JPH0670208B2 - 硬化性塗膜を有する転写材 - Google Patents

硬化性塗膜を有する転写材

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JPH0670208B2
JPH0670208B2 JP62119927A JP11992787A JPH0670208B2 JP H0670208 B2 JPH0670208 B2 JP H0670208B2 JP 62119927 A JP62119927 A JP 62119927A JP 11992787 A JP11992787 A JP 11992787A JP H0670208 B2 JPH0670208 B2 JP H0670208B2
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重雄 森
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な硬化性塗膜を有する転写材に関するもの
である。さらに詳しくいえば、たとえば各種印刷物、フ
ォトマスク、リソフイルム、磁気デイスク、磁気カード
などの製造、あるいは着色したプラスチック製品やガラ
ス製品などの製造において、さらには各種被転写体の光
沢度向上などに有用な、その硬化物が耐摩耗性、耐熱
性、耐薬品性などに優れた硬化性塗膜を有する転写材に
関するものである。
[従来の技術] 従来、転写材はプラスチック、木工、ガラス、金属、陶
磁性製品などの表面に美麗で、かつ強固な絵付などを行
うのに広く用いられている。
この転写材は、一般にプラスチックフイルム基材の表面
に、剥離剤層、樹脂層または硬化性塗膜層、パターン層
および接着層を順次設けた構造を有している。該剥離剤
層には、通常アクリル系、ビニル系、塩化オレフイン系
樹脂や、ワックス類などが用いられ、この剥離剤層の上
に設けられる樹脂層にはポリオレフィン系樹脂や合成ゴ
ムなどが用いられている。この樹脂層の代りに、硬化性
塗膜層が設けられている場合には、この塗膜層には、通
常アクリレート、メタクリレート、エポキシアクリレー
トなど、加熱や紫外線の照射などによって重合する化合
物が用いられる。また、パターン層は、通常顔料と熱可
塑性樹脂からなるバインダーとから構成されており、さ
らに最上層の接着層には、被転写体との接着性が良好な
もの、たとえばアクリル系、メタクリル系、ウレタン系
樹脂、あるいは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチ
レン系共重合体などが用いられる。
このような転写材を用いて、被転写体に転写するために
は、たとえば加熱加圧法、グラビア印刷法、スクリーン
印刷法、グラビアコーター法、ロールコーター法などの
方法が用いられ、この転写によって、被転写体の表面
に、接着層、パターン層、樹脂層または硬化性塗膜層が
順次設けられる。最上層に硬化性塗膜層が設けられる場
合には、さらに加熱や紫外線照射などによる硬化処理が
施される。
しかしながら、従来の転写材においては、これを用いて
被転写体に転写して得られた最上層の樹脂層、または転
写後硬化処理してなる硬化被膜の硬度が十分ではなく、
耐久性に劣るという欠点があった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、このような従来の転写材が有する欠点を克服
して、硬化後の硬度が極めて高い硬化性塗膜層を有し、
被転写体に転写後、硬化処理を施すことにより、耐久性
に優れた被膜を形成しうる転写材を提供することを目的
としてなされたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する転写材を開
発するために鋭意研究を重ねた結果、ある特定の構造を
有するホスファゼン化合物の硬化体が、高い硬度を有す
る上に、耐熱性や耐薬品性などにも優れていることに着
目し、このものを硬化性塗膜層の材料として用いること
により、その目的を達成しうることを見い出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、フィルム状または板状基体の表面
に、少なくとも硬化性塗膜層を設けてなる転写材におい
て、前記硬化性塗膜層が、 一般式(I) −[−NP(X)p(Y)q−]n− (I) (式中のXおよびYは、それぞれ一般式(II)で示され
る重合硬化性基または非重合硬化性基であって、それら
は同一であってもよいし、たがいに異なっていてもよい
が、少なくとも一方は重合硬化性基であり、pおよびq
はそれぞれ0以上の数で、それらの合計は2であり、n
は3〜18の整数である) (ただし、式中のRは炭素数1〜12のアルキレン基であ
り、Zは水素原子またはメチル基である。)で表される
硬化性ホスファゼン化合物を含有してなることを特徴と
する硬化性塗膜層を有する転写材を提供するものであ
る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写材に用いられるフイルム状または板状基材
は、透明なものであってもよいし、不透明なものであっ
てもよく、このようなものとしては、たとえばプラスチ
ック、金属、セラミックス、ガラスなどからなるものが
