JPH0678212B2 - メイクアツプ化粧料 - Google Patents

メイクアツプ化粧料

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JPH0678212B2
JPH0678212B2 JP60136250A JP13625085A JPH0678212B2 JP H0678212 B2 JPH0678212 B2 JP H0678212B2 JP 60136250 A JP60136250 A JP 60136250A JP 13625085 A JP13625085 A JP 13625085A JP H0678212 B2 JPH0678212 B2 JP H0678212B2
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pigment
silk fibroin
water
powder
production example
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和男 荻野
一郎 大枝
佑 下山
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KANEBO KENSHI KYOBIJIN KK
Kanebo Ltd
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KANEBO KENSHI KYOBIJIN KK
Kanebo Ltd
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    • A61K8/64Proteins; Peptides; Derivatives or degradation products thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q1/00Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
    • A61Q1/02Preparations containing skin colorants, e.g. pigments

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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は、水溶性アルミニウム塩を媒染剤として多孔性
絹フィブロイン粉末を特定の天然色素で媒染染色して得
られた着色顔料(着色料)の配合使用によって改良され
たメイクアップ化粧料に関する。
(従来技術) 従来、化粧料に汎用されているコールタール系色素は、
発癌性、変異原性等、人体への有害性が問題となってか
ら、化粧品用として使用許可されている法定色素が年々
減少していく傾向にある。コールタール系色素に代わる
安全性の高い色素(着色料)として天然色素があるが、
天然色素は耐光性、耐熱性に劣り、pHによる色相の変動
が大きい他、ブリードするためにメイクアップ化粧料に
は使用できない。
特公昭55−46367号公報には、このような天然色素の欠
点を改良するために、天然色素のカーサミン(紅花色
素)が溶存したアルカリ性水溶液に絹の粉末(シルクパ
ウダー)を浸漬して染色した後、有機酸にてカーサミン
を定着不溶化した顔料を形成せしめ、これを油性クリー
ムに配合することが開示されている。
しかしながら、この顔料の基体をなしている絹の粉末
は、結晶化率が50〜60%と非常に高いためにカーサミン
によっても濃色に染色し難く、またカーサミン自身、耐
光性や耐熱性も不充分である他、絹との親和性が低いた
めに油性物質の共存下や配合化粧料の塗布時における摩
擦により脱落しやすい。この傾向はカーサミンのみなら
ず、後述の如き他の天然色素によっても見られ、濃色に
染着せしめることも、また耐光性、耐熱性、耐ブリード
性、色調等を充分向上せしめることも困難であった。
絹フィブロイン粉末、殊に再生絹フィブロイン粉末は、
その適度の吸湿性及び保湿性、皮膚に対する優れた親和
性、良好な親水性−親油性バランス、更には紫外線吸収
性等の特性を有し、従来から主としてメーキャップ化粧
料基剤に添加使用されている(特公昭58−38449号公
報)。
また、上述の絹フィブロインの化粧料原料としての好ま
しい性質を活用して、再生絹フィブロイン皮膜により一
般的な化粧料用顔料の粒子表面を実質的に被覆すること
からなる付着性、伸展性、分散性、混和性、被覆性、吸
油性、親水性と親油性のバランス、発汗防止性、感触、
皮膚保護性、染色性等に著しく優れた化粧料用顔料及び
その製造法が特公昭57−11577号に提案されている。
しかしながら、これ等の再生絹フィブロイン顔料は、染
色性や保香性に於て、従来の一般的な顔料に比べて良好
であるものの、実用的には、この再生絹フィブロイン顔
料を天然色素で染着してなる着色顔料によって着色され
ているメイクアップ化粧料は、耐光性、耐熱性、耐ブリ
ード性、色調に於いて満足できるものではなかった。
その他、特開昭59−10507号公報にシルクパウダーを用
いて、染料の顔料化の方法に関連したものとして、シコ
ン抽出色素の顔料化粉末を配合した化粧料が記載されて
いる。この方法は古来実施されている絹繊維の天然色素
での媒染染色法をパウダーに応用したものにすぎず、前
述の如く、絹の結晶化率が50%以上の粉末では、染着色
素分も少く、せいぜい淡色にしか染まらず、一般に着色
