JPH066771B2 - クリ−プ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼 - Google Patents
クリ−プ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼Info
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- JPH066771B2 JPH066771B2 JP61160875A JP16087586A JPH066771B2 JP H066771 B2 JPH066771 B2 JP H066771B2 JP 61160875 A JP61160875 A JP 61160875A JP 16087586 A JP16087586 A JP 16087586A JP H066771 B2 JPH066771 B2 JP H066771B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 石油精製工業、石油化学工業および一般化学工業におけ
る各種圧力容器や管類など、高温、高圧水素下で長期間
使用されるプラントの各部位材料に有利に適合するクリ
ープ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼に関す
る。
る各種圧力容器や管類など、高温、高圧水素下で長期間
使用されるプラントの各部位材料に有利に適合するクリ
ープ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼に関す
る。
石油精製工業における重油脱硫装置、原油改質装置等高
温高圧水素下で操業される圧力容器等には、従来耐水素
侵食特性に優れるCr−Mo鋼が使用されてきた。しかし生
産効率化のため操業条件はますます高温化、高水素圧化
の傾向にあり、容器の肉厚等の設計は高温短時間での強
度よりもむしろクリープ強さを基準に決定されるように
なってきた。したがって材料コスト削減、すなわち薄肉
化等のためにクリープ強さの向上がユーザーから強く求
められている。
温高圧水素下で操業される圧力容器等には、従来耐水素
侵食特性に優れるCr−Mo鋼が使用されてきた。しかし生
産効率化のため操業条件はますます高温化、高水素圧化
の傾向にあり、容器の肉厚等の設計は高温短時間での強
度よりもむしろクリープ強さを基準に決定されるように
なってきた。したがって材料コスト削減、すなわち薄肉
化等のためにクリープ強さの向上がユーザーから強く求
められている。
一方、操業条件はますます高温高水素圧化することか
ら、従来鋼に比べて格段に優れた耐水素侵食特性をそな
えていることも必要である。
ら、従来鋼に比べて格段に優れた耐水素侵食特性をそな
えていることも必要である。
(従来の技術) 特開昭56-72156号公報には、Crを含有した低合金鋼にお
いてV,Ti,B等を適度に複合添加して、一定のクリー
プ強度の向上をはかることが開示されている。
いてV,Ti,B等を適度に複合添加して、一定のクリー
プ強度の向上をはかることが開示されている。
しかし、材料コスト削減のため、クリープ強さ向上への
要求は強く、上記公報にて規定された材料でも依然とし
て不十分であった。
要求は強く、上記公報にて規定された材料でも依然とし
て不十分であった。
(発明が解決しようとする問題点) 一般にCr−Mo鋼はオーステナイト領域での焼準または焼
入れ処理後、焼戻しまたは応力除去焼なまし処理(PWHT)
を施してじん性を確保している。焼戻しまたは応力除去
焼なまし処理の条件を緩和すればある程度の強度の向上
を確保することができるが、じん性は著しく劣化する。
じん性を確保しながら強度を著しく向上させるのは通常
成分のCr−Mo鋼では不可能で、合金元素を添加すること
により強度の向上をはかることが必要である。
入れ処理後、焼戻しまたは応力除去焼なまし処理(PWHT)
を施してじん性を確保している。焼戻しまたは応力除去
焼なまし処理の条件を緩和すればある程度の強度の向上
を確保することができるが、じん性は著しく劣化する。
じん性を確保しながら強度を著しく向上させるのは通常
成分のCr−Mo鋼では不可能で、合金元素を添加すること
により強度の向上をはかることが必要である。
また単に熱処理条件を変更することにより、著しく耐水
素侵食性を向上させることは困難である。
素侵食性を向上させることは困難である。
