JPH0668208U - 配光可変型車両用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単で且つ堅牢な構造になり、また照射光束
の配光パターンを正確に制御する。 【構成】 円筒状メインフレーム２の後端に、点灯用の
バルブ４を設けたリフレクタ１を固設し、コリメータレ
ンズ５透過後の光束を平行にする。メインフレーム２内
挿した移動レンズ１７を、メインフレーム２のガイド溝
孔７と、外筒８のヘリコイド溝孔１０にガイドローラ１
６を貫挿したヘリコイド型レンズ駆動機構１３に支承
し、外筒８をモータ１１によって回動して回転角度を相
対変位する。メインフレーム２の前端に固設した固定レ
ンズ１８に対して、ヘリコイド型レンズ駆動機構１３に
より、移動レンズ１７の位置を軸方向に変位し、前方照
射光束を集光又は拡散制御する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車等車両用の灯具として、照射光束を「集光」，「中拡散」或 は「拡散」制御することができる、特に三モードフォグランプとして有用な配光 可変型車両用灯具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より点灯用のバルブの前方に配置した複数のレンズの配置を変えて照射光 束の配光パターンを変えることができる種々構造の配光可変型灯具が使用されて いたが、構造が複雑になるとガタつきが生じて不具合が発生する等の問題を有し ていた。特にフォグランプ等の車両用灯具では、使用状況から正確な配光制御と 同時に堅牢さが要求され、簡単な構造の配光可変型車両用灯具の開発が望まれて いた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたものであり、構造が簡単で且つ堅牢な 構造にすることができると共に、照射光束の配光パターンを、「集光」，「中拡 散」或は「拡散」の状態に正確に制御することが可能な新規構造のレンズ駆動機 構を備えた配光可変型車両用灯具を提供することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る配光可変型車両用灯具は、円筒状の メインフレームの後端に、点灯用のバルブを設けたリフレクタの光軸前方に配置 したレンズによって平行光束を照射するようにした灯本体を固設すると共に、前 記メインフレームに対して軸方向摺動自在に内挿した移動レンズをヘリコイド型 レンズ駆動機構を介して枢設すると共に、前記メインフレームの前端部に固定レ ンズを固設してなり、前記ヘリコイド型レンズ駆動機構により、移動レンズ位置 を軸方向に変位して前方照射光束を集光又は拡散制御するように構成したことを 要旨とするものであり、該ヘリコイド型レンズ駆動機構は、メインフレームの筒 壁に穿設した軸方向に延びるガイド溝孔と、該メインフレームに対して回動自在 に外挿した外筒に穿設した周方向に延びるヘリコイド溝孔にガイドローラを貫挿 すると共に、該外筒をモータによって回動し、メインフレームに対する回転角度 を相対変位するように構成したものである。

【０００５】

【作用】

上記構成によれば、モータを回動するとメインフレームに対して外筒が周方向 に回転し、メインフレームのガイド溝孔と外筒のヘリコイド溝孔の交差位置が軸 方向に変位する。このため、移動レンズに突設し、両溝孔に貫挿しているガイド ローラが軸方向に変位して該移動レンズを固定レンズと離接する方向に変位する 。

【０００６】 予め、固定レンズと移動レンズの焦点位置関係と移動レンズに向かって入射す る光束（平行光束である）を設定しておき、移動レンズ及び固定レンズ透過後の 光束を集光から拡散まで変化させることができ、モータを回転制御して予め設定 した複数の回転変位位置に外筒を停止制御することにより、照射光束の配光パタ ーンを、「集光」，「中拡散」，「拡散」の三パターン状態に正確に変更するこ とができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案に係る配光可変型車両用灯具の好適な一実施例を図面に従って説 明する。 図１は灯具の縦断面図であり、図２は同分解斜視図である。本考案において、 灯本体はリフレクタ１の開口端部を円筒状のメインフレーム２の後端に固設した フランジ３に固着すると共に、該リフレクタ１の楕円反射鏡面１ａの光軸Ｌをメ インフレーム２の筒軸と一致させると共に、その第一焦点位置にバルブソケット （図示していない）を介して点灯用のバルブ４を固設して構成したものである。

【０００８】 上記メインフレーム２の中腹部には、上記リフレクタ１の楕円反射鏡面１ａの 第二焦点位置とコリメータレンズ５の焦点位置が一致するように、該コリメータ レンズ５に環着したレンズカラー６を内挿固着すると共に、前端部近傍の筒壁に は、光軸Ｌ方向に延びる一対のガイド溝孔７，７を１８０度対称位置に穿設して ある。

【０００９】 また、上記メインフレーム２には、後端外周にリングギヤ９を固着した外筒８ が周方向へ回動自在に外挿し、該外筒８の前端部近傍に穿設した一対のヘリコイ ド溝孔１０，１０とガイド溝孔７，７が交差するように配置してある。１１は、 フランジに固設した制御可能なモータであり、該モータ１１の回動軸は複数のギ ヤを噛合した回動伝達機構１２を介して外筒８のリングギヤ９と噛合し、モータ １１の駆動によって外筒８を回動変位すると共に、ヘリコイド溝孔１０，１０と ガイド溝孔７，７の交差位置を変位するようになるヘリコイド型レンズ駆動機構 １３を構成している。

