JPH0667721B2 - ベント制御式バイパス付圧力平衡式比例弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、ベント制御式バイパス、特に流体圧力を閉
じ込めて比例弁の作動を終了させるためにベント管との
連絡を閉鎖する比例弁を有する一次圧力平衡式比例弁に
関する。

従来の技術 一般的に、比例弁は、二次チャンバブレーキ系統内に差
動ピストンを利用するため、所定圧力に達したときピス
トンは比例弁の小さな面積の端の方向に移動する。ピス
トンが移動すると、ピストンはポペット或いはシールに
接触し圧力が制限される。比例弁のピストンに連絡した
二次圧力が更に上昇するときには、出口圧力は、ピスト
ンの端の面積差によって決定された割合で上昇する。比
例弁はバイパス機能を有するので、マスターシリンダー
のチャンバ内の圧力が減退したとき、比例弁は適当に応
答し、車両の後輪ブレーキへ十分な流体圧力を伝えるこ
とができる。

発明が解決しようとする課題 このような従来の設計は以下のような多数の欠点を有す
る。例えば、一次圧力チャンバと第２圧力チャンバを逆
にしなければならず、これはマスターシリンダー本体を
長くする。マスターシリンダーは圧力に感応するのでは
なく、ストロークに感応することになる。システムは好
ましくない流体押し退け損失を招く。バイパス機能の効
果を行わせるために高価な機能を追加する必要がある。
シールを追加する必要がある。又、ブレーク点の許容範
囲が広くなる。マスターシリンダーの一次圧力チャンバ
と二次圧力チャンバの位置を変える必要のないバイパス
機能を比例弁組み立て体に設けることが強く望まれる。
又、マスターシリンダーの一次圧力チャンバから比例弁
組み立て体に直接圧力を伝えることにより比例弁組み立
て体を作動することが望ましい。更に、閉じ込めた流体
圧力がバイパス機能を果たすようにベントを単純に閉鎖
することによりバイパス機能を果たすことが非常に望ま
しい。本発明の目的は、上記課題を解決するための比例
弁を提供することにある。

課題を解決するための手段及び作用 本発明は、一次圧力チャンバと二次圧力チャンバとを有
するマスターシリンダーと組み合わせた比例弁と、各圧
力チャンバからの流体を、内部に比例弁を配置させたボ
アに伝えるための連絡手段とを有し、ボアは、一端に一
次圧力受圧チャンバを、他端に二次圧力受圧チャンバを
有し、二次圧力受圧チャンバは、流出口を有し、ボア内
に２部品形ピストンを有し、該ピストンは、一次圧力受
圧チャンバ内に受け入れられたピストン部品と、二次圧
力受圧チャンバ内に受け入れられたピストン部品とを有
し、一次ピストン部品と二次ピストン部品は該部品間で
の移動を可能にするように互いに結合され、スリーブが
２部品形ピストンのまわりに配置され、シール手段がボ
アにベント開口を有するベントと連通する中間チャンバ
を構成するために、スリーブと一次ピストン部品のまわ
りに設置され、二次ピストン部品は差動ピストンからな
り、かつ該ピストンのまわりに配置され、スリーブに係
合するシール部材と、二次ピストン部品のまわりに配置
され、スリーブによって一定位置に保持されたシール部
材とを有し、一次チャンバ内で圧力の減退により、一次
ピストン部品を移動させベント開口部との連絡を閉鎖
し、流体がスリーブ内に閉じ込められ、二次ピストン部
品が移動するのを阻止する。