そこで適切な成分の含有によって、クリープ特性および
耐水素侵食特性の優れたCr−Mo鋼を提供することが、こ
の発明の目的である。
耐水素侵食特性の優れたCr−Mo鋼を提供することが、こ
の発明の目的である。
(問題点を解決するための手段) 発明者らはCr含有低合金鋼のクリープ強さおよび水素侵
食特性に及ぼす添加成分の影響を巾広く検討した結果、
Cr鋼をベースとした鋼にV,Wを複合添加するとともに
低N、低Sにした場合、クリープ強さおよび耐水素侵食
特性ともに優れた材料が得られることを見い出し、この
発明に至った。
食特性に及ぼす添加成分の影響を巾広く検討した結果、
Cr鋼をベースとした鋼にV,Wを複合添加するとともに
低N、低Sにした場合、クリープ強さおよび耐水素侵食
特性ともに優れた材料が得られることを見い出し、この
発明に至った。
すなわちこの発明は、C:0.05〜0.20wt%(以下単に%
と示す)、Si:0.50wt%以下、Mn:0.35〜1.5%、Cr:
2.0〜8.0%,Mo:0.1〜1.6%,W:0.50超〜2.5%,
V:0.05〜0.50%およびAl:0.06%以下を含み、かつ
N:0.0050%以下、P:0.010%以下およびS:0.004%
以下に抑制し、残部Feおよび不可避不純物よりなるク
リープ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼(第
1発明)、 第1発明にさらにNi:0.05〜1.0%、Ti:0.005〜0.08
%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.006%、Cu:0.
05〜1.0%およびZr:0.005〜0.06%の1種または2種以
上を含有するクリープ特性および耐水素侵食特性の優れ
た低合金鋼(第2発明)、 第1発明にさらにREM:0.001〜0.10%およびCa:0.0
01〜0.05%の1種又は2種を含有するクリープ特性およ
び耐水素侵食特性の優れた低合金鋼(第3発明)、 第1発明にさらにNi:0.05〜1.0%、Ti:0.005〜0.08
%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.006%、Cu:0.
05〜1.0%、Zr:0.005〜0.06%の1種又は2種以上、お
よびREM:0.001〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%の1
種又は2種を含有するクリープ特性および耐水素侵食特
性の優れた低合金鋼(第4発明)、である。
と示す)、Si:0.50wt%以下、Mn:0.35〜1.5%、Cr:
2.0〜8.0%,Mo:0.1〜1.6%,W:0.50超〜2.5%,
V:0.05〜0.50%およびAl:0.06%以下を含み、かつ
N:0.0050%以下、P:0.010%以下およびS:0.004%
以下に抑制し、残部Feおよび不可避不純物よりなるク
リープ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼(第
1発明)、 第1発明にさらにNi:0.05〜1.0%、Ti:0.005〜0.08
%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.006%、Cu:0.
05〜1.0%およびZr:0.005〜0.06%の1種または2種以
上を含有するクリープ特性および耐水素侵食特性の優れ
た低合金鋼(第2発明)、 第1発明にさらにREM:0.001〜0.10%およびCa:0.0
01〜0.05%の1種又は2種を含有するクリープ特性およ
び耐水素侵食特性の優れた低合金鋼(第3発明)、 第1発明にさらにNi:0.05〜1.0%、Ti:0.005〜0.08
%、Nb:0.005〜0.10%、B:0.0003〜0.006%、Cu:0.
05〜1.0%、Zr:0.005〜0.06%の1種又は2種以上、お
よびREM:0.001〜0.10%、Ca:0.001〜0.005%の1
種又は2種を含有するクリープ特性および耐水素侵食特
性の優れた低合金鋼(第4発明)、である。
なお上記低合金鋼は、通常の手段にて製造される。
(作 用) 次に各成分の限定理由を述べる。
C:0.05〜0.20% Cは強度の確保及び脱酸のために0.05%以上の含有が必
要であるが0.20%をこえると溶接性が劣化するため、0.
05〜0.20%の範囲とする。
要であるが0.20%をこえると溶接性が劣化するため、0.
