JPH0670386B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JPH0670386B2
JPH0670386B2 JP6684786A JP6684786A JPH0670386B2 JP H0670386 B2 JPH0670386 B2 JP H0670386B2 JP 6684786 A JP6684786 A JP 6684786A JP 6684786 A JP6684786 A JP 6684786A JP H0670386 B2 JPH0670386 B2 JP H0670386B2
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engine
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は内燃機関の空燃比制御装置に関し、詳しくは
火花点火式内燃機関の過渡的運転状態での空燃比制御精
度を高めることを目的とした空燃比制御装置の改良に関
する。
(従来の技術) 車両用内燃機関等においては、機関に本来求められる出
力性能や運転性を改善しつつ排気浄化の要請に応える見
地から、機関に供給する燃料量ないし空燃比をいかに適
切に制御するかが重要な課題になっている。ことに車両
用機関は低速低負荷から高速高負荷に至る幅広い運転域
で使用されるため、加速や減速など過渡的な運動状態で
の空燃比制御の適否が運転性や排気エミッションに大き
く影響する。
そこで、燃料計量精度に優れた電子制御燃料噴射装置を
基本として、加速時または減速時に燃料噴射量を増量補
正または減量補正することにより過渡時を含むあらゆる
運転状態において適切な空燃比が得られるようにした制
御装置または制御方法が多くの車両用機関に採用されつ
つある。(この種の制御方法の公知例としては、たとえ
ば特開昭58−144632号、同144634号、同144636号、同15
0033号、同150042号、同150043号公報参照。) こうした過渡補正が必要な理由は、機関シリンダに達す
るまでの間に吸気管や吸入ポートの内壁面に付着する燃
料、あるいは吸入されずに吸気管内に浮遊している燃料
(これらの燃料を「吸気系の付着、浮遊燃料」と総称す
る。)の量が過渡時において空燃比ないし機関性能に影
響を及ぼすからであり、例えば加速時に吸気量に比例し
た量の燃料を供給しただけではその一部が吸気系に付着
して供給応答遅れを起こすために実空燃比が過薄となっ
て加速性能が悪化するという問題を生じる。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、この吸気系の付着、浮遊燃料の量は機関の運
転状態に応じて変化し、回転速度や機関温度、さらには
吸気管の絶対圧や燃料の揮発性等に影響されるのである
が、従来の空燃比制御では吸気管圧力の変化をパラメー
タとして予め実験的に定めた補正方式によって近似的に
過渡時燃料の過不足量を算出し、これに機関冷却水温度
に応じた補正を施すことにより空燃比を適正化するとい
う手法を基本としており、従って前述のように種々の要
因に基づいて変動する吸気系の付着、浮遊燃料量に対応
して常に適切な空燃比が得られるとは限らず、設計点に
あたる特定の運転状態のときを除き誤差を生じるのは避
けられなかった。
もっとも、これを解決するためには吸気系の付着、浮遊
燃料量に影響する総ての要因を検出して補正することに
なるが、この場合補正の要不要等に関する判定条件が多
くなることから、運転性や排気エミッションの要求を満
足させるためのマッチング作業に多くの行程が必要にな
ってしまう。
そこで、こうした点に着目して吸気系の付着、浮遊燃料
の平衡量M0を演算し、この平衡量M0とその時点での吸気
系の付着、浮遊燃料の予測変数Mとの差値M0−Mとこの
差値を燃料噴射量の補正にどの程度反映させるかを示す
補正係数DKとに基づいて過渡補正量DMを求め、しかもそ
の予測変数Mを燃料噴射に同期して更新するものを本出
