JPH0677055A - 平面磁気素子 - Google Patents

平面磁気素子

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JPH0677055A
JPH0677055A JP22846192A JP22846192A JPH0677055A JP H0677055 A JPH0677055 A JP H0677055A JP 22846192 A JP22846192 A JP 22846192A JP 22846192 A JP22846192 A JP 22846192A JP H0677055 A JPH0677055 A JP H0677055A
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JP
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soft magnetic
magnetic material
plane
planar
eddy current
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JP22846192A
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Toshiro Sato
敏郎 佐藤
Tetsuhiko Mizoguchi
徹彦 溝口
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】軟磁性体の面内に発生するうず電流を抑制する
ことにより軟磁性体の高周波鉄損を低減させ、品質係数
Qの高い平面インダクタや平面トランスなどの平面磁気
素子を提供する。 【構成】スパイラル平面コイル1、絶縁体2および軟磁
性体3を積層して構成される平面磁気素子において、軟
磁性体3と同一の平面に高抵抗領域4を形成して軟磁性
体3の面内に発生するうず電流を細分化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面インダクタや平面
トランスなどの平面磁気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種電子機器の小型・軽量化が盛
んに進められている。これは、半導体プロセス技術によ
る各種回路のLSI化によるところが大きい。しかし、
各種回路に電力を供給する電源部分は集積化が遅れてお
り、電子機器全体に占めるその体積の割合は増大の一途
を辿っている。電源部分の小型化を阻害している最大の
要因は、インダクタやトランスなどの磁気部品にあり、
その特有の巻線構造のため小型・薄型化が困難である。
【0003】こういった背景から、磁気部品の平面化あ
るいは薄膜化への技術開発が活発になっている(例え
ば、白川ら;電気学会マグネティックス研究会資料MA
G−92−14)。
【0004】平面磁気素子において、磁気シールド特性
に優れ、素子の単位占有面積当たりのインダクタンスの
大きい素子構造としてはスパイラル平面コイルを軟磁性
体でサンドイッチした平面インダクタ構造が良く知られ
ている(例えば、Kawabeら;IEEE Tran
sactions on Magnetics, MA
G−20,p.1804(1984))。このような平
面磁気素子を実用化するには、使用される周波数帯域で
十分に低損失であることが必要であり、高周波鉄損の少
ない軟磁性材料を用いる必要がある。しかし、軟磁性材
料単独で測定される高周波鉄損が十分に小さくても、そ
れを実際に平面磁気素子を適用した場合には、予測され
る特性よりもはるかに劣った素子特性しか得られないこ
とが多い。このため、従来の平面磁気素子は、高周波特
性に劣り、品質係数Qが低く、実用化にほど遠いのが実
情である。
【0005】以下、その理由についてより詳細に説明す
る。図9に軟磁性体3/絶縁体2/スパイラル平面コイ
ル1/絶縁体2/軟磁性体3というサンドイッチ構造の
平面インダクタンスの磁束分布を示す。図中のB1 は軟
磁性体の面内磁束成分、B2は軟磁性体の面に垂直な磁
束成分を表す。ここで、下記(1)式で示される特性長
λを導入する。 λ=(μ0 ・μs ・g・t/2)1/2 (1)
【0006】(1)式において、μ0 は真空透磁率、μ
s は軟磁性体の比透磁率、gは上下の軟磁性体間のギャ