05〜0.20%の範囲とする。
Si:0.50%以下 Siが0.50%をこえて過剰に含有されると、焼戻しぜい化
感受性が増し、長期間の使用に際し材料がぜい化するお
それがあるので、0.50%以下に限定した。
感受性が増し、長期間の使用に際し材料がぜい化するお
それがあるので、0.50%以下に限定した。
Mn:0.35〜1.5% 1.5%をこえる過度の含有は硬化による加工性の劣化を
まねき、また焼戻しぜい化感受性が増加するので、1.5
%を上限とする。一方、下限は焼入れ性を確保するため
に、0.35%とする。
まねき、また焼戻しぜい化感受性が増加するので、1.5
%を上限とする。一方、下限は焼入れ性を確保するため
に、0.35%とする。
Cr:2.0〜8.0% 耐水素侵食特性の確保のためには少なくとも2.0%の含
有が必要である。しかし8.0%をこえる過剰の含有は原
料コストの上昇を招く一方、含有量に見合った改善効果
は得られないので、2.0〜8.0%の範囲とする。
有が必要である。しかし8.0%をこえる過剰の含有は原
料コストの上昇を招く一方、含有量に見合った改善効果
は得られないので、2.0〜8.0%の範囲とする。
Mo:0.1〜1.6% Moは強度およびじん性の向上に効果があるが、含有量0.
1%未満ではその効果が不十分で、一方1.6%をこえて過
剰に含有させてもその効果は飽和し、不経済であるので
0.1〜1.6%の範囲とした。
1%未満ではその効果が不十分で、一方1.6%をこえて過
剰に含有させてもその効果は飽和し、不経済であるので
0.1〜1.6%の範囲とした。
W:0.50超〜2.5% WはVと組み合わせて0.50%をこえて含有させることに
よりクリープ破断強さ及びじん性の向上をはかることが
できる。しかし2.5%をこえて過剰に含有させた場合、
原料コストが上昇し、かつ含有量の割には向上効果が少
なくなるので、0.1〜2.5%の範囲とする。
よりクリープ破断強さ及びじん性の向上をはかることが
できる。しかし2.5%をこえて過剰に含有させた場合、
原料コストが上昇し、かつ含有量の割には向上効果が少
なくなるので、0.1〜2.5%の範囲とする。
V:0.50〜0.50% VはWと組み合わせて0.50%以上を含有させることによ
りクリープ強さ、耐水素侵食特性、および高温強度の向
上をはかることができる。しかし0.50%をこえる含有は
溶接性および溶接後の応力除去焼なまし時の割れに対す
る特性(耐SR割れ性)を劣化するので、0.50〜0.50%
の範囲とした。
りクリープ強さ、耐水素侵食特性、および高温強度の向
上をはかることができる。しかし0.50%をこえる含有は
溶接性および溶接後の応力除去焼なまし時の割れに対す
る特性(耐SR割れ性)を劣化するので、0.50〜0.50%
の範囲とした。
Al:0.06%以下 AlはNとAlNを形成し、オーステナイト粒の微細化
に有効な成分であるが、0.06%をこえて含有させた場
合、耐水素侵食特性およびクリープ破断強さが低下し、
また熱間加工性の劣化が懸念されるため、0.06%以下と
する。なお下限は0.001%とすることが望ましい。
に有効な成分であるが、0.06%をこえて含有させた場
合、耐水素侵食特性およびクリープ破断強さが低下し、
また熱間加工性の劣化が懸念されるため、0.06%以下と
する。なお下限は0.001%とすることが望ましい。
N:0.0050%以下 低N化により耐水素侵食性が向上し、さらにクリープ強
さが向上すること、また0.0050%をこえて含有させた場
合、ブローホールの発生により製造性が阻害され、溶接
性も劣化するため、0.0050%以下とする。
さが向上すること、また0.0050%をこえて含有させた場
合、ブローホールの発生により製造性が阻害され、溶接
性も劣化するため、0.0050%以下とする。
P:0.010%以下 Pを0.010%をこえて含有させた場合焼戻しぜい化感受
性が増し、高温での長期間の使用にて材料が劣化するの
で、0.010%以下に限定する。
性が増し、高温での長期間の使用にて材料が劣化するの
で、0.010%以下に限定する。
S:0.004%以下 S量を低く抑えることにより水素侵食及び溶接後の応力
除去焼なまし時の割れ(SR割れ)に対する感受性を低
減させることは重要であり、S量を0.004%以下とする
ことで耐水素侵食特性、耐SR割れ性が向上するため、上
限を0.004%とする。
除去焼なまし時の割れ(SR割れ)に対する感受性を低
減させることは重要であり、S量を0.004%以下とする
ことで耐水素侵食特性、耐SR割れ性が向上するため、上
限を0.004%とする。
以上が基本成分である。
また第2発明においては、上記基本成分のほか、以下の
各成分のうち1種又は2種以上を含有する。
各成分のうち1種又は2種以上を含有する。
すなわちNi,Ti,Nb,B,CuおよびZrであり、これらの
成分はいずれも高温強度を向上する同一の作用効果を有
する。
成分はいずれも高温強度を向上する同一の作用効果を有
する。
Ni:0.05〜1.0% Niは高温強度を高め、さらにじん性を向上させるが、0.