願人が先に提案しており(特願昭60−243605号参照)、
この発明は先願をさらに改良するものである。
すなわち、先願では、従来に比べて加減速に拘わらず応
答性の良好な空燃比特性を得ることができることになっ
たが、加速直後に機関を停止し、その直後に再始動する
等の特定の再始動時において、供給燃料の過多により却
って排気エミッションや始動性を不良にすることが考え
られる。
これを説明すると、空燃比制御においては、差値(M0−
M)が大きいほど多くの燃料が供給されるので、始動性
を高めるため増量補正を行う機関始動時においては、初
期化ルーチンにて予測値(予測変数)Mについての初期
値M1をM1=0とすることにより、(M0−M)が大きくさ
れる。
Mについての初期値を零とすることができる始動時と
は、始動と始動との間隔が長い、冷間始動を行うような
始動時であり、こうした始動時にあっては、吸気系の付
着、浮遊燃料が残留せず、したがって実状とも良く合致
する。これに対し、加速直後にアイドル運転を経過せ
ず、あるいは減速時間が殆どなくて機関を停止し、その
直後に再始動を行う場合においては、吸気系の付着、浮
遊燃料が残留する。
こうした再始動時においても、先願では予測値について
の初期値を一律に零として制御を始めるので、この残留
する吸気系の付着、浮遊燃料量だけ多目に供給されるこ
とになり、所定の空燃比の混合気から外れて過濃とな
り、CO等の有害排出物の増大、点火プラグのくすぶり等
に起因する機関始動性の不良を生じるのである。
こうした燃料過多を防止するためには、吸気系に残留す
る吸気系の付着、浮遊燃料量を予測することが必要とな
るが、ここに、吸気系の付着、浮遊燃料量はそのときの
機関温度と相関関係を有するので、機関温度をパラメー
タとすれば吸気系に残留する吸気系の付着、浮遊燃料量
を予測することが可能となり、この値を初期値とすれ
ば、残留する吸気系の付着、浮遊燃料量が空燃比制御に
取り込まれることになる。
また、特開昭56−154133号に示されるものでは、機関の
再始動時の冷却水温度と吸気管温度とを検出し、これら
の温度から吸気系の付着、浮遊燃料の残留量の多少を判
定して再始動時の燃料増量補正を行うか否かを判定して
いる。しかしながら、このものは、始動時燃料補正の要
否を2値的に決定するだけで、吸気系の付着、浮遊燃料
の残留量の推定値と再始動時の運転状態に応じた吸気系
の付着、浮遊燃料の平衡量との差値によって始動時の燃
料量を補正するものでない。このため、始動時に過不足
なく燃料を供給して再始動性を高めることが十分に行え
るものでなかった。
この発明はこうした問題点に着目してなされたもので、
始動時の機関温度に応じて吸気系の付着、浮遊燃料量の
予測値についての初期値を演算し、この初期値に基づい
て燃料を供給するようにした空燃比制御装置を提供する
ことを目的としている。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するためにこの発明では、第1図に示す
ように、機関の運転状態を、少なくとも機関回転数、機
関負荷及び機関温度を含むパラメータから検出する運転
状態検出手段1と、機関の運転状態に基づいて燃料の基
本噴射量Tpを演算する基本噴射量演算手段2と、機関回
転数、機関負荷及び機関温度に基づいて吸気系の付着、
浮遊燃料の平衡量M0を演算する平衡量演算手段3と、平
衡量演算手段3で演算した付着、浮遊燃料の平衡量M0と
その時点での吸気系の付着、浮遊燃料の予測変数Mとの
差値M0−Mを演算する差値演算手段4と、差値演算手段
4で演算した差値M0−Mを燃料噴射量の補正にどの程度
反映させるかを示す補正係数DKを、機関回転数、機関負
荷及び機関温度に基づいて演算する補正係数演算手段5
と、前記差値M0−Mと前記補正係数DKとに基づいて過渡
補正量DMを演算する過渡補正量演算手段6と、過渡補正
量演算手段6で演算した過渡補正量DMと前記付着、浮遊
燃料の予測変数Mとを燃料噴射に同期して加算し、該加
算値で予測変数Mを更新する予測変数演算手段7と、前