ップ長、tは軟磁性体の厚さである。特性長λは長さの
次元を持ち、ある基準の位置からB1 およびB2 がe-1
に減衰する位置までの距離を意味する。実際に、スパイ
ラルコイルの巻数が28、軟磁性体の比透磁率μs が1
500、軟磁性体の厚さtが2μm、上下軟磁性体のギ
ャップ長gが20μmの平面インダクタについて、B1
およびB2 を調べた。この場合、特性長λは173.2
μmである。
【0007】図10(a)および(b)は、スパイラル
コイルを構成する導体に関して、ライン幅=30μm、
スペース幅=75μmであり、スペース幅sが特性長λ
の約2/5である場合のB1 およびB2 の変化を示す。
図11(a)および(b)は、スパイラルコイルを構成
する導体に関して、ライン幅=100μm、スペース幅
=5μmであり、スペース幅sが特性長λの約1/35
である場合のB1 およびB2 の変化を示す。これらの図
から容易にわかるように、B2 を減らすためには、s<
<λとする必要がある。
【0008】図12は、平面インダクタの軟磁性体損失
成分RMAG.のコイルパラメータd/p依存性を示すもの
である。pは導体ピッチであり、ライン幅をd、スペー
ス幅をsとして、p=d+sで表される。すなわち、s
→0のとき、p→1となる。この図から明らかなよう
に、sを小さくすることにより、RMAG.を小さくできる
ことがわかる。これはsを小さくすることによってB2
を小さくできることによる。しかし、sを極限の状態
(s→0)にしても依然としてRMAG.は存在する。s→
0のときのRMAG.には、軟磁性体の面内磁束成分B1
よるもののほかに、B2 によるものも依然として含まれ
ている。これは、図10(b)および図11(b)から
もわかるように、スパイラル平面コイルの中心部付近お
よび端部付近では、原理的にB2 を零にできないためで
ある。
【0009】図13に軟磁性体の面に垂直な磁束成分に
よって発生する面内うず電流を模式的に示す。図14に
図11(b)をもとにして計算した軟磁性体の面内うず
電流の空間分布を示す。この図から、面内うず電流は軟
磁性体の広い範囲にわたって発生していることがわか
る。このようにB2 によって発生する高周波うず電流は
軟磁性体の面内を広範囲に流れるため、B1 による場合
に比べはるかに損失が大きくなる。
【0010】以上のように、特性の良好な軟磁性体を用
いた場合でも、実際の平面磁気素子では良好な特性を得
ることが困難である理由は、B2 に伴ううず電流損が加
わっていることによる。
【0011】一般に、うず電流損を低減させる方法とし
ては、(i)軟磁性体の抵抗率を上げる、(ii)軟磁性
体薄膜または薄板の厚さを薄くし、かつ絶縁体と積層化
する、(iii) 磁区の細分化を図る、などが有効である。
平面磁気素子の高周波特性を改善するためにも、これら
の要件を満たす材料を用いればよいと考えられる。しか
し、(i)に関しては、抵抗率の高い材料は通常、飽和
磁束密度が低いという欠点を有する。(ii)、(iii) に
関しては、平面磁気素子における軟磁性体の面に垂直な
磁束成分によるうず電流の軽減に対してほとんど期待で
きない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軟磁
性体の面内に発生するうず電流を抑制することにより軟
磁性体の高周波鉄損を低減させ、品質係数Qの高い平面
インダクタや平面トランスなどの平面磁気素子を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の平面磁気素子
は、スパイラル平面コイル、絶縁体および軟磁性体を積
層して構成される平面磁気素子において、軟磁性体と同
一の平面に高抵抗領域を形成したことを特徴とするもの
である。以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0014】本発明において、平面磁気素子を構成する
スパイラルコイルの形状は特に制約されない。すなわ
ち、円形、正方形、長方形、楕円形、その他の複合型な
ど、コイル導体が同一面上でうずを巻く構造が部分的で
も含まれているものならば全ての平面コイルが含まれ
る。
【0015】本発明の平面磁気素子に用いられる軟磁性
体としては、Fe系、Co系、FeCo系の合金が挙げ
られる。これらの軟磁性体の結晶構造は特に限定され
