JPH0679699B2 - 鋼材の塗装方法 - Google Patents

鋼材の塗装方法

Info

Publication number
JPH0679699B2
JPH0679699B2 JP60084558A JP8455885A JPH0679699B2 JP H0679699 B2 JPH0679699 B2 JP H0679699B2 JP 60084558 A JP60084558 A JP 60084558A JP 8455885 A JP8455885 A JP 8455885A JP H0679699 B2 JPH0679699 B2 JP H0679699B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
weight
coating film
resin
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60084558A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61242668A (ja
Inventor
忠義 平木
治 岩瀬
元博 大住
新治 杉浦
一郎 田淵
政文 久米
孝 宇田川
駒治 松井
泰弘 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP60084558A priority Critical patent/JPH0679699B2/ja
Publication of JPS61242668A publication Critical patent/JPS61242668A/ja
Publication of JPH0679699B2 publication Critical patent/JPH0679699B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼材、特に自動車車体に耐チツピング性、防
食性および物理的性能などのすぐれた塗膜を形成するた
めの塗装方法に関する。
自動車産業分野では塗膜の耐久性の問題、特に衝撃剥離
による塗膜の耐食性低下ならびに鋼材の腐食の進行の問
題が重視されつつある。特に、欧米の寒冷地域等では冬
季自動車道路の路面凍結を防止するために比較的粗粒に
粉砕した岩塩を多量に混入した砂利を敷くことが多く、
この種の道路を走行する自動車はその外面部において車
輪で跳ね上げられた岩塩粒子や小石が塗膜面に衝突し、
その衝撃により塗膜が局部的に車体上から全部剥離する
衝撃剥離現象、いわゆる“チツピング”を起すことが屡
々ある。この現象により、車体外面の被衝撃部の金属面
が露出し、すみやかに発錆すると共に腐蝕が進行する。
通常、チツピングによる塗膜の剥離は車体底部および足
まわり部に多いが、フードおよびルーフにまで発生し約
半年〜1年で局部的腐蝕がかなり顕著になることが知ら
れている。
このチツピングならびにこれに基因する腐食の進行を防
止するため、従来から車体の外部金属基体表面の化成処
理、ならびに電着塗料、中塗塗料および上塗塗料につい
て各種の検討が加えられた。例えば、化成処理におい
て、結晶形の異なる燐酸鉄系皮膜および燐酸亜鉛系皮膜
の使用が検討されたが、かかる化成処理によつては被衝
撃部における塗膜の付着性を充分に改善することは困難
である。また、電着塗料および上塗塗料についても該塗
料に含有されている樹脂および/または顔料について種
々検討されてきたが、チツピングに耐え得る充分な付着
性改善効果を有するものは今まで見い出すに至つていな
い。
また、中塗塗料組成物中に無機箔状顔料である絹雲母ま
たはタルク粉を含有せしめることも提案されており、こ
れは該無機箔状顔料による中塗塗膜層内のズリによる衝
撃力の緩和および/または分散を達成し、或いは中塗塗
膜層内または電着塗料塗面と中塗塗膜との境界面でのみ
局部的に剥離を起させるようにし、かくして電着塗料塗
膜の損傷を防止し、この無キズの電着塗料塗膜が防錆機
能を確実に維持することをねらつたものであるが、車体
の外面に加わる衝撃力は一定でなく、かなり大きい場合
もあつて、これらの方法では中塗塗膜層内のズリによる
緩和・分散能力以上の衝撃力が加えられた場合には、そ
の衝撃力を中塗塗膜層のところで阻止しきれず被衝撃部
が電着塗膜を含むすべての塗膜に及び塗膜全体が金属基
体面より剥離し、その結果その部位はすみやかに発錆し
腐食が進行するという欠点がある。
そこで、本発明者らは、上述の問題点を改善すべく、通
常の電着塗料、中塗塗料および上塗塗料からなる鋼板の
塗装系によつて得られるものと仕上り外観が少なくとも
同等で、しかも耐チツピング性、物理的性質及び防食性
に優れた塗膜を形成するための塗装方法を提供すること
を目的として鋭意検討を重ねた結果本発明を完成するに
至つた。
すなわち、本発明によれば、鋼材に電着塗料を塗装し、
次いで該塗面に形成塗膜の静的ガラス転移温度が0〜−
75℃である水性バリアーコートを塗装した後、中塗り塗
料および上塗り塗料を順次塗装することを特徴とする鋼
材の塗装方法が提供される。
「バリアーコート」なる用語は慣用されてはいないが、
本発明では、上記特性値を持ち、かつ本発明の目的を達
成せしめる塗膜を形成することが可能な水平塗料を「水
性バリアーコート」と称する。
本発明の特徴は、鋼材に電着塗料、中塗塗料および上塗
塗料を順次塗装する工程において、電着塗料を塗装後、
中塗塗料を塗装するに先立つて、特定の物理的性状を有
する水性バリアーコートを電着塗面にあらかじめ塗装す