顔料として要求される色素分5%以上、望ましくは10%
以上、さらに望ましくは20%以上の水準に程遠いものし
か得られない。
(発明の開示) 本発明者等は、従来技術の難点を悉く改良せんとして鋭
意研究した結果、 (1) 本発明の着色顔料の基体をなす多孔性絹フィブロ
インは、出発物質の絹あるいは通常の再生絹フィブロイ
ンとは形態や性状が化学的、物理的に著しく相違してい
て、例えば後記特定の天然色素の親和性、吸着性(染着
性)がより高く、より鮮明に発色して良好な色調を与
え、また光沢や感触や保湿性も絹自体のそれよりも優れ
ていること。
(2) 多孔性絹フィブロインに染着した後記特定の天然
色素は、水溶性アルミニウム塩とよく適応して、その媒
染作用(効果)によりキレート化し、化学的に安定化す
ると共により良好な耐光性、耐熱性、耐ブリード性、色
調を付与し得ること。
(3) 本発明の着色顔料を構成する基体の多孔性絹フィ
ブロインも、色素も天然物であるため、着色顔料は人体
に無害、安全であること。
(4) 本発明の着色顔料を配合したメイクアップ化粧料
は、耐光性、耐熱性、耐ブリード性、色調に著しく優れ
ると共に化粧もち(耐水性、耐汗性、肌への付着性)、
感触(伸展性、保湿性)等も良好で、美麗、かつ安定な
美粧効果(メイクアップ効果)を付与、発現し得るこ
と。
等を見出し、本発明を完成した。
(発明の目的) 即ち、本発明の目的は、人体に安全で皮膚刺激がなく、
耐光性、耐熱性、耐ブリード性、色調に優れると共に、
化粧もち(耐水性、耐汗性、肌への付着性)、感触(伸
展性、保湿性)等の良好な改良されたメイクアップ化粧
料を提供するにある。
(発明の構成) 本発明は、微粉末状の再生絹フィブロイン又は基体顔料
含有再生絹フィブロインよりなり、該絹フィブロインの
少なくとも50重量%が熱水不溶性のフィブロイン(β
型)より構成され、且つ孔径1μ以下の気孔を300μ/
g以上含有する多孔性絹フィブロイン粉末を、水溶性ア
ルミニウム塩を媒染剤として、蘇芳色素、クチナシ色
素、サフラン色素、アカネ色素、カカオ色素、キハダ色
素、コチニール色素、ラック色素、紫根色素、エンジュ
色素、モナスカス色素、あい色素からなる群から選択さ
れた天然色素で媒染染色して得られた着色顔料によって
着色されているメイクアップ化粧料である。
(構成の具体的な説明) 本発明に係る多孔性絹フィブロイン粉末は、絹フィブロ
イン水溶液に水不溶性炭酸塩微粒子又は該微粒子と基体
顔料とを懸濁させた懸濁液に凝固性塩の混合及び/又は
速いずり変形速度での撹拌の処理をして前記微粒子又は
それと基体顔料とを被覆内包する再生絹フィブロイン粗
粒子を生成後酸処理により水不溶性炭酸塩を分解溶出さ
せると共に炭酸ガスを発生せしめ、次いで水洗、乾燥後
粉砕することによって得られるものである。
また、この多孔性絹フィブロイン粉末は、再生絹フィブ
ロイン、又は基体顔料と再生絹フィブロインとの複合体
が無数の微細気孔を保有する構造であって、その量は孔
径1μ以下の気孔が300μ/g以上、好ましくは400μ
/g以上、より好ましくは600μ/g以上である。
通常の粉末状再生絹フィブロインや絹糸をそのまま或い
は化学的処理で脆化させたものを粉砕した単なる繊維状
の絹フィブロインパウダーのボイド(Void:微細孔)量
が高々200μ/gであるのに比較して、本発明による多
孔性絹フィブロイン顔料の場合、微細気孔量が著しく多
く、このため例えば天然色素等の媒染染色に於て非常に
濃色で耐水、耐光堅牢性の良好な着色絹フィブロイン顔
料を得ることができる。
本発明の多孔性絹フィブロイン粉末が微細気孔量の増加
で色素の染色量や堅牢性が顕著に増加向上する原因は明
確には判らないが、おそらく活性炭の高い吸着性能が、
その多量の微細気孔に原因するのと同様の原理と考えら
れる。
本発明の多孔性絹フィブロイン粉末は、再生絹フィブロ
インの少なくとも50重量%、好ましくは80重量%以上、
より好ましくは少なくとも90重量%が熱水不溶性のフィ
ブロイン(β型構造)によって構成されている。50重量
%未満ではフィブロインの親水性が極度に強くなり、水
や汗で粘着、粘結を起して顔料粒子が二次粒子化(粒子
が凝集して巨大粒子となる)したり、また水分散媒(水
系の化粧料)の中では該皮膜の脱離が、油分散媒(油性
の化粧料)の中では分散性が低下しやすい。また塗布時
の伸び、感触等がわるくなる。
本発明において熱水不溶性のフィブロインとは100℃の
熱水中で15分間煮沸しても溶解しないフィブロインを謂
う。
前記熱水不溶性フィブロインはフィブロインの分子間水
素結合が実質的にβ構造のものである。
再生フィブロインの結晶化度は前記製造過程の諸条件に
より若干異なるけれども通常10%以上、好ましくは20%
以上で43%を超えることがない。これは絹繊維の結晶化
度(50%以上)よりも可成り低く、又分子の配向度も絹
繊維の1/2以下と低い。この点が単なる改質絹フィブロ
インよりも再生絹フィブロインの方が化粧料基剤とし
て、より好ましい効果を与える原因と考えられる。
本発明の多孔性絹フィブロイン粉末における基体顔料と
は、化粧料用の白色顔料、体質顔料、パール顔料等の総
称であって、例えばタルク、カオリン、マイカ、酸化チ
タン、酸化亜鉛、雲母チタン、又はそれらの複合物を挙
げることができ、一種又は二種以上組合せて適用され
る。基体顔料の最大粒径は通常0.03〜20μである。
本発明に於て基体顔料は再生絹フィブロインに対して0
〜4倍(重量)であって、好ましくは0〜2倍(重
量)、より好ましくは0〜1倍(重量)である。
本発明の多孔性絹フィブロイン粉末の最大粒径は通常0.
