JPH0680708U - スタッカークレーンにおける物品の出し入れ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 揺動フックを備えた移動体とチェイン移送機
構を持つスタッカークレーンにおいて、ハンドリングす
る物品を安定的に出し入れを可能とし、物品の長さに対
して昇降台の全体を最小限に短くする。 【構成】 ラック１，２に沿って走行可能なフレーム３
と、フレームに昇降可能な昇降台４とを備え、パレット
８をラックに対して出し入れ可能としたスタッカークレ
ーンであって、昇降台４にパレット８の出し入れ方向に
水平移動可能な移動体６，７と移動体６，７の先端には
パレット８に対し下方から揺動によって出し入れ両方向
とも係合可能な揺動フックを備えると共に、昇降台４に
はパレットの出し入れ方向に駆動されるチェイン５とチ
ェインにはパレットに係合可能なピッカーを備えると共
に、昇降台４上にパレット８の出し入れの際、パレット
８をその下方より支持可能に設置してなるフリーローラ
からなるパレット受け４ａとを備え、パレット８の出し
入れを可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えば鋼材等を収納する立体自動倉庫のスタッカークレーンに係り、 特にラックに対するパレットの入出庫のための出し入れ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、棒鋼や鋼管等の各種鋼材の収納保管のための立体倉庫が従来から利用さ れている。この立体倉庫はパレットに品物を載せてこれらを一つのユニットとし てハンドリングするものでラックへのパレットの出し入れのためのスタッカーク レーンを備えたものがその一般的なものである。

【０００３】 この様なスタッカークレーンを備えた立体倉庫の例としては、例えば実開平３ −１１０００３号公報に記載されたものがある。この立体倉庫における物品の出 し入れ方法は昇降台上に荷台となる駆動コンベアとこの駆動コンベアの搬送方向 に沿って水平移動自在に設けられた移動体とこの移動体に揺動自在に設けられた 揺動フックとにより構成される装置による方法が知られている。本方式は移動体 に取り付けられた揺動フックにてラック内に物品の引き掛け昇降台上に引き込ん だ後、昇降台上に設定され移動体と同期して駆動されるコンベアにより受け渡し することにより、ラックから物品を搬出するものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記、従来の物品移載装置には以下の如き課題があった。まず、移動体と駆動 コンベアとの同期に誤差が発生すると相互の装置間に無理な力が作用し、装置の 故障の原因となること。次に、物品は自重により駆動コンベア上面との間に生じ る摩擦力により移動されるため、移動体により充分昇降台上に駆動コンベアと同 期させて引き込んでおかなければ、駆動コンベアのみでの引き込みはできない。 ところが、移動体のストロークが長くなると、昇降台の全長は移動体及び、移動 体への揺動フック駆動源の供給装置長さと物品の長さとを加えた長さを必要とし 、立体倉庫の必要敷地スペースが広くならざるをえないという課題があった。

【０００５】 本考案において解決すべき課題は、物品の出し入れ機構をもつスタッカークレ ーンにおいて、ハンドリングする物品を安定的に出し入れ可能とし、物品の長さ に対して昇降台の全長を最小限に短くすることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案はラックに沿って走行可能なフレームと、該フレームに昇降可能な昇降 台とを備え、パレットを前記ラックに対して出し入れ可能としたスタッカークレ ーンであって、前記昇降台にパレットの出し入れ方向に水平移動可能な移動体と 該移動体の先端には前記パレットに対し下方から揺動によって出し入れ両方向と も係合可能な揺動フックを備えると共に、昇降台にはパレットの出し入れ方向に 駆動されるチェインと該チェインには前記パレットに係合可能なピッカーを備え ると共に、昇降台上にパレットの出し入れの際、パレットをその下方より支持可 能に複数設置してなるパレット受けとを備えることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

