JPH0665168A - グリシンの精製方法 - Google Patents

グリシンの精製方法

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JPH0665168A
JPH0665168A JP22036892A JP22036892A JPH0665168A JP H0665168 A JPH0665168 A JP H0665168A JP 22036892 A JP22036892 A JP 22036892A JP 22036892 A JP22036892 A JP 22036892A JP H0665168 A JPH0665168 A JP H0665168A
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JP
Japan
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glycine
water
ammonia
crystal
carbon dioxide
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Pending
Application number
JP22036892A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Ihara
達也 井原
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水の存在下、グリコロニトリル、二酸化炭素
およびアンモニアを反応させて成る反応液を晶析して得
たグリシンの結晶を、水で再溶解し、次いで、該溶解液
に水に可溶性の有機溶媒を添加することによりグリシン
を再晶析させることを特徴とするグリシンの精製法。 【効果】 高純度のグリシンを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグリシンの精製方法に関
する。詳しくは、グリコロニトリル、アンモニアおよび
二酸化炭素を反応させて得られるグリシンの精製方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グリシンの製造方法としては、モ
ノクロル酢酸のアミノ化法、ストレッカー法等の他に、
シアン化水素とホルムアルデヒドを原料として得られる
ヒダントインを経由するヒダントイン法が知られてい
る。このヒダントイン法は、副生成物が多いので、該生
成物よりグリシンを効率よく精製する必要がある。この
場合のグリシンの精製法として、最も一般的な方法は、
晶析法である。晶析法としては、通常、グリシンを含む
反応液を濃縮、冷却し、グリシンの結晶を析出させる方
法が採用される。
【0003】更に、該結晶には、副生成物または着色物
質がなお付着しているために、該結晶を、水、もしく
は、水を含有したメタノールあるいはアセトンを洗浄液
とし、結晶を洗浄する方法が提案されている(特開平2
−250854号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
洗浄液によるグリシン結晶の洗浄方法では、洗浄液の組
成や量の加減により、不純物との分離、脱色が充分でな
かったり、また、グリシンが溶解してロスし、結晶の回
収率が低下する等の問題が生じやすい。従って、結晶の
洗浄操作はできる限り注意深く行う必要がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記の問題点に鑑み、更に効率的なグリシンの精製方法に
つき鋭意検討したところ、一度、晶析して得たグリシン
の粗結晶を水で再溶解し、次いで、該溶解液に特定の有
機溶媒を添加して再晶析することにより、比較的簡便な
操作で高純度のグリシンが得られることを見い出し、本
発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、水の存在下、
グリコロニトリル、二酸化炭素およびアンモニアを反応
させて成る反応液を晶析して得たグリシンの結晶を、水
で再溶解し、次いで、該溶解液に水に可溶性の有機溶媒
を添加することによりグリシンを再晶析させることを特
徴とするグリシンの精製方法に存する。以下、本発明に
つき詳細に説明する。
【0007】本発明で対象とするグリシンは、水の存在
下、グリコロニトリル、二酸化炭素およびアンモニアを
反応させることにより得られる。グリコロニトリルは、
通常、反応系にグリコロニトリルそのものを仕込んだも
のを使用するが、反応条件下でグリコロニトリルを生成
し得る化合物も使用することもできる。該化合物として
は、シアン化水素とホルムアルデヒドの混合物、あるい
はシアン化ナトリウムとパラホルムアルデヒドの混合物
等が挙げられる。
【0008】二酸化炭素及びアンモニアについても、通
常、これらをそのまま使用すればよいが、反応条件下で
これらの化合物を生成するような化合物、例えば、炭酸
アンモニウム、重炭酸アンモニウム等を使用することも
できる。以上のグリシンの生成反応は、水溶媒中で実施
される。グリコロニトリルの使用量は水に対して、通常
0.01〜0.5重量倍量である。アンモニアの使用量
はグリコロニトリルの使用量に対して、通常1〜50モ
ル倍量である。また、二酸化炭素の使用量は、アンモニ
アに対して、通常0.5〜2.0モル倍量、好ましくは
0.9〜1.1モル倍量である。反応温度は、特に制限
はないが、低い方が収率が向上し、また、着色も少なく
なるが、反応速度が遅くなるので、好ましくは100〜