記基本噴射量演算手段2で演算した基本噴射量Tpと前記
過渡補正量演算手段6で演算した過渡補正量DMとに基づ
いて燃料噴射量Tiを演算して噴射信号を出力する燃料噴
射量演算手段8と、前記噴射信号に基づいて機関に燃料
を供給する燃料供給手段9と、機関の始動を検出する機
関始動検出手段10と、機関の始動時に機関温度に基づい
て前記予測変数Mの初期値を演算する初期値演算手段11
とを備えた。
(作用) このように構成すると、吸気系に残留する吸気系の付
着、浮遊燃料がそのときの機関温度に応じて求められ
る。
たとえば、機関温度が高い場合には、残留する吸気系の
付着、浮遊燃料量も多いが、この吸気系の付着、浮遊燃
料の残留量が初期値に設定される。このため、差値(M0
−M)が小さくなり、この差値に基づいて演算される最
終的な噴射量が少なくされる。
すなわち、吸気系に吸気系の付着、浮遊燃料が残留する
機関停止直後の再始動に際しては、吸気系に残留する吸
気系の付着、浮遊燃料量を見越して予め少なめに噴射量
を供給するのであり、これにより、加速直後に機関停止
し、吸気系に吸気系の付着、浮遊燃料を多く残留させた
まま、直ぐに再始動しても、燃料の供給過多による有害
排出物の増大や始動性不良を防ぐことができるのであ
る。
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(実施例) 第2図はこの発明をスロットル弁15上流の吸気通路16に
一個の燃料噴射弁17を設けた、いわゆる単点噴射式の電
子制御燃料噴射装置に適用した実施例の機械的構成を示
す。
先願とほぼ同様である部分から説明すると、吸気量Qaを
検出する空気流量センサ20、機関回転速度Nを検出する
クランク角センサ21、冷却水温Twを検出する水温センサ
22、さらにフィードバック制御に必要となる実際の空燃
比を検出する空燃比センサ23からの各種信号がコントロ
ールユニット30に入力され、コントロールユニット30で
は、これらの信号に基づいて噴射弁17の駆動制御を行
う。
こうした構成に対し、この発明では、始動時の機関温度
を知る必要があり、機関温度は冷却水温Twで代用するこ
とにし、また始動時の判別のためにスタータスイッチ24
からの信号がコントロールユニット30に入力される。
なお、過渡時は、基本的にはスロットルセンサ25からの
アクセルペダル開度に相当するスロットル開度の変化量
と機関回転速度Nの変化量とから判別される。
コントロールユニット30は、CPU31,ROM32,RAM33,I/Oポ
ート34等からなるマイクロコンピュータで構成され、第
1図に示した手段1,9,10を除いた残りの手段の全機能を
有し、空燃比制御(噴射量制御)に関する処理を集中的
に行う。
なお、噴射弁17への燃料圧力を一定に保持させることに
より、噴射量が開弁パルス幅に比例するので、コントロ
ールユニット内で実際に演算されるのは開弁パルス幅で
あり、したがって、以下にはパルス幅制御として説明す
る。
第3図〜第6図はコントロールユニット内にて実行され
るルーチンを説明する流れ図であり、このうち第3図,
第4図がパルス幅制御のメインルーチンに当たり、第5
図、第6図がその過程で使用する補正値等を求めるため
のサブルーチンに相当する。図中の番号は処理番号を示
し、第3図、第5図、第6図の処理は所定時間毎あるい
は機関回転に同期して、また第4図の処理だけは機関回
転に同期して(正確には噴射に同期して)実行される。
基本的な噴射弁のパルス幅制御については周知の通りで
あり、例えば第3図,第4図に示すように、空気流量セ
ンサ20とクランク角センサ21にて検出した吸入空気流量
Qaと回転速度Nの関係からテーブルルックアップ等によ
り所定の空燃比(たとえば理論空燃比)が得られる基本
パルス幅Tp(=K・Qa/N、ただし、Kは定数)を求め、
これに空燃比センサ23の出力に基づいて決定したフィー
ドバック補正係数αとその他の補正係数の総和COEFとを
乗じ、さらに無効パルス幅Tsを加えて最終的な噴射パル
ス幅TI(=Tp・COEF・α+Ts)を求め、このTIに基づく
