JPS6242771A - 鋼材の塗装法 - Google Patents

鋼材の塗装法

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JPS6242771A
JPS6242771A JP17925685A JP17925685A JPS6242771A JP S6242771 A JPS6242771 A JP S6242771A JP 17925685 A JP17925685 A JP 17925685A JP 17925685 A JP17925685 A JP 17925685A JP S6242771 A JPS6242771 A JP S6242771A
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JP
Japan
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paint
coating
weight
coat
pigment
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Application number
JP17925685A
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English (en)
Inventor
Tadayoshi Hiraki
忠義 平木
Osamu Iwase
岩瀬 治
Motohiro Osumi
大住 元博
Shinji Sugiura
杉浦 新治
Ichiro Tabuchi
田淵 一郎
Masafumi Kume
久米 政文
Takashi Udagawa
宇田川 孝
Komaji Matsui
駒治 松井
Yasuhiro Fujii
藤井 泰弘
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼材、例えば自動車車体の鋼板部に、耐チッ
ピング性、鋭角部および端面部の防食性および物理的性
能などのすぐれた塗膜を形成する鋼材の塗装法に関する
自動車産業分野では塗膜の耐久性の問題、特に衝撃剥離
による塗膜の耐食性低下ならびに鋼材の腐食の進行の問
題が重視されつつある。特に、欧米の寒冷地域等では冬
季自動車道路の路面凍結を防止するために比較的粗粒に
粉砕した岩塩を多量に混入した砂利を敷くことが多く、
この種の直路を走行する自動車はその外面部において車
輪で跳ね上げられた岩塩粒子や小石が塗膜面に衝突し、
その衝撃により塗膜が局部的に車体(鋼板)上から全部
剥離する衝撃剥離現象、いわゆる”チッピングを起すこ
とが屡々ある。この現象により、車体外面の被衝撃部の
金属面が露出し、すみやかに発錆すると共に腐食が進行
する。通常、チッピングによる塗膜の剥離は車体底部お
よび足まわり部に多いが、フードおよびルーフにまで発
生し、約半年〜1年で局部的腐食がかなシ顕著になるこ
とが知られている。
このテツシングならびにこれに基因する鋼材の腐食の進
行を防止するため、従来から車体の外部金属基体表面の
化成処理ならびに電着塗料、中塗塗料および上塗塗料に
ついて各種の検討が加えられた。例えば、化成処理にお
いて、結晶形の異なる燐酸鉄系皮膜および燐酸亜鉛系皮
膜の使用が検討されたが、かかる化成処理によっては被
衝撃部における塗膜の付着性を充分に改善することは困
難である。また、電着塗料および上塗塗料についても該
塗料に含有されている樹脂および/または顔料について
種々検討されてきたが、チッピングに耐え得る充分な付
着性改善効果を有するものは今まで見い出すに至ってい
壕い。
また、中塗塗料に無機箔状顔料、例えば絹雲母またはタ
ルク粉を含有せしめ、それによって該無機箔状顔料によ
る中塗塗膜層内のズリによる衝撃力の緩和および/また
は分散を達成し、或いは中して電着塗料塗膜の損傷を阻
止し、この無キズの電着塗料塗膜が防錆機能を確実に維
持することも提案されているが、車体の外面に加わる衝
撃力は一定でなく、かなり大きい場合もあって、これら
の方法では中塗塗膜層内のズリによる緩和・分散能力以
上の衝撃力が加えられた場合には、その衝撃力を中塗塗
膜層のところで阻止しきれず、被衝撃部が電着塗膜を含
むすべての塗膜に及び塗膜全体が金属基体面よシ剥離し
、その結果その部位はすみやかに発錆し腐食が進行する
という欠点がある。
さらに、鋼板製品、例えば自動車車体には鋼板の鋭角部
および端面部(以下「端面部等」と略称する)が多く存
在しておシ(例えば、フエイシア、フェンター、ドアノ
ぐネル、パネル7−ド /#ネル′ルーフ、パネルトラ
ンクリッド、ボディーなどの側部、下端部、裏面)、こ
の部分は他の平坦部と異なり先鋭的な形状を有している
。したがって、端面部等において、塗着した塗料は加熱
硬化中に溶融流動して平坦部に比べて塗膜が薄くなり、
特に鋭角部の塗膜は極端に薄くなることは不可避であっ
た。その結果、鋭角部を含めた端面部の防食性は平坦部
に比べ著しく劣シ、端面部等から錆が容易に発生する傾
向がみられ、この点に関する改良も強く望まれている。
そこで本発明者等は、電着塗装−中塗塗装−上塗塗装か
らなる複合塗装系における上述の欠陥を解消し、仕上が
り外観、耐候性、耐化学性などを低下させることなく、
耐チッピング性、物理的性能などにすぐれ、しかも鋼材
端面部等の防食性などが改善された複合塗膜の形成法に
ついて鋭意研究を重ねた。その結果、顔料を高濃度に配
合した電着塗料を塗装し、そして中塗塗装に先立って該
電着塗面に特定範囲のガラス転移温度を有する塗膜を形
成しりろ水性バリアーコートを塗装することによって、
