JPH0680163A - 機能性容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】補助包材を用いずに有害物質の排除ができる機
能性容器を提供する。 【構成】蓋体２により密封可能な容器本体１の外層１ａ
の内面に、内容物４に対して有害な物質を吸着可能な機
能層１ｂを設け、容器外からの有害物質の侵入は外層１
ａでブロックし、容器内の有害物質は、機能層１ｂによ
り吸着処理できるようにした。また、前記容器本体１
に、取り外し可能な密封仮蓋３を製造時に一体成形し、
内容物を充填するまでの間、容器内をクリーンに維持で
きるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は機能性容器、特に、医
薬品、食品、ハイテク製品など劣化を嫌う内容物の保管
に好適な機能性容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、医薬品や食品など変性を嫌う物
質を収納する場合、水分、酸素、雑菌などによって内容
物の劣化ないし変質を防止する手段が必要となる。この
場合、従来は、乾燥剤、脱酸素剤、抗菌剤などの処理剤
を封入した補助包材を、容器本体内に投入することによ
り対処していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
補助包材を使用する方法は、 補助包材を内容物と間違えて使用される恐れがある。 補助包材の一部が破損し、処理剤が容器本体内に散逸
する恐れがある。 補助包材を投入する作業工程が必要である。 補助包材自体の衛生管理が必要である。 といった欠点を有していた。

【０００４】また、補助包材を中栓の内部に収納するこ
とも考えられるが、この場合も、包材の破損による処理
剤の散逸、包材の収納や衛生管理作業などの問題点は、
残ることとなる。この発明は上記の点に鑑み、補助包材
を使用することなく内容物に対する有害物質を排除し、
内容物の劣化防止ができる機能性容器を提供することを
目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の機能性容器は、蓋体により密封可能な容
器本体の外層の内面に、内容物に対して有害な物質の処
理性を有する機能層を設け、容器の内層自体が内容物の
劣化ないし変質を防止する機能を有するようにしたもの
である。

【０００６】また、前記容器本体に、取り外し可能な密
封仮蓋を製造時に一体成形し、製造段階での無菌状態
を、内容物充填段階まで維持できるようにしたものであ
る。また、前記機能層は、前記内容物に対して有害な物
質を透過可能な保護層を備えたものとし、機能層と内容
物との直接接触による劣化ないし変質を防止できるよう
に構成したものである。

【０００７】

【実施例】以下、この発明を添付の図面に示す一実施例
に基づいて説明する。図１は本願機能性容器の第１実施
例における容器本体と蓋体の断面図、図２は同じく第２
実施例の容器本体の断面図である。図において、１は本
願機能性容器の本体で、該本体１は、その上部にネジ部
Ｎを備えてなり、蓋体２によって密封可能に構成されて
いる。また、該本体１は、外側から、外層１ａ、機能層
１ｂ、保護層１ｃなる順序で３層構造に構成されてい
る。

【０００８】ここで、外層１ａは、容器としての強度
（保形性など）を有することはもちろん、内容物に対し
て有害な物質を遮蔽できるように構成されている。即
ち、外層１ａは、容器本体１の内容物が、例えば、吸湿
により劣化ないし変質する物質（薬剤や食品など）の場
合は水分を、内容物が酸化により劣化ないし変質する物
質の場合は酸素を、それぞれ遮蔽可能なプラスチックに
よって構成されている。外層１ａの材料としては、ＰＣ
（ポリカーボネイト）、ＰＥ（ポリエチレン）、ＰＥＴ
（ポリエチレン・テレフタレート）、ＰＶＤＣ（ポリ塩
化ビニリデン）、ＥＶＯＨ（エチレン・ビニル・アルコ
ール共重合体）などの材質を用いて成形している。

【０００９】前記機能層１ｂは、内容物にとって有害な
物質を処理（例えば、吸着）できる材質で構成されてい
る。該機能層１ｂは、排除したい有害物質の種類に応じ
て適宜の吸着剤をプラスチックに混練したものからなっ
ている。即ち、例えば、吸湿剤（シリカゲル、ゼオライ
ト、活性アルミナなど）や、脱酸素剤（鉄粉または鉄系
化合物、二チオ硫酸ナトリウム、Ｌ−アスコロビン酸、
糖、フェノール、カテコールなど）、あるいは抗菌剤な
どをプラスチックに混練したものである。また、これら
の吸着剤に、活性炭などを混合する場合もある。