【００１０】 １４は、上記メインフレーム２に対して軸方向摺動自在に内挿したスライド筒 であり、１８０度位置外周に突設した一対の突軸１５，１５には、上記ヘリコイ ド溝孔１０とガイド溝孔７に対して溝孔方向摺動自在に貫挿するガイドローラ１ ６をそれぞれ回動自在に軸設してヘリコイド構造を構成する。このスライド筒１ ４には、横方向に多数のシリドリカルなレンズステップ１７ａ，１７ａ…を並設 した移動レンズ１７が固設してあり、ヘリコイド型レンズ駆動機構１３によって 光軸Ｌ方向に移動変位するように構成してある。

【００１１】 また１８は、上記メインフレーム２の前端部にレンズフレーム１９を介して固 設した固定レンズであり、該固定レンズ１８には上記移動レンズ１７と同ピッチ の多数のシリンドリカルなレンズステップ１８ａ，１８ａ…を構成してなる。

【００１２】 尚、図中２０はメインフレーム２の内壁に、コリメータレンズ５と点灯バルブ ４間に位置して固設したシェードであり、光束の一部を遮断して配光の形状を制 御するものである。

【００１３】 上記構成になる配光可変型車両用灯具は、モータ１１を図示しないコントロー ラによって回動制御し、「集光」，「中拡散」，「拡散」状態に照射光束を変更 することができる。即ち、モータ１１を回動すると、回動伝達機構１２のギヤ及 びリングギヤ９を介して外筒８が回転（矢印Ａ）し、メインフレーム２のガイド 溝孔７と外筒８のヘリコイド溝孔１０の交差位置が軸方向（矢印Ｂ）に変位する 。

【００１４】 然るに、該ガイド溝孔７とヘリコイド溝孔１０の交差位置には、移動レンズ１ ７を取り付けたスライド筒１４から突出したガイドローラ１６が貫挿しているた め、該ガイドローラ１６を介して移動レンズ１７が矢印Ｂ方向に変位するように なり、固定レンズ１８と離接する方向に変位する。

【００１５】 リフレクタ１の楕円反射鏡面１ａによって反射されたバルブ４からの光束は、 該バルブが第一焦点位置にあり、且つコリメータレンズ５が第二焦点位置にある ため、移動レンズ１７が変位しても平行な光束となって移動レンズ１７に入射す る。従って、固定レンズ１８のレンズステップ１８ａの焦点位置と移動レンズ１ ７のレンズステップ１７ａの焦点位置の関係によって両レンズステップ１７ａ， １８ａを透過した光束が「拡散」又は「集光」するようになる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案に係る配光可変型車両用灯具によれば、上述の如く円筒状のメインフレ ームに外筒を外挿したヘリコイド型のレンズ駆動機構であるため、構造が簡単に なり堅牢な構造にすることができる。また、移動レンズをヘリコイド機構によっ て光軸方向に変位して照射光束の配光パターンを、「集光」，「中拡散」，「拡 散」に変更する構造になるため、予め設定したパターン状態に正確に変更するこ とができる等の特徴を有するものであり、本考案の実施により得られる効果は極 めて大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る配光可変型車両用灯具の一実施例
を示す灯具の縦断面図である。

【図２】同灯具の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ リフレクタ ２ メインフレーム ４ バルブ ５ コリメータレンズ ７ ガイド溝孔 ８ 外筒 ９ リングギヤ １０ ヘリコイド溝孔 １１ モータ １３ ヘリコイド型レンズ駆動機構 １４ スライド筒 １６ ガイドローラ １７ 移動レンズ １８ 固定レンズ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状のメインフレームの後端に、点灯
   用のバルブを設けたリフレクタの光軸前方に配置したレ
   ンズによって平行光束を照射するようにした灯本体を固
   設すると共に、前記メインフレームに対して軸方向摺動
   自在に内挿した移動レンズをヘリコイド型レンズ駆動機
   構を介して枢設すると共に、前記メインフレームの前端
   部に固定レンズを固設してなり、前記ヘリコイド型レン
   ズ駆動機構により、移動レンズ位置を軸方向に変位して
   前方照射光束を集光又は拡散制御するように構成したこ
   とを特徴とする配光可変型車両用灯具。
2. 【請求項２】 前記ヘリコイド型レンズ駆動機構が、前
   記メインフレームの筒壁に穿設した軸方向に延びるガイ
   ド溝孔と、該メインフレームに対して回動自在に外挿し
   た外筒に穿設した周方向に延びるヘリコイド溝孔にガイ
   ドローラを貫挿すると共に、該外筒をモータによって回
   動し、メインフレームに対する回転角度を相対変位する
   ように構成したものであることを特徴とする請求項１の
   配光可変型車両用灯具。