ラック内に格納されたパレットに対し、昇降台に備えた移動体に取り付けられ 、揺動自在な揺動フックが少し低いレベルとなるまで昇降台を移動させる。この 後、移動体を水平にパレット下方に移動させて揺動フックを揺動させることによ りパレットとの係合が可能となる。次に、移動体を昇降台内に移動させることに よりパレットを所定ストロークさせた後、揺動フックを待機状態に動作する。パ レットが本状態において昇降台上の駆動チエーンをパレットの引き込み方向に駆 動することによりチェインに取り付けられたピッカーとパレットが係合し引き続 きパレットは昇降台上に引き出される。この際、パレットは昇降台上のフリーロ ーラーに出し入れ方向自在に支持される。また、昇降台からラック内へ移載する ときは逆の動作によって同様に可能となる。

【０００８】

【実施例】 以下に本考案を図面に示す実施例に基づいて説明する。図１は本考案における 立体倉庫の正面図。図２は左側のラックとスタッカークレーンの配置を示す平面 図。図３は図１のＡ−Ａ線矢視図である。

【０００９】 図において左右に間隔を開けて配置した高層のラック１、２の間にスタッカー クレーンのフレーム３が配置されている。ラック１、２はそれぞれ奥行きを長く しておいてその方向にパレット８を多数配列して収納可能な空間を持ち、パレッ ト８を受けるためのハンガー１ａ，２ａを一定のピッチで設けている。また、フ レーム３にはレール３ａ上を転動する電動機駆動による車輪３ｂを設け、これら ラック１、２の奥行き方向（図面と直交する方向）に移動可能とする。

【００１０】 フレーム３には上下に移動可能な昇降台４を設ける。この昇降台４はフレーム ３に対してガイド機構によって水平姿勢に維持されながら移動可能とし、電動機 （図示せず）等の駆動系によって動作可能としたものである。この昇降台４の上 面にはパレット８を載せてこれを支持するためのパレット受け４ａ（本実施例で はフリーローラーにより説明）を図２に示す様に一定の間隔で両側部に２列配置 する。

【００１１】 昇降台４の内部にはチェイン５を図２に示す様に両端部巡らせる。これらチェ イン５はそれぞれスプロケット５ａを巻き回されこのスプロケットを電動機５ｂ に連接することによってチェイン５は走行可能である。そしは、これらのチェイ ン５にはピッカー５ｃが複数個取り付けられる。

【００１２】 昇降台４の両端部には昇降台４に対し、パレット８の出し入れ方向で昇降台の 外側に水平方向にスライド可能に支持された移動体６をスライド用電動シリンダ ー６ａなどの往復駆動装置により移動可能に配置する。該スライド用電動シリン ダー６ａは図２に示すように昇降台４の両端の移動体６、７を各々駆動する他、 図７に示す様に共用のスライド用電動シリンダーによることも可能である。

【００１３】 移動体６にはパレット８と係合し揺動可能な揺動フック６ｂを移動本体に軸着 し、該揺動フック６ｂはフック開閉用電動シリンダー６ｃ等の往復駆動装置によ り揺動可能とする。該揺動フック６ｂは図６に示すとおり、パレット８の引き出 し方向と直角に揺動可能に軸着し、旋回式駆動装置６ｃにより揺動フック６ｂを 開閉することも可能である。

【００１４】 ラック１，２の中に収納保管される物品を載せるパレット８は図１〜図３に示 す様に、ハンガー１ａ、２ａの上に載ってスライドする長尺材８ａと移動方向の 両端部に位置するフック材８ｂ、８ｃを備え、これらの他に、水平材や垂直材を 適切に組み合わされたものである。そして、パレット８を出し入れするときには 揺動フック６ｂとピッカー５ｃをパレット８のフック材８ｂ、８ｃと係合するこ とにより行われる。

【００１５】 以上の構成において、図１に示す様にラック１からパレット８を引き出す作業 は次の要領によって行われる。 まず、移動体６の揺動フック６ｂを待機状態に設定しておき、対象となるパレ ット８の位置までスタッカークレーンの走行と昇降により移動する。この際、揺 動フック６ｂがパレット８のフック材８ｂのレベルより少し低いレベルとなるよ う昇降台４を移動させる。又この位置はラック１のハンガー上面レベルと昇降台 ４のフリーローラー４ａの上面レベルが合致したレベルでもある。次いで、移動 体６を駆動装置によりパレット８下方に水平移動させ、揺動フック６ｂがフック 材８ｂと係合可能な位置まで移動させる。フック開閉電動シリンダー６ｃにて揺 動フック６ｂを係合可能な角度まで回動させる。そして、移動体６を昇降台内へ 移動させることによりパレット８は昇降台内へ所定ストローク引き込まれる。こ の状態から、揺動フック６ｂを待機状態に戻す事により、移動体６とパレット８ との縁を一旦切る。