05%未満の含有ではその効果は不十分で、一方1.0%を
こえる含有は水素侵食および焼戻しぜい化に対する感受
性が増大するので、0.05〜1.0%の範囲とする。
05%未満の含有ではその効果は不十分で、一方1.0%を
こえる含有は水素侵食および焼戻しぜい化に対する感受
性が増大するので、0.05〜1.0%の範囲とする。
Ti:0.005〜0.08% Tiは高温強度を高め、さらにNを固定してじん性の向上
をはかることができ、そのためには0.005%以上の含有
が必要であるが、0.08%をこえての含有はかえってじん
性を劣化し、また溶接性も悪化するため、0.005〜0.08
%の範囲とする。
をはかることができ、そのためには0.005%以上の含有
が必要であるが、0.08%をこえての含有はかえってじん
性を劣化し、また溶接性も悪化するため、0.005〜0.08
%の範囲とする。
Nb:0.005〜0.10% 高温強度の向上を目的としてNbを含有させるが、その効
果を発揮させるには少なくとも0.005%の含有が必要で
あり、一方、0.10%をこえる含有は、溶接性が劣化する
ので、0.005〜0.10%の範囲とする。
果を発揮させるには少なくとも0.005%の含有が必要で
あり、一方、0.10%をこえる含有は、溶接性が劣化する
ので、0.005〜0.10%の範囲とする。
B:0.0003〜0.006% 適量のBの含有により高温強度を向上させることがで
き、その効果を発揮させるには少なくとも0.0003%の含
有が必要であるが、0.006%をこえる過度の含有は溶接
性が劣化するので、0.0003〜0.006%の範囲とする。
き、その効果を発揮させるには少なくとも0.0003%の含
有が必要であるが、0.006%をこえる過度の含有は溶接
性が劣化するので、0.0003〜0.006%の範囲とする。
Cu:0.05〜1.0% Cuも高温強度を向上させる効果があり、この効果を発揮
させるには0.05以上の含有が必要であるが、1.0%をこ
えて過剰に含有させた場合、赤熱ぜい性を招くので0.05
〜1.0%の範囲とする。
させるには0.05以上の含有が必要であるが、1.0%をこ
えて過剰に含有させた場合、赤熱ぜい性を招くので0.05
〜1.0%の範囲とする。
Zr:0.005〜0.06% 適量のZrの含有により高温強度、さらにじん性を向上さ
せることができる。その効果を発揮させるには少なくと
も0.005%の含有が必要であるが、0.06%をこえて過剰
に含有させた場合、かえってじん性が劣化するので、0.
005〜0.06%の範囲とする。
せることができる。その効果を発揮させるには少なくと
も0.005%の含有が必要であるが、0.06%をこえて過剰
に含有させた場合、かえってじん性が劣化するので、0.
