JPH0671460U - 開封機能付注出口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】閉鎖板にハーフカットを略の字状にして設けた
開封機能付注出口において、プルリンブの引き上げ途中
でハーフカットの終点回りの閉鎖板が破断しないように
して、プルリングの引き上げにて閉鎖板が注出口本体の
中央開口から確実に取り除かれるようにする。 【構成】注出口本体２の中央の閉鎖版５にプルリング４
が設けられているとともに、閉鎖板５には注出口本体の
内周に沿うリング状の第１のハーフカット、該第１のハ
ーフカットからプルリングの基端に向かって延びる第２
のハーフカット、更に第２のハーフカットから延びて前
記基端を囲むように湾曲する第３のハーフカットからな
る切り取り部が形成され、第３のハーフカットの端部を
注出口本体の内周に接しない終点３０とする。そして、
前記終点３０と対向する位置に厚肉部６を一体に設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はプルリングの引き上げにより注出口本体の中央にある閉鎖板が取り除 かれて開封できる開封機能付注出口に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の注出口においては、容器に収容する内容物（例えば飲料など） の流通段階での密封性を高めるようにするために注出口本体の中央開口に閉鎖板 を一体に形成しておき、閉鎖板中にハーフカットにより囲まれた開口予定部分を 区画するとともに、この開口予定部分の上面にプルリングを一体に形成した注出 口があり、前記プルリングの引き上げによりハーフカットが切断され開口予定部 分を取り除いて開封するようにしたものである。またハーフカットを施してこの ハーフカットの切断により閉鎖板が取り除けるようにしたものには、実開昭５７ −０２９５４６号公報に示されているように、ハーフカットの終点を注出口本体 の内周縁に接しない位置としてこの終点から略の字状にしてハーフカットを注出 口本体内周縁に沿わせるようにしたものがあり、そして前述のプルリングの利用 を図って図４、図５に示されているように、注出口１における注出口本体２の内 周に接しない位置の終点３０からプルリング４の基端４０側を回って略の字状に して前記注出口本体２の内周に沿うハーフカット３を閉鎖板５に施したものもあ った。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ハーフカットを閉鎖板に略の字状にして施した開封機能のもの にあっては、プルリングの引き上げにより基端側のハーフカットが裂け始めるよ うになるが、プルリングの引き上げ操作中、ハーフカットの終点側に力が集中す るようになり、このため閉鎖板がこの終点側からハーフカットに沿うことなく力 の加わる方向にその終点を越えて破断して一部分だげが取れてしまい、大部分が 注出口本体側に残るという不具合が生じ易いものであり、よって閉鎖板の肉厚を 大きくする必要があった。

【０００４】 そこで本考案は上記した事情に鑑み、閉鎖板にハーフカットを略の字状にして 設けた開封機能付注出口に関して、プルリンブの引き上げ途中でハーフカットの 終点回りの閉鎖板が破断しないようにすることを課題とし、プルリングの引き上 げにて閉鎖板が注出口本体の中央開口から確実に取り除かれるようにすることを 目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記した課題を考慮してなされたもので、注出口本体の中央に位置す る閉鎖版にプルリングが設けられているとともに、前記閉鎖板には注出口本体の 内周に沿うリング状の第１のハーフカットが施され、該第１のハーフカットから プルリングの基端に向かって延びる第２のハーフカットが施され、更に第２のハ ーフカットから延びて前記基端を囲むように湾曲する第３のハーフカットが施さ れている開封機能付注出口であって、前記第３のハーフカットの終点と対向する 位置に厚肉部を一体に設けたことを特徴とする開封機能付注出口を提供して、上 記した課題を解消するものである。

【０００６】

【作用】

本考案においては、終点と対向する位置に厚肉部が設けられていることからそ の部分の閉鎖板の厚さが大きくなっており、プルリングの引き上げ操作中にハー フカットの裂けが終点に到達し、この終点回りに力が集中するようになっても、 その力に肉厚が大きくなった部分が抗して、裂けを防止するようになる。