駆動信号を噴射弁17に付与する(40,51,52)。
先願ではこうした噴射パルス幅TIを求める過程でさらに
過渡的な運転状態に対応した補正を吸気系の付着、浮遊
燃料に着目して施すものであり、この補正機能は、第3
図の41〜43(詳しくは、41が平衡量演算手段、42が補正
係数演算手段、43が過渡補正量演算手段として機能する
部分である。)、第4図の50,53(50が燃料噴射量演算
手段、53が予測変数演算手段として機能する部分であ
る。)にて果たされる。
こうした先願と同様の機能を概説すると、41では補正の
根拠となる吸気系の付着、浮遊燃料の平衡量M0を3つの
パラメータN,Tp,Twを用いて演算する。これは第5図に
示すように、テーブル検索値を用いての直線近似の補間
計算処理にて求められる。たとえば、実際の水温Twが基
準温度Tw0〜Tw4(Tw0>…>Tw4)にて分割されたどの温
度領域にあるかを判別し、いま仮にTw≧Tw1であるとす
ると、Twに最も近くてTwよりも高い温度である基準温度
Tw0と、同じくTwよりも低い温度である基準温度Tw1に対
する2次元テーブル(たとえばM01テーブルを第7図に
示す。)からそのときのN,Tpに応じたテーブル値M00,M0
1(Tw0,Tw1に対するM0)を求め、これらの値M00,M01
と、基準温度Tw0,Tw1、現在の温度Twを用いて次式の直
線補間計算式によりM0を計算するのである(ステップ60
〜63)。なお、基準温度Tw0〜Tw4に対するM00〜M04は、
NとTpとをパラメータとして予め実測から求められるも
のである。
M0=M00+(M01−M00)×(Tw0−Tw)/(Tw0−Tw1) ステップ42ではこのようにして求めたM0に対して、現時
点での吸気系の付着、浮遊燃料の予測変数Mが単位周期
当たり(たとえばクランク軸1回転毎)にどの程度の割
合で接近するかの割合を表す係数DKを係数DKTw,DKNの積
から演算する(第6図のステップ80〜82)。
ここに、DKTwは前回の処理で求めた単位周期当たりの過
渡補正量DMと水温Twに基づき、予め第9図のように形成
されたテーブルの検索により求められる値で、たとえば
過渡補正量DMが大きくなるほど、速く過不足量を無くす
ために大きく設定されている。また、DKNは、NとTpと
に基づき同じく第8図のように形成されたテーブルの検
索により求められる値で、たとえば回転速度が小さくな
るほど、大きく設定されている。
ステップ43では、この係数DKをM0とその予測値Mとの差
に乗じる演算により単位周期あたりの過渡補正量DM(=
DK(M0−M))を求める。ここに、予測値Mは、その時
点での吸気系の付着、浮遊燃料の予測変数であり、した
がって(M0−M)は平衡量からの過不足量を示し、この
値(M0−M)がN,Tp,DM,Twをパラメータとして求められ
る係数DKにてさらに補正されるのである。
第4図はこうして求められた過渡補正量DKを加味して最
終的な燃料噴射パルス幅TIを演算する処理を示してお
り、50にて基本パルス幅Tpに補正がなされ燃料用基本パ
ルス幅TpF(=Tp+DM)が求められる。そして、先願で
は、このTpFが51において、従来のTpに置き換わるので
ある。
最後にステップ53では、次回の処理のために前回の予測
値M(旧M)に今回の過渡補正量DMを加えて次回の予測
値Mを演算する。なお、この第4図の処理は、例えば機
関クランク軸1回転毎にTIが算出されて噴射され、その
都度予測値Mが更新される。
第10図〜第12図は加速時,減速時,加速途中でのギヤチ
ェンジ時の運転状態の変化に対応させて上記制御におけ
る各種の量の変化を信号波形として示したもので、加速
初期や減速初期に応答性良く燃料増量や燃料減量が行わ
れている。これにより、過渡時にあっても所定の空燃比
から外れることがなく、過渡時の空燃比制御の制御精度
が向上するのである。
ところで、このような空燃比補正は減速時の燃料カット
からのリカバリー(噴射再開)を行う時にも対応可能で
あり、第13図は燃料カットリカバリー時の空燃比補正に