上記目的を達成することができ、耐チッピング性、物理
的性能、端面部等の防食性などが著しく改善された塗膜
を形成することに成功したものである。
しかして本発明によれば、調料に、顔料を高濃度に配合
した電着塗料を塗装し、次いでその塗面に静的ガラス転
移温度が0〜−75℃である塗膜を形成しりろ水性バリ
アーコートを塗装した後、中塗塗料および上塗塗料を塗
装することを特徴とする鋼材の塗装法が提供される。
「バリアーコート」なる用語は慣用されてはいないが、
本発明では、上記物理的特性値を持ち、かつ本発明の目
的を達成せしめる塗膜を形成することが可能な水性塗料
を[水性バリアーコート」と称する。
本発明の特徴は、鋼材に電着塗料、中塗塗料および上塗
塗料を順次塗装する工程において、電着塗料として顔料
を高濃度に配合したものを使用し、そして、特定範囲の
静的ガラス転移温度を有する塗膜を形成しうる水性バリ
アーコートを1!着塗面にあらかじめ塗装するところに
ある。
従来の電着塗料における顔料含有量は樹脂固形分100
重量部らたシ、実用上はせいぜい35重量部まであり、
これより多く配合すると塗膜の平滑性、上塗シ鮮映性な
どが低下するので、上記量よシ多くを配合することは殆
んど行なわれていない。一方、本発明者等は、鋼材の端
面部等に電着塗膜を肉厚に形成して防食性を向上せしめ
ることについて検討したところ、顔料を高濃度に配合し
た電着塗料を塗装すると、端面部等にも肉厚な塗膜が形
成され、平坦部のみ逼らず端面部等の防食性などが向上
する傾向があることを見い出した。
しかし顔料を高濃度に配合した電着塗料を塗装すると、
仕上り塗膜の平滑性、鮮映性などが低下することが認め
られた。
そこで、本発明者等らはさらに、端面部等の防食性を一
層向上せしめ、しかも仕上り塗膜の平滑性、鮮映性力ど
を改良するために引き続き研究を行なった結果、顔料を
高濃度に含む電着塗膜面に、特定の物理的性状を有する
バリアーコートを塗装することによってこれらの欠陥が
すべて解消することに成功したのである。本発明に従い
かかる物理的性質を有する塗膜を形成するバリアコート
を前記の平滑性、仕上り鮮映性などが劣る顔料を多量に
含む電着塗膜面に塗装すると、バイアーコートが端面部
等にも十分塗着し、しかも電着塗膜表面の微小な凹凸部
分にも含浸するので、中塗塗料の吸込みが少なくなって
、得られる塗膜の平滑性、上塗り鮮映性、端面部等の防
食絶などが向上するものと推察される。
そして、静的ガラス転移温度を0〜−75℃に調整した
水性バリアーコート塗膜(さらに好ましくは、後記のと
と<、−20°Cにおける該塗膜の引張り破断強度伸び
率を引つばυ速度20絽/分で200〜1000%に調
整しておく)は、前記耐チツピング性向上を目的とした
中塗塗膜などに比べて柔軟であり、かかる物理的性質を
有せしめたバリアーコート塗膜を介して形成した中塗塗
膜−上塗塗膜系表面に岩塩や小石などの衝突による強い
衝撃力が加えられても、その衝撃エネルギーの殆んどま
たは全てが該バリアーコート塗膜内に吸収されてその下
層の電着塗膜にまで波及せず、しかも、上塗ならびに中
塗の両塗膜も物理的損傷を受けることが殆んどないこと
が見い出された。
つま9、上記バリアーコート塗膜層が外部からの衝撃力
の緩衝作用を呈して耐チッピング性が著しく改良され、
チッピングによる鋼材の発錆、腐食の発生を防止するこ
とができ、しかも岩塩、小石などの衝突による上塗塗膜
の劣化も解消できたのである。
このように塗膜の耐チッピング性が向上すると、鋼材の
腐食、発錆などの問題も当然解消し、それに加えて、本
発明の方法によって形成嘔れる塗膜自体の防食性もバリ
アーコートを介さないものと比べて著しく向上する。
さらに、本発明により形成される塗膜は、仕上がり外観
、耐候性、耐化学性などの特性も非常にすぐれている。
以下、本発明の塗装方法についてさらに具体的に説明す
る。
鋼材: 本発明の方法によって塗膜を形成しうる鋼材は、導電性
被塗物であって、電着塗装することが可能な金属表面を
有する素材であれば、その種類は何ら制限を受けない。
例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛など、なら
びにこれらの金属を含む合金、およびこれらの金属、合
金のメッキもしくは蒸着製品などの素材があげられ、具
体的にはこれらの素材を用いてなる乗用車、トラック、
サファリーカー、オートバイなどの車体、部品および電
気製品、建材などがある。該鋼材は電着塗料を塗装する
に先立って、あらかじめリン酸塩もしくはクロム酸塩な
どで化成処理しておくことが好ましい。
電着塗料: 上記鋼材に塗装するための電着塗料としては、通常一般
に使用されている電着塗料に比べ顔料を高濃度に配合さ
れていることを除けば、それ自体既知のカチオン型およ
びアニオン型電着塗料がいずれも使用できる。
まず、カチオン型電着塗料には、塩基性アミン基をもつ
樹脂をベースにし、酸で中和、水溶性化(水分散化)し
てなる陰極析出型の熱硬化性電着塗料が包含され、これ
は上記鋼材(被塗物)を陰極にして塗装される。
゛塩基性アミン基をもつ樹脂としては、例えば■ビスフ
ェノール型エポキシ樹脂、エポキシ基(マたはグリシジ
ル基)含有アクリル樹脂、アルキレンクリコールのクリ
シジルエーテル、エポキシ化ポリブタジェン、ノボラッ
クフェノール樹脂のエポキシ化物などのエポキシ基含有
樹脂のエポキシ基(オキシラン環)へのアミン付加;■
塩基性アミノ基をもつ不飽和化合物(例えば、N、N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、N、N−ジニブ
ルアミノエチルアクリレート、N−ビニルピラゾールな