5〜100μ、好ましくは1〜60μ、特に好ましくは3〜30
μである。最大粒径が100μよりも大きくなると皮膚に
対する付着性、親和性、伸展性等がわるくなりやすい。
本発明に適用する絹フィブロイン原料としてはまゆ、生
糸、まゆ屑、生糸屑、ビス、揚り綿、絹布屑、ブーレッ
ト等を常法に従い必要に応じ活性剤の存在下、温水中で
又は酵素の存在下に温水中でセリシンを除去し乾燥した
精練絹を使用し、例えば特公昭58−38449号公報記載の
方法で溶解するが、溶媒としてはコスト、及び使用上の
点からカルシウム又はマグネシウム或いは亜鉛の塩酸塩
又は硝酸塩の水溶液が好ましい。又これらの水溶液の濃
度は使用する溶媒の種類、温度等により異なるが金属塩
等の濃度は通常10〜80重量%、好ましくは20〜70重量
%、特に好ましくは25〜60重量%である。
本発明に使用する前記フィブロイン水溶液のフィブロイ
ンの濃度は通常2〜20重量%、好ましくは4〜15重量
%、特に好ましくは5〜10重量%である。
2重量%未満では、フィブロイン水溶液の再生時間が長
くなって非経済的であり、一方20重量%を越えると、水
洗、乾燥工程における該多孔性フィブロイン粉末よりの
脱水が難しい場合がある。更に前記両範囲では熱水不溶
性フィブロインの割合(β構造化率)の少ない、かつ汗
や水分散媒中で粘着したり、二次粒子化を起しやすい再
生フィブロインを生成しやすい。
本発明方法に適用する懸濁液は絹フィブロイン水溶液に
カルシウム、マグネシウム或いは亜鉛の塩酸塩又は硝酸
塩の少なくとも1種を溶存させ、これに水易溶性の炭酸
塩を投入して、カルシウム、マグネシウム或いは亜鉛の
炭酸塩を水不溶性の微粒子として析出させてもよく、又
絹フィブロイン原料の溶媒として好ましい溶解用塩が、
たまたま該水不溶性炭酸塩の原料でもあるため、中間体
である粗粒子に内包せしめる水不溶性炭酸塩の所定量
(略当量)から計算した量の、カルシウム、マグネシウ
ム或いは亜鉛の塩酸塩又は硝酸塩で絹フィブロイン原料
を溶解し、これを脱塩しないで次工程に、そのまま使用
しても良い。但し、絹フィブロイン水溶液は、透析脱塩
して絹フィブロイン原料の溶解に使用した塩酸塩又は硝
酸塩を完全に除去することがより好ましい。透析によっ
て、本来含まれている又溶解時に生成し、製品の化粧料
用基剤としての性能を低下させる低分子量の絹フィブロ
インや染色時、特にキノン系の天然色素での染色時に発
色の障害になり、原料や反応系から混入する鉄イオン等
を完全に取り除くことができる。この場合、反応系内で
水不溶性炭酸塩を生成せしめる時は、あらためて前記塩
酸塩又は硝酸塩を所定量添加する必要がある。
基体顔料を併用する場合懸濁液中に該基体顔料を懸濁さ
せ所定の工程を経てそれを被覆内包する多孔性絹フィブ
ロイン顔料を得ることができる。
上述の水易溶性炭酸塩としては炭酸ナトリウム、炭酸ア
ンモニウム等が挙げられる。前記塩酸塩又は硝酸塩と水
易溶性炭酸塩の反応は、撹拌下瞬時に生起し水不溶性の
炭酸塩微粒子が析出する。
該微粒子又は該微粒子と基体顔料の両者が懸濁する絹フ
ィブロイン水溶液に凝固性塩の混合又は50/sec以上の速
いずり変形速度での撹拌等の少くとも一種の処理を実施
し、絹フィブロインを再生させる。再生した絹フィブロ
イン粗粒子は水不溶性炭酸塩微粒子又は該微粒子と基体
顔料との両者を被覆内包する粗粒子状ゲル体である。該
粗粒子状ゲル体は前記透析脱塩して精製した絹フィブロ
イン水溶液に平均粒径1μ以下、好ましくは0.1μ以下
の軽質炭酸カルシウム又はこれと基体顔料の両者が懸濁
する絹フィブロイン水溶液から同様の方法で再生させる
こともできる。
前記粗粒子中の炭酸塩微粒子の量は粗粒子の20〜80重量
%が好ましく、30〜70重量%がより好ましい。20重量%
未満の場合、微細孔量が減少し、一方80重量%を越すと
かえって1μ以下の微細孔量が減少し、1μ以上の微細
孔量が増える傾向を示す。
凝固性塩を使用する場合は、例えば塩化ナトリウム、塩
化カリウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム等の濃厚
水溶液を混合撹拌して絹フィブロインを析出させる。凝
固性塩の濃度は絹フィブロイン水溶液との混合液の濃度
が通常5〜10重量%となるよう調整する。
撹拌のみでも絹フィブロインは析出するがこの場合、速
いずり変形速度で行わればならず通常50/sec以上、好ま
しくは100/sec以上のずり変形速度で実施する。撹拌時
間は水溶液の濃度又はずり変形速度等により異なるが通
常1時間以上でゲル化が行なわれる。
中間体である絹フィブロイン粗粒子は過水洗後、場合
によっては乾燥、粗粉砕後酸処理を実施し、炭酸塩微粒
子を分解する。酸としては塩酸や酢酸或いはクエン酸が
適当であるが、硫酸は水難溶性の硫酸塩が生成する場合
があるので注意する必要がある。酸の量は被覆内包され
る炭酸塩と当量〜やや過剰が望ましいが、pHを1以下に
すると絹フィブロインが脆化する危険があるので避けな
ければならない。酸分解の完了は炭酸ガスの発生が終息
することで確認でき、次いで得られた多孔性絹フィブロ
イン粉末を水洗、脱水する。脱水は遠心脱水機の使用が
好ましく、この脱水により多孔性絹フィブロイン粉末は
通常その乾燥物に対して100〜500重量%程度までに脱水
