JPH0681151A - 容器の窓の清浄方法 - Google Patents

容器の窓の清浄方法

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JPH0681151A
JPH0681151A JP25896792A JP25896792A JPH0681151A JP H0681151 A JPH0681151 A JP H0681151A JP 25896792 A JP25896792 A JP 25896792A JP 25896792 A JP25896792 A JP 25896792A JP H0681151 A JPH0681151 A JP H0681151A
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container
light
laser
quartz window
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JP25896792A
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Inventor
Masayuki Take
昌之 手計
Masamitsu Sato
正光 佐藤
Hiroto Uchida
寛人 内田
Katsumi Ogi
勝実 小木
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の窓の表面が汚染された場合容易に清浄
にし、又は窓の表面の汚染を防止する窓の清浄方法を提
供することである。 【構成】 窓の表面に物質が付着したときは、付着した
物質に高パワー密度光を照射してアブレーションを行
い、窓を損傷することなく物質を除去する。又は窓に高
パワー密度光を照射して窓を清浄に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光による容器の窓の清浄
方法に関するものである。更に詳しくはレーザ光を含む
高パワー密度光により、真空蒸着装置、スパッタリング
装置、電子ビーム溶解装置、光CVD装置、揮発性物質
を含む単結晶成長装置等に使用される容器や電子顕微鏡
の観察室に設けられた窓の表面の汚染防止、又は汚染さ
れた場合はこれを清浄にする窓の清浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、工業的な装置・設備・機械等
に、又理化学的な研究・試験装置等にも広範囲に利用さ
れている真空蒸着装置、スパッタリング装置、電子ビー
ム溶解装置、光CVD装置、揮発性物質を含む単結晶成
長装置や電子顕微鏡等にはジャー又はチャンバーとも呼
ばれる容器又は観察室が備えられている。これらの容器
には容器内部の観察のための窓や、又は光CVD装置の
如く光化学反応を容器の内部で起こさせるために、外部
より内部の反応物に光を照射するための光透過部用の窓
が設けられている場合が多い。
【0003】装置の内部を観察するための窓には、観察
対象の種類と、観察装置の使用する光の性質により選択
した材料が使用されている。アルミニウムの真空蒸着装
置の窓であれば並ガラス、電子顕微鏡の窓であれば鉛ガ
ラス、電子ビーム溶解装置であればシリカガラス等が窓
として使用されている。
【0004】容器の内部の反応物に光を照射するための
窓には、例えばシリコンの光CVD装置にはシリカガラ
ス等が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の装置が運転使用されている間に次第に窓の表面に金属
等の異物が析出、付着して汚染され、光の透過率が低下
してくる。光の透過率が甚だしく低下すると、容器の内
部の観察が困難になり、又は容器の内部の反応物の光照
射量が不足して反応が進行しなくなるので、定期的に窓
の表面の異物を除去し、光の透過率の回復を図らなけれ
ばならなかった。
【0006】窓の外側面の汚染は、容易に清掃可能であ
るが、装置の内側等に面した表面の清掃には次のような
方法が採られていた。例えば、窓を取り外して清浄なも
のと交換又は洗浄する、窓の内側にシャッターを取付
け、観察時のみ開放状態にして異物の付着を減少させ
る、容器内部をエッチング性雰囲気又はプラズマエッチ
ング状態にして付着した異物をエッチングして除去する