ど)を単量体として用いる重合寥■第3級アミノ基含有
グリコール(例えば、N−メチルジェタノールアミン)
をグリコールの一成分とするグリコール成分とポリイソ
シアネート化合物との反応;■酸無水物とジアミンとの
反応によるイミノアミンの生成反応による樹脂へのアミ
7基の導入;などによって得られる塩基価が一般に約2
0〜約200の範囲内の樹脂が適している。
上記■の反応に使用しうるアミンとしては、脂肪族、脂
環族もしくは芳香−脂肪族の第1級アミン、第2級アミ
ン及び第5級アミン塩などがめげられる。また該アミン
に代えて第2級スルフィド塩及び第5級ホスフィン塩な
どから選ばれる少なくとも1種を上記■のエポキシ樹脂
に付加させたものをカチオン型電着塗料として用いるこ
ともできる。
そして、上記塩基性アミン基をもつ樹脂を中和し、水溶
性化(水分散)するための中和剤としては、例えば、酢
酸、ヒドロキシル酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グ
リシンなどの有機酸;硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸が
使用できる。中和剤の上記樹脂に対する配合量は、上記
樹脂の塩基価(一般に約20〜約200の範囲)を基準
にして中和当量の約0.1〜約0.4倍量の範囲内が適
当である。
また、カチオン型電着塗膜を加熱硬化性にするために配
合される架橋剤としては、ブロック化したポリイソシア
ネート化合物を用いるのが一般的であシ、これによシ、
形成された塗膜を加熱(通常、約140℃以上)すると
、ブロック剤が解離してイソシアネート基が再生し、上
記の如きカチオン性樹脂中に存在しうる水酸基などの諸
性水素含有官能基と架橋反応し硬化する。
他方、アニオン型電着塗料は、主としてカルボの電着塗
料でちって、上記fAi<被塗物)を陽極として塗装さ
れる。
カルボキシル基をもつ樹脂には、例えば■乾性油(あま
に油、脱水ひまし油、桐油など)に無水マレイン酸を付
加して得られるマレイン化油樹脂;■ポリブタジェン(
1,2−型、1,4−型など)に無水マレイン酸を付加
して得られるマレイン化ポリブタジェン;■エポキシ樹
脂の不飽和脂肪酸エステルに無水マレイン酸を付加して
得られる樹脂;■高分子量多価アルコール(分子量約1
000以上のもので、エポキシ樹脂のS分エステルおよ
びスチレン/アX& IJルアルコール共重合体なども
含まれる)に多塩基酸(無水トリメリット酸、マレイン
化脂肪酸、マレイン化油など)を付加して得られる樹脂
;■カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(脂肪酸変性
したものも含む);■カルボ中シル基含有アクリル樹脂
;■グリシジル基もしくは水酸基を含有する重合性不飽
和モノマーと不飽和脂肪酸との反応生成物を用いて形成
された重合体もしくは共重合体に無水マレイン酸などを
付加せしめて得られる樹脂;などがあげられ、カルボキ
シル基の含有量が酸価に基いて一般に約60〜約200
の範囲内のものが適している。
そして、これらカルボキシル基含有樹脂におけるカルボ
キシル基を中和し、上記樹脂を水溶性化(水分散化)す
るために用いうる中和剤としては、例工ば、モノエタノ
ールアミン、ジェタノールアミン、ジメチルアミンエタ
ノール、などのアルカノールアミン;ジエチルアミン、
トリエチルアミンなどのアルキルアミン;水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリなどが使用で
きる。これら中和剤の使用量は、上記樹脂の酸価に対す
る理論中和当量の約0.1〜約1.0倍当t(好ましく
は0.4〜a8倍当量)の範囲内が適当である。
また、上記樹脂を加熱硬化性にするだめの架橋剤として
は、ヘキサキスメトキシメチルメラミン、ブトキシ化メ
チルメラミン、エトキシ化メチルメラミンなどの低分子
量メラミン樹脂を必要に応じて使用することができる。
本発明の1つの特徴は、上記電着塗料における顔料の温
度を、通常の濃度(樹脂固形分100重量部あたりせい
ぜい55重量部まで)よシ高濃度とした点にある。しか
して、本発明で用いる電着塗料の顔料含有量は、具体的
には、樹脂固形分100重量部あたり、40〜150重
量部、好ましくは55〜100重量部、さらに好ましく
は60〜85重量部の範囲内であることができる。
顔料の含有量が少ないと、前述したように、鋼材の端面
部等の防食性の充分な改善を期待することができない。
上記電着塗料に配合しうる顔料としては、それ自体公知
の着色顔料、体質顔料、防錆顔料などが使用でき特に制
限はなく、例えば亜鉛華、アンチモン白、塩基性硫酸鉛
、塩基性炭酸鉛、チタン白、リトポン、けい酸鉛、酸化
ジルコン、カーボンブラック、黒鉛、黒酸化鉄、アニリ
ンブラック、亜酸化鋼、カドミウムレッド、クロムノ(
−ミリオン、ベンガラ、ピグメントレッド、ぎグメント
ノ(イオレツド、ピグメントオレンジ、塩基性クロム酸
鉛、黄鉛、オーカー、カドミウム黄、ストロンチウムク
ロメート、チタン黄、リサージ、ピグメントエロー、ピ
グメントグリーン、亜鉛縁、クロム緑、酸化クロム、フ
タロシアニングリーン、群青、紺宵、フタロシアニンブ
ルー、ピグメントブルー、コバルト紫、ピグメントバイ
オレット、亜鉛末、酸化亜鉛、鉛丹、鉛シアナミド、鉛
酸カルシウム、ジンクエロー、炭化ケイ素、アルはニウ
ム粉、アスベスチン、アルミナ、クレー、けいそう士、
消石灰、石コク、メルク、炭酸バリウム、沈降性炭酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム1.ハ