るところにある。その結果、耐チツピング性、防食性、
物理的性能などが著しくすぐれた塗膜を形成することが
できることが判明した。
すなわち、静的ガラス転移温度を0〜−75℃に調整した
水性バリアーコート塗膜(さらに好ましくは、後記のご
とく、−20℃における該塗膜の引張り破断強度伸び率を
引つぱり速度20mm/分で200〜1000%に調整しておく)は
前記耐チツピング性向上を目的とした中塗り塗膜などに
比べて柔軟であり、かかる物理的性質を有せしめたバリ
アーコート塗膜を介して形成した中塗り塗膜−上塗り塗
膜系表面に岩塩や小石などの衝突による強い衝撃力が加
えられても、その衝撃エネルギーの殆どまたは全てが該
バリアーコート塗膜内に吸収されてその下層の電着塗膜
にまで波及せず、しかも、上塗りならびに中塗りの両塗
膜も物理的損傷を受けることが殆どないことが見い出さ
れた。つまり、上記バリアーコート塗膜層が外部からの
衝撃力の緩衝作用を呈して耐チツピング性が著しく改良
され、チツピングによる鋼材の発錆、腐食の発生を防止
することができ、しかも岩塩、小石などの衝突による上
塗り塗膜の劣化も解消できたのである。
以下、本発明の塗装方法についてさらに具体的に説明す
る。
鋼材: 本発明の方法によつて塗装される鋼材は、導電性被塗物
であつて、電着塗装することが可能な金属表面を有する
素材であれば、その種類は何ら制限を受けない。例え
ば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛ならびにこれら
の金属を含む合金、およびこれらの金属、合金のメツキ
もしくは蒸着製品などの素材があげられ、具体的にはこ
れらの素材を用いてなる乗用車、トラツク、サフアリー
カー、オートバイなどの車体、部品および電気製品、建
材などがある。該鋼材は電着塗料を塗装するに先立つ
て、あらかじめリン酸塩もしくはクロム酸塩などで化成
処理しておくことが好ましい。
電着塗料: 上記鋼材に塗装するための電着塗料は、それ自体既知の
カチオン型及びアニオン型のいずれでも使用できる。
まず、カチオン型電着塗料には、塩基性アミノ基をもつ
樹脂ペーストにし、酸で中和、水溶化(水分散化)して
なる陰極析出型の熱硬化性電着塗料が包含され、これは
上記鋼材(被塗物)を陰極にして塗装される。塩基性ア
ミノ基をもつ樹脂は、例えばビスフエノール型エポキ
シ樹脂、エポキシ基(またはグリシジル基)含有アクリ
ル樹脂、アルキレングリコールのグリシジルエーテル、
エポキシ化ポリブタジエンならびにノボラツクフエノー
ル樹脂のエポキシ化物などのエポキシ基含有樹脂のエポ
キシ基(オキシラン環)へのアミン付加;塩基性アミ
ノ基をもつ不飽和化合物(例えば、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、N−ビニルピラゾール、N−ジエチル
アミノエチルアクリレートなど)を単量体として用いる
重合;第3級アミノ基含有グリコール(例えば、N−
メチルジエタノールアミン)をグリコールの一成分とす
るグリコール成分とポリイソシアネート化合物との反
応;酸無水物とジアミンとの反応によるイミノアミン
の生成による樹脂へのアミノ基の導入;などによつて得
られ、上記の反応に使用しうるアミンとしては、塩基
性アミンであつて、脂肪族、脂環族もしくは芳香−脂環
族の第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン塩及び
第4級アンモニウム塩があげられ、また第2級スルフイ
ド塩、第3級ホスフイン塩も使用できる。
そして、上記塩基性アミノ基を有する樹脂を中和し、水
溶化(水分散)するための中和剤としては、例えば、酢
酸、ヒドロキシル酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グ
リシンなどの有機酸;硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸が
使用できる。中和剤の配合量は、上記樹脂の塩基価(約
20〜200)に対し中和当量約0.1〜0.4の範囲が適当であ
る。
また、カチオン電着塗料の架橋剤としては、ブロツク化
したポリイソシアネート化合物を用いるのが一般的で、
塗膜を加熱(約140℃以上)するとブロツク剤が解離し
て、イソシアネート基が再生し、上記の如きカチオン性
樹脂中の水酸基などと架橋反応し硬化する。さらに、カ
チオン型電着塗料には、顔料(着色顔料、体質顔料、防
錆顔料など。顔料の配合量は樹脂固形分100重量部あた
り40重量部未満とすることができる)、親水性溶剤、
水、添加剤などを必要に応じて配合し、固形分濃度を約
5〜40重量%となるように脱イオン水などで希釈し、pH
を5.5〜8.0の範囲内に調整する。このようにして調製さ
れたカチオン型電着塗料を用いてのカチオン電着塗料
は、通常、浴温15〜35℃、負荷電圧100〜400Vの条件で
被塗物を陰極として行なうことができる。電着塗装膜厚
は特に制限されないが、硬化塗膜にもとずいて10〜40μ
の範囲が好ましい。塗膜の焼付硬化温度は一般に100〜2
00℃の範囲が適している。
他方、アニオン型電着塗料は、主としてカルボキシル基
を持つ樹脂をベースとし、塩基性化合物で中和、水溶化
(水分散化)してなる陽極析出型の電着塗料であつて、
上記鋼材(被塗物)を陽極として塗装される。
カルボキシル基を持つ樹脂は、乾性油(あまに油、脱
水ひまし油、桐油など)に無水マレイン酸を付加したマ
レイン化油樹脂;ポリブタジエン(1,2型、1,4型な
ど)に無水マレイン酸を付加したマレイン化ポリブタジ
