JPH0665960B2 - 直交流式冷却塔用の充填材ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は直交流式冷却塔用の充填材ユニットに関する
ものである。

（従来の技術） 一般的にこの種の直交流式冷却塔の排気口より冬期にお
いて白煙が発生すると、外気を汚染しているような嫌悪
感を近隣居住者が感じ、また夜間においてはこれに赤い
光線が当ると火災と見間違うおそれがあり、近隣住民の
精神衛生又は消防活動に支障を来すおそれがあり、白煙
発生防止型のものが開発される傾向にある。

既にこの出願の出願人会社においても、実公昭58−4278
1号及び特公昭59−24788号において、排気口近傍または
この中に、被冷却水のうち、まだ冷却されていない温水
を通すコイルを設けたり、或はヒートパイプなどを施し
て、排気する空気を若干加熱して外部に排気する装置を
開発し、一応の成果を治めている。

（発明が解決しようとする課題） 然ながら、これら特別な温水コイルや、ヒートパイプは
相当高価であるし、冷却塔自体に、これらのものを組み
込むため特別な構造としなければならず、冷却塔本体の
コストを押し上げ普及に今一歩の感がある。

この発明は、簡易な構造により乾き空気を発生させ、湿
り空気とこの乾き空気との混合に伴い、直交流式冷却塔
の排気口からの白煙の発生を防止可能な直交流式冷却塔
用充填材ユニットを市場に提供することを目的とする。

ロ．発明の構成 （課題を解決するための手段） 前記課題を解決するために、この発明の直交流式冷却塔
用の充填材ユニットは被冷却水が散布されて流下する凹
凸部を表面にもつ充填材板が冷却塔の外気取入口の幅方
向にわたり多数並列に間隔をおいて起立させて設けて成
る直交流式冷却塔用充填材ユニットにおいて、前記多数
の充填材板間のうち、任意間隔ごとに少なくとも１間隔
おきの充填材間に空気のみが吸入側から放出側に亘って
通過する空気専用通路が形成してあり、残りの充填材板
間には気液接触通路が形成してあり、前記空気専用通路
の天井部は、相隣る充填材板の上端に冠着した散水除け
笠板で塞いで形成してあり、数個ある前記笠板のうち、
少なくとも一部のものは水平軸周りに翻転する開閉式と
してあることを特徴とする。

（作 用） このように構成したこの発明の作用をその使用方法と共
に説明する。

前記充填材ユニットを通常の直交流式冷却塔の上部水槽
の下側であって、この冷却塔の外気取入口から取り入れ
た水平空気流に対して前記空気専用通路が平行となるよ
うに、この冷却塔の外筐内に装填する。

次いで、冷却塔を運転し、通常の直交流型冷却塔同様上
部水槽に冷却すべき被冷却水を供給すると、この被冷却
水は充填材ユニットに一様に散布され、前記気液接触通
路に沿い流下してゆき、濡れ壁を形成する。

他方前記外気取入口よりそれぞれ吸い込まれた空気は、
前記気液接触通路においては被冷却水と直接接触し、気
化の潜熱によって流下する被冷却水を流下中に冷却する
と共に、この空気は湿り空気となる。

更に前記空気専用通路を通過中の空気は、充填材板の壁
面を介して被冷却水と間接的に接触し加熱された乾き空
気となり、冷却塔の中心部の空間において、前記湿り空
気と共に冷却塔に設けた上方の排気口に向け上昇しなが
ら混合し、湿度の高い梅雨時や冬期において白煙を伴わ
ずに外部に排気される。

更に、空気専用通路の天井部が相隣る充填材板の上端に
冠着した前記笠板で形成してあり、この笠板の少なくと
も一部を水平軸周りに翻転する開閉式とすることによ
り、前記笠板を単に開閉することで、空気専用通路の数
を増減変更して、夏期など必要度の少ないときは全開状
態として冷却塔全体の熱交換率を有効に利用する。

（実施例） 次にこの発明の代表的な実施例に基ずき説明する。

第１図において、10は被冷却水が散布されて流下する凹
凸部を表面にもつ充填材板11が冷却塔の外気取入口の幅
方向にわたり多数並列に間隔をおいて起立させて設けて
なる直交流式冷却塔用充填材ユニットである。

前記多数の充填材板11の間のうち、少なくとも１つ置き
の間に、空気のみが通過する空気専用通路12が設けてあ
る。

各空気専用通路12の天井部は、相隣る充填材板11の上端
に冠着した細長い散水除け笠板13で塞いで形成されてい
る。

前記笠板13が冠着されていない残りの充填材板間に気液
接触通路14が形成してある。

前記笠板13は図示するように水平軸周りで翻転する開閉
式としてある。なお任意個のものを個別若しくは連動さ
せ、空気専用通路12と気液接触通路14との比が可変式に
してあってもこの発明の範囲に属する。

前記笠板13の翻転範囲は、ほゞ垂直な開放位置から隣接
する充填材間にまたがる閉鎖位置の間としてある。

前記実施例の直交流式冷却塔用の充填材ユニットの作用
はこの発明の作用と同一であり、重複を避けるためここ
での説明を省略する。

ハ．発明の効果 前記のように構成し作用する発明においてはユニットに
散布された被冷却水が全く流れない前記空気専用通路を
前記のように設けたから、これら空気専用通路を通過す
る空気は被冷却水と充填材板の壁面を介して、間接的に
接触し加熱されるため絶対湿度を一定として、温度だけ
上昇した乾き空気となり、前記気液接触通路において冷
却塔の外気取入口から取り込まれた空気は被冷却水と直
接接触することで絶対湿度が高くなった湿り空気とな
り、この乾き空気と湿り空気とを、単一の充填材ユニッ
トで平行して生成することができ、このような充填材ユ
ニットを直交流式冷却塔に組み込むことで、湿り空気と
これよりも温度の高い乾き空気とを共に上昇させ、排気
口の送風機でこれら２種の空気を混合し、この混合空気
を過飽和空気とせずに、白煙を伴わずに外気へ排気でき
る。

更に、空気専用通路の天井部が相隣る充填材板の上端に
冠着した前記で形成してあり、この笠板の少なくとも一
部を水平軸周りに翻転する開閉式とすることにより、前
記笠板を単に開閉することで空気専用通路の数を増減変
更でき、夏期など必要度の少ないときは全開状態として
冷却塔全体の熱交換効率を有効に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の代表的な実施例である。 図中の主な符号の説明 10……充填材ユニット、11……充填材板、 12……空気専用通路、13……笠板、 14……気液接触通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被冷却水が散布されて流下する凹凸部を表
   面にもつ充填材板が冷却塔の外気取入口の幅方向にわた
   り多数並列に間隔をおいて起立させて設けて成る直交流
   式冷却塔用充填材ユニットにおいて、 前記多数の充填材板間のうち、任意間隔ごとに少なくと
   も１間隔おきの充填材間に空気のみが吸入側から放出側
   に亘って通過する空気専用通路が形成してあり、残りの
   充填材板間には気液接触通路が形成してあり、前記空気
   専用通路の天井部は、相隣る充填材板の上端に冠着した
   散水除け笠板で塞いで形成してあり、数個ある前記笠板
   のうち、少なくとも一部のものは水平軸周りに翻転する
   開閉式としてあることを特徴とする直交流式冷却塔用の
   充填材ユニット。