等の方法が行われていた。
【0007】しかしながら、窓を取り外して清浄なもの
と交換又は洗浄するのは装置を停止しなければならず、
装置の稼働率が低下する。特に真空装置では一旦大気圧
に戻す必要があり、超高真空装置の場合は復帰に数日と
いう長い時間を要することがあるし、雰囲気装置では容
器内への不純物の混入の虞が大きい。
【0008】窓の内側にシャッターを取付け、観察時の
み開放状態にして異物の付着を減少させるのは、汚染の
速度を低下させることは可能であるが完全に汚染を防止
することはできない。又装置全体の構造が複雑となり、
真空装置では真空度の低下の原因ともなる。光の照射に
より処理又は作業を進行させる光CVD装置の如き装置
では採用することが難しい。
【0009】容器内部をエッチング性雰囲気にして付着
した異物をエッチングして除去するのは、エッチング用
物質により容器内が汚染され、又被加工物の品質の低下
や真空度の低下等の問題が発生する。プラズマエッチン
グによる方法でも同様である。装置の停止によりおこる
不都合は上記取り外して清浄するのと同様である。
【0010】本発明は、装置の窓の表面の汚染を防止し
又は汚染された場合は容易にこれを清浄にする窓の清浄
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の窓の清浄方法
は、窓の表面に物質が付着したとき、付着した物質に高
パワー密度光を照射してアブレーションを行い、窓を損
傷することなく物質を除去するものである。又は窓に高
パワー密度光を照射してアブレーションにより、異物の
付着を防止し窓を清浄に保持するものである。そして照
射は窓の内側又は外側の何れからもすることができる。
そして又窓の内側の表面に付着したときの望ましい照射
の方法の一つは、窓の内側より光ファイバを介して照射
する方法である照射光はレーザを光源とする光であるこ
とが好ましく、中でもエキシマレーザが好ましい。
【0012】アブレーションなる現象は高パワー密度光
を固体表面に照射することにより起こる現象である。光
を吸収して固体表面層そのものが分解され、原子や分子
が放出され、光強度がさらに大きくなると原子や分子の
他にイオンや原子のクラスターが生成する。
【0013】アブレーションを起こすためには高パワー
密度光が必要で、高密度レーザ、なかでもエキシマレー
ザが高い光強度を有するので適当である。そして光強
度、パルス幅、照射波長および固体の吸収波長や吸収係
数などの物性によって適当なものが選択される。
【0014】光強度は又パワー密度とも言われるが、こ
れに関しては酸化物超伝導体にArFレーザを照射する
例でいえば、1パルス当たり50mJ/cm2 程度以下
の光強度ではアブレーションは認められず、それを超え
る光強度ではじめてアブレーションが起こる。さらに光
強度を上げると原子や分子の放出の他にイオンや原子の
クラスターの生成が認められるようになる。
【0015】またパルス幅が短く、エネルギーの尖頭値
が高い方がアブレーションを起こし易い。そのためにパ
ルス幅が1乃至50nsと短いエキシマレーザやQ─ス
イッチつきのパルスYAGレーザなどが適当である。
【0016】照射波長に関しては、短波長のものほど1
光子当たりのエネルギーが大きいため、波長の短い紫外
線乃至エキシマレーザが適当である場合が多い。
【0017】なお照射対象の窓表面の物質が光を吸収し
なければアブレーションは起こらない。
【0018】本発明において特に適用が望ましい容器
は、真空蒸着装置、スパッタリング、電子ビーム溶解装
置、光CVD装置、単結晶成長装置や電子顕微鏡等の容
器であるが、全面が光透過性である容器にも適用可能で
あるし、又閉鎖的な容器に限らず、容器の透明な仕切り
板の如きものにも適用可能である。
【0019】窓の材料は観察又は反応のための所要の光
を透過するものであり、並ガラス、鉛ガラス、シリカガ
ラス、カルコゲンガラス等の非晶質材料に限らず、水晶
(SiO2)、蛍石(CaF2 )等の結晶質のものも含ま
れ、形状は必ずしも平行板である必要はない。
【0020】
【作用】高パワー密度光を照射することにより、アブレ
ーション現象により窓の表面を清浄に保ち、又窓の表面
に物質が付着したときは、物質を表面から除去し、表面
を清浄化する。
【0021】窓に使用されているシリカガラスは180