【００１６】 次ぎに、電動機５ｂによってチェイン５を走行駆動するとチェイン５に取り付 けられたピッカー５ｃがやがてフック材８ｂと係合し、パレット８を昇降台４上 に移動する。パレット８は昇降台４上ではフリーローラー４ａに自重を支持され 、ピッカー５ｃにより引き込まれる事になる。尚、昇降台内に引き込まれたパレ ット８は逸走防止と位置決めの為を目的に上下動が可能なストッパー装置９によ り所定の位置に停止される。該ストッパーは本実施例で述べた上下方向に移動し 、フック材８ｂに当て止めする方法の他、長尺材８ａをその下方もしくは両側面 からブレーキシュー（図示せず）にて押しつけ停止させることも可能である。ま た、フリーローラー４ａのかわりにスライドブシュを使用してもよい。

【００１７】 昇降台４上にあるパレット８をラック１内に収納する場合は、初めにチェイン ５に取り付けられたピッカー５ｃにより所定位置までパレット８をラック１内に 押し込んだ後、移動体６に取り付けられた揺動フック６ｂにより係合し替えるこ とによりラック１内の格納位置まで移動させることができる。動作はラック１内 からの引き出しとは逆の動作を行うことによるため詳細な説明は省略する。

【００１８】

【考案の効果】

本考案では昇降台内ではパレットをピッカーにより係合して引き込むため、移 動体の揺動フックにより昇降台内に引き込むストロークはピッカーの移動ストロ ーク限まででよく、移動体のストロークは短くてすむため、移動体への駆動源供 給装置の寸法が限界となり昇降台全長が決まることはない。よって昇降台の全長 はパレットの全長に若干の余裕をみこめばよい。また、移動体による引き込みと ピッカーによる引き込みは同時に行う必要はなく、引き込み速度の誤差による装 置間の干渉などはなく、スムーズにパレットを出し入れできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスタッカークレーンの物品の出し入れ
装置の一実施例であってその概要を示す正面図。

【図２】図１における左は位置のラックを含めて示すス
タッカークレーンの概略平面図。

【図３】図１のＡ−Ａ矢視図。

【図４】本考案の昇降台に取り付けられた移動体の正面
図。

【図５】本考案の昇降台に取り付けられたチェイン及び
ピッカー部の正面図。

【図６】本考案の揺動フックの立体図。

【図７】本考案の移動体の正面図。

【図８】従来技術を示す正面図。

【図９】従来技術における昇降台の正面図。

【符号の説明】

１，２ ラック １ａ，２ａ ハンガー ３ フレーム ３ａ レール ３ｂ 車輪 ４ 昇降台 ４ａ パレット受け（フリーローラー） ５ チェイン ５ａ スプロケット ５ｂ 電動機 ５ｃ ピッカー ６，７ 移動体 ６ａ スライド用電動シリンダー ６ｂ 揺動フック ６ｃ フック開閉用電動シリンダー ８ パレット ８ａ 長尺材 ８ｂ，８ｃ フック材 ９ ストッパー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ラックに沿って走行可能なフレームと、該
   フレームに昇降可能な昇降台とを備え、パレットを前記
   ラックに対して出し入れ可能としたスタッカークレーン
   であって、前記昇降台にパレットの出し入れ方向に水平
   移動可能な移動体と該移動体の先端には前記パレットに
   対し下方から揺動によって出し入れ両方向とも係合可能
   な揺動フックを備えると共に、昇降台にはパレットの出
   し入れ方向に駆動されるチェインと該チェインには前記
   パレットに係合可能なピッカーを備えると共に、昇降台
   上にパレットの出し入れの際、パレットをその下方より
   支持可能に複数設置してなるパレット受けとを備えるこ
   とにより構成されるスタッカークレーンにおける物品の
   出し入れ装置。