実施例 本発明の詳細は、実施例を示す図面を参照して以下に詳
細に説明する。

第１図は、本発明の比例弁及びマスターシリンダーの断
面図である。

第２図は、第１図の部分断面図である。

マスターシリンダーは、全体的に第１図に参照番号10で
示してある。マスターシリンダーは、リセス形カートリ
ッジマスターシリンダと呼ばれ、特許番号第4474005号
の米国特許に開示されているタイプのものである。本発
明は、他のいろいろな種類のマスターシリンダーにも利
用でき、リセス形カートリッジマスターシリンダーだけ
との使用に限られないことは、明確に理解すべきであ
る。マスターシリンダー10は、端12の内側に位置する一
次チャンバ（図に示されてない）及び端14の内側に位置
する二次チャンバ（図に示されてない）を含む。通路又
は連絡手段16が、一次チャンバからマスターシリンダー
ハウジング11の中に位置する一次圧力受圧チャンバ26ま
で延びている。通路或いは連絡手段18は、二次圧力チャ
ンバとマスターシリンダーハウジング11の中に位置する
二次圧力受圧チャンバ28との間に延びる。ベント19が、
ボア13と交差するベント開口からマスターシリンダーの
リザーバ（図に示されてない）まで延びている。比例弁
組立体が、全体的に参照番号40で示され、ハウジング11
の横ボア13内にねじ込まれたバルブ部品42を含んでい
る。ねじ込み式の比例弁組立体を開示する３つの先行出
願は、中央バイパス比例弁を開示する「一次圧力平衡式
比例弁」と称する出願第67514号、警告スイッチ機構と
組み合せた中央バイパス比例弁を開示する「一次圧力平
衡式比例弁」と称する一部継続出願第160784号及び、ピ
ストン部品と一体となった警告スイッチ作動スリーブを
備えた中央バイパス比例弁を開示する「一次圧力及び二
次圧力平衡式比例弁」と称する一部継続出願第266964号
からなる。部品42は、流出口21を有する。ボア13は、一
次圧力受圧チャンバ26から二次圧力受圧チャンバ28まで
延びる段付ボアからなっている。比例弁組立体40は、フ
ランジ44により部品42に取り付けられたスリーブ43を含
む。段付ボア13は、スリーブ43のまわりに配置されたシ
ール46が係合する肩15を備えている。スリーブ43は、差
動ピストン50のまわりに配置され、この差動ピストン50
は、一次ピストン部品52及び二次ピストン部品54を含む
２部品形ピストンからなる。一次ピストン部品52は、そ
の端のまわりに配置されたシール47を有し、反対側の端
は、ピストンの延長部材53を有する。二次ピストン部品
54は、２つのピストン部品52、54間に空動き結合部を作
るために、ピストン部品の延長部材53内に捕捉されたヘ
ッド56を有する延長部55を有する。シール部材69が、二
次ピストン部品54とスリーブ43との間に配置され、二次
ピストン部品54は、シール機構70に係合するヘッド57を
有する。シール機構70は、可尭性ポンプ作用アーム73、
半径方向通路74、及び間隔の隔たった円周方向の当接部
75を含む。シール機構70の内径は、二次ピストン部品54
の外側表面から半径方向に間隔をへだてている。当接部
75に、シール機構が軸線方向に所定位置に保持されるよ
うにスリーブ43の端45が係合し、部品42は、段付ボア13
に螺合し、段付ボア13と取付部品42とのシールがシール
部材60によって行われる。一次ピストン部品と二次ピス
トン部品間には、バネ78が設置され、ピストン部品を互
いに押し離す。バネ78の一端は、スリーブ43の肩49に当
接し、かつ又二次ピストン部品54の肩59に当接するワッ
シャー79に係合する。

シール46、シール47及び二次ピストン部品54のまわりで
しかもスリーブ43内に配置されたシール部材69により、
中間ベントチャンバ90が構成される。ベントチャンバ90
は、ベント19と連通して流体の流れを阻止する。一次ピ
ストン部品52は、段付ボア13の段付部分17に隣接して配
置された円錐部分61を有する。

比例弁組立体40は、解放の状態で示されている。車両の
運転手がブレーキペダルを踏むと、マスターシリンダー
の各チャンバから一次圧力と二次圧力を受ける。一次圧
力と二次圧力は、本質的に等しく、所定圧力で一次ピス
トン部品52は、わずかに右方に移動してスリーブ端51に
接触し、この僅かな右方への移動は、二次ピストン部品
54が左方に移動する前に生じる。マスターシリンダーか
らのブレーキ圧力が上昇すると、所定圧力でブレーク点
に達し、二次ピストン部品54はシール機構70に向かって
左方に移動する。シール機構70にヘッド57が近づくと、
それに応じて流出口21を通じる二次圧力の比例作用を行
う。

もし一次圧力が低下すると、一次ピストン部品52及び比
例弁組立体はもはや一次圧力で支持されなくなる。従っ
て、一次ピストン部品52は、左方に移動し円錐部分61は
段付部17に係合し、ベント19と中間ベントチャンバ90と
の連絡を遮断する。中間ベントチャンバからリザーバへ
の流体流路が閉鎖されるので、流体圧力は中間チャンバ
内に閉じ込められ、二次ピストン部品54はもはや左方に
移動できる、二次ブレーキ圧力の調整を行うことができ
ない。流体圧力が中間ベントチャンバ90内に閉じ込めら
れるため、二次流体圧力の調整は防止され、二次流出圧
力は連絡手段18で受けた流入圧力値と等しいままであ
る。