ライド、ベントナイト、ホワイトカーボン、ガラスピー
ズなどがあげられる。これらは単独もしくは2種以上併
用することができる。
さらに、これらの電着塗料には親水性溶剤、水、添加剤
などを必要に応じて配合しでき、そして、固形分濃度が
約5〜約40重量%となるように脱イオン水などで希釈
し、pHをカチオン型では5.5〜aO、アニオン型で
は7〜9の範囲内に調整する。このようにして調製され
た電着塗料を用いての電着塗料は、通常、浴温15〜6
5℃、負荷電圧100〜400Vの条件で被塗物をカチ
オン電着塗装では陰極、アニオン電着塗装ではIS4極
として行なうことができる。電着塗装膜厚は特に制限さ
れないが、一般には、硬化塗膜に基いて10〜40μの
範囲内が好ましい。また、塗膜の焼付硬化温度は一般に
100〜200℃の範囲内が適している。
アニオン電着塗膜は原則として加熱して硬化せしめられ
るが、空気乾燥性の不飽和脂肪酸で変性した樹脂を用い
た場合には室温で乾燥させることもできる。
水性バリアーコート: 水性バリアーコートは、上記電着塗面に塗装するだめの
被覆用組成物であって、本発明では殊に、形成塗膜の静
的ガラス転移温度が0〜−75℃である水を主たる溶媒
もしくは分散媒とする水性組成物が使用される。
該組成物は、水性ビヒクルおよび水を主成分と性にすぐ
れ、かつ上記範囲内の静的ガラス転移温度を有する熱可
塑性樹脂が好ましく、具体的には次のものが−げられる
■変性ポリオレフィン系樹脂: 例エバ、プロぎレンーエテレン共重合体(モル比で、4
0〜80:60〜20が好適)に、塩素化ポリオレフィ
ン(例えば塩素化率約1〜60重量%のポリプロピレン
)を1〜50重量部、好ましくは10〜20重量部(い
ずれも該共重合体100重量部あたり)を配合してなる
混合物;または上記プロピレン−エチレン共重合体10
0M量部6たシマレイン酸もしくは無水マレイン酸α1
〜50重量部、好ましくはα3〜2,01債部をグラフ
ト重合せしめたグラフト重合体などがめげられる。これ
らの共重合体、塩素化ポリオレフィンおよびグラフト重
合体の数平均分子量は一般に約5000〜約!lo、o
o[loの範囲内であることが好ましい。
該変性ポリオレフィン系樹脂の水性化に際し、プロピレ
ンーエチレン共重合体はそれ自体既知のアニオン、カチ
オンもしくは非イオン性のエマルジョン重合によって水
性化することができ、また、該グラフト重合体はカルボ
キシル基を中和することによって水溶化もしくは水分散
化でき、該塩素化ポリオレフィンは例えば乳化剤の存在
下で水分散化することができる。
■スチレンーブタジェン共重合体: スチレンの含有率が約1〜80重量%、好ましくは10
〜40重量%の共重合体であって、スチレン及びブタジ
ェンを重合調整剤、触媒、石けんならびに水の存在下で
共重合せしひることによって該共重合体の水分散液が得
られる。重合温度は100℃以下が好ましい。また、該
共重合体の数平均分子量は約10,000〜約1.00
0.000の範囲内であることが好ましい。
■ブタジェン樹脂: 上記■においてスチレンを用いないで重合することによ
り得られる水分散組成物である。
■アクリロニトリルーブタジェン共重合体:アクリロニ
トリルの含有率が1〜50皿量%、好ましくは10〜4
0重量%の共重合体でろって、アクリロニトリル及びブ
タジェンに、必要に応じてアクリル酸、メタクリル酸な
どの官能性モノマーを加え、重合触媒、分子量調整剤、
界面活性剤などの存在下で水中においてエマルジョン重
合スることによって得られる。重合温度は100℃以下
が好ましい。該共重合体の数平均分子量は約10.00
0〜約1.000.000の範囲内が適している。
■ポリブテン: インブチレンを主体にし、必要に応じてノルマルブチレ
ンを混合し、低温重合することにより得られるポリブテ
ンを乳化剤の存在下で、50〜70℃に加熱し水を加え
て均一に十分攪拌することによって得られる。該樹脂の
数平均分子量は約1000〜約5oooooの範囲内が
好ましい。
■アクリル樹]盾ニ アクリル酸エステルおよび(または)メタクリル酸エス
テルを主成分とし、さらに必要に応じてアクリル酸、メ
タクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレートなどの官能性モノマーおよび
(または)その他の重合性不飽和モノマーを混合してな
るビニルモノマー成分を、乳化重合して水分散液とする
か二または溶液重合した後水溶液もしくは水分散液に変
えることによって得られる。上記アクリル酸エステルと
しては例えば、エテルアクリレート、プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、1so−ブチルアクリ
レート、6−ペンチルアク’)V−)、ヘキシルアクリ
レート、2−へブチルアクリレート、オクチルアクリレ
ート、2−オクチルアクリレート、ノニルアクリレート
、ラウリルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレ
ート、2−エチルブチルアクリレートなどが特に好適で
あり、メタクリル酸エステルとしては例えば、ペンチル
メタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチル
へキシルメタクリレート、テシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどが
特に好ましい。ここに例示したこれらのアクリル酸エス
テルおよびメタクリル酸エステルから誘導される単独重
合体の静的ガラス転移温度はいずれも0℃以下であって
、これらのモノマーから選ばれる1種もしくは2種以上
のアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルは上
記アクリル樹脂を形成するためのモノマーとして好適な
ものである。該アクリル樹脂は数平均分子量が約500
0〜1,000,000の範囲にあることが好適である
■さらに、これら以外に天然ゴムラテックス、メチルメ
タクリレート−ブタジェン共重合体エマルジョ:<、y
teリクロロブレンエマルジョン、ポリ塩化ビニリデン
エマルジョンなども水性ビヒクルとして使用することが
できる。
水性バリアーコートによって形成される塗膜は静的ガラ
ス転移温度(Ty)が0〜−75℃、好ましくは−30
〜−60℃、特に好ましくは−30〜−60℃、特に好
ましくは−40〜−55℃の範囲内であることが重要で
、Tgが0℃よシ高くなると、最終複合塗膜の耐チッピ
ング性、耐食性、物理的性能などが改善されず、一方−
75℃よりも低くなると、最終複合塗膜の耐水性、付着
性などが低下するので好ましくない。
本発明では、これらの水性ビヒクロ自体が上記範囲内の
静的ガラス転移温度を有していればそれ自体でバリアー
コートに使用できるが、上記範囲から逸脱している場合
あるいけ範囲内でめりても静的ガラス転移温度を微調整
したい場合などにおいて、必要に応じて粘性付与剤を配
合することができる。該粘性付与剤としては、上記水性
ビヒクルとの相溶性が良好な樹脂、例えば、ロジン、石
mW脂(クマロン樹脂)、エステルガム、エポキシ変性
ポリブタジェン、低分子量脂肪族エポキシ樹脂、低分子
量脂肪族ビスフェノールタイプ二Iキシ樹脂、ポリオキ
7テトラメテレングリコール、酢塩ビニル変性、f +
)エチレンなどの乳化分散液があげられ、これらの配合
量は上記水性ビヒクル(固形分)100重量部あた91
〜50重量部(固形分として)の範囲内が好ましい。ま
た、水性バリアーコートの塗装仕上り性向上のため【、
水性バリアーコートには上記水性ビヒクルとの親和性も
しくは溶解性のすぐれた有機溶剤、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン吹どの芳8族炭化水素、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族系炭化水素ニ
トリクロルエチレン、・ぞ−クロルエチレン、ジクロル
エチレン、ジクロルエタン、ジクロルベンゼンなどの塩
素化炭化水素;メチルエチルケト/、ジアセトアルコー
ルなどのケトン系溶剤;エタノール、プロノンノール、
ブタメールなどのアルコール系溶剤;メチルセロソルブ
、ブチルセロソルブ、セロンルブアセテートなどのセロ
ソルブ系溶剤などを添加することも可能である。
さらに、核バリアーコートには体質顔料、着色顔料、防
食顔料などを配合してもさしつかえない。
これらの顔料の配合量は水性ビヒクル(固形分)100
重量部あた#)1〜150重量部の範囲内が好ましい。
特に、水性バリアーコートに防食顔料を配合しておくこ
とによって、これを電着塗膜に含有させた場合と比べて
防食性を著しく向上させることが可能となることが判明
したのである。
水性バリアーコートに配合することが可能な防食顔料は
、金属の腐食を抑制もしくは防止する機能を持つ顔料で
あり、単に色彩を付与するための着色顔料ならびに塗膜
の物理的性質を調整するための体質顔料とは明確に区別
され、例えば鉛系顔料、クロメート系顔料、金属粉顔料
などをあげることができ、このうち、本発明の方法でバ
リアーコートに配合しうる防食顔料は特に制限されない
が、水と接触すると防食機能を有する成分が溶出する組
成の顔料が適しておシ、特に、その水抽出液の電気伝導
度が1ookひ、/α以上、とりわけ600μ /1以
上となる防食顔料を使用することが好ましい。
なお、防食顔料の水抽出液の「電気伝導度」の測定は、
電気伝導度が1μg / cm以下の脱イオン水80重
量部と防食顔料20重量部とを混合し、30℃で5日間
放置(この間、10分/日の割合で混合物を攪拌する)
後、上澄液(水抽出液)を取り出し、その電気伝導度を
測定することによυ行なう。
水抽出液が上記電導度を有する防食顔料としては、例え
ば、ジンククロメート!1570μυ/cIn)、スト
ロンチウムクロメート(976μ′rJ/α)、クロム
酸バリウム(735μo / crIL)、クロム酸カ
ルシウム(8000aυ/crn、)、塩基性クロム酸
鉛(111μひ/cWL)、塩基性硫酸鉛(118ti
u /cx)、リン酸カルシウム(332μひ/cII
L)、モリブデン酸亜鉛(363μU / cm )、
モリブデン酸カルシウム(256μひ/CTrL)、リ
ンモリブデン酸アルεニウム(182μv / cm 
)、メタホウ酸バリウム(1540μU/α)、メタバ
ナジン酸アンモニウム(7450μび/crn)すどが
あげられ(カッコ内は水抽出液の電気伝導度以上組合わ
せて使用できる。゛このうち、特に好ましくけジンクク
ロメート、ストロンチウムクロメート、クロム酸バリウ
ムおよびクロム酸カルシウムから選ばれる防食顔料も用
いることでおる。これらの防食顔料の配合量は、水性ビ
ヒクル(固形分)100重量部あたり一般に1〜150
重量部、好ましくは2〜50重量部の範囲内である。そ
して、水性バリアーコートに配合する防食顔料による防
食機能を十分に発揮させるために、上記電着塗膜の吸水
率は[13〜20重量%、特に0.5〜5重量%の範囲
内に調整しておくことが好ましい。
ここで、電着塗膜の「吸水率」は、電着塗料を硬化膜厚
が20μ(冷血面積5X5α)になるように塗布し、そ
の成分に応じた条件で焼付けた後、該塗膜を単離して5
0℃の温水に48時間浸漬し、引き上げ直後の塗膜とそ