エン;エポキシ樹脂の不飽和脂肪酸エステルに無水マ
レイン酸を付加した樹脂;高分子量多価アルコール
(分子量約1000以上で、エポキシ樹脂の部分エステルお
よびスチレン/アリルアルコール共重合体なども含まれ
る)に多塩基酸(無水トリメリツト酸、マレイン化脂肪
酸、マレイン化油など)を付加して得られる樹脂;エ
ルボキシル基含有ポリエステル樹脂(脂肪酸変性したも
のも含む);カルボキシル基含有アクリル樹脂;グ
リシジル基もしくは水酸基を含有する重合性不飽和モノ
マーと不飽和脂肪酸との反応生成物を用いて形成された
重合体もしくは共重合体に無水マレイン酸などを付加せ
しめた樹脂;などがあげられ、カルボキシル基の含有量
が酸価に基いて一般に約30〜200の範囲のものが適して
いる。そして、これらカルボキシル基含有樹脂における
カルボキシル基を中和し、上記樹脂を水溶(分散)化す
るための中和剤としては、例えば、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、
などのアルカノールアミン;ジエチルアミン、トリエチ
ルアミンなどのアルキルアミン;水酸化カリウム、水酸
化ナトリウムなどの無機アルカリなどが使用できる。こ
れら中和剤の使用量は、上記樹脂の酸価に対する理論中
和当量の約0.1〜1.0倍当量(好ましくは0.4〜0.8倍当
量)の範囲が適当である。
また、上記樹脂の架橋剤としては、ヘキサキスメトキシ
メチルメラミン、ブトキシ化メチルメラミン、エトキシ
化メチルメラミンなどの低分子量メラミン樹脂を必要に
応じて使用することができる。
さらに、アニオン型電着塗料には顔料(着色顔料、体質
顔料、防錆顔料など。顔料の配合量は樹脂固形分100重
量部あたり40重量部未満とすることができる)、親水性
溶剤、水、添加剤などを必要に応じて配合し、固形分濃
度を約5〜40重量%に脱イオン水などで調整し、pH7〜
9の範囲に保つてアニオン電着塗装に供することができ
る。アニオン電着塗装は常法に従つて行なうことがで
き、例えば、浴温15〜35℃、負荷電圧100〜350Vの条件
で、被塗物を陽極として実施することができる。塗装膜
厚は特に制限されないが、通常、硬化塗膜に基いて10〜
40μの範囲とするのが好ましい。
アニオン電着塗膜は原則として100〜200℃、好ましくは
140〜200℃の範囲に加熱して硬化せしめられるが、空気
乾燥性の不飽和脂肪酸で変性した樹脂を用いた場合には
室温で乾燥させることもできる。
水性バリアーコート: 水平バリアーコートは、上記電着塗面に塗装するための
被覆用組成物であつて、本発明では殊に、形成塗膜の静
的ガラス転移温度が0〜−75℃である水を主たる溶媒も
しくは分散媒とする水平組成物が使用される。
該組成物は、水性ビヒクルおよび水を主成分とし、これ
にさらに必要に応じて粘性付与剤、有機溶剤、着色顔
料、体質顔料、防食顔料などを適宜含有することができ
る。
水性ビヒクルとしては、上記電着塗膜および後記中塗塗
膜との付着性にすぐれ、かつ上記静的ガラス転移温度の
範囲内の静的ガラス転写温度を有する熱可塑性樹脂が好
ましく、具体的には次のものが挙げられる。
変性ポリオレフイン系樹脂: 例えば、プロピレン−エチレン共重合体(モル比で、40
〜80:60〜20が好適)に、塩素化ポリオレフイン(例え
ば塩素化率約1〜60重量%のポリプロピレン)を1〜50
重量部、好ましくは10〜20重量部(いずれも該共重合体
100重量部あたり)を配合してなる混合物;または上記
プロピレン−エチレン共重合体100重量部あたりマレイ
ン酸もしくは無水マレイン酸0.1〜50重量部、好ましく
は0.3〜20重量部をグラフト重合せしめたグラフト重合
体などがあげられる。これらの共重合体、塩素化ポリオ
レフインおよびグラフト重合体の数平均分子量は一般に
約5000〜約30.0000の範囲であることが好ましい。
該変性ポリオレフイン系樹脂の水性化に際し、プロピレ
ン−エチレン共重合体はそれ自体既知のアニオン、カチ
オンもしくは非イオン性のエマルジヨン重合によつて水
性化することができ、また、該グラフト重合体はカルボ
キシル基を中和することによつて水溶化もしくは水分散
化でき、該塩素化ポリオレフインは例えば乳化剤の存在
下で水分散化することができる。
スチレン−ブタジエン共重合体: スチレンの含有率が約1〜80重量%、好ましくは10〜40
重量%の共重合体であつて、スチレン及びブタジエンを
重合調整剤、触媒、石けんならびに水の存在下で共重合
せしひることによつて該共重合体の水分散液が得られ
る。重合温度は100℃以下が好ましい。また、該共重合
体の数平均分子量は約10,000〜約1,000,000の範囲であ
ることが好ましい。
ブタジエン樹脂: 上記においてスチレンを用いないで重合することによ
り得られる水分散組成物である。
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体: アクリロニトリルの含有率が1〜50重量%、好ましくは
10〜40重量%の共重合体であつて、アクリロニトリル及
びブタジエンに、必要に応じてアクリル酸、メタクリル
酸などの官能性モノマーを加え、重合触媒、分子量調整
剤、界面活性剤などの存在下で水中においてエマルジヨ
ン重合することによつて得られる。重合温度は100℃以
下が好ましい。該共重合体の数平均分子量は約10,000〜
約1,000,000の範囲が適している。
ポリブテン: イソブチレンを主体にし、必要に応じてノルマルブチレ
ンを混合し、低温重合することにより得られるポリブテ