発明の効果 本発明の比例弁組立体は、従来の比例弁の設計に比べ格
段の利点を備えている。本比例弁組立体は、部品数が最
小限でありピストン部品をプラスチックで容易に成形で
きるため低価格である。比例弁組立体40は、マスターシ
リンダーの流出口へねじ込む小型のカートリッジからな
る。一次圧力の低下が生じたときに、事実上一次ピスト
ン部品52の大変わずかな移動のために流体の押し退けは
本質的に無視しうる程度である。一次圧力の低下中、ガ
ス抜きが閉鎖されたままであるために、本比例弁組立体
は、差圧に感応する。マスターシリンダーのチャンバを
逆にする必要はなく、単一のシール機構70を用いている
ので、摩擦許容力範囲が減じ吐出圧の特性曲線のブレー
ク点の許容範囲が低下する。

本発明の上述した実施例の種々の変形は、当業者にとっ
て明白である。そのような変形が本発明の範囲から逸脱
することなくなしうることを理解すべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガイザー ロバート フランク アメリカ合衆国 ミシガン州 49127 ス ティーヴンスヴィル ポンダロサ ドライ ヴ 5843 (72)発明者 スティア ジョン イーヴァン アメリカ合衆国 インディアナ州 46615 サウス ベンド イースト マディソン 2245 (56)参考文献 特公 昭59−34545（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベント制御式バイパス機能を有し、段付き
   ボア（13）内に配置され、該ボア（13）と共に一次圧力
   受圧チャンバ（26）と二次圧力受圧チャンバ（28）とを
   構成する比例弁（40）において、前記比例弁（40）は、
   一次ピストン部品（52）と二次ピストン部品（54）を備
   えた２部品形ピストン（50）を有し、該一次ピストン部
   品と二次ピストン部品は、該部品（52、54）間での移動
   を可能にするように互いに連結され、さらに２部品形ピ
   ストン（50）のまわりに配置されたスリーブ手段（43）
   と、中間チャンバ（90）を構成するために前記スリーブ
   手段（43）と一次ピストン部品（52）のまわりに設置さ
   れたシール手段（46、47）と、前記ボア（13）と交差
   し、かつ前記中間チャンバ（90）と連通するベント開口
   まで延びるベント（19）と、前記二次ピストン部品（5
   4）のまわりに配置されたシール部材（69）と、流出口
   （21）に隣接して配置されたシール機構（70）とを有
   し、二次ピストン部品（54）は、移動可能な面積差ピス
   トン（54）を有し、前記シール機構（70）と組み合わさ
   って前記二次ピストン部品（54）を通って前記流出口
   （21）の中を流れる流体流れを制限し、前記一次チャン
   バ（26）の圧力の減退により、前記一次ピストン部品
   （52）の移動が前記ベント開口との連通を遮断し、それ
   によって流体圧力が前記中間チャンバ（90）内に閉じ込
   められ、前記二次ピストン部品（54）が作動するのを阻
   止することを特徴とする比例弁。
2. 【請求項２】前記二次ピストン部品（52）は、截頭円錐
   部分（61）を有し、前記ボア（13）は、前記ベント開口
   （19）に隣接した段付肩（17）を有し、前記截頭円錐部
   分（61）は、前記ベント開口（19）との連通を遮断する
   ために、移動して前記段付肩（17）と係合することを特
   徴とする請求の範囲第１項に記載の比例弁。
3. 【請求項３】前記一次ピストン部品（52）と前記二次ピ
   ストン部品（54）とを付勢して互いに遠ざけるために、
   これらのピストン部品間に弾性手段（78）を配置したこ
   とを特徴とする請求の範囲第２項に記載の比例弁。
4. 【請求項４】前記スリーブ手段（43）は、前記弾性手段
   （78）によって付勢される肩（49）を有することを特徴
   とする請求の範囲第３項に記載の比例弁。
5. 【請求項５】前記スリーブ手段（43）は、前記シール機
   構（70）を所定位置に位置決めするよに延びていること
   を特徴とする請求の範囲第１項に記載の比例弁。
6. 【請求項６】前記シール手段（46、47）、前記ボア（1
   3）、前記スリーブ手段（43）、前記シール部材（60）
   及び前記ピストン部品（52、54）は、さらに中間チャン
   バ（90）を構成することを特徴とする請求の範囲第１項
   に記載の比例弁。
7. 【請求項７】前記中間チャンバ（90）は、前記スリーブ
   手段（43）の内部に延びていることを特徴とする請求の
   範囲第６項に記載の比例弁。
8. 【請求項８】前記一次ピストン部品（52）は、延長部材
   （53）を有し、前記二次ピストン部品（54）は、前記延
   長部材（53）内にスナップ嵌めされたヘッド（56）をも
   つ延長部（55）を有することを特徴とする請求の範囲第
   １項に記載の比例弁。
9. 【請求項９】前記ベント（19）は、リサーバと連通する
   ことを特徴とする請求の範囲第８項に記載の比例弁。