れを105℃で1時間乾燥した後の塗膜の重量をそれぞ
れ測定し、これらの結果を次式に算入して求めた値であ
る。
電着塗膜の吸水率をこのように調整することによって、
該塗膜面上に塗り重ねた防食顔料を含む水性バリアーコ
ート塗膜から水抽出をれた該防食顔料の水抽出成分が該
電着塗膜内を容易に浸透し。
て鋼材面における陽極(もしくは陰罹)抑制効果したが
って、この吸水率を調整する方法によれば電着塗料に防
食顔料を配合する必要は特にない。
本発明において、該バリアーコートの形成塗膜に関し、
静的ガラス転移温度が前記範囲内に含まれていることは
必須であるが、さらに、該塗膜自体の引張り破断強度伸
び率を、−20℃のV囲気において引張速度20關/分
で、200〜1000%、特に300〜700%の範囲
に調整しておくと、最終塗膜の耐チッピング性、防食性
などを一層向上させることができる。
なお、本発明で用いる水性バリアーコートの形成塗膜の
「静的ガラス転移温度」は示差走査型熱量計(第二精工
舎gDsc−10型)で測定した値であり、「引張破断
強度伸び率」は、恒温槽付万能引張試験機(島津裂作所
オートグラフ=S、−D型)を用い、試料の長さは20
m、引張速度は20m5+/分で測定した値である。こ
れらの測定に使用する試料は、該バリアーコートを形成
塗膜にもとすいて25μになるようにブリキ板に塗装し
、120℃で30分焼付けたのち、水銀アマルガム法に
より単離したものである。
本発明において、水性バリアーコートは、前記電着塗膜
を加熱硬化した後もしくは未硬化の状態のいずれかで塗
装することができる。その塗装方法は特に限定されず、
例えば、スプレー塗装、ノ・ケ塗り、浸漬塗装、静電塗
装などを用いることができ、ナた塗装膜厚は形成塗膜に
もとすいて1〜20μ、特に5〜10μとするのが好ま
しい。
バリアーコート塗膜面に中塗塗料を塗装するにあたり、
該バリアーコートはあらかじめ焼付けておくことが好ま
しいが、焼付けることなくウェットオンウェットで中塗
塗料を塗装してもさしつかえない。焼付温度は一般に8
0〜200℃の範囲が適している。
四11■L: 上記バリアーコート塗面に塗装される中塗塗料としては
、付着性、平滑性、鮮映性、耐オーバーペイク性、耐候
性などにすぐれたそれ自体既知の中塗塗料が使用できる
。具体的には、油長30%以下の短油もしくは超短油ア
ルキド樹脂またはオイルフリーポリエステル樹脂とアミ
ン樹脂とをビヒクル主成分とする有機溶液型熱硬化性中
塗塗料があげられる。これらのアルキド樹脂およびポリ
エステル樹脂は、水酸基価60〜140および酸価5〜
20で、しかも変性油として不飽和油(もしくは不飽和
脂肪酸)を用いたものが好ましく、また、アミン樹脂は
、アルキル(好ましくは炭素数1〜5個のもの)エーテ
ル化したメラミン樹脂、尿素樹脂ベンゾグアナミン樹脂
などが適している。
これら両樹脂の配合比は固形分重量に基いてアルキド樹
脂および(または)オイルフリーポリエステル樹脂6,
5〜85%、特に70〜80%、アミノ樹脂35〜15
%、特に30〜2oチでちることが好ましい。さらに、
上記アミノ樹脂の少なくとも一部をポリイソシアネート
化合物やブロック化ポリイソシアネート化合物に代える
ことができる。
また、該中塗塗料の形態は、有機溶液型が最も好ましい
が、上記ビヒクル成分を用いた非水分散液型、−・イノ
リッド型、水溶液型、水分散液型などであってもさしつ
かえない。本発明では、中塗塗膜の硬度(鉛筆硬度)は
一般に3B〜2Hの範囲におることが好ましい。さらに
、該中塗塗料には、体質顔料、着色顔料、その他の塗料
用添加剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明において、上記バリアーコート塗膜面への中塗塗
料の塗装は、前記バリアーコートと同様な方法で行なう
ことができ、塗装膜厚は硬化後の塗膜に基すいて10〜
50μの範囲とするのが好ましく、塗膜の硬化温度はビ
ヒクル成分によって異なり、加熱硬化する場合は80〜
170℃、特に120〜150℃の範囲の温度で加熱す
ることが好ましい。
上塗塗料: 前記中塗塗面に塗装される上塗塗料は、被塗物に美粧性
を付与するものである。具体的には、仕上シ外観(鮮映
性、平滑性、光沢など)、耐侯性(光沢保持性、保色性
、耐白亜化性など)、耐薬品性、耐水性、耐湿性、硬化
性などのすぐれた塗膜を形成するそれ自体既知の染料が
使用でき、例えば、アミノ−アクリル系樹脂、アミノ−
アルキド系樹脂、アミノ−ポリエステル系樹脂などをビ
ヒクル主成分とする塗料があげられる。これらの塗料の
形態は特に制限されず、有機溶液型、非水分散液型、水
溶液(水分散液)型、粉体型、ハイソリッド型など任意
の形態のものを使用できる。
塗膜の乾燥または硬化は、常温乾燥、加熱乾燥、活性エ
ネルギー線照射などによって行なわれる。
本発明において、これらの上塗塗料の形成塗膜は、鉛筆
硬度が通常2B〜3Hの範囲内にあることが望ましい。
本発明において用−る上塗塗料は、上記のビヒクルを主
成分とする塗料にメタリック顔料および(または)着色
顔料を配合したエナメル塗料と、これらの顔料を全くも
しくは殆ど含まないクリヤー塗料のいずれのタイプのも
のであってもよい。
そして、これらの塗料を用いて上塗塗膜を形成する方法
として、例えば次の方法があげられる:■ メタリック
顔料および必要に応じて着色顔料を配合してなるメタリ
ック塗料、または着色顔料を配合してなるソリッドカラ
ー塗料を塗装し、加熱硬化する方法(1コ一ト1ベータ
方式によるメタリックまたはソリッドカラー仕上げ)。
■ メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装し