nmから3.5μmにわたって光を透過し、又蛍石の結
晶は120nmから9μmにわたって光を透過する。こ
れらの窓にエキシマレーザやYAGレーザなどを照射し
ても吸収がないために窓自身はアブレーションを受けず
損傷しない。ところが窓に付着している金属などの物質
が紫外や可視域に吸収帯があると光を吸収してアブレー
ションが起こる。窓の材質が通常のソーダ石灰ガラスで
ある場合はこれをシリカガラス製のものに替えることに
より、容器の外側から窓を透過して内側の金属などの付
着物に光を照射してアブレーションを起こさせることが
できる。また反応系にガラスを腐食させるフッ素ガスの
雰囲気が使用される場合は、耐フッ素ガス性のフッ化マ
グネシウムを用いると良い。
【0022】真空容器の窓の付着物がアブレーションさ
れた時、原子や分子に分かれた粒子は真空容器内に飛び
出し真空ポンプ側へ流出する。このとき容器内の圧力が
充分に低く、10-4Torrの程度であると、粒子は直
線的に軌跡を描いて飛行し容器の壁面に付着する。もし
装置がスパッタリング装置であるならば成膜中にレーザ
ー光の照射を行っても膜の堆積速度を増加するのみで支
障ない。しかし光CVD装置であるならば、成膜中にレ
ーザー光の照射を行うと堆積する膜の中に異物の混入の
虞があり成膜中のアブレーションは適当ではない。
【0023】又容器内の圧力が数Torr程度と高いと
きには生成粒子は気体分子と衝突して真空ポンプ側に流
出し、容器内への再付着は減少する。
【0024】アブレーションの現象そのものは容器内の
圧力にあまり影響されないから、容器内圧力を上記の現
象を勘案して選定することができる。また使用する装置
の種類により、清浄を容器の使用時に行うか、停止させ
てから行うかも適宜選択できる。
【0025】窓へのレーザ光の照射は窓の外側からある
いは内側からのいずれも選択できる。窓の外側から照射
するときはレーザ照射装置から窓まで公知の通例に従い
光を導く。レーザ光に対する窓の透過性が失われなけれ
ば、窓の内側でアブレーションが起こる。なお窓の透過
性が失われてしまってから照射すると、窓と付着物の界
面近傍でアブレーションが起きて窓に損傷を与える虞が
あるから、このときは容易に透過性が失われない窓とす
るか、窓の内側から照射する必要がある。なお窓の外側
からレーザを照射する方法を採るときは従来の真空装置
そのものには何等の改造も行う必要はない。
【0026】窓の内側から照射するときは容器外側に設
けられたレーザ照射装置から一旦容器内部に光を導き、
しかる後窓の内側から光を導く。例えば光ファイバーを
容器内に導入して設置し、清浄する時に窓の近傍に移動
させると良い。窓への付着物が多量に堆積している場合
は、付着物側からレーザ光を照射することにより堆積し
た付着物の表面からアブレーションされていく。
【0027】アブレーションは吸収した光のエネルギー
のみで起こるものであり、雰囲気や圧力に左右されるも
のではない。そのためエッチングガスの如きものは必要
ではなく、エッチングガスによる容器内汚染はない。ま
たアブレーションで生成するものは付着物そのものか或
いはそれの分解生成物であり、容器内の付着物の総量が
増加することはない。
【0028】更にレーザ光はレンズ等により窓に収束し
て照射するため、収束した位置にある窓では光強度は極
めて大きいが、窓から離れた位置では光強度は急激に小
さくなり、アブレーションを惹起する等の効果は現れな
くなる。被処理物に対する悪影響や容器の損傷などもな
い。
【0029】
【実施例】第1の実施例をアルミニウム(Al)の光C
VD装置を例として図1及び図2により説明する。図1
は第1の実施例に係る装置の成膜時の概念図、図2はそ
の清浄時の部分的概念図である。本実施例はAl(CH
3 2 HをArFレーザで分解してアルミニウムを半導
体基板上に選択的に直接描画する装置に係わる方法であ
る。
【0030】図1において、容器1はステンレススチー
ル製の槽であり、その上部の開口には石英窓2が設けら
れ、側面には原料ガスの導入口3と排気の排出口4とが
開口している。基板5は直径2インチのシリコンウェハ
Siであり、サセプタ6に載置され、容器1中にステー
ジ7により水平に挿入されている。基板5の上方、石英
窓2の下方にシャッタ8が軸8aに支持され回転自在に
設けられている。
【0031】レーザ発振器9はArFエキシマレーザで