ンを乳化剤の存在下で、50〜70℃に加熱し水を加えて均
一に十分攪拌することによつて得られる。該樹脂の数平
均分子量は約1000〜約500000の範囲が好ましい。
アクリル樹脂: アクリル酸エステルおよび(または)メタクリル酸エス
テルを主成分とし、さらに必要に応じてアクリル酸、メ
タクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレートなどの官能性モノマーおよび
(または)その他の重合性不飽和モノマーを混合してな
るビニルモノマー成分を、乳化重合して水分散液とする
か:または溶液重合した後水溶液もしくは水分散液に変
えることによつて得られる。上記アクリル酸エステルと
しては例えば、エチルアクリレート、プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレ
ート、3−ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、2−ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、2−オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、
ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−エチルブチルアクリレートなどが特に好適であ
り、メタクリル酸エステルとしては例えば、ペンチルメ
タクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリ
ルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどが特
に好ましい。ここに例示したこれらのアクリル酸エステ
ルおよびメタクリル酸エステルから誘導される単独重合
体の静的ガラス転移温度はいずれも0℃以下であつて、
これらのモノマーから選ばれる1種もしくは2種以上の
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルは上記
アクリル樹脂を形成するためのモノマーとして好適なも
のである。該アクリル樹脂は数平均分子量が約5000〜1,
000,000の範囲にあることが好適である。
さらに、これら以外に天然ゴムラテツクス、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体エマルジヨン、ポリ
クロロプレンエマルジヨン、ポリ塩化ビニリデンエマル
ジヨンなども水性ビヒクルとして使用することができ
る。
水性バリアーコートによつて形成される塗膜は静的ガラ
ス転移温度(Tg)が0〜−75℃、好ましくは−30〜−60
℃、特に好ましくは−40〜−55℃の範囲であることが重
要で、Tgが0℃より高くなると、最終塗膜の耐チツピン
グ性、耐食性、物理的性能などが改善されず、一方−75
℃よりも低くなると、最終塗膜の耐水性、付着性などが
低下するので好ましくない。
本発明では、これらの水性ビヒクル自体が上記範囲内の
静的ガラス転移温度を有していればそれ自体でバリアー
コートに使用できるが、上記範囲から逸脱している場合
あるいは範囲内であつても静的ガラス転移温度を微調整
したい場合などにおいて、必要に応じて粘性付与剤を配
合することができる。該粘性付与剤としては、上記水性
ビヒクルとの相溶性が良好な樹脂、例えば、ロジン、石
油樹脂(クマロン樹脂)、エステルガム、エポキシ変性
ポリブタジエン、低分子量脂肪族エポキシ樹脂、低分子
量脂肪族ビスフエノールタイプエポキシ樹脂、ポリオキ
シテトラメチレングリコール、酢酸ビニル変性ポリエチ
レンなどの乳化分散液があげられ、これらの配合量は上
記水性ビヒクル(固形分)100重量部あたり1〜50重量
部(固形分として)の範囲が好ましい。また、水性バリ
アーコートの塗装仕上り性向上のために、水性バリアー
コートには上記水性ビヒクルとの親和性もしくは溶解性
のすぐれた有機溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカンなどの脂肪族系炭化水素;トリクロルエ
チレン、パークロルエチレン、ジクロルエチレン、ジク
ロルエタン、ジクロルベンゼンなどの塩素化炭化水素;
メチルエチルケトン、ジアセトアルコールなどのケトン
系溶剤;エタノール、プロパノール、ブタノールなどの
アルコール系溶剤;メチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶剤など
を添加することも可能である。
さらに、該バリアーコートには体質顔料、着色顔料、防
食顔料などを配合してもさしつかえない。これらの顔料
の配合量は水性ビヒクル(固形分)100重量部あたり1
〜150重量部の範囲が好ましい。
特に、水性バリアーコートに防食顔料を配合しておくこ
とによつて、電着塗膜に含有させた場合と比べて防食性
を著しく向上させることが可能となることが判明したの
である。
水性バリアーコートに配合することが可能な防食顔料
は、金属の腐食を抑制もしくは防止する機能を持つ顔料
であり、単に色彩を付与するための着色顔料ならびに塗
膜の物理的性質を調整するための体質顔料とは明確に区
別され、例えば鉛系顔料、クロメート系顔料、金属粉顔
料などをあげることができ、このうち、本発明の方法で
バリアーコートに配合しうる防食顔料は特に制限されな
いが、水と接触すると防食機能を有する成分が溶出する
組成の顔料が適しており、特に、その水抽出液の電気伝
導度が100μ/cm以上、とりわけ300μ/cm以上となる