ず、単結晶、多結晶(微結晶を含む)、非晶質のいずれ
でもよい。その飽和磁束密度は1テスラ以上、保磁力は
1エルステッド以下であることが望ましい。
【0016】本発明の平面磁気素子は、抵抗率の低い高
飽和磁束密度の軟磁性体と同一の平面に高抵抗領域を形
成することにより、面内うず電流の通路を強制的に遮断
し、高周波損失の低減を図るものである。すなわち、う
ず電流の大きさは磁束密度の二乗に比例し、抵抗率に反
比例する。したがって、軟磁性体の面内を流れるうず電
流の通路に高抵抗領域が形成されると、うず電流の通路
が細分化され、これによって高周波損失を低減できる。
【0017】本発明においては、軟磁性体と同一の平面
に形成される高抵抗領域は、軟磁性体の面内磁束の流れ
易さを阻害しないように配置される。最も有効な方法
は、軟磁性体と高抵抗領域との境界を磁束の流れる方向
と平行にすることである。図1(a)および(b)に、
円形スパイラルコイル1の両面に、絶縁体2を介して軟
磁性体3および高抵抗領域4が同一の平面に形成された
平面インダクタの一例を示す。図2に、軟磁性体3と同
一の平面に高抵抗領域4が形成されたことによって、軟
磁性体の面に垂直な磁束成分によるうず電流の通路が細
分化される様子を模式的に示す。このような構成によ
り、軟磁性体の面内うず電流の通路を強制的に遮断でき
るため、高周波損失を低減できる。
【0018】高抵抗領域を構成する材料としては、
(A)高抵抗率軟磁性体、(B)軟磁性体の構成材料の
酸化物、窒化物、ホウ化物、(C)絶縁体などが挙げら
れる。なお、磁束のもれを防止する観点からは、高抵抗
領域も軟磁性体で構成することが好ましい。
【0019】高抵抗率軟磁性体としては、マンガン−亜
鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライトなどの酸
化物軟磁性材料、または絶縁樹脂中に軟磁性微粉子を分
散させた軟磁性体分散型絶縁体が挙げられる。また、1
層の厚さが2000オングストローム以下の金属軟磁性
体と絶縁体とを積層した多層構造材料を用いてもよい。
このような多層構造材料は、金属軟磁性体を薄くしたこ
とにより伝導電子の表面散乱確率が増大するため高抵抗
となる(金原;薄膜の基本技術、p.159〜166、
東京大学出版会、1987年初版)。この場合、例えば
所定形状に成形された高飽和磁束密度金属軟磁性体の薄
帯片と高抵抗率軟磁性体とを組み合わせることにより、
高抵抗領域が形成される。
【0020】軟磁性体の酸化物、窒化物、ホウ化物など
からなる高抵抗領域の形成方法としては、(a)酸素、
窒素、ホウ素などのイオンを注入する方法、(b)酸素
または窒素雰囲気中で熱処理する方法、(c)酸素また
は窒素プラズマ中で処理する方法、などが考えられる
が、これらの方法に限定されない。これらの方法を図3
を参照して説明する。この場合、下地11上に軟磁性体
3を形成し、軟磁性体3上に酸化膜などからなる適当な
マスク12を形成して、イオン注入、雰囲気中熱処理、
プラズマ処理する。マスク12は、開口した処理窓が軟
磁性体の面内磁束が流れる方向と平行になるようにパタ
ーニングされる。これらの方法のうち、イオン注入によ
る方法では、酸化物、窒化物、硼化物などを形成される
とともに、軟磁性体として結晶質の金属を用いた場合に
は部分的な非晶質への変態も期待できる。
【0021】絶縁体からなる高抵抗領域の形成方法を図
4(a)および(b)を参照して説明する。図4(a)
に示すように、下地11上に軟磁性体3を形成し、ウェ
ットエッチング、ドライエッチングあるいはレジストリ
フトオフ法などにより軟磁性体3に溝加工を施す。この
溝は、軟磁性体の面内磁束が流れる方向と平行になるよ
うにパターニングされる。図4(a)に示すように、全
面に高抵抗の絶縁体5を堆積し、軟磁性体3の溝に絶縁
体5を埋め込み、さらに平坦化処理を行う。この埋め込
まれた部分が高抵抗領域4となる。
【0022】ただし、薄膜プロセスによる場合、軟磁性
体として部分的に酸化物磁性体(および酸化物磁性体粒
子を分散させた絶縁樹脂も含む)を形成する際には、素
子を構成する材料の耐熱温度を考慮して形成温度を決定
する。
【0023】次に、図5に高抵抗領域による軟磁性体の
分割数と、軟磁性体の面内うず電流による損失との関係
を示す。横軸は分割数を示し、例えばn=0は分割な