対応した補正処理の一例を示し、第14図はその処理によ
る場合の第11図に相当する波形図である。なお、第13図
において、所定値MFCは零または非常に小さな値(一定
値)である。
一般に燃料カットを行うと、その間に吸気系の付着、浮
遊燃料が機関に吸入されてしまうため、リカバリー時に
は再噴射燃料の一部によって新たな吸気系の付着、浮遊
燃料が形成される分だけ実質供給燃料量が不足して空燃
比が希薄化するが、吸気系の付着、浮遊燃料を考慮する
先願では、こうした空燃比の希薄化も回避される。
次に、この発明の特徴部分を説明すると、この発明の要
部は、始動時の空燃比制御にあり、始動時の冷却水温に
応じて予測値についての初期値を演算するようにした点
にある。すなわち、第5図のサブルーチンにおいて、M0
を演算するのに先立ち、この機能をステップ57〜59にて
実行させるのである。
ここに、ステップ57,58が始動時を検出する手段として
機能する部分であり、スタータスイッチ24からの信号が
ONとなり、かつこのON信号が初めてであることから始動
時が検出される。
ステップ59はこうした始動時に、冷却水温Twに応じて予
測値についての初期値を演算する手段として機能する部
分で、初期値M1はTwに応じて第15図のテーブルを検索す
ることにより求められる。
同図からも明らかなように、冷却水温Twが高いときに
は、吸気系に残留する吸気系の付着、浮遊燃料量も多い
ことを考慮して、M1(=f(Tw))を大きく予測(設
定)するのである。具体的には、第15図のデータは実験
により最適値を求める。
次に、第16図に基づき、機関停止からまもない再始動時
につき、冷却水温に応じて予測値の初期化を行う動作を
導入した本実施例(一点鎖線で示す。)の作用を、吸気
系の付着、浮遊燃料の残留の如何に拘わらず初期値を零
とする場合(破線で示す。)との比較の上に説明する
と、同図は始動及び始動後の各種変数の量の信号波形を
示す。
機関停止からまもない再始動時にあっては、始動と次の
始動までの期間が長く機関が冷間状態にある始動時と相
違して、機関停止時に吸気系に残留する吸気系の付着、
浮遊燃料が消失することなく存在する。
ところが、こうした吸気系の付着、浮遊があるにも拘わ
らず、初期値M1を零として制御が開始されると、吸気系
に残留する吸気系の付着、浮遊燃料量に相当する分が燃
料過多となる。
すなわち、Mは予測値といいつつも、始動開始時に残留
する吸気系の付着、浮遊燃料量を予測していないのであ
り、残留分だけ供給燃料量が過多となり、これにより、
同図に示すように再始動直後のCOの排出量を多くしてし
まうのである。
これに対し、この実施例では、そのときの冷却水温Twを
用いて第15図に示すテーブルを検索することにより吸気
系に残留する吸気系の付着、浮遊燃料量を求め、この値
を予測値についての初期値M1(=f(Tw))として制御
を開始する。
すなわち、再始動時に残留する吸気系の付着、浮遊燃料
量を冷却水温を用いて的確に予測することにより、この
残留燃料量に相当する分だけ少なめに燃料供給を行うの
であり、これにより、たとえ加速直後に機関停止し吸気
系に多くの吸気系の付着、浮遊燃料を残留させたまま、
再始動することがあっても、燃料供給量が過剰となるこ
とはなく、始動時の運転状態に応じた適正値を得ること
ができ、したがって、有害排出物の増大を抑制するとと
もに、燃料過多による始動不良を防ぐことができるので
ある。
(発明の効果) 以上説明のとおり、この発明によれば、始動時の機関温
度に応じて吸気系の付着、浮遊燃料の予測値についての
初期値を演算するようにしたので、機関停止直後の再始
動時において、吸気系に吸気系の付着、浮遊燃料が多く
残留する機関高温時には、この残留分を見越して予め少
なめに噴射量が供給され、これにより、燃料の供給過多
による有害排出物の増大や始動不良を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の概念的構成を示したブロック図であ