用いられる。
本発明の転写材においては、このようなフイルム状また
は板状基体の表面に硬化性塗膜層が設けられるが、必要
に応じ、該硬化性塗膜層と基体との間に剥離剤層を設け
てもよい。特に基体自身が硬化性塗膜層に対する密着性
を有しない場合や、基体になんらかの処理が施されてい
る場合には、剥離剤層を設けることが好ましい。この剥
離剤層には、たとえばシリコンやフッ素化合物、あるい
はアクリル系、ビニル系、塩化オレフィン系樹脂からな
るワックス状、液体状、フイルム状のものを用いること
ができる。
また、硬化性塗膜層には、一般式 NP(X)p(Y)q n ・(I) (式中のX、Y、p、qおよびnは前記と同じ意味をも
つ)で表わされる硬化性ホスファゼン化合物が用いられ
る。
前記一般式(I)において、XおよびYは、それぞれ後
述する特定の重合硬化性基または非重合硬化性基であ
り、それらは同一であってもよいし、たがいに異なって
いてもよいが、少なくとも一方は重合硬化性基である。
前記、非重合硬化性基としては、たとえばフエノキシ
基、ハロゲン化フエノキシ基、アルコキシ基、ハロゲン
化アルコキシ基、アルギルアミノ基、ハロゲン化アルキ
ルアミノ基などが挙げられる。
前記重合硬化性基は、 一般式 (式中のRは炭素数1〜12のアルキレン基、Zは水素原
子またはメチル基である)で表わされる基で表される。
前記一般式(II)におけるRは直鎖状アルキレン基であ
ってもよいし、分枝鎖を有するアルキレン基であっても
よい。好ましいアルキレン基としてはエチレン基を挙げ
ることができる。
前記一般式(II)で表わされる基の具体例としては、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリ
レート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチ
ルメタクリレート、6−ヒドロキシ−3−メチルヘキシ
ルメタクリレート、5−ヒドロキシヘキシルメタクリレ
ート、3−ヒドロキシ−2−t−ブチルプロピルメタク
リレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルヘキシルメ
タクリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルエチルプロ
ピルメタクリレートおよび12−ヒドロキシドデシルメタ
クリレートなどのメタクリレート類中の水酸基から水素
原子を除いた残基、並びに2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルア
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、5−
ヒドロキシペンチルアクリレート、6−ヒドロキシ−3
−メチルヘキシルアクリレート、5−ヒドロキシアクリ
レート、3−ヒドロキシ−2−t−ブチルプロピルアク
リレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルヘキシルア
クリレート、3−ヒドロキシ−2−メチルエチルプロピ
ルアクリレートおよび12−ヒドロキシドデシルアクリレ
ートなどのアクリレート類中の水酸基から水素原子を除
いた残基を挙げることができる。特に好ましい基は、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート残基および2−ヒド
ロキシエチルアクリレート残基である。
前記各種のヒドロキシアルキルメタクリレート残基とヒ
ドロキシアルキルアクリレート残基とを比較した場合、
架橋速度の大きい点からヒドロキシアルキルアクリレー
ト残基の方が好ましい。
前記一般式(I)で表わされる硬化性ホスファゼン化合
物はnが3〜18の整数のものであるが、nが3および4
の環状化合物、またはその混合物が好適である。この硬
化性ホスフアゼン化合物の硬化体は鉛筆硬度が5H以上の
極めて高い硬度を有している上に、耐熱性にも優れてい
る。
さらに、この化合物を用いて得られた被膜は、プラスチ
ック材料、木材、セラミックス、ガラスあるいは金属な
どの材料表面に体して極めて良好な接着性を示すと共
に、良好な耐酸性及び耐アルカリ性などの化学的特性を
有している。また前上記の一般式[I]におけるXおよ
びYがヒドロキシアルキルメタクリレートおよびヒドロ
キシアルキルアクリレートから誘導される基であるホス
ファゼン化合物が、特に良好な接着性を示す。
前記の硬化性ホスファゼン化合物は、公知の方法に従っ
て製造することができる。たとえば、ヘキサクロロシク
ロトリホスファゼンと2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートとを反応させることにより、ヘキサクロロシクロト
リホスファゼンの塩素の一部あるいは全部が2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート残基で置換されたホスファゼ
ン化合物を得ることができる。なお、ここで、塩素は全
部置換されているのが好ましいが、一部の塩素が残留し
ていてもよい。
この反応の際に、第三級アミンを用いるのが、脱塩化水
素反応を促進する上で、有利である。この第三級アミン