200℃の範囲に設定する。また、反応圧力について
も、特に制限はなく、反応器の耐圧も考慮し、反応中
に、系内で発生するガスを適宜パージしても特に支障は
ない。なお、反応形式についても特に制限はなく、回分
式、流通式、半流通式のいずれでもよい。
【0009】上記の方法で得られる反応液中にはグリシ
ンの他に、ヒダントイン酸、グリシルグリシン、2,5
−ジケトピペラジン、ヒダントインアミド等の副生成物
が含有されている。そこで、該反応液から晶析により、
グリシンを結晶として単離する。晶析の操作としては、
一般的には、反応液を、通常50〜150℃の温度範囲
において濃縮し、反応液中の水の大部分、また、アンモ
ニア及び二酸化炭素を分離、除去する。次に、濃縮され
た反応液を通常5〜50℃まで冷却することにより、析
出したグリシンの粗結晶を濾別分離する。
【0010】本発明のグリシンの精製方法では、次に、
以上のようにして得られた粗結晶を水で再溶解する。該
溶解液中のグリシン濃度は、通常20〜70重量%、好
ましくは30〜50重量%である。該濃度が低すぎると
グリシンを再晶析する場合の回収率が低下するし、該濃
度が高すぎると不純物との分離効率が低下するので、各
々好ましくない。
【0011】更に、上記のグリシン溶解液には、水に可
溶性の有機溶媒を、グリシンに対して、通常1〜20重
量倍量、好ましくは5〜15重量倍量添加することでグ
リシンを再晶析する。再晶析の温度は、通常5〜80
℃、好ましくは20〜60℃である。本発明の水に可溶
性の有機溶媒とは、以上の条件範囲においてグリシン溶
解液中の水と均一に混合するものである。かかる水に可
溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール等の
アルコール類、アセトン、メシチルオキサイド等のケト
ン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の脂環式エー
テル類、ジアセトンアルコール等のケトアルコール類、
2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等のラクトン
類、その他アセトニトリル等が例示されるが、通常、メ
タノール、アセトンが好ましい。再晶析によって得られ
たグリシンの精製結晶は、常法に従い、濾別し、乾燥す
ることにより最終製品とされる。
【0012】
【実施例】本発明の方法を実施例により、更に説明す
る。なお、グリシンの純度は液体クロマグラフィーによ
り分析した。
【0013】実施例1 Ti製オートクレーブを用いて、グリコロニトリル/N
3 /炭酸ガス/水=1:2:2:50(モル比)の混
合物を165℃で3時間反応を行った。得られた反応液
から、80℃で減圧、濃縮し、更に、室温まで冷却し、
析出したグリシンの粗結晶(I)を濾別した。このとき
のグリシンの粗結晶の純度は88.0%であった。次
に、この粗結晶100重量部を水に200重量部に溶解
させた。このグリシン水溶液に825重量部のメタノー
ルを加えて常温で15分間再晶析後、濾別し、その後減
圧乾燥器で100℃、3時間乾燥させた。得られた結晶
の純度は99.5%であった。また、グリシンの回収率
は90.5%であった。
【0014】実施例2 溶媒をメタノールからアセトンに変更した以外は、実施
例1と同様な方法でグリシンの再晶析実験を行った。得
られたグリシン結晶の純度は99.2%、回収率は9
2.3%であった。
【0015】実施例3 溶媒をメタノールからジアセトンアルコールとし、40
℃で再結晶した他は実施例1と同様な方法でグリシンの
晶析実験を行った。得られたグリシン結晶の純度は9
9.3%、回収率は92.0%であった。
【0016】比較例1 実施例1における粗結晶(I)を2.0重量倍の水に溶
解させ、更に110℃で3時間撹拌ののち、20℃に冷
却し再晶析させた。結晶を濾別しさらに減圧乾燥器で1
00℃で3時間乾燥させた。得られたグリシン結晶の純
度は90.0%、回収率は37.2%であった。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法により、グリシン結晶を注
意深く溶媒で洗浄するというような操作を行うことな
く、簡便な操作により高純度のグリシンを効率よく得る
ことができる。そして、グリシンは、食品添加物、農
薬、医薬の原料として広く使用されている有効な化合物
であり、本発明の工業的利用価値は多大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の存在下、グリコロニトリル、二酸化
    炭素およびアンモニアを反応させて成る反応液を晶析し
    て得たグリシンの結晶を、水で再溶解し、次いで、該溶
    解液に水に可溶性の有機溶媒を添加することによりグリ
    シンを再結晶させることを特徴とするグリシンの精製方
    法。
JP22036892A 1992-08-19 1992-08-19 グリシンの精製方法 Pending JPH0665168A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113200882A (zh) * 2021-04-30 2021-08-03 铂尊投资集团有限公司 一种非醇析的甘氨酸结晶方法
CN114539081A (zh) * 2022-03-07 2022-05-27 扬州大学 一种利用n,n-二丁基乙醇胺分离提纯甘氨酸的方法

Cited By (3)

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