防食顔料を使用することが好ましい。
なお、防食顔料の水抽出液の「電気伝導度」の測定は、
電気伝導度が1μ/cm以下の脱イオン水80重量部と防
食顔料20重量部とを混合し、30℃で5日間放置(この
間、10分/日の割合で混合物をカクハンする)後、上澄
液(水抽出液)を取り出し、その電気伝導度を測定する
ことにより行なう。
水抽出液が上記伝導度を有する防食顔料としては、例え
ばジンククロメート(1570μ/cm)、ストロンチウム
クロメート(973μ/cm)、クロム酸バリウム(736μ
/cm)、クロム酸カルシウム(8000μ/cm)、塩基性
クロム酸鉛(111μ/cm)、塩基性硫酸鉛(118μ/c
m)、リン酸カルシウム(332μ/cm)、モリブデン酸
亜鉛(333μ/cm)、モリブデン酸カルシウム(256μ
/cm)、リンモリブデン酸アルミニウム(182μ/c
m)、メタホウ酸バリウム(1540μ/cm)、メタバナジ
ン酸アンモニウム(7450μ/cm)などがあげられ(カ
ツコ内は水抽出液の電気伝導度である)、これらはそれ
ぞれ単独でもしくは2種以上組合わせて使用できる。こ
のうち、特に好ましくはジンククロメート、ストロンチ
ウムクロメート、クロム酸バリウムおよびクロム酸カル
シウムから選ばれる防食顔料を用いることである。これ
らの防食顔料の配合量は(水性ビヒクル(固形分)一般
に100重量部あたり1〜150重量部、好ましくは2〜50重
量部の範囲である。そして、水性バリアーコートに配合
する防食顔料による防食機能を十分に発揮させるため
に、上記電着塗膜の吸水率は0.3〜20重量%、特に0.5〜
5重量%の範囲に調整しておくことが好ましい。
ここで、電着塗膜の「吸水率」は、電着塗料を硬化膜厚
が20μ(塗布面積5×5cm)になるように塗布し、その
成分に応じた条件で焼付けた後、該塗膜を単離して50℃
の温水に48時間浸漬し、引き上げ直後の塗膜とそれを10
5℃で1時間乾燥した後の塗膜の重量をそれぞれ測定
し、これらの結果を次式に算入して求めた値である。
電着塗膜の吸水率をこのように調整することによつて、
該塗膜面上に塗り重ねた防食顔料を含む水性バリアーコ
ート塗膜から水抽出された該防食顔料の水抽出成分が該
電着塗膜内を容易に浸透して鋼材面における陽極(もし
くは陰極)抑制効果を顕著にし、鋼材を保護するものと
推察される。吸水率の調整は、塗膜の架橋密度、親水基
の導入、体質顔料の配合量などによつて容易に行なわれ
る。
したがつて、この吸水率を調整する方法によれば電着塗
料に防食顔料を配合する必要は特にないので、該塗料の
貯蔵安定性、塗膜の平滑性などを向上させることもでき
る。
本発明において、該バリアーコートの形成塗膜に関し、
静的ガラス転移温度が前記範囲内に含まれていることは
必須であるが、さらに、該塗膜自体の引張り破断強度伸
び率を、−20℃の雰囲気において引張速度20mm/分で、2
00〜1000%、特に300〜700%の範囲に調整しておくと、
最終塗膜の耐チツピング性、防食性などを一層向上させ
ることができる。
なお、本発明で用いる水性バリアーコートの形成塗膜の
「静的ガラス転移温度」は示差走査型熱量計(第二精工
舎製DSC-10型)で測定した値であり、「引張破断強度伸
び率」は、恒温槽付万能引張試験機(島津製作所オート
グラフS-D型)を用い、試料の長さは20mm、引張速度は2
0mm/分で測定した値である。これらの測定に使用する試
料は、該バリアーコートを形成塗膜にもとずいて25μに
なるようにブリキ板に塗装し、120℃で20分焼付けたの
ち、水銀アマルガム法により単離したものである。
本発明において、水性バリアーコートは、前記電着塗膜
を加熱硬化した後もしくは未硬化の状態のいずれかで塗
装することができる。この塗装方法は特に限定されず、
例えば、スプレー塗装、ハケ塗り、浸漬塗装、静電塗装
などを用いることができ、また塗装膜厚は形成塗膜にも
とずいて1〜20μ、特に5〜10μとするのが好ましい。
バリアーコート塗膜面に中塗り塗料を塗装するにあた
り、該バリアーコートはあらかじめ焼付けておくことが
好ましいが、焼付けることなくウエツトオンウエツトで
中塗り塗料を塗装してもさしつかえない。焼付温度は一
般に80〜200℃の範囲が適している。
中塗り塗料: 上記バリアーコート塗面に塗装される中塗り塗料として
は、付着性、平滑性、鮮映性、耐オーバーベイク性、耐
候性などにすぐれたそれ自体既知の中塗り塗料が使用で
きる。具体的には、油長30%以下の短油もしくは超短油
アルキド樹脂またはオイルフリーポリエステル樹脂とア
ミノ樹脂とをビヒクル主成分とする有機溶液形熱硬化性
中塗り塗料があげられる。これらのアルキド樹脂および
ポリエステル樹脂は、水酸基価60〜140および酸価5〜2
0で、しかも変性油として不飽和油(もしくは不飽和脂
肪酸)を用いたものが好ましく、また、アミノ樹脂は、
アルキル(好ましくは炭素数1〜5個のもの)エーテル
化したメラミン樹脂、尿素樹脂ベンゾグアナミン樹脂な
どが適している。これら両樹脂の配合比は固形分重量に
基いてアルキド樹脂および(または)オイルフリーポリ
エステル樹脂65〜85%、特に70〜80%、アミノ樹脂35〜
15%、特に30〜20%であることが好ましい。さらに、上
記アミノ樹脂の少なくとも一部をポリイソシアネート化
合物やブロツク化ポリイソシアネート化合物に代えるこ
とができる。
また、該中塗り塗料の形態は、有機溶液型が最も好まし
いが、上記ビヒクル成分を用いた非水分散液型、ハイソ
リツド型、水溶液型、水分散液型などであつてもさしつ