される。脱水後は容易に絶乾状態まで乾燥することがで
きる。乾燥は、常圧又は減圧下で温度60〜120℃で行な
われる。
かくして得られた乾燥物はハンマーミル、ジェツトミル
等の粉砕機を使用することにより容易に微粉末化され
る。その粒子径(最大粒子径)は通常0.5〜100μ、好ま
しくは1〜60μ、特に好ましくは3〜30μに調整され
る。
かくして得られた本発明の多孔性絹フィブロイン粉末
は、その再生フィブロインの少なくとも50重量%が熱水
不溶性フィブロインで構成されているが、乾燥前、乾燥
後又は粉砕後に湿熱処理を行なうことによって、フィブ
ロインの熱水不溶化(熱水不溶性フィブロインの割合、
β構造化率)を更に促進(増大)することができ、前記
の特性を更に向上することができる。
その湿熱処理としては、乾燥後又は粉砕後の該粉末を50
℃以上、特に80〜120℃の飽和水蒸気で加熱処理する
か、若しくは乾燥前に塩化ナトリウム、塩化カリウム、
硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸
カリウム等の中性塩水溶液或いはアセトン、アルコール
等の有機溶媒中で加熱乾燥することによって行なわれ
る。これらの湿熱処理を行なう場合は、上述の如き再生
フィブロインの熱水不溶化の促進(β構造化率の増大)
と共にフィブロインの結晶化度をも更に増大することが
でき優れた適度の親水性と親油性のバランス、発汗防止
性、分散媒への分散性、被膜安定性、染色堅牢性を有す
る良好なフィブロイン被覆顔料が得られやすい。
本発明において、多孔性絹フィブロイン粉末を染色する
ための天然色素としては、蘇芳抽出色素、ブラジリン等
の蘇芳色素、クチナシ抽出色素、クロシン等のクチナシ
色素、サフラン抽出色素等、アカネ抽出色素、アリザリ
ン等のアカネ色素、カカオ抽出色素、ポリフェノール等
のカカオ色素、キハダ抽出色素、ベルベリン等のキハダ
色素、コチニール抽出色素、カルミン酸等のコチニール
色素、ラック抽出色素、ラッカイン酸等のラック色素、
紫根抽出色素、シコニン等の紫根色素、エンジュ抽出色
素、ルチン等のエンジュ色素、モナスカス抽出色素、モ
ナスコルプリン等のモナスカス色素、あい抽出色素、イ
ンジゴ等のあい色素である。
本発明における多孔性絹フィブロイン粉末の媒染染色
は、多孔性絹フィブロイン粉末を水溶性アルミニウム塩
(媒染剤)の水溶液に浸漬して媒染処理した後で前記天
然色素の水溶液に浸漬して染色するか、または多孔性絹
フィブロイン粉末を前記天然色素の水溶液で染色した
後、水溶性アルミニウム塩水溶液に浸漬して媒染処理す
ることによって行なわれる。
多孔性絹フィブロイン粉末を染色するときの天然色素の
量は、多孔性絹フィブロイン粉末の重量に対して0.1〜3
0重量%の範囲内である。そして染色温度は通常60〜100
℃、染色時間は1〜3時間である。多孔性絹フィブロイ
ン粉末を媒染処理するときの水溶性アルミニウム塩(媒
染剤)の量は、該粉末の重量に対して0.1〜10重量%の
範囲内であり、そして媒染処理温度は50〜80℃、媒染処
理時間は1〜3時間である。
上記の天然色素水溶液で染色する場合、並びに水溶性ア
ルミニウム塩水溶液で媒染処理する場合の各水溶液の量
(浴比)は、多孔性絹フィブロイン粉末の重量に対して
通常30〜70倍量である。
前記の水溶性アルミニウム塩としては、例えばアルミニ
ウムカリウムミョウバン、アルミニウムナトリウムミョ
ウバン、アルミニウムアンモニウムミョウバン、硫酸ア
ルミニウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム等が
好ましいものとして挙げることができる。
前述の如く、多孔性絹フィブロインの微粉末を媒染染色
して得られる本発明の着色顔料は、再生フィブロインの
微粉末や絹の微粉末(シルクパウダー)を媒染せずに染
色(通常の染色)した着色顔料よりも、染着性、発色
性、色調、耐光性、耐熱性、耐ブリード性、耐水性、耐
汗性、皮膚に対する付着性に優れている。
本発明のメイクアップ化粧料における前記着色顔料の配
合量は、処方成分の全量重量に対して1〜50重量%、好
ましくは5〜30重量%である。
本発明のメイクアップ化粧料は、前記着色顔料の配合に
よって所望の色相に着色し得るが、必要に応じて着色無
機顔料や有機顔料を少量配合することもできる。
本発明のメイクアップ化粧料に使用される基剤として
は、無機顔料、体質顔料油性物質、香料等、周知、慣用
のメイクアップ化粧料用の基剤であって特に限定されな
い。
本発明のメイクアップ化粧料は、例えば口紅、アイシャ
ドウ、ほゝ紅、ファンデーション等として極めて有用で
ある。
(発明の効果) 本発明のメイクアップ化粧料は、人体に安全で皮膚刺激
がなく、耐光性、耐熱性、耐ブリード性、色調に優れる
と共に化粧もち(耐水性、耐汗性、肌への付着性)、感
触(伸展性、保湿性)等も良好で美麗かつ安定な美粧効
果(メイクアップ効果)を発現、付与し得るものであっ
て、その商品的価値は極めて高い。
以下、実施例について説明する。
尚、実施例に示す%とは重量%、部とは重量部を意味す
る。また、メイクアップ化粧料の耐光性、耐熱性、耐ブ
リード性、実用テスト(官能テスト)の試験法は次の通
りである。
(1) 耐光性試験 試料は2個準備し、1個は日照箱(ガラスケース)の中