としては、たとえば、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プロピルア
ミン、トリ−n−ブチルアミン、ビリジンおよびN,N,N
−テトラエチレンジアミンなどを挙げることができ、こ
の中でもビリジンが好適である。
また、この反応は通常は水を含まない有機溶媒中で行わ
れる。用いる有機溶媒の例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム、シクロヘキサン、塩化メ
チレンおよびテトラヒドロフランなどを挙げることがで
き、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
なお、本発明では、ホスファゼン化合物を製造する際の
出発物質であるクロロホスファゼン化合物として、ジク
ロロホスファゼンの三量体(ヘキサクロロシクロトリホ
スファゼン)、四量体あるいはオリゴマーを用いるのが
好ましい。これは、このようなテロマーあるいはオリゴ
マーを用いて得られたホスファゼン化合物は、被膜(ホ
スファゼン化合物の硬化体)中の架橋密度を、容易に制
御することができるからである。
本発明の転写材における硬化性塗膜層は、通常該硬化性
ホスファゼン化合物をそのまま使用して形成させるが、
所望により、有機溶剤にホスファゼン化合物を溶解また
は分散させて塗布液を調製したのち、この塗布液を基体
または剥離剤層の上に塗布して塗膜を設けてもよい。
前記有機溶剤としては、たとえばメチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケト
ン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭
化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノールなどのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサンなどのエーテル類などが挙げられ、これらはそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いて
もよい。
前記硬化性塗膜層には、所望に応じ、光重合開始剤や熱
重合開始剤などの硬化促進剤を含有させることができ
る。たとえば、電子線や紫外線、あるいは可視光線を用
いた硬化方法を利用する場合、光重合開始剤として、1
−ヒドロキシシクロヘシルフェニルケトン、ジベンゾイ
ル、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、p−クロロベンゾフェノン、p−メトキシベンゾ
フェノン、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチ
ルパーオキサイドおよびカンファキノンなどを含有させ
ることが好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、そ
の使用量は、通常、ホスファゼン化合物100重量部に対
して、0.05〜5.0重量部の範囲で選ばれる。
また、加熱硬化方法や常温硬化方法を利用する場合に
は、重合開始剤として過酸化物系の化合物、アミン系の
化合物を単独又は組み合わせて使用することが好まし
い。過酸化物系の化合物の例としては、ベンゾイルパー
オキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,
4−ジクロロベンゾイルパ−オキサイド、t−ブチルヒ
ドロバーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテ
ート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどを挙げる
ことができる。また、アミン系の化合物の例としては、
N,N−ジエタノール−p−トルイジン、ジメチル−p−
トルイジン、p−トルイジン、メチルアミン、t−ブチ
ルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン、4,
4′−ジニトロフェニルアミン、o−ニトロアニリン、
p−ブロモアニリン、2,4,6−トリブロモアニリンなど
を挙げることができる。
この場合、過酸化物系の化合物およびアミン系の化合物
の合計の使用量は、ホスファゼン化合物100重量部に対
して通常0.05〜5.0重量部の範囲で選ばれる。
さらに、該硬化性塗膜層には、所望に応じ、他の反応硬
化性化合物を含有させることもできる。用いることので
きる反応硬化性化合物としては、たとえばメチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルアクリレート、エチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレートおよび
テトラエチレングリコールジアクリレートとメタクリレ
ートとの混合物、グリシジルアクリレート、2,2′−ビ
ス(アクリロキシフェニル)プロパン、あるいは酢酸ビ
ニル、ステアリン酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエ
ステル類や、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
イタコン酸、無水イタコン酸などのエチレン性二重結合
を有する不飽和ジカルボン酸類などを挙げることができ
る。
また、該硬化性塗膜層には、必要に応じて分散可能な顔
料、各種充填材、磁性粒子などを分散させてもよい。充
填材を含有させると、硬化被膜の耐摩耗性はさらに向上
する。この充填材としてはシリカ、タルク、アルミナ、
アパタイト、ガラスビーズ、ケイ酸バリウム、窒化ケイ
素および炭化ケイ素などの無酸フィラー、並びにポリメ
チルメタクリレートなどの有機フィラーを挙げることが
できる。
磁性粒子としては、たとえばγ−Fe2O3、コバルト含有
γ−F2O3、CrO2、Fe3O4、Co−Fe−Ni合金、Ni−Co合金
などの粒子を挙げることができる。このような磁性粒子
を分散させることにより、本発明の転写材は磁気デイス
クや磁気カードの製造に用いることができる。さらに、
該硬化性塗膜層には、所望に応じ、酸化防止剤や紫外線
吸収剤などを含有させることができる。
本発明においては、必要に応じて加えられるこのような
各種添加剤を含有したホスファゼン化合物を、基体また
は剥離剤層の上に、公知の方法、たとえばスピンナー
法、スプレー法、ロールコーター法などの塗布方法によ
り塗布して、硬化性塗膜層を形成させる。この硬化性塗
膜層は、粘着性がある場合には、加熱または紫外線照射
などにより、一部硬化させて非粘着性とすることができ
る。
本発明の転写材においては、このようにして設けられた
硬化性塗膜層の上に、通常の場合、接着層が設けられ
る。さらにまた、所望に応じ該硬化性塗膜層と接着層と
の間にパターン層を設けてもよい。このパターン層は通
常顔料や導電性化合物と、必要に応じて用いられる熱可
塑性樹脂などのバインダーとから構成される。また、接
着層には、被転写体との密着性がよいもの、たとえばホ
スファゼン化合物や、アクリル系、メタクリル系、ウレ
タン系樹脂、あるいは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、スチレン系共重量体などが用いられる。
このようにして得られた本発明の転写材の1例の断面図
を第1図に示す。第1図は、フイルム状または板状基体
1の表面に剥離剤層2を介して硬化性塗膜層3が設けら
れ、さらにその上に、パターン層4を介して接着層5が
設けられた構造を示している。
本発明の転写材を用い、被転写体に転写するには、たと
えば加熱加圧法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、
グラビアコーター法、ロールコーター法、リバースコー
ター法などの方法が用いられる。また、被転写体として
は、たとえばプラスチック、ガラス、セラミックス、金
属などからなるものや、木工品が用いられる。この転写
によって、被転写体の表面に、接着層、所望に応じ設け
られるパターン層、硬化性塗膜が順次形成される。最上
層の硬化性塗膜層は、加熱、あるいは紫外線、電子線、
X線、γ線などを照射して、ホスファゼン化合物を硬化
させて、硬化被膜を形成させる。これらに硬化方法の中
で、紫外線を照射して硬化させる方法が好ましく、この
場合には、波長が200〜500nmの範囲内にある紫外線を1
秒間以上、好ましくは1.5〜75秒間照射することが望ま
しい。
この際の照射光線の積算光量は、通常100〜5000mJ/cm2
である。また、加熱硬化法を採用する場合には、通常
は、100℃以上の温度で完全に硬化させるのがよい。こ
のようにして得られた硬化被膜は極めて硬度が高く、鉛
筆硬度は紫外線硬化で5H、熱硬化で7H〜8Hである。
本発明の転写材は、たとえば各種印刷物、フォトマス
ク、リソフイルム、磁気デイスク、磁気カードなどの製
造や、着色したプラスチック製品やガラス製品などの製
造に、あるいは各種被転写体の光沢度向上などに好適に
用いることができる。
[発明の効果] 本発明の転写材は、(1)無溶剤で被転写体表面にハー
ドコート被膜を形成しうる、(2)基体にフイルムを使
用することにより、筒状のような凹凸のある被転写体
に、均一な厚さで被膜を形成しうる、(3)硬化性塗膜
層の硬化は、熱硬化でも可能であるので、伝熱性に富む
不透明基体を用いることもできる、(4)硬化性塗膜層
に磁性粉を含有させることにより、磁気デイスクや磁気
カードなどの製造に利用しうる、(5)従来、各種被転
写体の着色は顔料を全体に分散させることにより実施さ
れているが、本発明ではパターン層のみを着色すればよ
く、顔料の節約が可能である。(6)硬化性塗膜の鉛筆
硬度が5H以上である、(7)ポリスチレンやABS樹脂の
光沢向上に有用である、などの優れた特徴を有してい
る。
[実施例] 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によってなんら限定されるものではな
い。
(製造例1) 硬化性ホスファゼン化合物(A)の製造 2lのフラスコ内でヘキサクロロシクロトリホスファゼン
86.8gを脱水したベンゼン338gに溶解した。このベンゼ
ン溶液に310gのビリジンおよび0.23gのヒドロキノンを
加え攪拌した。