005〜0.06%の範囲とする。
さらに第3発明においては上記基本成分のほか、次に示
すREMおよびCaの1種または2種以上を含有し、また
第4発明において第2発明の成分のほか、次に示すRE
MおよびCaの1種又は2種以上を含有する。なおこの発
明におけるREMは、Yを含む希土類元素から選ばれる
1種又は2種以上を意味し、REMおよびCaはSを固定
して耐水素侵食特性および耐SR割れ性を向上させる同
一の作用効果を有する。
すREMおよびCaの1種または2種以上を含有し、また
第4発明において第2発明の成分のほか、次に示すRE
MおよびCaの1種又は2種以上を含有する。なおこの発
明におけるREMは、Yを含む希土類元素から選ばれる
1種又は2種以上を意味し、REMおよびCaはSを固定
して耐水素侵食特性および耐SR割れ性を向上させる同
一の作用効果を有する。
REM:0.001〜0.10% REMを含有させる目的はSを固定して耐水素侵食特性
および耐SR割れ性を向上させることにあり、そのため
には0.001%以上の含有が必要である。しかし0.10%を
こえて含有させた場合、じん性が劣化するので、0.001
〜0.10%の範囲とする。
および耐SR割れ性を向上させることにあり、そのため
には0.001%以上の含有が必要である。しかし0.10%を
こえて含有させた場合、じん性が劣化するので、0.001
〜0.10%の範囲とする。
Ca:0.001〜0.05% CaもREMと同様に0.001%以上の含有によりSを固定
して耐水素侵食特性および耐SR割れ性を向上させる。
しかし0.05%以上の含有の場合鋼中の介在物が多くな
り、じん性等に悪影響を及ぼすので、0.001〜0.05%の
範囲とする。
して耐水素侵食特性および耐SR割れ性を向上させる。
しかし0.05%以上の含有の場合鋼中の介在物が多くな
り、じん性等に悪影響を及ぼすので、0.001〜0.05%の
範囲とする。
(実施例) 表1に示す組成の鋼を、それぞれ真空溶解炉にて溶製
し、次いで16mm厚に熱間圧延後1050℃で2時間保持して
焼入れ、690℃で24.5時間の応力除去焼なまし処理(PWH
T)を行って試料とした。焼入れ(800℃→400℃)の平均
冷却速度は15℃/minにコントロールした。この冷却速度
は300mm厚の鋼板を水冷した場合の中心部の冷却速度に
相当する。
し、次いで16mm厚に熱間圧延後1050℃で2時間保持して
焼入れ、690℃で24.5時間の応力除去焼なまし処理(PWH
T)を行って試料とした。焼入れ(800℃→400℃)の平均
冷却速度は15℃/minにコントロールした。この冷却速度
は300mm厚の鋼板を水冷した場合の中心部の冷却速度に
相当する。
PWHT後クリープ試験および水素侵食試験を行った。
耐水素侵食特性の評価は、試料を600℃、500kgf/cm2の
高温、高圧水素に最高2000時間暴露後、シャルピー衝撃
試験を0℃にて行い、そのときの吸収エネルギーvE0と
暴露時間との関係を調べ、vE0の低下の始まる時間を水
素侵食の潜伏期とし、この潜伏期を耐水素侵食特性の指
標とした。
高温、高圧水素に最高2000時間暴露後、シャルピー衝撃
試験を0℃にて行い、そのときの吸収エネルギーvE0と
暴露時間との関係を調べ、vE0の低下の始まる時間を水
素侵食の潜伏期とし、この潜伏期を耐水素侵食特性の指
標とした。
表1に、クリープ試験結果および水素侵食の潜伏期の測
定結果を示す。また第1図に、表1に示すクリープ破断
までの時間および試験温度を、ラーソンミラーパラメー
タにて整理した上で負荷応力との関係として示す。
定結果を示す。また第1図に、表1に示すクリープ破断
までの時間および試験温度を、ラーソンミラーパラメー
タにて整理した上で負荷応力との関係として示す。
表1および第1図から、この発明に適合する鋼は比較例
に比べ、クリープ破断強さが格段に高く、また耐水素侵
食特性も優れていることがわかる。
に比べ、クリープ破断強さが格段に高く、また耐水素侵
食特性も優れていることがわかる。
(発明の効果) この発明に従う鋼は高いクリープ破断強さおよび優れた
耐水素侵食特性をそなえ、したがって高温、高圧水素下
にて長期間操業される圧力容器および管類用材料に有利
に適合する。
耐水素侵食特性をそなえ、したがって高温、高圧水素下
にて長期間操業される圧力容器および管類用材料に有利
に適合する。
第1図は、クリープ破断応力とラーソンミラーパラメー