に収容して太陽光線に3週間曝射し、1個は冷暗所に3
週間保存した後に両試料の色や肉眼観察により比較し
て、色の変化の程度から耐光性を判断した。
(2) 耐熱性試験 試料は2個準備し、1個は内部温度を50℃に調節した恒
温槽の中に3ケ月収容し、1個は冷暗所(5℃)に3ケ
月保存した後に両試料の色を肉眼観察により比較して、
色の変化の程度から耐熱性を判断した。
尚、前記(1)の耐光性試験およびこの耐熱性試験におい
て、各2つの試料におけるハンター測色系のL値、a値
およびb値を分光光釈計(村上色彩研究所製)にて測定
し、色差ΔEを、下記の式から計算して、表示した。
尚、ΔE値(色差値)が5以下では肉眼には両試料の色
は同等に見えて色差がなく、5以上、10以下では若干の
色差を感じ、10以上20以下では色差は明確に判定でき
る。更にΔE値が20以上になると極めて大きな色差とな
る。
(3) 耐ブリード性試験 試料1gを150ccの沸騰水中に入れて2.5時間煮沸して、水
層中への天然色素の溶出する度合(水が着色する程度)
を肉眼で観察して耐ブリード性を判断した。
(4) 実用テスト(官能テスト) メイクアップ化粧料の試料を2ケ月間使用した時の色調
(色味、あざやかさ等)、化粧もち(耐水性、耐汗性、
肌への付着性)、感触(伸展性、保湿性)等について、
女子パネラー30人による実用テスト(官能テスト)を行
ない、その結果を官能評価点として表示した。尚、官能
評価点は各アンケート項目(テスト項目)に対し、良い
と答えた人を5点、普通と答えた人を3点、わるいと答
えた人を1点とした場合の30人の平均点である。
製造例1〜2 絹フィブロイン原料として絹紡績屑を用いて、これの10
0部をマルセル石けん30部、水3000部の溶液で95〜98℃
において3時間撹拌精練し、残膠を0.1%以下にまで減
少させ、水洗後80℃で熱風乾燥した。
塩化カルシウム(CaCl2・2H2O)200部に水200部を混合
して38重量%塩化カルシウム水溶液400部を調製して110
℃に加熱した。これに精練ずみの絹紡屑80部をニーダを
用いて5分間で撹拌しながら投入後、さらに30分間撹拌
し完全に溶解させた。
次に、内径200μ、膜厚20μ、長さ500mmの再生セルロー
ス系中空糸を200本束ね、これの両端を中空穴を閉塞す
ることなく集束固定(シール)したホローファイバー型
の透析装置を用いて、前記各溶解液を0.1/時間の割
合で流入させて脱イオン水を用いて透析し、フィブロイ
ン水溶液を得た。該フィブロイン水溶液のフィブロイン
濃度は6.5重量%で、残留塩化カルシウムは0.001重量%
であった。
このフィブロイン水溶液200部を100/sec。以上のずり変
形速度を与えるように高速で撹拌した。撹拌を2〜3時
間続けると次第に絹フィブロインが析出し、ついには全
体が小さなゲルの集合体として固まった。ゲル集合体を
別し、水洗、乾燥後、これをジエットミルで粉砕し、
従来技術である特公昭58−38449号の記載に準じる再生
絹フィブロイン粉末15部を得た。(製造例1) また、上記で得られたフィブロイン水溶液の200部に、
塩化カルシウム2水塩30部を撹拌混合し、完全に溶解し
たのを確認後、これに10重量%炭酸ナトリウム200ccを
徐々に投入し、炭酸カルシウムの微細な結晶を析出させ
た。該反応は炭酸ナトリウムの投入終了と同時に定量的
に完了するので、引続いて、該炭酸塩微粒子が懸濁する
絹フィブロイン水溶液を100/sec。以上のずり変形速度
を与えるように高速で撹拌した。
撹拌を2〜3時間続けると次第に炭酸カルシウムを被覆
内包する絹フィブロインが析出し、ついには全体が小さ
なゲルの集合体として固まった。
ゲル集合体を別し、水洗、乾燥後ハンマーミルで粉砕
し、約33部の粗粉体を得た。
得られた粉砕物を200部の水に懸濁させ、これに濃塩酸4
0部を徐々に流入させた。発生する炭酸ガスのため反応
液は激しく発泡する。炭酸ガスの発生が終了したのを確
認後、さらに2〜3時間撹拌を続けた。反応終了後沈澱
物を別し、水洗、乾燥後、これをジエットミルで粉砕
し、本発明に係る多孔性絹フィブロイン粉末13部の微粒
子を得た。(製造例2)この結果から前記粗粒子中の炭
酸カルシウム微粒子の量は約60重量%であったことが判
る。
製造例2の多孔性絹フィブロイン粉末の平均粒径はコー
ルターカウンターによる測定で12.5μであった。又、水
銀圧入法による微細気孔量の測定で、1μ以下の気孔量
が630μ/gと多孔質であったが、製造例1の再生絹フ
ィブロイン粉末や単に繊維を粉砕した絹フィブロインパ
ウダーの1μ以下の気孔量は共に200μ/g以下であっ
た。
製造例2の多孔性絹フィブロイン粉末の結晶化度はX線
測定の結果18%であり、又熱水不溶性フィブロインの割
合(β構造率)は80重量%で皮膚上での付着性、伸び、
感触の良好な粉末で顔料として好適であった。
次に製造例2の多孔性絹フィブロイン粉末と製造例1の
再生絹フィブロイン粉末を天然色素としてシコニンを用
いて後述の如き通常の媒染法にて染色し、染着量を比較
した結果、染色液に残留している色素量から、製造例1
の再生絹フィブロイン粉末の吸着量が1.5%であるのに
対して製造例2の粉末は約7.5%であり、多孔性絹フィ
ブロイン粉末が強い吸着活性を保持していることが判