波長193nmの遠紫外線をパルス状に発光し、発光し
たレーザ光10は光学系11を介して図1に示すように
石英窓2を透過して基板5に到達し、又は図2に示すよ
うに石英窓2に到達する。
【0032】光学系11にはミラー12が設けられてレ
ーザ光10の方向を偏向させる。ミラー12は又公知の
ビームスキャナであり、レーザ光10の走査を行う。ミ
ラー12により偏向されたレーザ光10はシリカガラス
のレンズ13により収束される。レンズ13はステージ
14に支持され石英窓2に対して垂直方向に移動可能で
ある。レーザ光10はレンズ13が図1に示す石英窓2
に対して近い位置にある時は基板5に収束し、図2に示
す石英窓2に対して遠い位置にある時は石英窓2に収束
する。
【0033】レンズ13と石英窓2の間には描画用のマ
スク15が設けられ、図1に示すように光路中に、又は
図2に示すように光路から外れた位置に互換的移動可能
である。
【0034】次にこの装置を用いて、ジメチルアルミニ
ウムハイドライド(Al(CH3 2 H)を光分解して
アルミニウムを基板5上に描画することについて説明す
る。アルゴンガス(Ar)をキャリヤガスとして気化さ
せたジメチルアルミニウムハイドライドを原料ガスとし
て、ガスの導入口3から50cc/minの流量で容器
1に導入する。ジメチルアルミニウムハイドライドは、
波長193nmのArFエキシマレーザ光が所定の強度
で照射されると分解して、アルミニウムが生成し、残部
は炭素、水素からなる各種の低分子となる。
【0035】図1に示すようにシャッタ8を開放した状
態にし、レーザ発振器9を点灯してレンズ13を石英窓
2に対して近い位置に、マスク15を光路中の位置に、
レーザ光10をシリコンの基板5の近傍に収束するよう
にそれぞれ配置した。レーザ光10が石英窓2を透過
し、基板5近傍に収束されて、表面5a近傍においてジ
メチルアルミニウムハイドライドを分解し、分解したア
ルミニウムはマスク15の画に従いこれを転写して表面
5aに析出した。この時の光の強度は1パルス当たり5
0mJ/cm2 であった。
【0036】光束の収束位置とスポットの大きさについ
ては、光束が基板5の表面5aからやや離れた高い位置
Aに収束するようにし、基板5上でスポットの大きさを
5×5〜10×10mmの程度にした。このようにする
と強度がアルミニウムの析出に適当な大きさになり、性
状のよい膜が得られ、表面5aに過度に近付けて収束す
ると、強度が過大になり、析出率が低下し、アブレーシ
ョンが起きるようになるからである。
【0037】分解生成したガスはキャリヤガスと共に排
気として排出口4から排出した。石英窓2を透過したレ
ーザ光は、基板5の表面5aに到達するまでに、ジメチ
ルアルミニウムハイドライドを分解するが、全部が表面
5aに析出するのではなく、一部はキャリヤガスと共に
排気として排出口4から排出し、他部は容器1の壁等に
析出する。容器1の壁等に析出するものの一部は石英窓
2の内側面2aに析出し、汚染物15として堆積し、2
時間の装置の運転の後窓の曇りが顕著となった。
【0038】次に石英窓2の内側面2aに析出し堆積し
た汚染物15の除去について説明する。図2に示すよう
にシャッタ8を閉鎖した状態におき、レーザ発振器9を
点灯してレンズ13を石英窓2に対して遠い位置に、マ
スク15を光路から外れた位置に、レーザ光10を石英
窓2に収束するようにそれぞれ配置した。
【0039】石英窓2を透過し内側面2aに収束したレ
ーザ光10のエネルギーを吸収してアブレーションを惹
起し、汚染物15が除去された。このときのレーザ光の
強度は1パルス当たり1J/cm2 であった。
【0040】レーザ光10はミラー12により内側面2
a上を5mm/secでXYに走査され、平面状に広が
ったアルミニウムの汚染物15は5分で全部除去され
た。しかし、石英窓2自体は波長193nmのArFエ
キシマレーザの光を吸収せず、光の強度が大きくてもア
ブレーションを惹起することはなく、又減耗することは
なかった。
【0041】アブレーションにより離脱し原子又はクラ
スターの状態になったアルミニウムは、閉鎖した状態に
あるシャッタ8により遮られて、サセプタ6その他の容
器1内の部材の汚染は認められなかった。尚本実施例は
成膜停止時に清浄するのであるから、基板5は容器1中
から取り除いてあるからアブレーションによる基板5の