、加熱硬化した後、さらにクリヤー塗料を塗装し、再度
加熱硬化する方法(2コ一ト2ベーク方式によるメタリ
ックまたはソリッドカラー仕上げ)。
■ メタリック塗料またはソリッドカラー塗料を塗装し
、続いてクリヤー塗料を塗装した後、加熱して該両塗膜
を同時に硬化する方法(2コ一ト1ベーク方式によるメ
タリックまたはソリッドカラー仕上げ)。
これらの上塗塗料は、スプレー塗装、静電塗装などで塗
装することが好ましい。また、塗装膜厚は、乾燥塗膜に
基いて、上記■では25〜40μの範囲、上記■および
■では、メタリック塗料ならびにソリッドカラー染料は
10〜30μの範囲、クリヤー塗料は25〜50の範囲
がそれぞれ好ましい。加熱条件はビヒクル成分によって
任意に採択できるが、一般には80〜170℃、特に1
20〜150℃で10〜40分間加熱するのが好ましい
上記中塗および上塗塗膜の「鉛筆硬度」はガラス板に塗
装し硬化せしめた(硬化塗膜厚30μ)試験板を20’
Cに保持し、シンの先端を平に研ぎ角を鋭くした鉛筆(
三菱製図用鉛筆“ユニ゛)を45度の角度で持ち、シン
が折れない程度に強く該塗面に押しつけながら約1 c
a (3秒/cIL)動かし、鉛筆による傷の軌跡が残
らない最も硬い鉛筆の硬さで評価したときの値である。
以上述べた本発明の方法に従い、鋼材に電着塗装−バリ
アーコート塗装−中塗り塗装−上塗り塗装によって形成
した塗膜の性能は、バリアーコート塗装を省略して形成
した塗膜に比べて、仕上り外観(例えば、平滑性、光沢
、鮮映性など)、耐水性、耐候性などは少なくとも同等
であるが、耐チッピング性、防食性(特に端面の防食性
)、物理的性質などが著しく改良されるという特徴があ
る。
次に、本発明を実施例および比較例によってさらに説明
する。
とユメ旦叉fi (1)  鋼材: ボンデライトナ3030 (日本/e−カーライジング
(株)製、リン酸亜鉛系金属表面処理剤)で化成処理し
た鋼板(大きさ300 X 90 X 0.8鱈)のほ
ぼ中央部を基点に180°折り曲げたもの。
(2+  t77i塗料: (A) カチオン型電着塗料:ボリアミド変性エポキシ
樹脂/ブロックイノシアネート化合物をビヒクル成分と
し、酢酸で中和し、そして該ビヒクル成分100重量部
(固形分)あたり、顔料(チタン白:カーボン黒:クレ
=30:1.5:3O(重量比))を63重量部、有機
鉛を2重量部、有機錫を3重量部配合してなる不揮発分
含有率が20重量%、pHが6.5のカチオン型電着塗
料。
この電着塗料の単独塗膜は平滑性が劣っていた。
(B) カチオン型電着塗料二上記(,4)における顔
料の配合量を80重量部に代えた塗料。
(C)  カチオン型電涜塗料(比較例用)二上記(,
4)における顔料の配合量を20重量部に代えた塗料。
この電着塗料の単独塗膜は平滑性にすぐれていた。
(D) アニオン型電着塗料:マレイン化ポリブタジェ
ン/ヘキサキスメトキシメチルメラミンを主4Jヒヒク
ル成分とし、モノエタノールアミンで中和し、そして該
ビヒクル成分100重量部(固形分)あたり上記(A)
の顔料を65重量部配合してなる不揮発分含有率が12
重量%、pHが&lのアニオン型電着塗料。
(E)  アニオン型電着塗料二上記(D)における顔
料の配合量を78重量部に代えた塗料。
(3)  バリアーコート (A):プロピレン/エチレン共重合体(重量比: 7
0 / 30、数平均分子量:約200000)100
00重量たりマレイン酸を10重量部グラフト重合せし
めた樹脂の中和、水分散液(静的ガラス転移温度ニー4
0℃、−20℃における引張破断強度伸び率=400%
)。
(B)二上記(,4)のグラフト樹脂100重量部あた
シジンククロメートを3重量部配合してなる組成物の中
和、水分散液。
(C):メチ2フ30重量%とブタジェン70重量%と
からなる成分を常法に従ってエマルジョン重合を行なっ
て得た水分散液(静的ガラス転移温度ニー48℃、−2
0℃における引張破断強度伸び率=450チ)。
(D):アクリロニトリル30重量%、ブタジェン67
重量%およびアクリル酸3重iチからなる組成物を常法
に従ってエマルジョン重合を行ない、次いでストロンチ
ウムクロメート(防食顔料)を該共重合体1001i量
部あたシロ重量部配合してなる水分散液(静的ガラス転
移温度ニーso’c。
−20℃における引張破断強度伸び率=500%)。
(E> :イソブチレンとノルマルブチレンとからなる
共重合体の乳化水分散液(静的ガラス転移温度ニー55
℃、−20℃における引張破断強度伸び率=600チ)
(F)二ノニルアクリレート60重量%、2−エチルへ
キシルアクリレート20重量%、メチルアクリレート1
5重量部およびヒドロキシエチルアクリレート5重量部
からなる組成物のエマルジョン重合体にクロム酸バリウ
ム(防食顔料)を該重合体100重量部あたシ10重量
部配合してなる水分散液(静的ガラス転移温度ニー48
℃、−20°Cにおける引張破断強度伸び率: 370
%)。
(G)二上記(F)のエマルジョン重合体からなる水分
散液。
(H):ヘキサデシルアクリレート60重量%、2−エ
チルへキシルアクリレート20重量%、メチルアクリレ
ート15重量%およびヒドロキシエチルアクリレート5
重量%からなる組成物をエマルジョン重合してなる水分
散液(静的ガラス転移温度:+4℃)。
(4)  中塗塗料ニ アミラックN−27−ラー(関西ペイント(株)製、ア
ミノポリエステル樹脂系中塗塗料)。
(5)上塗塗料: (A)ニアミラツクホワイト(関西ペイント(株)製、
アミノ−アルキド樹脂系上塗塗料、1コー)1ベ一ク用
白色塗料、鉛推硬度H(20℃))。