る。
製造例3〜7 製造例2に準じて溶解、透析を行ない絹フィブロイン水
溶液を調製し、これに塩化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、及び塩酸のすべてを同率で増減することで、第1表
に示す中間体粗粒子中の炭酸カルシウムの量に調整する
以外は製造例2と同様に処理して種々の多孔性絹フィブ
ロイン粉末を得た。その結果を第1表に示す。
この結果から、中間粗粒子中の炭酸カルシウムの量は20
〜80%が天然色素の染着量の点で望ましい範囲で、この
範囲をはずれると微細気孔量が300μ/g以下になって
不適当であることが判る。
尚、製造例1〜7の粉末における再生絹フィブロインの
結晶化度は15〜30%の範囲であった。
製造例8〜9 製造例1に準じて溶解、透析を行った絹フィブロイン溶
液200部に、平均粒径2μの酸化チタン80部を混合する
他は製造例1と同様にして、従来技術である特公昭57−
11577号の記載に準じる再生絹フィブロイン被覆顔料110
部を得た。(製造例8) また、製造例1に準じて絹紡屑を溶解し、絹フィブロイ
ンの塩化カルシウム水溶液を媒体とする溶解液を製造し
た。該溶解液240部に20%炭酸ナトリウム400部を撹拌し
ながら混合し炭酸カルシウムの微細な結晶を析出させ
た。これに平均粒径2μの酸化チタンを80部混合し、20
0部の水を追加し均一な懸濁液を調製した。
該懸濁液にさらに食塩を10重量%の濃度になるように添
加し、撹拌を2〜3時間続けると次第に炭酸カルシウム
と酸化チタンの微粒子を被覆内包する絹フィブロインの
ゲル体が再生析出する。該ゲル体を別し、そのまま14
0部の濃塩酸を希釈した2,000部の希塩酸で分解し、以降
製造例2に準じて処理した。乾燥粗粉体をジエットミル
で粉砕し、115部の微粉末を得た。(製造例9)この微
粉末の中間体粗粒子中の炭酸カルシウム微粒子の量は約
36重量%であり、又、再生絹フィブロインに対して酸化
チタンは2倍であった。次いて、他の諸特性を製造例2
に準じて試験した。
製造例10〜14 酸化チタンを他の平均粒径2〜6μの基体顔料に変え、
それの再生絹フィブロインに対する割合を種々変化させ
た以外は製造例8に準じて行い、次いで製造例2に準じ
て諸特性を試験した。
第2表に示すごとく、本発明に係る製造例9〜14の粉末
は、製造例8の従来技術の粉末に比較して、気孔量が多
く、優れた染着性を示している。
((着色顔料の製造例)) 製造例1〜14で得た基体粉末を本発明に係る天然色素で
媒染染色して種々の着色顔料を製造した。
製造例100〜103 アカネの茎1kgを細切し、40の水に浸漬して2時間煮
沸した後、過して、アカネ色素(抽出色素)を12g含
有する染液39.6を得た。この染液の中に、製造例1の
再生絹フィブロイン(結晶化度30%、気孔量160μ/
g)の粉末500gを分散させ、60〜100℃にて1時間染色し
た後、過し、よく水洗した遊離のアカネ色素を溶解除
去した。得られたアカネ色素−染色再生フィブロインの
微粉末(502g)を、水2.5にアルミニウムカリウムミ
ョウバン10gを溶解した水溶液の中に分散し、70〜80℃
に80分間加熱して媒染処理を行なった後(後媒染)、
過し、充分水洗し、乾燥して、赤橙色の着色顔料(アカ
ネ色素−製造例1)を得た。(製造例100) 同じく上記製造例100に於いて、製造例1の粉末に替え
て製造例8の再生絹フィブロイン被覆顔料(気孔量160
μ/g)を適用する他は同様にして着色顔料(アカネ色
素−製造例8)を得た。(製造例101) 上記製造例100に於いて、製造例1の粉末に替えて製造
例2の本発明に係る多孔性絹フィブロイン粉末(気孔量
630μ/g)を適用する他は同様にして着色顔料(アカ
ネ色素−製造例2)を得た。(製造例102) 同様にして本発明に係る製造例9の粉末を適用して着色
顔料(アカネ色素−製造例9)を得た。(製造例103) 製造例104〜106 本発明の着色顔料(蘇芳色素−媒染染色再生フィブロイ
ン微粉末)の製造 蘇芳の樹皮1kgを水10に浸漬し、2時間煮沸した後、
冷却し、過して蘇芳色素(抽出色素)を9g含有する染
液9.6を得た。この染液の中に製造例8の粉末(気孔
量230μ/g)500gを分散させ1時間煮沸して染色し、
冷却後、アルミニウムアンモニウムミョウバンの飽和水
溶液100mを加え、70〜80℃にて30分間媒染処理を行な
い、過、水洗する。水洗後10に加水して酢酸アルミ
ニウムの5%水溶液50mを加え70〜80℃で、30分間媒
染処理を行ない、過、水洗後、乾燥して、紫青色の着
色顔料(蘇芳色素−製造例3)を得た。(製造例104) 上記製造例104に於いて、製造例3の粉末に替えて製造
例5の本発明に係る多孔性絹フィブロイン粉末(気孔量
500μ/g)を適用する他は同様にして着色顔料(蘇芳
色素−製造例5)を得た。(製造例105) 同様にして本発明に係る製造例11の粉末を適用して着色
顔料(蘇芳色素−製造例11)を得た。(製造例106) 製造例107〜109 本発明の着色顔料(紫根色素−媒染染色再生フィブロイ
ンの微粉末)の製造 紫根1kgを粉砕し、1の水に浸漬した後、40〜60℃の
水20を追加して手もみ踏み出し法によって色素抽出を
行ない紫根色素11gを含有する染液を20.9得た。この