タとの関係を示すグラフである。
タとの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 修三 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 藤田 利夫 東京都文京区向丘1丁目14の4 (56)参考文献 特開 昭61−52354(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】C:0.05〜0.20wt%, Si:0.50wt%以下、 Mn:0.35〜1.5wt%、 Cr:2.0〜8.0wt%, Mo:0.1〜1.6wt%, W:0.50超〜2.5wt%, V:0.05〜0.50wt%および Al:0.06wt%以下を含み、かつ N:0.0050wt%以下、 P:0.010wt%以下および S:0.004wt%以下に抑御し、 残部Feおよび不可避不純物よりなるクリープ特性およ
び耐水素侵食特性の優れた低合金鋼。 - 【請求項2】C:0.05〜0.20wt%, Si:0.50wt%以下、 Mn:0.35〜1.5wt%、 Cr:2.0〜8.0wt%, Mo:0.1〜1.6wt%, W:0.50超〜2.5wt%, V:0.50〜0.50wt%および Al:0.06wt%以下を含み、かつ N:0.0050wt%以下、 P:0.010wt%以下および S:0.004wt%以下に抑制し、 さらにNi:0.05〜1.0wt%,Ti:0.005〜0.08wt%,Nb:
0.005〜0.10wt%,B:0.0003〜0.006wt%,Cu:0.05〜
1.0wt%およびZr:0.005〜0.06wt%の1種又は2種以上
を含有し、残部Feおよび不可避不純物よりなるクリープ
特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼。 - 【請求項3】C:0.05〜0.20wt%, Si:0.50wt%以下、 Mn:0.35〜1.5wt%、 Cr:2.0〜8.0wt%, Mo:0.1〜1.6wt%, W:0.50超〜2.5wt%, V:0.05〜0.50wt%および Al:0.06wt%以下を含み、かつ N:0.0050wt%以下、 P:0.010wt%以下および S:0.004wt%以下に抑御し、 さらにREM:0.001〜0.10wt%およびCa:0.001〜0.05wt
%の1種又は2種を含有し、残部Feおよび不可避不純物
よりなるクリープ特性および耐水素侵食特性の優れた低
合金鋼。 - 【請求項4】C:0.05〜0.20wt%, Si:0.50wt%以下、 Mn:0.35〜1.5wt%以下、 Cr:2.0〜8.0wt%, Mo:0.1〜1.6wt%, W:0.50超〜2.5wt%, V:0.05〜0.50wt%および Al:0.06wt%以下を含み、かつ N:0.0050wt%以下、 P:0.010wt%以下および S:0.004wt%以下に抑制し、 さらにNi:0.05〜1.0wt%,Ti:0.005〜0.08wt%,Nb:
0.005〜0.10wt%, B:0.0003〜0.006wt%,Cu:0.05〜1.0wt%,Zr:0.00
5〜0.06wt%の1種または2種以上、およびREM:0.0
01〜0.10wt%,Ca:0.001〜0.005wt%の1種又は2種を
含有し、残部Fe及び不可避不純物よりなるクリープ特性
および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61160875A JPH066771B2 (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | クリ−プ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61160875A JPH066771B2 (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | クリ−プ特性および耐水素侵食特性の優れた低合金鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6318038A JPS6318038A (ja) | 1988-01-25 |
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