る。第2図はこの発明の一実施例の機械的構成図であ
る。第3図〜第6図は前記実施例に対応した空燃比制御
の制御内容を表した流れ図である。第7図は前記空燃比
制御において吸気系の付着、浮遊燃料量の定常条件にお
ける平衡量M0を与えるテーブルの内容例を示した特性線
図、第8図,第9図は同じく前記空燃比制御において所
定の係数DKを与えるテーブルの内容例を示した特性線図
である。 第10図〜第12図は前記空燃比制御におけるパラメータな
いし係数等の変化と燃料噴射パルス幅の制御特性との関
係を信号波形として示した加速時,減速時,ギヤチェン
ジ時の波形図である。 第13図は前記空燃比制御を減速燃料カットからのリカバ
リー時に適用するようにした処理内容の一例を表した流
れ図、第14図はその処理による場合の第11図に相当する
波形図である。 第15図は前記空燃比制御に使用される予測値Mについて
の初期値M1を与えるテーブルの内容例を示した特性線図
である。第16図は前記空燃比制御におけるパラメータな
いし係数等の変化と噴射パルス幅の制御特性との関係を
信号波形として示した始動及び始動後の波形図である。 1……運転状態検出手段、2……基本噴射量演算手段、
3……平衡量演算手段、4……差値演算手段、5……補
正係数演算手段、6……過渡補正量演算手段、7……予
測変数演算手段、8……燃料量噴射量演算手段、9……
燃料供給手段、10……機関始動検出手段、11……初期値
演算手段、15……スロットル弁、16……吸気通路、17…
…燃料噴射弁、20……空気流量センサ、21……クランク
角センサ、22……水温センサ、23……空燃比センサ、24
……スタータスイッチ、25……スロットル弁開度セン
サ、30……コントロールユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 45/00 Q 7536−3G

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の運転状態を、少なくとも機関回転
    数、機関負荷及び機関温度を含むパラメータから検出す
    る運転状態検出手段と、機関の運転状態に基づいて燃料
    の基本噴射量を演算する基本噴射量演算手段と、機関回
    転数、機関負荷及び機関温度に基づいて吸気系の付着、
    浮遊燃料の平衡量を演算する平衡量演算手段と、平衡量
    演算手段で演算した付着、浮遊燃料の平衡量とその時点
    での吸気系の付着、浮遊燃料の予測変数との差値を演算
    する差値演算手段と、差値演算手段で演算した差値を燃
    料噴射量の補正にどの程度反映させるかを示す補正係数
    を、機関回転数、機関負荷及び機関温度に基づいて演算
    する補正係数演算手段と、前記差値と前記補正係数とに
    基づいて過渡補正量を演算する過渡補正量演算手段と、
    過渡補正量演算手段で演算した過渡補正量と前記付着、
    浮遊燃料の予測変数とを燃料噴射に同期して加算し、該
    加算値で予測変数を更新する予測変数演算手段と、前記
    基本噴射量演算手段で演算した基本噴射量と前記過渡補
    正量演算手段で演算した過渡補正量とに基づいて燃料噴
    射量を演算して噴射信号を出力する燃料噴射量演算手段
    と、前記噴射信号に基づいて機関に燃料を供給する燃料
    供給手段と、機関の始動を検出する機関始動検出手段
    と、機関の始動時に機関温度に基づいて前記予測変数の
    初期値を演算する初期値演算手段とを備えたことを特徴
    とする内燃機関の空燃比制御装置。
JP6684786A 1986-03-25 1986-03-25 内燃機関の空燃比制御装置 Expired - Lifetime JPH0670386B2 (ja)

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Publications (2)

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