染液の中に製造例7の粉末(気孔量240μ/g)500gを
分散し、40〜60℃で2時間染色した後、過して得られ
た紫根色素−染色再生フィブロインの微粉末を0.5%酢
酸アルミニウム水溶液20の中に分散し、70〜80℃で1
時間撹拌下に媒染処理を行ない、水洗後、乾燥して紫色
の着色顔料(紫根色素−製造例7)を得た。(製造例10
7) 上記製造例107に於いて、製造例7の粉末に替えて製造
例6の本発明に係る多孔性絹フィブロイン粉末(気孔量
360μ/g)を適用する他は同様にして着色顔料(紫根
色素−製造例6)を得た。(製造例108) 同様にして本発明に係る製造例13の粉末を適用して、着
色顔料(紫根色素−製造例13)を得た。(製造例109) 製造例110 コチニール色素のカルミン酸100gを20の水に溶解し、
この水溶液に32%酢酸水溶液100gを加えて染液を調製し
た。この染液に製造例12の本発明に係る多孔性絹フィブ
ロイン粉末500gを分散させ50〜80℃で1.5時間染色し
た。その後アルミニウムカリウムミョウバン5gを50m
の水に溶解した水溶液を加えて80℃で30分間媒染処理を
行なった後、過、水洗、乾燥して赤色の着色顔料(コ
チニール色素−製造例12)を得た。
製造例111 コチニール色素のカルミン酸の代りにラック色素のラッ
カイン酸を使用する他は、製造例110と同様に媒染染色
を行なって、赤褐色の着色顔料(ラック色素−製造例1
2)を得た。
製造例112 水溶性モナスカス色素150gを水20に溶解し、この水溶
液に30%苛性ソーダ水溶液を添加してpHを11に調整し、
これを染液とした。この染液の中に製造例4の本発明に
係る多孔性絹フィブロイン粉末500gを分散させ60℃で1
時間染色した後、アルミニウムアンモニウムミョウバン
の10%水溶液50mを加えて70℃で30分間媒染処理を行
なった。媒染後4N塩酸を添加してpHを5に調整して過
し、水洗、乾燥して赤褐色の着色顔料(モナスカス色素
−製造例4)を得た。
製造例113 サフランの花弁1kgを水洗し、水40に浸漬し、1時間
煮沸して過し、抽出色素220gを含有した染液39.6を
得た。この染液に予め0.05%硫酸アルミニウム溶液40kg
で70〜80℃にて1時間媒染処理(先媒染)した製造例5
の本発明に係る多孔性フィブロイン粉末500gを分散さ
せ、70〜80℃で1時間染色し過、乾燥後、粉砕して黄
色の着色顔料(サフラン色素−製造例5)を得た。
製造例114 カカオの種実1kgを粉砕して水40に浸漬し、2時間煮
沸した後、冷却して過を行ないカカオ抽出色素36gを
含有した染液39.6を得た。この染液に製造例10の本発
明に係る多孔性フィブロイン粉末500gを分散させ1時間
煮沸して染色し、冷却後アルミニウムカリウムミョウバ
ン10gを溶解させた水溶液を加え、更に70〜80℃にて30
分間媒染処理を行ない、過、水洗後、乾燥し、茶色の
着色顔料(カカオ色素−製造例10)を得た。
製造例115 キハダの幹の内皮1kgを細切し、40の水に浸漬し、2
時間煮沸して過し、キハダ色素21gを含有した染液を3
9.6得た。この染液に製造例14の本発明に係る多孔性
絹フィブロイン粉末500gを分散させ、60〜100℃で1時
間染色し、過、水洗を行なった。次にアルミニウムア
ンモニウムミョウバン10gを水2.5に溶解した水溶液を
加え70〜80℃で30分間媒染処理を行ない、過、水洗
後、乾燥し、黄色の着色顔料(キハダ色素−製造例14)
を得た。
製造例116 エンジュのさや1kgを細切して水25に浸漬し、1時間
煮沸後、過して、エンジュ色素を9g含有した染液24.7
を得た。この染液に予め0.3%アルミニウムカリウム
ミョウバン水溶液25で70〜80℃にて1時間媒染処理
(先媒染)した製造例9の本発明に係る多孔性絹フィブ
ロイン粉末500gを分散させ70〜80℃に1時間染色し、
過、水洗、乾燥して黄色の着色顔料(エンジュ色素−製
造例9)を得た。
製造例117 すくも1kgを粉砕し、水40に分散させてから苛性カリ
の10%水溶液400mとハイドロサルファイトの10%水溶
液400mを加えて撹拌後、過して、あい色素300gを含
有する染液39.4を得た。この染液に、予めアルミニウ
ムアンモニウムミョウバンの0.1%水溶液25で70〜80
℃にて1時間媒染処理(先媒染)した製造例2の本発明
に係る多孔性絹フィブロイン粉末500gを分散させ、50〜
70℃にて1時間染色し、過、水洗後、乾燥して紺色の
着色顔料(あい色素−製造例2)を得た。
製造例118 クチナシの種子1kgを水40に浸漬し、1時間煮沸し、
過して、クチナシ抽出色素380gを含有する染液を39.6
得た。この染液の中に、予め0.05%硫酸アンモニウム
水溶液40で70〜80℃にて媒染処理(先媒染)した製造
例13の本発明に係る多孔性絹フィブロイン粉末500gを分
散させ70〜80℃にて1時間染色した後、リンゴ酸水溶液
を添加してpHを4に調整し、過、乾燥して黄色の着色
顔料(クチナシ色素−製造例13)を得た。
実施例1〜8,比較例1〜4 〔口 紅〕 製造例100〜118の種々の着色顔料を第3表の記載に準じ
て配合して、実施例または比較例である各々の口紅を調
製して、諸特性の試験を実施した。その結果を第3表に
記載する。