し、n=2は2分割を意味する。この図から、n≧4と
することによって、面内うず電流による損失を半分以下
に低減できることがわかる。
【0024】また、前述したように、スパイラル平面コ
イルの形状は特に限定されない。そして、軟磁性体と同
一の平面に形成される高抵抗領域のパターンは、スパイ
ラルコイルの形状に応じて、軟磁性体の面内を流れる磁
束の方向と平行になるように決定される。種々の形状の
スパイラル平面コイルを用いた場合の高抵抗領域のパタ
ーンの例を図6〜図8にそれぞれ示す。図6は正方形ス
パイラルコイルの場合、図7は長方形スパイラスコイル
の場合、図8は長方形ダブルスパイラルコイルの場合で
ある。
【0025】なお、本発明の構成を採用したとしても、
前述したように面内磁束成分によるうず電流損は依然と
して残存している。これを抑制するには前述した
(i)、(ii)、(iii) の手段が有効であり、本発明と
組み合わせることにより、全うず電流損の低減を図るこ
とができる。また、以上では平面インダクタについて説
明したが、平面トランスに関しても全く同様に高周波特
性の改善が期待できる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例を述べる。 実施例1
【0027】ポリイミドフィルムからなる基板に銅箔を
接着し、この銅箔をウェットエッチングによって加工
し、円形スパイラルコイルを形成した。この円形スパイ
ラルコイルのもう一方の面にもポリイミドフィルムを接
着した。高飽和磁束密度軟磁性体として、溶湯急冷法で
作製した厚さ15μmのCo系アモルファス薄帯を5m
m角に切断した。高抵抗率軟磁性体として、厚さ15μ
m、幅1mm、長さ5mmのニッケル−亜鉛系フェライ
ト片を用意した。これらのCo系アモルファス薄帯およ
びニッケル−亜鉛系フェライト片を組み合わせて、軟磁
性体および高抵抗領域を形成した。すなわち、この軟磁
性体層は4分割されており、中心部に1mm×1mmの
孔があいている。この孔はスパイラルコイルの端子取り
出し部として利用される。このようにして作製された積
層接着型平面インダクタのサイズは11mm角、厚さ
0.5mmである。
【0028】この平面インダクタに関しては、500k
Hzにおける品質係数Q値は15であった。一方、Co
系アモルファス薄帯のみを用いた場合(分割しない場
合)、品質係数Q値は約8であった。 実施例2
【0029】基板上に、薄膜プロセスにより下部軟磁性
薄膜として2μm厚CoFeSiBアモルファス膜を形
成した。レジストリフトオフ法によって、CoFeSi
Bアモルファス膜の中心から放射方向に幅5μmの溝を
4本形成した。この上に、粒径0.5μmのマンガン−
亜鉛系軟磁性フェライト粒子を絶縁樹脂中に分散させた
ペーストをスピンコート法によって塗布し、200℃の
温度で加熱硬化させた。このフェライトペーストは粘度
が1000cp以下と低いため、下地に塗布した場合に
表面が平坦化される。この場合、塗布−加熱後の表面の
凹凸は下地の段差の1/50以下になった。このフェラ
イト分散樹脂層上に、薄膜プロセスによりCu円形スパ
イラルコイルを形成した。さらに、前記と同様な方法に
より、フェライト分散樹脂層、中心から放射方向に幅5
μmの溝が4本形成された上部軟磁性薄膜およびフェラ
イト分散樹脂層を順次形成し、平面インダクタを製造し
た。
【0030】この平面インダクタでは、フェライト分散
樹脂層は、下部軟磁性薄膜とCuスパイラルコイル間お
よびCuスパイラルコイルと上部軟磁性薄膜間の層間絶
縁層、ならびに上部軟磁性薄膜の最終保護層としても用
いられている。
【0031】本実施例の平面インダクタでは、高周波品
質係数が改善されるばかりでなく、フェライト分散樹脂
層の埋め込みおよび平坦化が容易であるため、プロセス
を簡略化できる。 実施例3
【0032】基板上にイオンビームスパッタ法により高
飽和磁束密度軟磁性薄膜として1μm厚のFe80Co20
膜を形成した。Fe80Co20膜上に、マスクとなるSi
2膜を形成した。フォトリソグラフィーと反応性イオ
ンエッチングにより、このSiO2 膜に磁束の通る方向
と平行に幅2μmのイオン注入窓を図6に示すように形
成した。このSiO2 膜パターンをマスクとして、10
20/cm2 のドーズ量で酸素をイオン注入し、軟磁性薄
膜の酸化物からなる高抵抗領域を形成した。電気抵抗率