かえない。本発明では、中塗り塗膜の硬度(鉛筆硬度)
は一般に3B〜2Hの範囲にあることが好ましい。さらに、
該中塗り塗料には、体質顔料、着色顔料、その他の塗料
用添加剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明において、上記バリアーコート塗膜面への中塗り
塗料の塗装は、前記バリアーコートと同様な方法で行な
うことができ、塗装膜厚は硬化後の塗膜に基ずいて10〜
50μの範囲とするのが好ましく、辨膜の硬化温度はビヒ
クル成分によつて異なり、加熱硬化する場合は80〜170
℃、特に120〜150℃の範囲の温度で加熱することが好ま
しい。
上塗り塗料: 前記中塗り塗面に塗装される上塗り塗料は、被塗物に美
粧性を付与するものである。具体的には、仕上り外観
(鮮映性、平滑性、光沢など)、耐候性(光沢保持性、
保色性、耐白亜化性など)、耐薬品性、耐水性、耐湿
性、硬化性などのすぐれた塗膜を形成するそれ自体既知
の塗料が使用でき、例えば、アミノ−アクリル系樹脂、
アミノ−アルキド系樹脂、アミノ−ポリエステル系樹脂
などをビヒクル主成分とする塗料があげられる。これら
の塗料の形態は特に制限されず、有機溶液型、非水分散
液型、水溶(分散)液型、粉体型、ハイソリツド型など
任意の形態のものを使用できる。塗膜の乾燥または硬化
は、常温乾燥、加熱乾燥、活性エネルギー線照射などに
よつて行なわれる。本発明において、これらの上塗り塗
料の形成塗膜は、鉛筆硬度が通常2B〜3Hの範囲内にある
ことが望ましい。
本発明において用いる上塗り塗料は、上記のビヒクルを
主成分とする塗料にメタリツク顔料および(または)着
色顔料を配合したエナメル塗料と、これらの顔料を全く
もしくは殆ど含まないクリヤー塗料のいずれのタイプの
ものであつてもよい。そして、これらの塗料を用いて上
塗り塗膜を形成する方法として、例えば次の方法があげ
られる: メタリツク顔料および必要に応じて着色顔料を配合し
てなるメタリツク塗料、または着色顔料を配合してなる
ソリツドカラー塗料を塗装し、加熱硬化する方法(1コ
ート1ベーク方式によるメタリツクまたはソリツドカラ
ー仕上げ)。
メタリツク塗料またはソリツドカラー塗料を塗装し、
加熱硬化した後、さらにクリヤー塗料を塗装し、再度加
熱硬化する方法(2コート2ベーク方式によるメタリツ
クまたはソリツドカラー仕上げ)。
メタリツク塗料またはソリツドカラー塗料を塗装し、
続いてクリヤー塗料を塗装した後、加熱して該両塗膜を
同時に硬化する方法(2コート1ベーク方式によるメタ
リツクまたはソリツドカラー仕上げ)。
これらの上塗り塗料は、スプレー塗装、静電塗装などで
塗装することが好ましい。また、塗装膜厚は、乾燥塗膜
に基いて、上記では25〜40μの範囲、上記および
では、メタリツク塗料ならびにソリツドカラー塗料は10
〜30μの範囲、クリヤー塗料は25〜50の範囲がそれぞれ
好ましい。加熱条件はビヒクル成分によつて任意に採択
できるが、一般には80〜170℃、特に120〜150℃で10〜4
0分間加熱するのが好ましい。
上記中塗りおよび上塗り塗膜の「鉛筆硬度」はガラス板
に塗装し硬化せしめた(硬化塗膜厚30μ)試験板を20℃
に保持し、シンの先端を平に研ぎ角を鋭くした鉛筆(三
菱製図用鉛筆“ユニ”)を45度の角度で持ち、シンが折
れない程度に強く該塗面に押しつけながら約1cm(3秒/
cm)動かし、鉛筆による傷の軌跡が残らない最も硬い鉛
筆の硬さで評価したときの値である。
以上述べた本発明の方法に従い、鋼材に電着塗装−バリ
アーコート塗装−中塗り塗装−上塗り塗装によつて形成
した塗膜の性能は、バリアーコート塗装を省略して形成
した塗膜に比べて、仕上り外観(例えば、平滑性、光
沢、鮮映性など)、耐水性、耐候性などは少なくとも同
等であるが、耐チツピング性、防食性、物理的性質など
が著しく改良されるという特徴がある。
次に、本発明を実施例および比較例によつてさらに説明
する。
I.試料の調製 (1)鋼材: ボンデライト#3030(日本パーカーライジング(株)
製、リン酸亜鉛系)で化成処理した鋼板(大きさ300×9
0×0.8mm)。
(2)電着塗料: (A)カチオン型電着塗料:エレクロン#9200(関西ペ
イント(株)製、エポキシポリアミド系カチオン型電着
塗料、グレー色)。硬化塗膜の吸水率は4.2重量%で、
防食顔料を含まず。
(B)上記(A)のカチオン型電着塗料に、塩基性クロ
ム酸鉛(防食顔料)を樹脂固形分100重量部あたり2重
量部配合した。硬化塗膜の吸水率は4.2重量%。
(C)アニオン型電着塗料:エレクロン#7200(関西ペ
イント(株)製、ポリブタジエン系アニオン型電着塗
料、ストロンチウムクロメートを樹脂固形分100重量部
あたり1重量部含有)。
硬化塗膜の吸水率は3.6重量%。
(3)バリアーコート (A):プロピレン/エチレン共重合体(重量比:70/3
0、数平均分子量:約200000)100重量部あたりマレイン
酸を10重量部グラフト重合せしめた樹脂の中和、水分散
液(静的ガラス転移温度:−41℃、−20℃における引張
破断強度伸び率:400%)。
(B)上記(A)のグラフト樹脂100重量部あたりジン
ククロメートを3重量部配合してなる組成物の中和、水
分散液。
(C):スチレン30重量%とブタジエン70重量%とから
なる成分を常法に従つてエマルジヨン重合を行なつて得
た水分散液(静的ガラス転移温度:−48℃、−20℃にお
ける引張破断強度伸び率:450%)。
(D):アクリロニトリル30重量%、ブタジエン67重量
%およびアクリル酸3重量%からなる組成物を常法に従