(1) 組成 (原料成分) (配合量部) キャンデリラロウ 4.0 固型パラフィン 8.0 ミツロウ 5.0 カルナウバロウ 5.0 ラノリン 11.0 イソプロピルミリステート 15.0 ヒマシ油 42.0 着色顔料 第3表に記載 (2) 調製法 油性原料成分を温度80℃に加熱して溶解混合した後、こ
の中に着色顔料を添加してローラーにかけて混練した
後、再度溶融して型に流し込み冷却して各々の口紅を調
製した。
(3) 特性 前記の試験法に準じて試験した諸特性の結果を第3表に
記載した。
実施例9〜12,比較例5〜6 〔ほほ紅〕 実施例1と同様に種々の着色顔料を配合して各々のほほ
紅を調製し、諸特性の試験を実施した。その結果を第4
表に記載する。
(1) 組成 (2) 調製法 (A)成分を均一に混合した後、これを(B)成分の溶解混合
物中に添加して混和し、その後粉砕してふるい別したも
のを金型にて打型して各々のほほ紅を調製した。
実施例13〜14,比較例7 〔ファンデーションクリーム〕 実施例1と同様に種々の着色顔料を配合して各々のファ
ンデーションクリームを調製し、諸特性の試験を実施し
た。その結果を第4表に記載する。
(1) 組成 (2) 調製法 (A)成分と(B)成分を各々温度80℃で加熱混合溶解し、
(B)成分中へ(A)成分を混合して乳化分散せしめ、撹拌し
ながら30℃まで冷却して、各々のファンデーションクリ
ームを調製した。
第3表及び第4表に記載のごとく、本発明のメイクアッ
プ化粧料である実施例1〜14は、比較例1〜7と各々比
較することに於いて、諸特性に優れていることが明らか
である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉末状の再生絹フィブロイン又は基体顔
    料含有再生絹フィブロインよりなり、該絹フィブロイン
    の少なくとも50重量%が熱水不溶性のフィブロイン(β
    型)より構成され、且つ孔径1μ以下の気孔を300μ/
    g以上含有する多孔性絹フィブロイン粉末を、水溶性ア
    ルミニウム塩を媒染剤として、蘇芳色素、クチナシ色
    素、サフラン色素、アカネ色素、カカオ色素、キハダ色
    素、コチニール色素、ラック色素、紫根色素、エンジュ
    色素、モナスカス色素、あい色素からなる群から選択さ
    れた天然色素で媒染染色して得られた着色顔料によって
    着色されているメイクアップ化粧料。
  2. 【請求項2】再生絹フィブロイン又は基体顔料含有再生
    絹フィブロインが孔径1μ以下の気孔を400μ/g以上
    含有する特許請求の範囲第1項記載のメイクアップ化粧
    料。
  3. 【請求項3】再生絹フィブロイン又は基体顔料含有再生
    絹フィブロインが孔径1μ以下の気孔を600μ/g以上
    含有する特許請求の範囲第1項記載のメイクアップ化粧
    料。
  4. 【請求項4】再生絹フィブロインの少なくとも80重量%
    が、熱水不溶性のフィブロインである特許請求の範囲第
    1項記載のメイクアップ化粧料。
  5. 【請求項5】再生絹フィブロインの結晶化度が、少なく
    とも10%である特許請求の範囲第1項記載のメイクアッ
    プ化粧料。
  6. 【請求項6】再生絹フィブロインの結晶化度が、少なく
    とも20%である特許請求の範囲第1項記載のメイクアッ
    プ化粧料。
  7. 【請求項7】多孔性絹フィブロイン粉末の最大粒径が0.
    5〜100μである特許請求の範囲第1項記載のメイクアッ
    プ化粧料。
  8. 【請求項8】再生絹フィブロインに対して基体顔料が0
    〜4倍(重量)である特許請求の範囲第1項記載のメイ
    クアップ化粧料。
  9. 【請求項9】基体顔料がタルク、カオリン、マイカ、酸
    化チタン、酸化亜鉛、雲母チタン、又はそれ等の複合物
    或いはそれらの組合せである特許請求の範囲第1項記載
    のメイクアップ化粧料。
  10. 【請求項10】水溶性アルミニウム塩が、アルミニウム
    カリウムミョウバン、アルミニウムナトリウムミョウバ
    ン、アルミニウムアンモニウムミョウバン、硫酸アルミ
    ニウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウムあるいは
    それらの組合せである特許請求の範囲第1項記載のメイ
    クアップ化粧料。
  11. 【請求項11】媒染染色が、多孔性絹フィブロイン粉末
    を水溶性アルミニウム塩水溶液で媒染処理した後で天然
    色素の水溶液で染色することによって行なわれる特許請
    求の範囲第1項記載のメイクアップ化粧料。
  12. 【請求項12】媒染染色が、多孔性絹フィブロイン粉末
    を天然色素の水溶液で染色した後、水溶性アルミニウム
    塩水溶液で媒染処理することによって行なわれる特許請
    求の範囲第1項記載のメイクアップ化粧料。
  13. 【請求項13】着色顔料が、処方成分の全量重量を基準
    として1〜50重量%配合されている特許請求の範囲第1
    項記載のメイクアップ化粧料。
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