別に2−ヒドロキシエチルメタクリレート200mlを237ml
のベンゼンに溶解し、この溶液を上記のフラスコ中に滴
下し、60℃で30時間かけて反応させたのち、ろ過して、
ピリジンの塩酸塩を除去した。
ろ液を水洗し次いで芒硝を用いて乾燥させ、滅圧蒸留に
より溶剤を除去して、粘稠性の1,1,3,3,5,5−ヘキサ
(メタクリロイルエチレンジオキシ)シクロトリホスフ
ァゼン200gを得た。
(製造例2) 硬化性ホスファゼン化合物(B)の製造 温度計、攪拌装置、滴下ロートおよびコンデンサーを取
り付けた2lのフラスコにテトラヒドロフらン300mlおよ
び金属ナトリウム25.5gを投入したのち、これにフェノ
ール104.8g(1.11モル)を滴下し、滴下終了後3時間還
流してフェノラートを得た。
次にヘキサクロロシクロトリホスファゼン193g(0.555
モル)をベンゼン400mlに溶解した溶液を、上記フェノ
ラートを含むテトラヒドロフラン溶液中に滴下したの
ち、還流下に4時間反応を進行させた。
次いで反応液の温度を室温にまで戻し、ピリジン352gを
加え、さらに2−ヒドロキシエチルメタクリレート381g
(2.45モル)を滴下ロートから徐々に滴下したのち60℃
で16時間反応させた。次いで析出した固体をろ別し、得
られたろ液中の溶剤を減圧蒸留により除去し、残渣を十
分に乾燥させて、黄色液状物を得た。
(実施例1) 基体としてポリエステルフイルムを用い、その上にシリ
コン離型剤を用いて剥離剤層を形成し、その上に、アン
トラキノン系染料を添加した硬化性ホスファゼン化合物
(A)、および該ホスファゼン化合物100重量部に対し
てコロイダルシルカ40重量部をイソプロピルアルコール
に加えたものを塗布して、硬化性塗膜層および接着剤層
を形成し、転写材を作成した。
この転写材を180℃の条件でロール転写機にてポリカー
ボネート基板に転写した。この転写品に総照射エネルギ
ーが2940mJ/cm2となるように紫外線を照射し、青色透明
ポリカーボネート板を得た。硬化被膜の評価結果を第1
表に示す。
(実施例2) 基体としてポリエステルフイルムを用い、その上にシリ
コン離型剤を用いて剥離層を形成し、さらにその上に硬
化性ホスファゼン化合物(B)、および該ホスファゼン
化合物100重量部に対してコロイダルシルカ40重量部を
イソプロピルアルコールに加えたものを塗布して、硬化
性塗膜層および接着層を順次形成し、さらにプリント回
路パターンを印刷し、転写材とした。
この転写材を180℃の条件でポリエステル基板に転写
し、転写品に総エネルギーが2940mJ/cm2となるように紫
外線を照射して、表面に耐摩耗性に富んだリソフイルム
を作成した。
硬化被膜の評価結果を第1表に示す。
(実施例3) 基体としてポリエステルフイルムを用い、その上にフッ
素系化合物からなる剥離層を形成し、その上に硬化性ホ
スファゼン化合物をバインダーとして、これに磁性粉γ
−Fe2O3、カーボンブラックレシチン、シリコンオイル
をそれぞれ適量ずつ添加し、分散させたものからなる硬
化性塗膜層を設けさらに接着層を形成して転写材とし
た。
この転写材を180℃でポリエステルシート上に転写し、
これに200keV、6Mradの照射量をもつ電子線を照射し
て、磁性粉含有硬化性塗膜を硬化させた。
この磁性塗膜の評価結果を第2表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の硬化性塗膜を有する転写材の1例の断
面図であって、図中符号1は基体、2は剥離剤層、3は
硬化性塗膜層、4はパターン層、5は接着層である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−92404(JP,A) 特開 昭52−45411(JP,A) 特開 昭55−9675(JP,A) 特開 昭55−36289(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム状または板状基体の表面に、少な
    くとも硬化性塗膜層を設けてなる転写材において、前記
    硬化性塗膜層が、 一般式(I) −[−NP(X)p(Y)q−]n− (I) (式中のXおよびYは、それぞれ一般式(II)で示され
    る重合硬化性基または非重合硬化性基であって、それら
    は同一であってもよいし、たがいに異なっていてもよい
    が、少なくとも一方は重合硬化性基であり、pおよびq
    はそれぞれ0以上の数で、それらの合計は2であり、n
    は3〜18の整数である) (ただし、式中のRは炭素数1〜12のアルキレン基であ
    り、Zは水素原子またはメチル基である。) で表される硬化性ホスファゼン化合物を含有してなるこ
    とを特徴とする硬化性塗膜層を有する転写材。
  2. 【請求項2】硬化性塗膜層の上に、これと同じものを接
    着層として設ける特許請求の範囲第1項記載の転写材。
JP62119927A 1987-05-16 1987-05-16 硬化性塗膜を有する転写材 Expired - Lifetime JPH0670208B2 (ja)

Priority Applications (1)

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