(B):マジクロンシルバー([西ペイント(株)展、
アミノアクリル樹脂系上塗塗料、2コート1ベーク用シ
ルバーメタリツク塗料、鉛筆硬度H(20℃))。
(C):マジクロンクリヤー(関西ペイント(株)製、
アミノアクリル樹脂系上塗塗料、2コート1ベーク用ク
リヤー塗料、鉛薙硬度H(zo’C))。
にに直性−よ帆五 上記試料を用いて鋼材に電着塗料、水性バリアーコート
、中塗塗料および上塗塗料を後記の第1表に示す工程で
塗装した。
第1表において、 カチオン電着塗装条件:浴固形分濃度19重量%、浴温
度28℃、pH6,5、負荷電圧約250V%180秒
間通電。
アニオン電着塗装条件:浴固形分濃度12重量%、浴温
度30℃、p H7,8、負荷電圧約200F、tso
秒間通電。
上記いずれもの場合も電着塗装後水洗し、風乾後、17
0℃で30分間焼付けて硬化せしめた。
バリアーコートはエアスプレー機で塗装し、膜厚は乾燥
塗膜にもとすいてお!t、t2o℃で30分焼付けた。
中塗および上塗塗料はいずれも静電塗装機で吹付塗装し
たものであり、膜厚は硬化塗膜にもとすいている。
上塗塗装において、「ICIB」は上塗塗料Aを塗装後
、140℃で30分焼付けた塗装システムであり、「2
CIB」は上塗塗料BならびにCをウェットオンウェッ
トで塗り重ねた後、140℃で30分焼付けて該両塗膜
を硬化せしめるシステムである。
■、性能試験結果 上記の実施例および比較例において塗装した塗板を用い
て塗膜性能試験を行なった。その結果を後記の第2表に
示す。
〔試験方法〕
(*1)耐チッピング性: ■ tile器:Q−G−Rグラベロメーター(Qパネ
ル会社製品) ■ 吹付けられる石:直径約15〜2Q m / mの
砕石 ■ 吹付けられる石の容量:約500−■ 吹付はエア
ー圧カニ約4kg/cd■ 試験時の温度:約20℃ 試験片を試験片保持台にとりつけ、約4 kg/dの吹
付はエアー圧力で約500−の砕石を試験片に発射せし
めた後、その塗面状態および耐塩水噴霧性を評価した。
塗面状態は目視観察し下記の基準で評価し、耐塩水噴霧
性は試験片をJISZ2371によって960時間、塩
水噴霧試験を行ない、次いで塗面に粘着セロハンテープ
を貼着し、それを急激に剥離した後の被衝撃部からの発
錆の有無、腐食状態、塗膜ハガレなど ■ 塗面状態 ◎(良):上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが極く僅
か認められる程度で、電着塗膜の剥離を全く認めず。
Δ(やや不良)二上塗りおよび中塗り塗膜に衝撃による
キズが多く認められ、しかも電着塗膜の剥れも散見。
×(不良)二上塗りおよび中塗り塗膜の大部分が剥離し
、被衝撃部およびその周辺を含めた被衝撃部のt着塗膜
が剥離。
■ 耐塩水噴霧性 ◎:発錆、腐食、塗膜ノ・ガレなどは認められない。
O:錆、腐食および塗膜ノ・ガレがわずか認められる。
Δ:錆、腐食および塗膜ノ・ガレがやや多く認められる
×:錆、腐買および塗膜ノ・ガレが者しく発生。
(*2)耐衝撃性: JIS  K5400−1979 6.1& 3B法に
準じて、0℃の雰囲気下において行なう。重さ500I
のおもりを501の高さから落下して塗膜の損傷を調べ
る。
(■:全く異常なし。
X:ワレ、ハガレ著しく発生。
(*3)付着性: JIS  K5400−1979 6.15に準じて塗
膜にゴパン目を作シ、その表面に粘着セロノ・ンテープ
を貼着し、急激に剥した後の慾面を評価する。
◎:塗膜の剥れ全く認められず。
O:塗膜がわずか剥れた。
(*4)耐水性: 40℃の水に10日間浸漬した後の塗面を評価する。い
ずれも異常を認められない。
(*5)平滑性: 目視により判定。
◎:平滑性良好。
○:凹凸が少し認められる。
Δ:凹凸が多く認められる。
(*6)端面防食性: 前記(*1)と同様にして塩水噴霧試験を480時間行
ない、鋼板端面部における塗面の状態を目視により判定
した。
◎二発錆、腐食などは認められない。
○:錆がごくわずか認められる。
X:錆、腐食などが著しく発生。
(*7)耐糸サビ性: 塗膜をカッターで素地に達するように2本の対角線状に
カットを入れ、JIS  Z  2371による塩水噴
霧試験器に48時間入れた後、脱イオン水で塗面を洗浄
してから恒温便室ボックス(温度40±2℃、湿度85
±2%)に720時間入れた後の糸サビ発生状況を調べ
た。
糸サビの平均長さ、および密度を記録、カット部の長さ
10m以内に糸サビが 3本以下 F 5〜6本内外 M 10本以上  D 全目安として評価する。
なお、上段の数値は糸サビの長さく酩)でおる。
(*8)耐スキャプ性;40°Cの温水に120時間浸
漬し、次いで20℃で4時間乾燥したのち6号砕石30
0Fを4ゆ/釧でチッピング(直線カットも併用)せし
めた塗板について、〔5%食塩水(30’C)に2時間
浸漬→−20℃で1時間放置→屋外で45時間暴露〕を
週3回行なって、これを1サイクルとして、30サイク
ル実施した後の塗面状態(特にサビ、フクレなどについ
て)を調べた。
◎:サビ、フクレなど全く認められない。
O:サビ、フクレわずか発生。
Δ:サビ、7クレ多く発生。
×:サビ、フクレ著しく発生。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 鋼材に顔料を高濃度に配合した電着塗料を塗装し、次い
    で該塗面に形成塗膜の静的ガラス転移温度が0〜−75
    ℃である水性バリアーコートを塗装した後、中塗塗料お
    よび上塗塗料を塗装することを特徴とする鋼材の塗装法
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