は、非注入領域では10μΩ・cmであり、イオン注入
領域では1000μΩ・cmとなった。この上に、RF
スパッタ法により層間絶縁膜として2μm厚のSiO2
膜を形成した。この上に、10μm厚の1次側Cu正方
形スパイラルコイルを形成した。さらに、層間絶縁膜と
してSiO2 膜、2次側Cu正方形スパイラルコイル、
層間絶縁膜としてSiO2 膜、高飽和磁束密度軟磁性薄
膜としてFe80Co20膜を形成し、前記と同様に選択的
に酸素をイオン注入して軟磁性薄膜の酸化物からなる高
抵抗領域を形成した。これらの工程により平面トランス
を製造した。
【0033】本実施例の平面トランスに関しては、10
MHzにおける品質係数Q値は15であった。この値
は、Fe80Co20膜にイオン注入せずに作製された平面
トランスの2倍の値であった。 実施例4
【0034】基板上に、薄膜プロセスにより下部軟磁性
薄膜として実施例2と同一の2μm厚CoFeSiBア
モルファス膜を形成した。この上に、SiO2 膜パター
ンからなるマスクを形成した。圧力40Paの酸素ガス
中に200WのRF電力を供給してRFプラズマを発生
させ、軟磁性薄膜の露出した領域をプラズマ処理した。
この結果、プラズマ処理領域は未処理領域に対して電気
抵抗率が5倍になった。さらに、Cuスパイラルコイ
ル、層間絶縁膜としてSiO2 膜、上部軟磁性薄膜を形
成し、前記と同様にプラズマ処理して高抵抗領域を形成
した。これらの工程により平面インダクタを製造した。
【0035】本実施例の平面インダクタに関しては、1
0MHzにおける品質係数Q値は11であった。この値
は、CoFeSiBアモルファス膜にプラズマ処理せず
に作製された平面トランスの1.5倍の値であった。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の平面磁気素
子によれば、軟磁性体層を部分的に高抵抗化することに
より、軟磁性層の面内に発生するうず電流を抑制でき、
高周波特性を向上させる効果が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る平面磁気素子の平面図、
(b)は断面図。
【図2】本発明の平面磁気素子の軟磁性体の面内に発生
するうず電流を示す模式図。
【図3】本発明の平面磁気素子の軟磁性体と同一の平面
に高抵抗領域を形成する方法を示す断面図。
【図4】(a)、(b)は本発明の平面磁気素子の軟磁
性体の同一の平面に高抵抗領域を形成する方法を示す断
面図。
【図5】本発明の平面磁気素子について、高抵抗領域に
よる軟磁性体の分割数と面内うず電流による損失との関
係を示す特性図。
【図6】(a)は本発明に係る正方形スパイラルコイル
を用いた平面磁気素子の平面図、(b)は断面図。
【図7】(a)は本発明に係る長方形スパイラルコイル
を用いた平面磁気素子の平面図、(b)は断面図。
【図8】(a)は本発明に係る長方形ダブルスパイラル
コイルを用いた平面磁気素子の平面図、(b)は断面
図。
【図9】従来の平面磁気素子における磁束密度分布を示
す断面図。
【図10】(a)および(b)はそれぞれ、従来の平面
磁気素子のスパイラルコイルを構成する導体に関して、
スペース幅sが特性長λの約2/5である場合のB1
よびB2 の変化を示す特性図。
【図11】(a)および(b)はそれぞれ、従来の平面
磁気素子のスパイラルコイルを構成する導体に関して、
スペース幅sが特性長λの約1/35である場合のB1
およびB2 の変化を示す特性図。
【図12】従来の平面磁気素子について、コイルパラメ
ータと損失抵抗との関係を示す特性図。
【図13】従来の平面磁気素子の軟磁性体の面内に発生
するうず電流を示す模式図。
【図14】従来の平面磁気素子の軟磁性体の面内に発生
するうず電流の空間分布を示す図。
【符号の説明】
1…スパイラルコイル、2…絶縁体、3…軟磁性体、4
…高抵抗領域、11…基板、12…マスク。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパイラル平面コイル、絶縁体および軟
    磁性体を積層して構成される平面磁気素子において、軟
    磁性体と同一の平面に高抵抗領域を形成したことを特徴
    とする平面磁気素子。
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