汚染はない。
【0042】次に第2の実施例を図3により説明する。
図3は第2の実施例の概念図である。本実施例は金(A
u)のスパッタリング装置に係わるものである。第1の
実施例と同一又は類似の点の説明の詳述は省略する。
【0043】図3において、容器1の側面には石英窓2
が設けられ、石英窓2の内側にはシャッタ8がスパッタ
リング処理中は閉じ、観察時は開くように設けられてい
る。又容器1の他の側面にはAr(アルゴン)ガスの導
入口3と排気の排出口4とが開口している。基板16は
容器1の上側より挿入された基板ホルダー17に支持さ
れ、成膜する表面を下方に向けている。基板16の下方
には成膜する表面に対向して金のターゲット18が設け
られている。
【0044】レーザ発振器9はKrFエキシマレーザで
波長248nmの紫外線をパルス状に放射し、放射した
レーザ光10は光学系11を介して石英窓2に到達す
る。
【0045】光学系11には反射鏡であり且つビームス
キャナであるミラー12が設けられてレーザ光10の方
向を2段に偏向させる。レーザ光10は収束位置調整用
のステージ14に支持されているレンズ13により収束
される。
【0046】次にこの装置を用いる、金のスパッタリン
グについて説明する。あらかじめターボ分子ポンプ(不
図示)で真空に引いてから、0.02TorrのArガ
スを導入して高電圧を印加するとプラズマが発生し、プ
ラズマ中のArイオンが陰極側に置かれたターゲット1
8上の金に衝突し、原子状の金をはじき飛ばし真空中に
放出する。放出された金原子は、ターゲット18に対向
して置かれた基板16に到達し堆積して金の膜が形成さ
れた。
【0047】このとき生成した金の原子の一部は基板1
6以外にも飛来し、器壁に堆積する。石英窓2はシャッ
タ8によりスパッタリング処理中は遮蔽されているが、
完全に金の原子を遮蔽することはできず石英窓2に順次
金が汚染物として堆積し、スパッタリング処理を10時
間行ったところ窓が曇って観察が困難になった。
【0048】次に石英窓2に析出し堆積した金の除去に
ついて説明する。シャッタ8を閉鎖した状態におき、波
長248nmの紫外線のレーザ光10を石英窓2に収束
する。1パルス当たりのエネルギー密度1J/cm2
大きさにし、この時のビームの大きさは2mm×2mm
の程度で、走査速度5mm/secで走査したところ、
石英窓2に堆積した金はアブレーションを起こし膜厚が
減少し、約10分後には全部除去された。
【0049】この間、石英窓2自体は光を吸収せず、ア
ブレーションを惹起することはなく、又減耗することは
なかった。
【0050】アブレーションにより離脱し原子又はクラ
スターの状態になった金は、閉鎖した状態にあるシャッ
タ8により遮られて容器1内の部材を汚染することはな
かった。
【0051】尚本実施例は成膜中にも清浄することが可
能であり、装置の稼働率を高く保持することができる。
【0052】次に第3の実施例を図4により説明する。
図4は第3の実施例の概念図である。本実施例は金(A
u)のスパッタリング装置の窓とタングステン(W)の
電子ビーム溶解装置の窓とに係わるものである。第1及
び第2の実施例と同一又は類似の点は説明の詳述を省略
する。
【0053】図4において、スパッタリング装置の容器
1の側面には石英窓2が設けられ、基板16は成膜する
表面を下方に向け、それに対向して金のターゲット18
が設けられている。
【0054】又電子ビーム溶解装置の容器21の上面に
は石英窓22が設けられ、石英窓22の内側にはシャッ
タ28が溶解処理中は閉じ、観察時は開くように設けら
れ、又容器21の側面には真空ポンプ(不図示)に接続
する排出口24が開口している。タングステンの融液2
5は容器21の中に置かれたるつぼ26に容れられ、電
子ビーム発生器27において発生する電子ビームがその
表面に衝突し、加熱されるようになっている。
【0055】レーザ発振器9はKrFエキシマレーザで
波長248nmの紫外線をパルス状に放射し、放射した
レーザ光10はハーフミラー29により分割され、一の
光束は反射鏡であり且つビームスキャナであるミラー1
2を介しレンズ13により石英窓2に収束され、他の光
束は反射鏡であり且つビームスキャナであるミラー30
を介しレンズ31により石英窓22に収束する。
【0056】スパッタリング装置においては、金は0.