【００１０】前記保護層１ｃは、機能層に混練した処理
剤が内容物に直接触れて、影響をおよぼさぬようにする
とともに、容器本体１内に侵入した有害物質を、前記機
能層１ｂ側へ移動させるためのもので、これら有害物質
を透過しやすいように構成されている。即ち、機能層１
ｂが吸湿性である場合、ＰＥ（ポリエチレン），ＮＹ
（ポリアミド（ナイロン６）），ＥＭＡ（エチレン・メ
チル・アクリレート）など、水分透過性に優れたプラス
チックからなっている。

【００１１】ここで、前記外層１ａ、機能層１ｂ、保護
層１ｃは、ブロー成形法によって３層同時に一体成形
（３色成形）するのが望ましい。これは、製造工程を簡
素化すると同時に、各層間の接合を完全にするためであ
る。３は仮蓋で、該仮蓋３は、前記外層１ａの製造時に
一体成形することにより、前記本体１の上部開口Ｋを密
封できるようになっている。これは、本体１の成形時の
高温状態を利用して、内部の滅菌処理を行うとともに、
内容物４を充填するまでの間、内容物に対して有害な物
質が本体１内に侵入しないように維持するためである。

【００１２】該仮蓋３の形状は、図１のような鍋蓋状に
構成してもよいし、図２のようなキャップ状であっても
よい。但し、いずれの場合も、該仮蓋３は、本体１に内
容物４を充填する際、容易に取り外しできるように構成
されている。尚、前記蓋体２は、本体１とは別工程で製
造され、その内面のネジ部Ｎ′が前記本体１のネジ部Ｎ
と螺合できるようになっている。

【００１３】該内容物４は、医薬品や食品などの粉末、
錠剤、あるいはフレーク状体などである。また、半導体
製品に関わる材料や部品などの場合もある。これらの内
容物４は、水分、酸素、雑菌などの有害物質を嫌うもの
がほとんどであるが、有害物質の種類に応じて、前記外
層１ａ、機能層１ｂ、保護層１ｃの構成を、適宜選択す
ることにより、劣化を防止することができる。

【００１４】上記実施例において、まず、容器本体１の
外層１ａ、機能層１ｂ、保護層１ｃをブロー成形法によ
って、３層同時に一体成形する。この時、仮蓋３も同時
に成形され、上部開口Ｋが密封される。従って、容器本
体１は、成形時の高温でクリーンな環境を内部に保持し
た状態となる。しかも３層一体成形により、各層の密着
性や強度は、均質で耐久性に優れたものとなる。

【００１５】次に、仮蓋３を取り外して内容物４を充填
し、蓋体２で開口Ｋを封止する。この時、内容物４に付
着していたか、または封入時に侵入した有害物質（水
分、酸素、雑菌など）は、保護層１ｃを透過し、機能層
１ｂ内の処理剤に吸着、ないしは化学処理されて、容器
本体１内より排除される。

【００１６】

【発明の効果】上記のようにこの発明の機能性容器は、
蓋体により密封可能な容器本体の外層の内面に、内容物
に対して有害な物質の処理性を有する機能層を設けたこ
とを特徴としているので、容器外からの有害物質の侵入
を外層でブロックし、しかも容器本体内の有害物質は、
機能層により捕獲・処理することができる。

【００１７】また、前記容器本体に、取り外し可能な密
封仮蓋を製造時に一体成形することにより、成形時の熱
を利用して滅菌処理を行うだけでなく、内容物充填まで
の間、容器本体内をクリーンな環境に維持することがで
きる。また、前記機能層は、前記内容物に対して有害な
物質を透過可能な保護層を備えたものとし、有害物質の
吸着性に影響を与えることなく、機能層と内容物との直
接接触による劣化ないし変質を防止することができる。

【００１８】この結果、補助包材を使わずに、処置の有
害物質を有効に排除でき、しかも簡潔な構成の機能性容
器を実現できるという優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】鍋蓋状の仮蓋を有する第１実施例における容器
本体と蓋体の断面図である。

【図２】キャップ状の仮蓋を有する第２実施例の本体断
面図である。

【符号の説明】

１ 容器本体 １ａ 外層 １ｂ 機能層 １ｃ 保護層 ２ 蓋体 ３ 仮蓋 ４ 内容物 Ｎ、Ｎ′ ネジ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓋体により密封可能な容器本体の外層の
   内面に、内容物に対して有害な物質の処理性を有する機
   能層を設けたことを特徴とする機能性容器。
2. 【請求項２】 前記容器本体は、取り外し可能な密封仮
   蓋を製造時に一体成形してなるものである請求項１に記
   載の機能性容器。
3. 【請求項３】 前記機能層は、前記内容物に対して有害
   な物質を透過可能な保護層を備えたものである請求項１
   または２に記載の機能性容器。