JPH0666845U - 連続鋳造設備用鋳型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳型の長辺壁および短辺壁の全てを可変とす
ることにより幅および厚みを自在に調整できるようにす
る。 【構成】 鋳型の長辺壁２と短辺壁３の各背面に球面座
８を配設し、この球面座８に接合する駆動可能な支持棒
１０を介して、基準長辺を基準位置に支持させ、他方の
長辺および両短辺をそれぞれ上下、左右方向に移動可能
とすることにより、幅および厚みの同時変更を実現す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は幅および厚みを任意に調整することができる連続鋳造設備用鋳型の改 良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一方の鋳型長辺を定位置にセットし、これに相対するもう一方の鋳型長辺およ びこれと組み合う２枚の鋳型短辺を移動可能にして巾と厚さを共に調整できるよ うにした巾および厚さ可変鋳型は公知である。かかる巾および厚さ可変鋳型によ ると定位置にセットされた１つの長辺を基準にして鋳型形状が決まるため、大断 面の鋳片ではその中心ラインが大きく変位し、鋳型下部のサポート部では短辺の 中心がサポートされず、鋳辺の品質に悪影響を及ぼす欠点がある。

【０００３】 前記の欠点を解決するため実開平４−28682 号公報には、位置検出装置を備え たウォームジャッキで支持された鋳型の互に対をなす長辺壁および短辺壁が各辺 壁の一方の側端面をこれと隣接する辺壁の内面に対して横方向に移動自在な状態 に組み合わせ、前記各ウォームジャッキを支持するブロックがコモンベース上で 各辺壁の長手方向に沿って移動自在に支持され、前記各ブロックに各辺壁の一方 の側端面をこれに相対向する辺壁の内面に対して押圧可能な油圧シリンダを連結 して鋳型の各長辺および短辺すべてを可動構造とした連続鋳造設備用鋳型が開示 されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記公報に開示された鋳型の幅および厚さ替えをマシン上で鋳型の各長辺およ び短辺すべてを可動構造とするが、各長短辺の傾斜角が変更できないため、サイ ズ変更しても鋳片の凝固収縮に合った傾斜角度とならず安定した連続鋳造を行う ことができないという欠点があった。

【０００５】 本考案は、前記従来技術の問題点を解決するため長辺壁と短辺壁を可動構造と すると共に傾斜角度を変更することができる連続鋳造用鋳型を提供することを目 的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するための本考案は、互に対をなす長辺壁および短辺壁が各辺 壁の一方の側端面にこれと隣接する辺壁の内面に対して横方向に移動自在に組み 合わせた連続鋳造設備用鋳型において、コモンベースにベアリングを介して上下 、左右方向に移動自在に球面座を上下２箇所に配設し、この球面座に球面接合す る支持棒を介して基準になる長辺壁の背面を支持させ、他方の長辺壁と両短辺壁 の各背面ならびに各辺壁の他方の側端面を、それぞれ対応するコモンベースにベ アリングを介して上下、左右方向に移動自在に伸縮アクチュエータを上下に配設 し、この伸縮アクチュエータに接続して球面座を設け、この球面座に球面接合す る支持棒を介して支持させたことを特徴とする連続鋳造設備用鋳型である。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の構成および作用を実施例に基づいて説明する。 本考案の連続鋳造設備用鋳型は図１に平面図で示すよう互に対をなす長辺壁２ 、２’および短辺壁３、３が各辺壁の一方側の側端面２Ａ、３Ａをこれと隣接す る辺壁の内面２Ｂ、３Ｂに対し横方向に移動自在な状態で組み合わせてある。基 準となる長辺壁２側では、コモンベース１に設けた固定フレーム４に横方向に移 動可能なベアリング５を介して横行フレーム６が設けてある。この横行フレーム ６に上下方向に移動可能なベアリング７を介して球面座８が上下動可能に設けて あり、この球面座８に球面接合する支持棒10を介して鋳型下部のサポート部分の 基準となる長辺壁２の背面が支持されている。

【０００８】 一方、基準となる長辺壁２と対をなす反基準側の長辺壁２’においては、コモ ンベース１に設けた固定フレーム４に横方向に移動可能なベアリング５を介して 横行フレーム６が設けてあり、この横行フレーム６上に上下方向に移動可能なベ アリング７を介して上下動可能に伸縮アクチュエータ９が設置されている。さら に伸縮アクチュエータ９には球面座８が設けてあり、この球面座８に球面接合す る支持棒10を介して長辺壁２’の背面が支持されている。