つてエマルジヨン重合を行ない、次いでストロンチウム
クロメート(防食顔料)を該共重合体100重量部あたり
6重量部配合してなる水分散液(静的ガラス転移温度:
−50℃、−20℃における引張破断強度伸び率:500%)。
(E):イソブチレンとノルマルブチレンとからなる共
重合体の乳化水分散液(静的ガラス転移温度:−55℃、
−20℃における引張破断強度伸び率:600%)。
(F):ノニルアクリレート60重量%、2−エチルヘキ
シルアクリレート20重量%、メチルアクリレート15重量
部およびヒドロキシエチルアクリレート5重量部からな
る組成物のエマルジヨン重合体にクロム酸バリウム(防
食顔料)を該重合体100重量部あたり10重量部配合して
なる水分散液(静的ガラス転移温度:−48℃、−20℃に
おける引張破断強度伸び率:370%)。
(G):上記(F)のエマルジヨン重合体からなる水分
散液。
(H):ヘキサデシルアクリレート60重量%、2−エチ
ルヘキテルアクリレート20重量%、メチルアクリレート
15重量%およびヒドロキシエチルアクリレート5重量%
からなる組成物をエマルジヨン重合してなる水分散液
(静的ガラス転移温度:+4℃)。
(I):ノニルアクリレート60重量%、メチルアクリレ
ート15重量%と、ヒドロキシエチルアクリレート5重量
%およびt−ブチルメタクリレート20重量%からなる組
成物のエマルジョン重合体にクロム酸バリウム(防食顔
料)を該重合体100重量%あたり10重量部配合してなる
水分散液(静的ガラス転移温度:−27℃、−20℃におけ
る引張破断強度伸び率:215%) (4)中塗り塗料: アミラツクN-2シーラー(関西ペイント(株)製、アミ
ノポリエステル樹脂系中塗り塗料)。
(5)上塗り塗料: (A):アミラツクホワイト(関西ペイント(株)製、
アミノ−アルキド樹脂系上塗り塗料、1コート1ベーク
用白色塗料、鉛筆硬度H(20℃))。
(B):マジクロンシルバー(関西ペイント(株)製、
アミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベーク用
シルバーメタリツク塗料、鉛筆硬度H(20℃))。
(C):マジクロンクリヤー(関西ペイント(株)製、
アミノアクリル樹脂系上塗り塗料、2コート1ベーク用
クリヤー塗料、鉛筆硬度H(20℃))。
II.実施例 比較例 上記試料を用いて鋼材に電着塗料、バリアーコート、中
塗り塗料および上塗り塗料を後記の第1表に示す工程で
塗装した。
第1表において、 カチオン電着塗装条件:浴固形分濃度19重量%、浴温度
28℃、PH6.5、負荷電圧約250V、180秒間通電。
アニオン電着塗装条件:浴固形分濃度12重量%、浴温度
30℃、PH7.8、負荷電圧約200V、180秒間通電。
上記いずれもの場合も電着塗装後水洗する。塗装膜厚は
硬化塗膜にもとずいて20μである。
バリアーコートはエアスプレー機で塗装し、膜厚は乾燥
塗膜にもとずいて6μである。
中塗りおよび上塗り塗料はいずれも静電塗装機で吹付塗
装したものであり、中塗り塗料の膜厚は硬化塗膜にもと
ずいて25μである。
上塗り塗装において、「1C1B」は上塗り塗料Aを塗装
後、140℃で30分焼付けた塗装システムであり、「2C1
B」は上塗り塗料BならびにCをウエツトオンウエツト
で塗り重ねた後、140℃で30分焼付けて該両塗膜を硬化
せしめるシステムである。
III.性能試験結果 上記の実施例および比較例において塗装した塗板を用い
て塗膜性能試験を行なつた。その結果を後記の第2表に
示す。
〔試験方法〕
(*1)耐チツピング性: 試験機器:Q-G-Rグラベロメーター(Qパネル会社製
品) 吹付けられる石:直径約15〜20m/mの砕石 吹付けられる石の容量:約500ml 吹付けエアー圧力:約4kg/cm2 試験時の温度:約20℃ 試験片を試験片保持台にとりつけ、約4kg/cm2の吹付け
エアー圧力で約500mlの砕石を試験片に発射せしめた
後、その塗面状態および耐塩水噴霧性を評価した。塗面
状態は目視観察し下記の基準で評価し、耐塩水噴霧性は
試験片をJISZ2371によって960時間、塩水噴霧試験を行
ない、次いで塗面に粘着セロハンテープを貼着し、急激
に剥離した後の被衝撃部からの発錆の有無、腐食状態、
塗膜ハガレなどを観察する。
塗面状態 ◎(良):上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが極く僅
か認められる程度で、電着塗膜の剥離を全く認めず。
△(やや不良):上塗りおよび中塗り塗膜に衝撃による
キズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥れも散見。
×(不良):上塗りおよび中塗り塗膜の大部分が剥離
し、被衝撃部およびその周辺を含めた被衝撃部の電着塗
膜が剥離。
耐塩水噴霧性 ◎:発錆、腐食、塗膜ハガレなどは認められない。
○:錆、腐食および塗膜ハガレがわずか認められる。
△:錆、腐食および塗膜ハガレがやや多く認められる。
×:錆、腐食および塗膜ハガレが著しく発生。
(*2)耐衝撃性: JIS K5400-1979 6.13.3B法に準じて、0℃の雰囲気下に
おいて行なう。重さ500gのおもりを50cmの高さから落下
して塗膜の損傷を調べる。
(*3)付着性: JIS K5400-1979 6.15に準じて塗膜にゴバン目を作り、
その表面に粘着セロハンテープを貼着し、急激に剥した
後の塗面を評価する。