【０００７】

【実施例】

つぎに本考案を図１から図３に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。なお 、図４と図５に示す従来例と構成が重複する部分は同符号を付してその説明を省 略する。 本考案の開封機能付注出口１における閉鎖板５には略の字状のハーフカット３ が施されていて、このハーフカット３は、注出口本体２の内周に沿ってリング状 とした第１のハーフカット３ａと、この第１のハーフカットからプルリング４の 基端４０に向かって延びる第２のハーフカット３ｂと、更に第２のハーフカット ３ｂから延びて前記基端４０を囲むように湾曲する第３のハーフカット３ｃとか ら構成されている。 また前記ハーフカット３の終点３０に対向する位置の閉鎖板５を厚くすること によって厚肉部６が一体に設けられていて、この厚肉部６は閉鎖板５の裏面側に 突出した状態で形成されている。そして、その平面形状は長円を終点回り方向に 若干湾曲させた形状であって、プルリング４を引き上げてハーフカット３の裂け が終点３０に到達し、その終点３０回りに加わる力の方向が変化するような場合 にあっても、この力に厚肉部６が抗して裂けを生じないようにしている。

【０００８】 プルリング４の基端４０を回ってからハーフカット３が注出口本体の内周縁側 に沿う部分（厚肉部６の背部を回り込むようにして注出口本体の内周に沿う部分 ）３１は、大きなＲを形成する円弧形状に設定されており、プルリングの引き上 げた時のハーフカットの裂けがスムーズに注出口内周側に進むように設けている 。 なお、厚肉部の形状は上記実施例に限定されるものではなく各種のものが採用 できる。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の開封機能付注出口は、注出口本体の中央に位置 する閉鎖版にプルリングが設けられているとともに、前記閉鎖板に注出口本体の 内周に沿うリング状の第１のハーフカットが施され、該第１のハーフカットから プルリングの基端に向かって延びる第２のハーフカットが施され、更に第２のハ ーフカットから延びて前記基端を囲むように湾曲する第３のハーフカットが施さ れているものであって、前記終点と対向する位置に厚肉部を一体に設けたことを 特徴とするものである。

【００１０】 このように終点に対向する位置に厚肉部が設けられていることから、プルリン グの引き上げでハーフカットの裂けが終点に達しても、この終点回りに加わる力 、特にプルリングを引っ張る方向に加わる力を厚肉部が受け止めてこれに抗する ようになり、終点からの裂けを防止するようになる。このため閉鎖板全体の肉厚 を大きくする必要が無くなり、注出口成形素材の経済的な使用が図れるようにな る。そして開封に際して閉鎖板の千切れが防止されることから、プルリングをい ずれの方向へ引っ張っても閉鎖板が確実に取り除けるようになり、開封操作が極 めて簡単に行えるようになる。 また大口径の注出口であっても、プルリングの基端を閉鎖板の周縁より内側に 接続してあるので、小さいプルリングを使うことができ、力が加わり易く、開封 し易いものになるなど、実用性に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る開封機能付注出口の一実施例を一
部切り欠いて示す説明図である。

【図２】同じく一実施例の底面側を示す説明図である。

【図３】一実施例におけるハーフカットと厚肉部とを示
す説明図である。

【図４】従来例を一部切り欠いて示す説明図である。

【図５】従来例の底面側を示す説明図である。

【符号の説明】

１…注出口 ２…注出口本体 ３…ハーフカット ３０…終点 ４…プルリング ４０…基端 ５…閉鎖板 ６…厚肉部

フロントページの続き (72)考案者 大石 茂孝 東京都台東区台東一丁目５番１号 凸版印 刷株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】注出口本体の中央に位置する閉鎖版にプル
   リングが設けられているとともに、前記閉鎖板には注出
   口本体の内周に沿うリング状の第１のハーフカットが施
   され、該第１のハーフカットからプルリングの基端に向
   かって延びる第２のハーフカットが施され、更に第２の
   ハーフカットから延びて前記基端を囲むように湾曲する
   第３のハーフカットが施されている開封機能付注出口で
   あって、前記第３のハーフカットの終点と対向する位置
   に厚肉部を一体に設けたことを特徴とする開封機能付注
   出口。