の上端部(29)が
   当該腰壁パネル(14)の上縁よりも上方に突出するように
   配置され、中央に跨ぎ部(25)を有する連結プレート(24)
   が、その跨ぎ部(25)で前記竪子(9) の上端部(29)を跨い
   だ状態で前記両腰壁パネル(14)の上縁間を連結している
   と共に、その連結プレート(24)の跨ぎ部(25)が前記竪子
   (9) の上端部(29)に固定されていることを特徴とするバ
   ルコニーの腰壁パネル接合構造。