(*4)耐水性: 40℃の水に10日間浸漬した後の塗面を評価する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 新治 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 田淵 一郎 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 久米 政文 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 宇田川 孝 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 松井 駒治 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (72)発明者 藤井 泰弘 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−62372(JP,A) 特開 昭58−71968(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材に電着塗料を塗装し、次いで該塗面に
    形成塗膜の静的ガラス転移温度が−30〜−60℃である水
    性バリアコートを塗装した後、中塗り塗料および上塗り
    塗料を塗装することを特徴とする鋼材の塗装方法。
JP60084558A 1985-04-22 1985-04-22 鋼材の塗装方法 Expired - Lifetime JPH0679699B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60084558A JPH0679699B2 (ja) 1985-04-22 1985-04-22 鋼材の塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60084558A JPH0679699B2 (ja) 1985-04-22 1985-04-22 鋼材の塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61242668A JPS61242668A (ja) 1986-10-28
JPH0679699B2 true JPH0679699B2 (ja) 1994-10-12

Family

ID=13833968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60084558A Expired - Lifetime JPH0679699B2 (ja) 1985-04-22 1985-04-22 鋼材の塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0679699B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2920026B2 (ja) * 1992-06-24 1999-07-19 日本ペイント株式会社 自動車用耐チッピング性水性塗料組成物及びそれからなる耐チッピング性塗膜並びにその形成方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5871968A (ja) * 1981-10-23 1983-04-28 Nippon Paint Co Ltd 中塗塗料組成物
JPS5962372A (ja) * 1982-09-30 1984-04-09 Nippon Paint Co Ltd 複合塗膜形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61242668A (ja) 1986-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4983454A (en) Process for coating metallic substrate
US4789566A (en) Process for coating a metallic substrate
JPH0626708B2 (ja) 複合塗膜形成法
US4755434A (en) Process for coating metallic substrate
JPS5871968A (ja) 中塗塗料組成物
JPH0679699B2 (ja) 鋼材の塗装方法
JPH08220B2 (ja) 金属材の塗装方法
JPH0688013B2 (ja) 鋼材への塗装方法
JPH0749111B2 (ja) 鋼材塗装方法
JPH0994916A (ja) 有機複合被覆鋼板
JPH0550358B2 (ja)
JP2512907B2 (ja) 塗装法
JPS62262776A (ja) 車体の塗装方法
JPH0476746B2 (ja)
JPH062261B2 (ja) 鋼板の被覆方法
JPH0613111B2 (ja) 塗装法
JPS6242771A (ja) 鋼材の塗装法
JPS61114780A (ja) 自動車外板部の塗装方法
JPS624474A (ja) 塗膜の形成方法
JPS62243660A (ja) 塗料および複合塗膜形成法
JPS6274474A (ja) 鋼板の被覆法
JPS62258784A (ja) 自動車外板部の防食塗装法
JPS62241580A (ja) 複合塗膜形成方法
JPS6265774A (ja) 鋼材塗装法
JPS61118178A (ja) 鋼板の塗装法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term