02TorrのArガス中に発生したプラズマ中のAr
イオンにより原子状として放出され、基板16に到達し
堆積して金の膜が形成され、このとき生成した金の原子
の一部が石英窓2に堆積し曇りが生じた。
【0057】他方石英窓2に堆積した金は、石英窓2に
収束されたレーザ光10によりアブレーションを起こし
除去された。
【0058】電子ビーム溶解装置においては、容器21
を1×10-5Torrに減圧し、電子ビーム発生器27
から発生する電子ビームをタングステンの融液25に照
射したところ、タングステンの融液25は加熱され、タ
ングステンが蒸発し、排出口24から排出されたが、こ
の時蒸発物の一部が石英窓22の内側に堆積し、内部の
観察を困難にした。
【0059】他方石英窓22に析出し堆積したタングス
テンは石英窓22に収束されたレーザ光によりアブレー
ションを起こし除去された。
【0060】このように2台の装置の窓、石英窓2と石
英窓22とを1台のレーザ発振器9から放射されるレー
ザ光10により個別に照射したが、照射を同時に行い、
該窓の表面への物質の付着をアブレーションにより防止
することが可能である。
【0061】第4の実施例をアルミニウム(Al)の光
CVD装置を例として図5により説明する。図5は第4
の実施例の装置の概念図、図6は第4の実施例の装置の
部分概念図である。第1実施例と同一又は類似の点は説
明の詳述を省略する。図5において、容器1の上部には
石英窓2が設けられ、基板5が石英窓2の下方に載置さ
れている。
【0062】レーザ発振器9aはArレーザであり、発
光したレーザ光10aは光学系11aのミラー12によ
り方向を偏向され、レンズ13により収束され石英窓2
を透過して基板5に到達する。光路中にはマスク15が
設けられている。レーザ発振器9bはArFエキシマレ
ーザであり、発光したレーザ光10bは光ファイバ31
に入り、射出窓32より射出して石英窓2に収束する。
光ファイバ31はマジックハンド33により揺動し、射
出窓32は石英窓2の全面を走査するようになってい
る。
【0063】次にこの装置を用いて、レーザ発振器9a
を点灯し、ジメチルアルミニウムハイドライド(Al
(CH3 2 H)を光分解してアルミニウムを基板5上
に描画するとき、ジメチルアルミニウムハイドライドが
分解され、アルミニウムが一部石英窓2の内側面2aに
析出し、2時間の装置の運転の後窓の曇りが顕著となっ
た。そこで、レーザ発振器9bを点灯し、光ファイバ3
1をマジックハンド33により揺動し、石英窓2の全面
を射出窓32で走査したところ5分で曇りが除去され透
過率が回復した。
【0064】次に、レーザ発振器9aとレーザ発振器9
bを点灯して、アルミニウムを基板5上に描画したとこ
ろ5時間の運転後も曇りが認められなかった。
【0065】第5の実施例を電子顕微鏡の観察窓を例と
して図7により説明する。図7は第5の実施例の電子顕
微鏡の概念図である。前述の各実施例と同一又は類似の
点は説明の詳述を省略する。図7において、電子顕微鏡
35の鏡筒36の上部には電子銃37が設けられ、電子
銃37から発生した電子は鏡筒36中に置かれた試料3
9の像を電子レンズ38により、投影室40の蛍光板4
1上に結像する。そして観察窓42を通してこの像を観
察するようになっている。
【0066】レーザ発振器9bはArFエキシマレーザ
であり、発光したレーザ光は光ファイバ31に入り、射
出窓32より射出して観察窓42に収束する。
【0067】試料の観察中に、電子顕微鏡の観察窓に散
乱電子の影響により発生した汚れが次第に堆積し曇りが
発生した。この時、レーザ発振器9bを点灯し、光ファ
イバ31を揺動し、観察窓42を走査したところ3分で
曇りが除去された。