【０００９】 また対をなす短辺壁３においても、反基準側の長辺壁２’と同様にコモンベー ス１に設けた固定フレーム４に横方向に移動可能なベアリング５を介して横行フ レーム６が設けてあり、この横行フレーム６上に上下方向に移動可能なベアリン グ７を介して上下動可能に伸縮アクチュエータ９が設置されている。さらに伸縮 アクチュエータ９には球面座８に接合する支持棒10を介して短辺壁の背面が支持 されている。

【００１０】 さらに各長辺壁２および短辺壁３が各辺壁の他方側の側端面２Ｃ、３Ｃ側にお いても同様にして、コモンベース１に設けた固定フレーム４に横方向移動可能な ベアリング５を介して横行フレーム６が設けてあり、この横行フレーム６上に上 下方向に移動可能なベアリング７を介して上下動可能に伸縮アクチュエータ９’ が設置されている。この伸縮アクチュエータ９’には球面座８に接合する支持棒 10を介して長辺壁２および短辺壁３の長手方向角度を調整することができるよう になっている。

【００１１】 なお、図１において12は浸漬ノズルを示す。また図２に示すように前記の固定 フレーム１、ベアリング５、横行フレーム６、ベアリング７、伸縮アクチュエー タ９、球面座８および支持棒10からなる各長辺壁２および短辺壁３の進退支持手 段は、いずれも上下２箇所に配置されている。 次に本考案の作用について説明する。

【００１２】 まず鋳型のサイズを縮小する場合について説明すると、基準側の長辺壁２を除 く、長辺壁２と両短辺壁３に対応する各伸縮アクチュエータ９を伸長させると同 時に側端面に対応する各伸縮アクチュエータ９’を同調して縮小させ、これによ って設定どおりの鋳片断面サイズおよび各辺の傾斜角度になるまで移動させる。 この時、各長辺壁２および短辺壁の横方向移動はベアリング５を介する横行フレ ーム６の移動によって許容され、図３および図４に示すように長辺壁２および短 辺壁３の傾斜角度変更は側端面に対応する伸縮アクチュエータ９’、球面座８に 球面接合する支持棒10および上下方向に移動可能なベアリング７によって許容さ れ、各辺の一方側の側端面２Ａ、３Ａと各辺の内面とが隙間を生ずることなく接 触させることができる。

【００１３】 鋳型のサイズを拡大する場合には、前述手順と逆の手順により容易に実施する ことができる。各辺の移動速度を考慮して徐々に移動させれば、連続鋳造中に鋳 型の幅および厚みを変更することも可能である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、鋳型のサイズおよび傾斜角度を任意に変えることができ、か つ各辺の鋳造方向の傾斜角を自由に変えられるので、任意な形状の鋳片を安定的 に連続鋳造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視を示す断面図である。

【図３】本考案に係る鋳型を長辺壁側から見た説明図で
ある。

【図４】本考案に係る鋳型を短辺壁側から見た説明図で
ある。

【符号の説明】

１ コモンベース ２ 長辺壁 ３ 短辺壁 ４ 固定側フレーム ５ ベアリング（横方向） ６ 横行フレーム ７ ベアリング（上下方向） ８ 球面座 ９ 伸縮アクチュエータ 10 支持棒 11 浸漬ノズル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 互に対をなす長辺壁および短辺壁が各辺
   壁の一方の側端面にこれと隣接する辺壁の内面に対して
   横方向に移動自在に組み合わせた連続鋳造設備用鋳型に
   おいて、コモンベースにベアリングを介して上下、左右
   方向に移動自在に球面座を上下に配設し、この球面座に
   球面接合する支持棒を介して基準になる長辺壁の背面を
   支持させ、他方の長辺壁と両短辺壁の各背面ならびに各
   辺壁の他方の側端面を、それぞれ対応するコモンベース
   にベアリングを介して上下、左右方向に移動自在に伸縮
   アクチュエータを上下に配設し、この伸縮アクチュエー
   タに接続して球面座を設け、この球面座に球面接合する
   支持棒を介して支持させたことを特徴とする連続鋳造設
   備用鋳型。