【0068】以上詳しく説明したように、各実施例によ
れば、真空容器内をエッチング剤などで汚染することな
く、かつ真空を破らずに窓を清浄にすることができる。
また真空容器本体に改造を施さずに清浄できるため従来
の真空装置をそのまま用いることができる。これらの結
果、真空蒸着装置や電子ビーム溶解装置などの産業装置
において、装置のメンテナンスの時間を短縮し、不純物
混入による品質の低下を防ぐことができる。またレーザ
装置等は光学系や光ファイバーによりいろいろなところ
へ分割あるいは移動できるため、1台の清浄装置で多く
の真空装置の光透過窓を別々にあるいは同時に清浄でき
る。
【0069】尚本発明によるアブレーションによる汚染
の防止、又は汚染されたときの清浄は、アブレーション
を惹起する遠紫外線等の光が雰囲気により吸収されては
ならないから、主として真空装置の容器に適用される。
しかし真空装置の容器に限られず、光吸収のない雰囲気
の中の窓にも適用可能なことは言うまでもない。
【0070】尚本発明によるアブレーションにはエキシ
マレーザのみならず、YAGレーザ等が使用可能である
ことは言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】本発明の方法により、高パワー密度光の
照射によるアブレーションにより窓の表面は清浄に保た
れ、又窓の表面に物質が付着したときは、物質は表面か
ら除去され表面が清浄になるから、観察用窓においては
観察が可能であり、反応照射用窓においては照射が可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の概念図である。
【図2】第1の実施例の清浄時の部分的概念図である。
【図3】第2の実施例の概念図である。
【図4】第3の実施例の概念図である。
【図5】第4の実施例の概念図である。
【図6】第4の実施例の部分概念図である。
【図7】第5の実施例の部分概念図である。
【符号の説明】
1、21 容器 2、22 石英窓 3 導入口 4、24 排出口 5 基板 6 サセプタ 7 ステージ 8、28 シャッタ 9 レーザ発振器 10 レーザ光 11 光学系 12、30 ミラー 13、31 レンズ 14 ステージ 15 マスク 16 基板 17 基板ホルダー 18 ターゲット 25 融液 26 るつぼ 27 電子ビーム発生器 29 ハーフミラー 31 光ファイバ 32 射出窓 33 マジックハンド 35 電子顕微鏡 42 観察窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器に設けられた光を透過する窓の表面
    に付着した物質に高パワー密度光を照射してアブレーシ
    ョンにより、該物質を除去することを特徴とする容器の
    窓の清浄方法。
  2. 【請求項2】 該窓に高パワー密度光を照射して該窓の
    表面に物質の付着することを防止することを特徴とする
    容器の窓の清浄方法。
  3. 【請求項3】 該高パワー密度光を光ファイバを介して
    照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器
    の窓の清浄方法。
  4. 【請求項4】 該高パワー密度光がレーザを光源とする
    光であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の
    容器の窓の清浄方法。
  5. 【請求項5】 該レーザがエキシマレーザであることを
    特徴とする請求項6に記載の容器の窓の清浄方法。
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